「アマゾンの戦略とイノベーション」 中山智是

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アマゾンの戦略とイノベーション

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2014年7月19日(土)中山智是

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抑えておきたい3つのポイント•お客様第一主義•急ピッチの拡大戦略によって競合の追随を許さない•ローエンド型の破壊的イノベーション

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1,企業理念と企業戦略 2,経営と製品進化の奇跡 2 - 1,アマゾンの生い立ち 2 - 2,ベンチャーキャピタルによる出資と株式公開 2 - 3,取扱商品の拡大とロジスティックス 2 - 4,戦略的提携と企業買収 2 - 5,バーンズ&ノーブルとの攻防 2 - 6,通年での黒字化達成と安定成長軌道 2 - 7,世界市場の拡大 2 - 8,新たな事業の展開3,事業領域と事業モデル 3 - 1,事業領域と事業ドメイン 3 - 2,事業モデル4,オンライン書店の戦略展開とイノベーション 4 - 1,重要なる3つの戦略の推進 4 - 2,販売チャネルと市場拡大を図るための3つの戦略的機能 4 - 3,ローエンド型破壊によるイノベーション5,キンドルのビジネスモデル 5 - 1,顧客価値創出のための戦略モデル 5 - 2,流通形態 5 - 3,利益創出のための収益モデル6,最新の動向

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1,企業理念と企業戦略

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1,企業理念と企業戦略< 企業理念 >「わたしたちのコンセプトは、モノを売ることではなく、『お客様が購買する決断を助けること』」地球上で最もお客様を大切にする企業でありたい。( http://www.amazon-jp-newgrads.com/company/concept.html)< 企業文化 >「種をまいて大きな木へ育つのをじっくり待とう」※ 新規事業の種をまいてから利益が出始めるまでには、おおよそ5年~7年くらいはかかる(ベゾス) 「一貫したお客様第一主義( customer-focused)」※ お客様にとって望ましい選択肢は何か(お客様の知恵)を常に問い続けることこそ普遍の真理。(ベゾス)※ 後世の人たちから「産業界に本物の顧客志向を浸透させた」として称えられる企業を築くのが自分の夢である(ベゾス) アマゾンにとって大きな競争優位の源泉

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2,経営と製品進化の奇跡 2 - 1,アマゾンの生い立ち 2 - 2,ベンチャーキャピタルによる出資と株式公開 2 - 3,取扱商品の拡大とロジスティックス 2 - 4,戦略的提携と企業買収 2 - 5,バーンズ&ノーブルとの攻防 2 - 6,通年での黒字化達成と安定成長軌道 2 - 7,世界市場の拡大 2 - 8,新たな事業の展開

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2,経営と製品進化の奇跡

アマゾンはリアルの書籍販売ビジネスなどをそのままネットに持ち込んで、インターネット・ビジネスの展開を試みた・・・。

2つの大きな脅威が潜んでいた・既存書籍小売店という競合の存在・全体最適を目指したロジスティックスによるコスト拡大その結果・・・収支の黒字化を達成するのに設立から9年を費やすことになった。

しかし・・・

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2 - 1,アマゾンの生い立ち1994年7月、ジェフ・プレストン・ベゾス( Jeffrey Preston “Jeff” Bezos )により設立・ベゾスはアマゾン設立以前、ヘッジファンド会社 D ・ E ・ショー&カンパニーの上級副社長を務めていたが、当時インターネットが一般に普及し始めた時期であったことから、 Eコマースが大きなビジネスになると考えた。

1995年6月 アマゾン・ドットコム・インコーポレーションを WEB上に創設当初、取り扱い商品を5品目(書籍、ビデオ、 CD 、コンピュータのソフトウェアとハードウェア)に厳選。

・安価である・タイトル数が世界で約300万に及ぶ・オフラインの市場規模で考えると820億ドルだった

その中で・・・書籍を選択 市場の可能性を把握 大規模店でも20万ほどのタイトルオンラインならばその倍も可能

当初から、4・5年は利益が出ない事業であると見通していた8

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2 - 2,ベンチャーキャピタルによる出資と株式公開1996年6月、クライナー・パーキンズ・コーフィールド・アンド・バイヤーズから800万ドルの出資を受ける。

1997年5月 赤字経営であったにもかかわらず、ナスダック全米店頭市場に普通株式の上場を果たす!上場を果たしたものの・・・

ロジスティックスに依存するビジネスモデルをとっていたことから、巨大な配送センターに莫大な先行投資がかかるため、事業開始から長年にわたり赤字を計上し続けた。・利益が出ない・社債や転換社債の発行多くの機関投資家はアマゾンを敬遠した。 9

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2 - 3,取扱商品の拡大とロジスティックス1995年6月 創業当初 オンライ書店1998年6月 アマゾン・ドットコム・ミュージックストア事業開始1998年11月 アマゾン・ドットコム・ビデオストア事業開始1999年11月 オンラインのオークションサービス事業開始

アマゾンは創業以来事業拡大を急ピッチで推進→拡大戦略の推進により事業基盤を早期に固めることが既存の業界大手ブランドの追随を許さないことにつながる拡大に伴い・・・

全体最適化された物流システムが機能しないと、稼働率の低下を招き収益を圧迫することになる。→ ロジスティックスの見直し→ 物品管理(フリーロケーション)

1999年末までには、顧客数1690万人顧客リピート率 70%以上

取扱数 450万アイテム

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1998年4月 インターネット・ムービー・データベース買収1998年8月 プラネットオール買収1999年2月 ドラッグストア・ドットコムに出資1999年3月 ペット・ドットコムに資本参加1999年4月 ライブビット・ドットコム買収( vs イーベイ ⇒結果は芳しくなかった)1999年5月 ホームグローサー・ドットコムに出資1999年6月 アレクサ・インターネット、アクセプト・ドットコム、エクスチェンジ・ドットコム(書籍検索ビブリオファインド運営)         の3社を6億4500万ドルで買収※ エクスチェンジ・ドットコムが扱う古書約900万冊の取得が可能になる2000年8月 トイザらスと戦略的提携2001年4月 ボーダーズ・グループと戦略的提携2002年4月 ボーダーズ・グループと戦略的提携を拡大2005年4月 ブックサージ・ドットコム買収2007年5月 ブリリアンス・オーディオ買収2008年1月 オーディブル買収 2008年8月 アベブックス買収 

2 - 4,戦略的提携と企業買収1996年 アマゾン・アソシエイト・プログラム開始

<最終目標>「消費者が欲しいと思ったモノがすぐに買えるネット上の百貨店を築く」(ベゾス)

⇒ 当初 10万を超える独立サイトと販売契約を締結し販売チャネルを拡大( AOL 、ヤフー、ネットスケープ、ジオシティーズ、アットホームネットワーク、アルタビスタなどを含む)自社サイトに顧客を誘導するためのプロモーション手段を手に入れることに成功!

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2 - 5,バーンズ&ノーブルとの攻防<競合の存在>1997年5月 米国最大の書籍小売店であるバーンズ&ノーブルがインターネット上に約100万タイトルの書籍を取り扱うサイト(バーンズ&ノーブル・ドットコム)を開設※ 1965年にレオナルド・リッジオが創業。現在は、全米に700店舗をチェーン展開

アマゾンは書籍卸売り事業者や出版社との取引の見直しや自社配送網の拡充を急速に進めていくことになる

その後し烈な競争が始まる・・・・損害賠償合戦・ディスカウント競争・企業買収による揺さぶり ※アマゾンのサプライヤーであったイングラム・ブック・グループの買収を試みる

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2 - 6,通年での黒字化達成と安定成長軌道2003年に始めて通年で黒字化※ 売上高は52億6300万ドル 純利益3528万ドル

営業利益率は4.1%※ウォールマートの6%には届かないものの、2.5%前後のイオンを上回り、セブン & アイ・ホールディングスと同程度水準を維持。

アマゾンは2002年までは先行投資がかさみ赤字が続いたため経営状態が危ぶまれたが、2003年以降は最終損益が黒字に転換したため、利益の増加に伴いバランスシートが改善され、黒字経営の継続という安定成長軌道に乗り今日に至っている。

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2 - 7,世界市場の拡大■アマゾンが米国以外で現地法人を設立しサイトを運営している国・英国、ドイツ、日本、フランス、カナダ、中国、イタリアの7カ国■取扱商品・ CD 、ビデオ、 DVD 、ソフトウェア、書籍、電子書籍、エレクトロニクス、家庭用品(生活用品)、食料雑貨、健康用品、美容品、玩具、宝石、時計、スポーツ用品、アウトドア用品、工具、自動車用品など

専用のフィルメント・センターやカスタマサービスセンターを世界各地に設置・北米では米国、カナダ(ビクトリア)・欧州では英国(マーストン・ゲート)、スコットランド(グーロック)、アイルランド(コーク)、ドイツ(バートハースフェルト、レーゲンスブルク)、フランス(オルレアン)・アジアでは日本(千葉県市川市、札幌)、中国(北京、広州)、インド(ハイデラバード)・アフリカでは、南アフリカ(ケープタウン)・中米では、コスタリカ(ヘレディア)

市場拡大や取扱製品の拡大に伴い・・・ 総面積2600万平方フィート

地域本社欧州・・・ルクセンブルクアジア・・・中国(北京)、日本(東京都渋谷)

従業員数世界で3万3700人海外売上高154億9700万ドル(2010年) 14

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2 - 8,新たな事業の展開■2005年8月PB ブランド ピンゾン( Pinzon)台所用品、その他の家庭用品、顔料、カーペット、壁紙、ヘアアクセサリー、衣服、履物、帽子、宝石 などを展開

■2007年11月キンドル( Kindle)電子書籍市場に参入するための電子書籍リーダー

■2011年3月アマゾン・クラウドドライブ( Amazon Cloud Dive)オンラインストレージを利用した音楽配信(楽曲管理)※ アップルに対峙して音楽の新たな潮流になる可能性を秘めている。

■2006年3月アマゾンWEBサービス( AWS)として、アマゾン S3( Amazon Simple Storage Service)の提供を開始サーバーや大容量のストレージを貸出すサービス※IT インフラの主力ベンダーとしての地位を築きつつある

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3,事業領域と事業モデル 3 - 1,事業領域と事業ドメイン 3 - 2,事業モデル

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3,事業領域と事業モデル

アマゾンの事業戦略は、顧客中心主義に基づいて構築されている。事業戦略の中心はオンラインショッピング

今後の持続的な成長を可能とする事業領域のドメインは、■市場(顧客層) ■顧客機能 ■技術更には、ロジスティックスを活用した出荷代行業が、新たな収入源を確保する戦略プラットフォームとして着実に機能している

加えて・・・

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3 - 1,事業領域と事業ドメインMISSION

「顧客がオンラインで買いたいと思うどんなものも見つけられ、地球上で最も顧客中心主義の企業となることを追求し、最低価格を提供するよう努力する」

2010年 売上高 342億400万ドル       北米市場(米国とカナダ)187億1000万ドル       海外市場 154億9700万ドル 売上高に占める海外の割合は45%※今後海外市場の拡大が続けば売上高に占める海外市場の割合は北米市場を上回ることが十分予想されるアマゾンの持続的な成長を可能とする事業活動領域を海外市場とした場合、海外市場展開にあたっての事業ドメインは・市場(顧客層)・・・インターネットによる Eコマース・顧客機能・・・インターネットによる商品購入を考えている海外市場の顧客ニーズ・技術・・・アマゾンが各国で展開するインターネットンショッピングサイトやアマゾン・アソシエイト・プログラムなどによる提携リンクの活用

地球最大のオンラインショッピング企業

Eコマース事業はアマゾンの事業戦略において上位に位置付けられ、その戦略における一貫性や整合性は保持されている。

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3 - 2,事業モデル3つの主力事業■Eコマース ■クラウド・コンピューティング ■電子書籍

顧客がアマゾンサイトに限らずいかなるサイトで商品を購入しても、アマゾンに収入が落ちるような仕組み作りを着実に進めている

プラットフォーム事業の拡張と強化3つに共通する事業モデルの狙いは・・・

Eコマース事業では、特にオンライン・リテールプラットフォーム基盤の強化に注力・アマゾン・アソシエイト・プログラム・フィルメント・バイ・アマゾン(在庫管理・出荷代行事業で、アマゾンが自社のフルフィルメント・センターや流通網を使ってオンライン・リテーラーの商品を代行して出荷するサービス。オンライン・リテーラーは直営の倉庫や流通網を持たなくても自社の商品の在庫管理や出荷が可能になる。)

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4,オンライン書店の戦略展開とイノベーション 4 - 1,重要なる3つの戦略の推進 4 - 2,販売チャネルと市場拡大を図るための3つの戦略的機能 4 - 3,ローエンド型破壊によるイノベーション

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4,オンライン書店の戦略展開とイノベーションアマゾンがオンライン書店で取った戦略■差別化戦略 ■価格戦略

アマゾンのオンライン書店が伝統的な書店に対するローエンド型破壊であると言える

アマゾンのオンライン書店はロングテールの拡大には寄与したものの、新たな市場を創出するには至らなかったつまりは・・・

結果として・・・

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4 - 1,重要なる3つの戦略の推進■貴重な品揃え ■低価格 ■スピーディな納品「アマゾンの BtoC 事業では、豊富な品揃え、低価格、スピーディな納品の3つが重要でありこの3つの中で何が大切かは事業の種類によって異なる」(ベゾス「ハーバード・ビジネス・レビュー2008年2月号」のインタビューにて)

・新書だけではなく古書やめったに売れない本などを販売書籍に追加することで豊富な品揃えを実現・新刊などの書籍を30%~50%ディスカウントすることで低価格戦略を推進・フルフィルメント・センターを最適な数に保ちフリーロケーションといった効率的な物品管理システムを導入することでスピーディな納品を実現

「短所を改めるように努め、コストひいては価格を引き下げられれば、将来にわたって利益は増え続けていく」(ベゾス)更には・・・

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4 - 2,販売チャネルと市場拡大を図るための3つの戦略的機能プラットフォームに装備している3つの機能■アマゾン・アソシエイト・プログラム ■カスタマーレビュー ■レコメンデーション

・個人がブログやWEBサイトに自由に掲載可能。・売上高の数%が報酬としてアマゾンから個人へ支払われる。ロングテールの実現が顕在化

・購入者の経験知として他の顧客に公表することで顧客価値を高める。

ロングテールの拡大に寄与

・ユーザーの嗜好を分析し、「ついで買い」や「まとめ買い」を促し、購入意欲を促進させ、購入金額を向上させる。顧客の商品購買率の向上

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4 - 3,ローエンド型破壊によるイノベーションアマゾンのオンライン書店は、「破壊的イノベーション」新興企業が既存企業を打ち負かすという典型的なモデルである。

ロングテールの拡大に寄与したものの、新市場を生み出すには至らなかった。しかし・・・

「伝統的な書店に対するローエンド破壊」であると言える。

クリステンセンやマイケル・レイナーの言葉を借りれば・・・

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5,キンドルのビジネスモデル 5 - 1,顧客価値創出のための戦略モデル 5 - 2,流通形態 5 - 3,利益創出のための収益モデル

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5,キンドルのビジネスモデルQ. オンライン書籍を扱うアマゾンが、なぜ電子書籍リーダーであるキンドルを開発したのか?Q. 当初より市場を拡大させる戦略を持ち合わせていたのだろうか?

流通形態と利益創出のための収益モデル

キンドルの顧客価値創出のための戦略モデルまず・・・

・キンドル端末から得られる利益・電子書籍から得られる利益・通信費用

その上で・・・

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5 - 1,顧客価値創出のための戦略モデルA. キンドルの戦略上の狙いは、電子書籍を低価格で販売し潜在需要を掘り起こす市場開拓にある。

リアルの書店が実現できない低価格で新刊を発売し、キンドルで発売させている電子書籍は安いという印象を顧客に植え付ける戦略

アマゾンはベストセラー1冊につき4ドル前後の赤字

・キンドルの電子書籍タイトルは今や、95万タイトルまで増加・通常書店ではベストセラー新刊の小売価格は20ドル台後半 ⇒しかし、キンドル・ブックストアでは9.99ドルに設定

しかし・・・

キンドル・ブックストアへの集客力を高め市場シェアの拡大を果たすその結果・・・

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5 - 2,流通形態

アマゾン・ウィスパーネット(以下の一連のネットワーク)1、画面右のBuy  Now (購入する)ボタンをクリックし購入したい電子書籍を選択する2、選択した書籍データがアマゾンから携帯電話網を使ってインターネット経由でキンドル内に送信される3、購入代金がクレジットカードで決済され購入手続きが完了

「全ての本をあらゆる場所で60秒以内に入手」可能

※ キンドルのみならずソフト版キンドルにも、インターネット経由でこのウィスパーネットへのアクセスが可能

これを・・・

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5 - 3,利益創出のための収益モデルキンドルの収益モデルの構成要素は大別して3つ■キンドル端末の製造・販売から得られる利益 ■電子書籍販売から得られる利益 ■通信費(2009年4月アイサプライの調査)Kindle 2の製造原価は 185.49ドル小売価格は 359ドル製造原価が占める割合は51%(つまりは約半分が粗利)

・アマゾンは出版社などに仕入価格の交渉が可能となり、仕入価格を通常よりも値下げできる。・ベストセラーの新刊などは赤字となるが、値崩れする電子書籍では利益を十分に出せる。・赤字のベストセラー新刊を呼び水にして、利益率の高い電子書籍を多く販売することでトータルとして利益を生み出している※ 一部9.99ドル以外もある

・携帯電話網は国際ローミングも含め AT & Tワイヤレスとの単独契約であるため、運用効率も上がり、通信費用の一括払いによりバルクでのディスカウントが可能となる。

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6,最新の動向

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6,最新の動向

米アマゾン、電子書籍の読み放題検討 60万冊、月 9.99ドル2014年7月17日付日本経済新聞 夕刊 一面

米アマゾン・ドット・コムが近く自社の書籍端末「キンドル」向けに、書籍の定額読み放題サービスを始める準備をしていることが分かった。月額 9.99 ドル(約1千円)とし、 60万冊をそろえる方向で調整しているもよう。音楽や動画で一般的になりつつある定額配信モデルが、最大手アマゾンの参入で書籍分野にも広がりそうだ。 サービスのテスト画面がネット上に一時流出し、検討作業が判明した。 書籍の読み放題サービスは日本の通信大手のほか、米ではオイスターなどのベンチャー企業が手掛けているが、まだ一般的に普及してはいない。 アマゾンは数千の音声付き書籍コンテンツも入れることで、既存の読み放題サービスとの違いを打ち出す見通しだ。 利用者購入履歴の情報をいかし、書籍の推薦機能も充実させるとみられる。 読み放題サービスには、減速しつつあるキンドルの販売をてこ入れする狙いもある。アマゾンは定額サービスの開始に向け出版社と交渉しており、人気作品をどの程度確保できるかどうかが成否を左右しそうだ。(ニューヨーク=兼松雄一郎) 31