平成30年度版 薬物乱用のない 社会を - npa.go.jp · 平成30 2 形状・俗称等 コカインは、南米産のコカの木の葉を原料とした薬物で、無色の
千葉市地区薬物乱用防止 指導員協議会研修会 (薬物乱用の概要)
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千葉市地区薬物乱用防止指導員協議会研修会
(薬物乱用の概要)
平成25年9月19日千葉県健康福祉部薬務課麻薬指導班
吉田 智也
薬物乱用の歴史
・昭和20年代 社会混乱期におけるヒロポン乱用者の急増・昭和30年代 工業開発期におけるヘロインの流行・昭和40年代 高度経済成長期における少年のシンナーの乱用・昭和45年以降 享楽的社会における覚醒剤(シャブ)の流行・平成9年をピークとし青少年を含む一般市民に 拡大した覚醒剤(スピード、エス)の流行
出典:薬物乱用の現状と対策(平成 26 年 2 月:厚生労働省資料)
全国の検挙者数
21 22 23 24 250
2000
4000
6000
8000
10000
12000
14000
16000
18000
毒物劇物
あへん
麻向
大麻
覚せい剤
13,333
1,555(11.7%)
10,909(81.8%)
千葉県の検挙者数
21 22 23 24 250
100
200
300
400
500
600
700
800
900
毒物劇物あへん麻向大麻覚せい剤
565(89.3%)
47( 7.4%)
633
全国の少年検挙補導状況
21 22 23 24 250
100
200
300
400
500
600
700
800
900
毒物劇物大麻・麻向覚せい剤
223
124(55.6%)
67
32
千葉県の少年検挙補導状況
21 22 23 24 250
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
毒物劇物大麻・麻向覚せい剤
5
4(80%)
1
薬物乱用とは
・医薬品は病気や傷の治療に使うもの
・化学薬品も使用方法が決められている
・ルールからはずれた方法や目的外で薬物 を使うことを「薬物乱用」という
・薬物乱用は「犯罪」である
薬物乱用は脳を破壊する
・シビレで自由に動けない
・考える力が弱くなる
・記憶がうすれる
・ない物、ない音が聞こえる
・物の形が変わって見える
・一度壊れた脳は元に戻らない
依 存 症
・薬物で快感・その後不快感・不快感から逃れる
ために薬物を使う・耐性がある・増量しないと同じ
効果が出なくなる
フラッシュバック(自然再燃)
・一度治療で 治るが、少
しの使用やストレスで、精神異常となってしまう。
・繰り返すうちに、元に戻らなくなる。
「誰にも迷惑をかけていない」と言う人がいるが・・・
・家庭を破滅させ、友人
を裏切る。・薬欲しさに強盗や殺
人を 犯す。
・たまたま歩いていた親子
を刺し殺した事例・公園で遊んでいた小
学生 をマンションの屋上
から 投げ落とした事例
カッコイイ名前にだまされるな!
・覚醒剤 エス、スピード、アイス・大麻 ハッパ、グラス、チョコ、93、84
4・合成薬物 エクスタシー、エンジェルダスト・有機溶剤 アンパン、弾丸、ニギリ、 クライマックス
さ そ い の 手 口
・密売人はごく普通の人に見える。
・外国人も多い。・疲れがとれる。・気分がすっきりする。・やせられる。
・これらは一時的なもの後で地獄の苦しみが待っている。
き っ ぱ り 断 ろ う !
・友人や先輩から誘われて・仲間はずれになりたくない・1回だけなら・・・・ちょっとだけ・・・
・薬物乱用は
「ダメ。ゼッタイ。」
国の薬物乱用防止対策
①平成10年薬物乱用防止五か年戦略
②平成15年薬物乱用防止新五か年戦略
③平成20年第三次薬物乱用防止五か年戦略
薬物乱用防止戦略加速化プラン 未然防止・再乱用対策等戦略強化
④平成25年第四次薬物乱用防止五か年戦略
第四次薬物乱用防止五か年戦略①
○一定の成果 青少年の覚醒剤・大麻事犯の検挙人員大幅減少○依然として厳しい状況 ・覚醒剤事犯の検挙人員は約 12,000 人と高止まり ・覚醒剤事犯再犯者率 6割越え(過去 15 年間で最高) ・合法ハーブ等と称して販売される薬物を使用した物が 二次的な犯罪や健康被害を起こす事例が多発 ・密輸入事犯の摘発は高水準、仕出地は多様化 ・覚醒剤押収量は約 470Kg (過去 5 年間で最多)○薬物乱用の根絶を図るため、政府を挙げた総合的
な対策を推進
第四次薬物乱用防止五か年戦略②
<特に留意すべき課題>
①合法ハーブ等と称して販売される 薬物等、新たな乱用薬物への対応
②薬物の再乱用防止対策の強化
③国際的な連携・協力の推進
第四次薬物乱用防止五か年戦略③
<主な施策>
・目標1 青少年、家庭及び地域社会に対する啓発強化と規範 意識向上による薬物乱用未然防止の推進・目標2 薬物乱用者に対する治療・社会復帰の支援及びその 家族への支援の充実強化による再乱用防止の徹底・目標3 薬物密売組織の壊滅、末端乱用者に対する取締りの 徹底及び多様化する乱用薬物に関する監視指導等の 強化・目標4 水際対策の徹底による薬物の国内流入の阻止・目標5 薬物密輸阻止に向けた国際的な連携・協力の推進
大麻の害について
・タバコより害が少ないというのは本当?
・依存性があり、妄想や異常行動、思考力低下等 を引き起こし、普通の社会生活が送れなくなる。・乱用を止めても、突然妄想等の症状が発現する フラッシュバックという後遺症が残る。
・タバコより害が少ないというのは誤り
いわゆる脱法ドラッグとは
・脱法ドラッグとは、法律で定められた用語ではありませんが、 人が摂取すると麻薬・覚醒剤等と同様に多幸感、快感等を 高めるものとして販売されている製品のことを言います。
ハーブ、お香、アロマ、バスソルト等(香りを楽しむ製品として販売)
①合法(脱法)ハーブ(お香、アロマ等)
・法規制類似物質を含有・実態は吸引等人体使用目的の売買が前提で 流通
②法律違反製品
・法規制物質(麻薬、 指定薬物等)を含有
③ ①、② 以外
・通常の 香りを 楽しむ もの
いわゆる脱法ドラッグとして、販売自粛要請
違法ドラッグとして、監視指導・取締り(販売中止、回収、廃棄)
脱法ドラッグの種類
・お香、アロマ、バスソルトと称して販売・合法(脱法)ハーブと称して販売
ハーブ系 リキッド系 パウダー系
※ 脱法ドラッグ自体が多岐にわたり、どのような薬物 なのかがわからない。 既存の違法薬物より危険性が高いものがある。 急性中毒症状で生命の危険をきたすことがある。
飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査結果
<平成24年度厚生労働科学研究費補助金> 薬物乱用・依存等の実態把握と薬物依存者に関する制度的社会資源の 現状と課題に関する研究 ・研究分担者:独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部長 和田 清
・対象校数 :全国 235校・対象生徒数:116,984人・実施校数 : 124校(52.8%)・実施生徒数: 54,733人(46.8%)・有効回答数: 54,486人(46.6%) 男性(50.6%)女性(49.4%)
%
喫煙・飲酒の生涯経験率(中学生)
中学生の薬物乱用生涯経験率%
脱法ドラッグ
違法薬物の入手可能性(平成 24 年)
%
脱法ドラッグ
脱法ドラッグの乱用経験が持つ意味(平成 24 年)
中学生 喫 煙
有機溶剤
脱 法ドラッグ
大 麻
覚醒剤
大 麻
覚醒剤
5%
4.2%
20.5%
19.1%
60.0%
63.3%
20.5%
2.6%
脱法ドラッグ対策(1)
・麻薬に指定
・医薬品として規制
・指定薬物として規制 薬事法改正: H19.4.1施行 包括指定制度: H25.3.22施行 1,370物質が指定( H26.4.5施
行)
※ 8物質が7月中旬に追加指定予定
脱法ドラッグ対策(2)
<指定薬物に係る法律改正( H25.10.1施行)>
①麻薬及び向精神薬取締法 ・麻薬取締官(員)に指定薬物に係る薬事法に違反する罪 について、司法警察員としての職務を付与した。
②薬事法 ・麻薬取締官(員)に、指定薬物に係る廃棄その他の処分 及び立入検査等の権限を付与した。 ・薬事監視員又は麻薬取締官(員)に、指定薬物又はその 疑いがある物品の試験検査のための収去権限を付与した。 ・物品の収去を拒み、妨げ、又は忌避した場合の罰則を 設けた。
脱法ドラッグ対策(3)
<指定薬物に係る法律改正( H26.4.1施行)>
③薬事法 ・指定薬物の使用者側の規制「医療等の用途以外での所持、 購入、譲り受け、使用禁止」を追加した。 (これまでは、販売者側の規制「医療等の用途以外での 製造、輸入、販売、授与の禁止」のみ。) ・罰則規定 業とした場合 :5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金 又は併科 業としない場合:3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金 又は併科
脱法ドラッグの買上げ検査
・麻薬や向精神薬指定された成分は含まれていない、 合法ドラッグ、脱法ドラッグと称して売られて いる。
< H25 年度実績>・合法ハーブ店6施設から59製品買上げ・インターネット6サイトから41製品買上げ・45製品のうち3製品から違法成分が検出 (55製品は検査中)・販売業者に対する取締り及び廃棄等の指導
期 間 運 動
・不正大麻・けし撲滅運動: 5 月~ 6 月 けし 27,805本を除去 ・「ダメ。ゼッタイ。」普及運動: 6/20~7/19
・麻薬・覚せい剤乱用防止運動: 10 月~ 11月
・千葉県薬物乱用防止広報強化月間: 2 月
ポスター 3,900枚 ・ パンフレット リーフレット 296,700 部 ポケットティッシュ 120,000個
Q1 薬物乱用とは(1)
・薬物乱用とは、
①医薬品を本来の医療目的から逸脱 した用法や用量あるいは目的のもと に使用すること、 ②医療目的にない薬物を不正に使用 すること をいいます。
Q1 薬物乱用とは(2)
・もともと医療目的の薬物は、治療や検査の ために使われるものです。それを遊びや快
感 を求めるために使用した場合は、たとえ一回
使用しただけでも乱用にあたります。
・薬物(くすり)に対する正しい知識が薄れて
います。医薬品は長年の英知の結果生まれた 産物であって、治療等には欠かせない大切
な ものです。医師の指示に従って用法と用量を 守って使うことが大切です。
Q2 依存症とは(1)
・「1回だけなら大丈夫、いつでもやめられる、」 そんな甘い考えこそ危険です。
・乱用される危険のある薬物は、 " こころ " つまり、
精神に影響をあたえる作用をもっています。 中枢神経を興奮させたり、抑制したりして、幸福な 気分やそう快感、お酒に酔ったような感じ、不安が 消えていく感じ、知覚の変化、実際にはないものが 見えたり聞こえたりする幻覚・幻聴などをもたら
し ます。
Q2 依存症とは(2)・薬物乱用のもっとも恐ろしい特徴は、何度も繰り 返して使いたくなる「依存性」という性質をもって いることです。乱用をくりかえす人は、「快感を 得るため」ではなく、いつまでもなおらない疲労
感 やイライラ、不安からのがれるため、つまり「不安
感をなくすため」に薬物に頼らざるを得なくなり、
薬物なしではいられなくなります。しかも覚醒剤 などいくつかの乱用薬物には、使用を繰り返して いるうち、それまでと同じ量では効かなくなる 「耐性」という性質があります。
Q2 依存症とは(3)
・1回だけと思って始めた人も、薬物の 「依存性」と「耐性」によって使用 する量や回数がどんどん増えていき、 自分の意志ではやめることができなく なり、どうしようもない悪循環となり ます。 ※ 壊れた脳は元に戻らない !!
Q3 薬物乱用のきっかけは(1)
・日常生活の中に、薬物乱用への誘惑があります。 薬物乱用を始めるきっかけは、快感への追求、 好奇心といったものがほとんどと思われています が、それだけではありません。
・「やせられる」「自信がつく」「充実感がある」 「スカッとする」「元気がでる」といった誘い 言葉についのせられ、危険な薬物とは知らずに 手を出してしまうケースもあるのです。
Q3 薬物乱用のきっかけは(2)
・遊び友達、昔の同級生、職場の仲間など、信頼 のおける身近な人から勧められ、いつのまにか 薬物乱用に染まってしまう場合もあります。
また、偶然の出会いも多く、特に未成年者の 場合、たまたま行った友人宅のパーティーで シンナーやマリファナと出会い、その後乱用 を繰り返すといったケースがみられます。
※ 脱法ドラッグ(ハーブ、お香、アロマ、バスソルトと称して)が、
ゲートウェイドラッグ(入門薬)となることも懸念されている。
Q4 脱法ドラッグとは(1)
・麻薬又は向精神薬と類似の有害性を有することが 疑われる物であって、専ら人に快感や多幸感を高め 又乱用させることを目的として製造、販売等される もの。 そのため、乱用による健康被害の発生、さらに、 犯罪等に悪用されるおそれがあり、また、麻薬や 覚醒剤等の乱用のゲートウェイドラッグ (入門薬 )
と なることも懸念されている。
※ 麻薬及び向精神薬取締法:麻薬、向精神薬 薬事法:指定薬物
Q4 脱法ドラッグとは(2)
・薬事法を改正し、「指定薬物」を規定した。 しかし、脱法ドラッグの成分を指定薬物に指定 しても、成分の構造式をマイナーチェンジして 規制を逃れた物質を生成するなどし、その物質 を製品(ハーブ、お香、アロマ、バスソルト等) に添加し販売している。 また、販売者側は、「人体に摂取しないこと」、 「お香として楽しんでください」等の表示により、 薬事法の規制を逃れている。
Q4 脱法ドラッグとは(3)
・ハーブ系は、ビニール袋(パケ)に詰め、3g 4,000円~5,000円程度で販売している。
・ハーブ系は、その植物片を「専用パイプ」や 「紙で巻いた物」をタバコのように火を付けて 煙を吸引している。
・最近の脱法ドラッグによる事件・事故の概要 中毒死、救急搬送、不審行動 交通事故(死亡、ひき逃げ、追突)
薬物乱用のない社会をつくろう
千葉県健康福祉部薬務課