saibet 103 00 - mlit.go.jp道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2005.12.02】別添103 (ガソリン・液化石油ガス特殊自動車7モード排出ガスの測定方法)
データの見方、考え方 血液ガス
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データの見方、考え方血液ガス
佐賀大学病院検査部池田弘典
基準範囲の考え方pH 7.35~ 7.45pCO2mmHg 35 ~ 45
pO2mmHg 85 ~ 105
60> 呼吸不全
HCO3mmol/L 21 ~ 28
BEmmol/L -2 ~ +3
sO2(%) 95 ~ 99%COHb 0.0 ~ 1.5
(喫煙 6.0%)
150mmHg
静脈 pCO2=45mmHg pO2=40mmHg
動脈 pCO2=40mmHg pO2=100mmHg
CO2 をまず最初に見ろ① 基準範囲:約 40mmHg② 肺胞肝機能の指標⇒肺機能⇒呼吸
つまり患者は呼吸をしていたか?pCO2 が大幅増加⇒しばらく呼吸停止pCO2 と BE が異常⇒かなり呼吸が停止pCO2 が低下したら⇒過換気状態
pCO2=0.863 +③ 役割: pH 調整
pH=6.1 +
その次に O2 をみろ肺での酸素摂取状態を反映するが、組織での酸素不足 ( 乳酸増加 ) の原因を切り分けて推測せよ
A-aDO2 肺胞気と動脈血の酸素分圧差• 酸素の不均一、シャント、肺気腫、 COPD の判
定
酸素取り込み状態を反映 pO2• 呼吸不全 (pO2<60) の有無を判定
酸素の運搬能力 sO2,O2Hb 、 COHb• 酸素運搬に必要な血圧、 Hb 濃度、酸素親和性
組織での酸素の需要・供給 バランス Lac運動、炎症、発熱、肺血症で組織は酸欠
呼吸不全 (pO2<60) を A-aDO2 で切り分ける
呼吸不全pO2<60
Ⅰ 型呼吸不全( 酸素化障害)
pCO2<45 AaDO2 拡大
シャント酸素不均一
Ⅱ 型呼吸不全( 換気障害)
pCO2>45
AaDO2 変化なし胸郭以上
中枢機能低下
AaDO2 拡大肺気腫、 COPD
AaDO2 とは肺胞気と動脈血の酸度分圧差= 肺胞酸素濃度-動脈血酸素濃度= 肺に酸素が充分にいきわたっているか?
= 吸入気 O2 - 交換ガス O2 -動脈O2=150 -- pO2=10mmHg 未満
大きい場合は、肺気腫、肺繊維、シャント
ついでに BE と COHb を忘れずにみろ
①BE( ベースエクセス ) : -3 ~ +3mmol/lHCO3 も BE も代謝性の異常を見る指標
であ るが、 HCO3 は呼吸性でも代謝性でも代償 性でも変化する。しかし、 BE の変化は代謝 性変化と判断できるので便利
pCO2 と BE が両方異常ならば代償性の変化
②COHb (平均 1% 、喫煙者 6% 、重度喫煙15%)
COHb は CO 中毒で発生し、酸素より200 倍 の親和性がある。そのため酸素とHb の結 合を妨げる。
最後に pH をみて考えろ
① 基準値: 7.35 ~ 7.45② 酸とアルカリのバランスの評価
このバランスが崩れると生命が危ない③ 調節因子
pH=6.1 +
④pCO2 による調節 10mmHg 上昇で pH0.08低下
代謝性異常はアニオンギャップで切り分けろ
AG=Na+ - Cl- - HCO3-=12±2AG↑,代謝性アシドーシス AG↑,代謝性アルカローシスアルコールケトン体(糖尿病性ケトアシドーシス)リン酸(腎不全、尿毒症)乳酸(乳酸アシドーシス)サリチル酸(アスピリン中毒)
Naを含む抗生剤の大量投与高 Na血症
AG正常 ,代謝性アシドーシス AG正常 ,代謝性アルカローシス下痢( HCO3 の喪失)を Cl が増えて補う
嘔吐による Cl 喪失を HCO3 が補うためアルカローシス
AG低下低アルブミン、多発性骨髄腫 (IgG)
酸塩基平衡の考え方① pHの確認アシドーシスかアルカローシス?
② pH変化の理由は?1. pCO2 の異常なら呼吸性、 CO2 は酸性だから
呼吸性アルカローシス< 38 ~正常~ 42 <呼吸性アシドーシス
2. HCO3 、 BE の異常なら代謝性代謝性アシドーシス< -3 ~正常~ +3 <代謝性アルカローシス
③ 急性か慢性か代償性なのか?【呼吸性の場合】
pCO2 10mmHg 上昇で pH 0.08 下がる(酸性に移行)ただし数日後、腎臓による代償作用で pH が反対に動く
【代謝性の場合】 anion gap の有無を確認
AG>12mEq/l で anion gap アシドーシス
【代償性の場合】 pCO2<35 で BE>+3 もしくは pCO2>45 で BE<-3 であれば代償性変
化
症例①75 歳、男性、 10 年前より肺気腫を指摘、5 年前から労咳・喀痰・呼吸困難を訴え始め、最近呼吸困難と下肢浮腫により緊急入院
pH 7.332
pCO2 89.2mmHg
pO2 52.0mmHg
HCO3 41.0mmol/L
sO2 89.2%
①pH の確認
②呼吸性か代謝性?
③急性、慢性、代償性?
③結論
アシドーシス
呼吸性
pCO2 の差異は 40-89.2=49.2理論 pH=7.4 - ×0.08
=7.4-0.39=7.01 と推測代償作用(慢性的)ありⅡ 型呼吸不全 (AaDO2 正常 )慢性呼吸性アシドーシス
症例②術前検査では呼吸器系に異常がなかった。オペ中に血液ガスを測定したところ以下の結果が得られた。患者の状態は?
pH 7.256
pCO2 56.6 mmHg
pO2 270 mmHg
HCO3 24.3 mmol/L
ABE -2.9
SBE -1.9
Na 136 mmol/L
K 4.0 mmol/L
Cl 100 mmol/L
AG 15.7 mmol/L
①pH の確認
②呼吸性か代謝性?
③急性、慢性、代償性?
③結論
アシドーシス
呼吸性
pCO2 の差異は 40-56.6=16.6理論 pH=7.4 - ×0.08
=7.4-0.13=7.27 と推測代償作用(慢性的)少ない
不十分な人工換気による急性呼吸性アシドーシス
症例③術前検査では呼吸器系に異常がなかった。オペ中に血液ガスを測定したところ以下の結果が得られた。患者の状態は?
pH 7.262
pCO2 43.0 mmHg
pO2 302.6 mmHg
HCO3 18.7 mmol/L
ABE -7.3
SBE -7.1
Na 133 mmol/L
K 2.7 mmol/L
Cl 100 mmol/L
AG 14.3 mmol/L
①pH の確認
②呼吸性か代謝性?
③急性、慢性、代償性?
③結論
アシドーシス
代謝性
pCO2 の差異は 40-43=3.0理論 pH=7.4 - ×0.08
=7.4-0.02=7.38 と推測代償作用(慢性的)ありAG=133-100-18.7=14.3>12慢性代謝性アシドーシス(原因は腎不全)
症例④80 歳、男性、肺気腫を患って治療中。急性増悪にて緊急入院。肺活量は正常、フロー
は軽度閉塞 。患者の状態は?ボリューム パターン
pH 7.39
pCO2 38.6 mmHg
pO2 73.0 mmHg
HCO3 22.6 mmol/L
SBE -1.4
sO2 94.6%
ctO2 15.6 ml/dL
ctHb 12.1 g/dl
①pH確認
② 呼吸性か代謝性
③ 問題点
結論
正常
呼吸性
AaDO2=150-48-73=29( 増加) ただし、年齢と pCO2 の関係pCO2 (基準範囲)は加齢で低下=100 - (0.3× 年齢 )=100 - 24=76
pO2 は、年齢からくる低下 軽度閉塞性肺疾患 (COPD)
症例⑤術前検査では呼吸器系に異常がなかった。十二指腸狭窄により長期頻回の嘔吐が続いていた。オペ中に以下の結果が得られた。患者の状態は?pH 7.617
pCO2 31.3 mmHg
pO2 309 mmHg
HCO3 32.2 mmol/L
ABE 10.2
SBE 9.7
Na 139 mmol/L
K 3.6 mmol/L
Cl 95 mmol/L
AG 11.8 mmol/L
①pH の確認
②呼吸性か代謝性?
③急性、慢性、代償性?
③結論
アルカローシス
代謝性(混合性)
pCO2 の差異は 40-31.3=8.7理論 pH=7.4 + ×0.08
=7.4+0.07=7.47 と推測
代償作用(慢性的)あり AG=139-95-32.2=11.8 (正常) 嘔吐による胃液喪失による 慢性代謝性アルカローシス
症例⑥23 歳、女性、両肩関節痛、皮膚の硬化、呼吸困難。 X線で肺の透過度低下、斑状陰影あり。患者の状態は?pH 7.422
pCO2 32.1 mmHg
pO2 57 mmHg
HCO3 20.2 mmol/L
ABE -2.5
sO2 90.7%
ctO2 16.47 ml/dL
①pH確認
② 呼吸性か代謝性
③ 問題点
④ 結論
正常
どちらかといえば呼吸性
pO2 が低く呼吸不全AaDO2=150 -
>10Ⅰ 型呼吸不全(酸素化障害)肺の線維化でガス交換機能低下(Ⅱ型からⅠ型への進行?)
症例⑦18 歳、女性。自殺目的で都市ガス吸入。患者の状態は?
pH 7.52
pCO2 24.2 mmHg
pO2 83.6 mmHg
HCO3 19.1 mmol/L
ABE -1.2
sO2 97.5
ctHb 12.1 g/dl
COHb 7.1 g/dl
①pH確認
② 呼吸性か代謝性
③ 問題点
④ 結論
アルカローシス
急性呼吸性
COHb が多く、 CO 中毒だが 見かけの酸素飽和度97%? 適正な Hb飽和度 ==41%
Hb の 59% は CO と結合、そのための過換気症による呼吸性アルカローシス(袋をつけると逆効果)
症例⑧9 歳、女児。抗 GAD抗体陽性。患者の状態は?
pH 7.252
pCO2 10.6 mmHg
pO2 121 mmHg
HCO3 4.5 mmol/L
BE -21.8
Na 117
K 5.1 mmol/L
Cl 78 mmol/L
GLU 1146 mg/dl
AG 34.5 mmol/L
①pH の確認
②呼吸性か代謝性?
③急性、慢性、代償性?
③結論
アシドーシス
代謝性(混合性)
pCO2 の差異は 40-10.6=29.4理論 pH=7.4 + ×0.08
=7.4+0.24=7.64 と推測代償作用(慢性的)が大きいAG=117-78-4.5=34.5 (増加)体内に陽イオンが増加糖尿病による代謝性ケトアシドーシス
呼吸系アシドーシス 代謝系アシドーシス原因
呼吸不全による CO2 蓄積 原因
不揮発性酸の産生や HCO3 の喪失
切り分け
Ⅰ 型呼吸不全(酸素化障害)pCO2<45,O2<60,AaDO2↑ シャント、酸素不均一Ⅱ 型呼吸不全(換気障害) pCO2>45,O2<60 AaDO2 変化なし・・・呼吸中枢機能低下 AaDO2 拡大・・・肺気腫 ,COPD腎による代償作用で HCO3 上昇でpH↑腎機能低下を伴うと重症化
切り分け
AG正常、高 Cl型:下痢( HCO3 の喪失)AG 上昇:アルコールケトン体(糖尿病性ケトアシドーシス)リン酸(腎不全、尿毒症)乳酸(乳酸アシドーシス)サリチル酸(アスピリン中毒)AG 低下:低 ALB や IgG 骨髄腫や高 Ca血症その他:細胞障害や腎機能低下で高 K血症に、 CO 中毒でも代謝性アシドーシス
呼吸系アルカローシス 代謝系アルカローシス原因 激しい呼吸のためにおこ
る原因 酸喪失や HCO3の蓄
積切り分け
過換気や代謝系アシドーシスの代償、発熱亢進、 CO 中毒による過換気で呼吸性アルカローシス
切り分け
AG正常:嘔吐による Cl喪失をHCO3が補うためアルカローシスAG上昇: Naを含む抗生剤の大量投与、高 Na血症その他:アルドステロン症、利尿薬、脱水