多様な職域とともに女性の健康 “セイフテイネット” 形成へ
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多様な職域とともに女性の健康“セイフテイネット”形成
へ
やすひ ウイメンズヘルス クリニック
安日泰子
女性医療ネットワーク主催公開セミナー in nagasaki
これからの産婦人科医療今までの産婦人科医療 「妊娠・出産」あるいは「病気」
生殖 妊娠・出産
性のあり方・アイデンテイテイsexuality
人間の性の多様性性同一性障害・TG・TS
同性愛インターセックス
生殖年齢以外の性行動未成年者・高齢者
生殖から除外されがちな性障害者など
社会的性 genderレイプ・DV
家族制度から要請される「らしさ」の病
広義の更年期症候群・うつ生物的性 sex
内分泌学的違い:月経・排卵狭義の更年期症候群・月経前症候群
解剖学的違い:性感染症の重症化・長期化子宮がんの発生
疾病の違い・発症率の違い・疾病概念の違い
生殖以外の女性の健康キーワードによる整理(試み)
症例(10代)下腹部痛 実は反復クラミジア
フリーター? 彼は今まで一人、ほとんどコンドームを使っていた。 4年前に下腹部痛あり、内科 受診。このとき血液
検査でクラミジア感染症指摘され、内服治療にて軽快。
パートナーの検査・治療を勧められるも、パートナー 泌尿器科 受診せず。
今年再び下腹部痛と発熱にて内科受診。 クラミジア治療薬にて軽快、内科医に勧められ婦人
科受診。 診断:骨盤腹膜炎(性感染症再発の疑い)
女性の腹部痛
小児科・外科
内科
産婦人科
泌尿器科♂
♂
性行動についての問診力を要する
各科開業医の連携が大事
性のあり方sexuality
「聞きにくいこと」としての生殖年齢以外の性行動
生物的 性sex
解剖学的違いからくる性感染症の重症化・反復化
社会的性 gender
「あり得ないこと」としての女性の性行動
子宮頚がん検査 (2007年1-2月 当院)
0
20
40
60
80
100
120
140
初診者総数子宮がん検査数異常
39
124
83
106
61
25
9
7757
78 4513
人
検査の検査の適応:初めての性交から3年以上あるいは21才以上
子宮がん検査異常率(2007年1-2月 当院)
33.3
7.85.3
2.6
8.9
0
6.5
05101520253035
異常率
%
3/9 人
6/77 人
3/57 人
2/78 人
4/45 人
各国の子宮頸がんスクリーニング率
74 74.9
45.1
23.7
79.2
60.6
38.9
72
0102030405060708090
カナダ
フランス
イタリア
日本
USA
オーストラリア
メキシコ
スウェーデン
% 2006年 OECD統計
先進国の中での日本女性の産婦人科受診率の低さはなぜか?
生殖
妊娠して初めて産婦人科受診
性のあり方・アイデンテイテイsexuality
生殖年齢以外の性行動未成年者
社会的性 gender産婦人科受診すると
「何か悪いことをしていると勘違いされるのでは・・・」
生物的性 sex解剖学的違い:子宮がんの発生
疾病の違い性的主体者になっていくという教育の不在
女性の性行動への社会規範の壁
Y-Yぴあルームの試み(2005年ー)Y-Yぴあルーム院内掲示板
あなたとお友だちへY ー Yぴあルームの御案内
毎月第2/4土曜日午後2ー4時やすひウイメンズヘルスクリニックにて(築町電停前 イリスビル5F)
℡:825-9700
妊娠かも知れない性病かもしれないでも…婦人科なんか言ったコトないし、保険証もいると聞いたし…いくらぐらいかかるんだろう?どうしよう?とりあえずこの「ルーム」に来ませんか?診察はしませんが、助産師や看護学生(ぴあ)が御相談にのります。無料です。お電話の上、おいでください
Y-Yぴあルーム・しゃべり場から
彼がクラミジア(高校2年生):診察を受けたいが初めてで怖い。どのようにして受診できるのか?親に保険証のことを言い出せない。
その後受診クラミジア感染症にて治療
2回目緊急避妊ピル事後フォロー(高校2年生):彼は大学生(遠距離恋愛)、高校の先輩、2回ともコンドームが破れたので緊ピルへ。性感染症は心配ないと思うけど診察を受けるように院長に言われている。親に保険証を言うのがいやだ。
その後受診クラミジア感染症にて治療3回目緊ピルあり
レイプ症例18例
0
1
0
8
0
1 1 1
0
1
3
1
0
1
0
1
23
4
5
67
8
9
2003年6月 - 2008年5月当院
6
4
7
4
2
012345678
年令別発生
誰に相談し・誰と受診
重複回答 人
知的障害児1名を含む
一人は
レイプ症例:18名
0246
8101214
3-7日以内44%
1ヶ月以内17%
2ヶ月以内6%
3日以内33%
受診までの期間 受診の動機
重複回答 人
2003年6月 - 2008年5月当院
心的外傷体験の種別によるPTSD生涯有病率(全米)
Kessler RC, et al. Arch Gen Psychiatry 1995
0
10
20
30
40
50
60
心的外傷体験PTSD
%
生殖
性のあり方・アイデンテイテイsexuality
生物的性 sex内分泌学的違い:月経・排卵 妊娠が起こりうる
性感染症が起こりやすい
社会的性 genderレイプ・DV
「男」「らしさ」の病 家族構造の病被害女性:PTSDとしての瘢痕化
今後の社会的支援ネットワーク
急性期対応
(警察・産婦人科)
長期的フォロー(心療内科・精神科)
発見アクセス(警察・NGO)
レイプクライシスセンター( NGO)
医療機関・警察・教育との連携
啓 発 (教 育)
多様な職域との連携・支えられ方
婦人科私
総合病院
産婦人科
内科専門医甲状腺
骨そしょう症膠原病その他
乳腺外科
その他各科小児科医漢方医
内科系女性外来
心療内科ナース
カウンセラー
木曜会(地域での事例検討会)
その他の資源学生・助産師保育師NPO
フットセラピスト
かかえこまない
専門家とともに
が、切らない
医療者のゆとり・安定感が重要・無理しない
「ベースはここにおいていいよ」メッセージ
正面玄関=保健診療
保険診療
Y-Y(わいわい)ギャラリー入り口(常設)=遊び
Y-Yぴあルーム②④土・午後
オープンクリニック①金・夜
女性の悩みピアサポート第四土曜日の会
無 料
自費
カウンセリング
自 費クリニックをガラス張りに(開示・啓発)
そして、多様な選択肢の提示
女性の生涯
(=イベントフルモデル)
を丁寧にケアすることの追及
実は
男性の健康にも
大きなヒント
産婦人科からのアプローチ
各科そして様々な方面からのアプローチ
これから・・・
パズルを
埋める作業を
ご一緒にしませんか?