触覚提示デバイスに何ができるのか? 技術解説 触 …...516 (42) 映像情報メディア学会誌Vol. 72, No. 4(2018) とによる振動が生じるわけである.触覚刺激を生成するた
購買行動における 情報共有 とメディア接触の関係
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購買行動における情報共有とメディア接触の関係
マーケティングコンテスト 2008
1. 研究目的
マーケティングによる消費者行動を分析するための枠組みとして「 AISAS の法則」が有名である。 AIDMA の法則に変わり、このモデルが誕生した背景には著しいインターネットの普及やサービスの多様化による消費者行動の変化が挙げられる。
中でも、情報発信を可能にするコミュニケーションツール(ブログや SNS ) の発展・充実は「口コミマーケティング」という言葉ができるほどに、消費者行動に大きな影響を与えるようになった。
本研究では、 TV やインターネット、雑誌などの様々な情報発信媒体が、購買または購買行動における検索に及ぼす影響を調べ、「行動・共有につながる効率的な広告を行うためにはどうすればいいか」といったことについて考察していきたい。
2
行動 (Action) だけではなく、 Share( 情報の共有 ) 促すまで考えた広告とは?
⇒ ブログに興味のある人の行動を分析
TV や雑誌、インターネットなどの既存のメディア接触に違いは見られるか。消費者価値観はどうか。
A=Attention⇒ I=Interest ⇒ S=Search ⇒ A=Action ⇒ S=Share/注意 認知 興味 検索 行動 共有
AISAS
3
年齢
性別
web サイト閲覧
回数
雑誌購読状況
TV 番組視聴回数
ライフスタイル
家族構成
3000 サンプルをいくつかのグループにわけるため、さまざまな変数を用意した。 TV 視聴回数は時間帯やジャンルごとに区別した。 WEB サイトもまた、各サイトをジャンルごとにまとめ、その閲覧回数の平均値を出した。これらをデータベースとして使用し、以降の分析を行う。
消費者価値観 購買意
向 / 実態
4
2. 調査方法
TV 視聴回数
休日・平日ごとの時間帯(4時間区切り )
Ex.平日 23時~ 2時 休日 15時~ 18時 etc…
ジャンル別Ex. 情報発信番組
娯楽番組 音楽番組
子供向け番組etc…
週刊誌男性ヤング誌男性ヤングアダルト誌男性ミドルエイジ誌女性週刊誌女性ヤング誌女性ヤングアダルト誌女性ミドルエイジ誌スポーツ誌ゲームアニメ情報誌ビジネス・マネー誌etc…※ 1)
5
3. 決定木によるグループ分け
ブログ閲覧回数Average 13.6 (3000sample)
ブログ閲覧回数Average 8.3 (2451sample)
ブログ閲覧回数Average 2.9
(1564sample)
ブログ閲覧回数Average 1.1
(1273sample)
ブログ閲覧回数Average 10.7 (291sample)
ブログ閲覧回数Average 17.8 (887sample)
ブログ閲覧回数Average 37.7 (549sample)
ブログ閲覧回数Average 25.6 (344sample)
ブログ閲覧回数Average 58.0 (205sample)
Amazon 閲覧回数
<4.5
>=4.5
Yahoo! 閲覧回数<28.
5>=28
.5
Google 閲覧回数<29.
5>=29.
5
Google 閲覧回数<4.5 >=4
.5
ブログを利用している人は、ポータルサイトやネットショッピングをよく利用していることがわかる。
グループA
グループB
グループCグループ
D
6
4. グループごとのメディア接触の違い
各グループのメディア接触において、特徴の見られる部分を抜粋した1)WEB
⇒
Yahoo!
MSN楽天
アルコール飲料ウェブサイト
ノンアルコール飲料ウェブサイト
家電ウェブサイト
金融証券ウェブサイト
youtube&ニコ動Amazon
価格参考サイト
食品系ウェブサイト
0102030405060708090100
グループ A
グループ B
グループ C
グループ D
男性 女性 平均年齢 既婚率 子供有 持家有 PC有Aグループ 56% 44% 37.4 59% 46% 61% 97%Bグループ 49% 51% 37.2 61% 51% 59% 97%Cグループ 55% 45% 38.1 58% 47% 61% 98%Dグループ 52% 48% 41.6 64% 57% 64% 94%
グループ D は、ポータルサイトやブログだけでなく、インターネットをほ
とんど利用していない
7
2)TV
3) 雑誌
7 ~ 10 時 11 ~ 14時
15 ~ 18時
0
2
4
6
8
10
12
グループ A
グループ B
グループ C
グループ D
7 ~ 10 時 11 ~ 14時
15 ~ 18時
024681012141618
グループ A
グループ B
グループ C
グループ D
平日 TV番組視聴回数
休日の TV番組視聴回数
エリア情報
テレビ情報
ビジネスマネー
フリーマガジン週刊誌
0
0.5
1
1.5
2
2.5
グループ A
グループ B
グループ C
グループ D
女性ミドルエイジ
女性ヤングアダルト
女性ヤング
女性週刊誌
生活実用情報誌
パソコンコンピュータ
モノ・トレンド
少年向けコミック
00.10.20.30.40.50.60.70.8
グループ A
グループ B
グループ C
グループ D
グループ D は平日になると他のグループに比べて視聴回数が劣る。
グループ D は女性向け雑誌が他のグループに比べ積極的である。少年コミックは
極端に低い。
8
5. グループの解釈 この結果から分類した 4 グループの詳細は以下のようになっている。
グ ル ープ A ( 5 4 9 s a m p l e ) 各ポータルサイトをよく利用するが、他のグループに比べとりわけ A m a z o n
をよく利用する。また、このグループの約40%が PC の用途にブログ作成を選択している。
グ ル ープ B ( 8 8 7 s a m p l e ) Ya h o o ! をよく利用する。また、このグループの約40%が PC の用途に SNS を選択
している。
グ ル ープ C ( 2 9 1 s a m p l e ) ポータルサイトの利用にあまり積極的ではないが、比較的 G o o g l e をよく利用
する。また、このグループのおよそ半分が PC の用途に SNS を選択している。
グ ル ープ D ( 1 2 7 3 s a m p l e ) B l o g を含め、インターネットの利用に非積極的であるが、雑誌の購読に対して
は積極的である。
高
低
ブログ・S
NS
利用頻度
9
6. アソシエーション分析
ここでは、各グループごとにトランザクションデータを作成した。
ブログを利用する人とそうでない人の間に購買行動の違いは見られるかを調べるために、 Single Item にブログを設定し、ブログを閲覧する人が同時にとる行動や、どういう消費者価値観を持っているのかを分析した。
尚、ここでは別途消費価値観に関する変数( 33 変数)から次の3つの因子を抽出し、各グループごとに比較している。
10
消費価値観で使用した3つの因子 次ページ以降の表の右端の数値は、これらの因子得点である。
11
第1因子 「商品の品質・安全性」因子
第3因子 「評判・経済性」因子
第2因子 「商品ステイタス(ブランド・デザイン・高価)」因子
6-1. アソシエーション分析による同時購買行動比較
閲覧サイト 利用メディア( TV ) 利用メディア(雑誌) 利用メディア(新聞) 行動 キャンペーン 消費者価値観
第一因子 第二因子 第三因子
グループ A
家電ウェブサイト銀行・証券・保険ウェブサイトYoutube& ニコ動Amazon価格比較サイトコンビニウェブサイト百貨店ウェブサイト飲食店ウェブサイトスーパーウェブサイト雑貨ウェブサイト
平日 15-18 時休日 3-6 時休日 11-14 時料理番組ドラマ子供向け番組情報発信番組スポーツ番組
エリア情報誌女性ヤングアダルト女性ヤング女性ミドルエイジ女性週刊誌パソコン・コンピュータ誌生活実用情報誌男性ヤングアダルト
夕刊紙
GMSテーマパーク百貨店飲食店ネットショッピング本屋
0.070327
-0.008120.08019
2
グループ B
アルコールウェブサイトノンアルコールウェブサイト飲食店ウェブサイトコンビニウェブサイトスーパーウェブサイトYoutube& ニコ動Amazon百貨店ウェブサイト雑貨ウェブサイト価格比較サイト食品ウェブサイト家電ウェブサイト銀行・証券・保険ウェブサイト
平日 7-22 時休日 3-6 時休日 11-14娯楽番組ドラマ音楽番組料理番組
女性ヤングアダルト女性ヤング男性ミドルエイジモノトレンドエリア情報誌男性向けコミック週刊誌男性ヤングアダルトパソコン・コンピュータ誌少年向けコミック
スポーツ紙
ドラッグストアコンビニショッピングセンター百貨店ネットショッピング通販本屋テーマパーク飲食店GMS大型家電店
0.026988
0.026895
0.068884
12
ブログを積極的に利用しているこの2つのグループは、他のメディア媒体に対しても幅広く接していることがわかる。購買行動においても同じことがいえる。
13
グループ Cも、雑誌の面では Aと Bに劣るものの、メディア接触に対しては積極的である。一方でグループ Dはブログを利用している人でさえもやはりインターネットに対して消極的。ただし、キャンペーンのあるサイトには興味があるようだ。また、 10ページではグループ Dの人は雑誌に対して積極的であることがわかっているが、それにも関わらず雑誌とブログの同時購買は見られない。
閲覧サイト 利用メディア( TV ) 利用メディア(雑誌) 利用メディア(新聞) 行動 キャンペーン 消費者価値観
第一因子 第二因子 第三因子
グループ C
百貨店ウェブサイト食品ウェブサイトアルコールウェブサイト銀行・証券・保険ウェブサイトノンアルコールウェブサイト家電ウェブサイト
平日 7-22 時休日 3-18休日 23-2ドラマ料理番組音楽番組子供向け番組娯楽番組情報発信番組
少年向けコミックエリア情報誌パソコン・コンピュータ誌フリーマガジン男性向けコミック
百貨店ドラッグストアGMSコンビニSMショッピングセンター大型家電店
0.050488 -0.01144 0.079247
グループ D食品ウェブサイト家電ウェブサイト銀行・証券・保険ウェブサイト
平日 3-18 時子供向け番組音楽番組ドラマ料理番組
ネットショッピング大型家電量販店
キャンペーン応募回数多キャンペーン興味回数多
-0.06068 -0.01262 -0.1007
6-2. 消費者価値観の観点から
グループ A 商品に対する消費者の声を重要視している。非常に小さな因子得点ではあるが、商品の
ブランドやデザインよりも、経済的で長くつかえるものを重視する傾向があるようだ。 グループ B こちらも因子得点は小さいが、商品に対して一定のこだわりを持っていることがわかる。 ブログを利用する人の中は、自分のライフスタイルにこだわって選ぶ人や、価格が品質
に見合っているかどうかを検討してから購入にいたるという人が多かった。 グループ C 自分の購入した商品に対する周囲の評価を気にする人が多い。そうした評価をブログ
や掲示板を利用して確かめている人もいそうである。 グループ D 商品に対してのこだわりがあまりない。商品の詳細な情報を知る機会が少ない、または知ることに積極的でない。
14
6-3. 購買意欲 / 行動の観点から
グループ A 大型店舗によく足を運んでいる。値段よりも質を気にする。 商品に対する意欲・実態はアソシエーション分析からはわからなかったものの、閲覧サ
イトを見ると商品の情報をよく調べていることがわかる。 グループ B 購買行動が強い。 通販サイトやオークションに興味があり、また行動力も高い。 趣味は映画・演劇・美術鑑賞・ビデオ・ DVD鑑賞・読書・パソコンと幅広い。 購買意向には清涼飲料水・アルコール飲料水・お茶・健康食品・製薬品、実態には清涼飲料水・アルコール飲料水・お茶・家電製品と、幅広い商品に見受けられる。購買意欲から行動に移りやすいグループといえる。また、商品を買う際にこだわりがある。
グループ C インターネットはエンターテイメント情報よりも、商品購買のために利用しているよう
な傾向がある。購買意欲・実態はともに弱い数値だった。 グループ D PC 用途として、ネットバンキングや商品サービスの発注・代金の支払いを選んでいる人
が多い。 PC は購買の利便性向上のために利用している人が多い。
15
7. 考察
ブログに対して積極的な人は他のメディア接触に対しても積極的であり、欲しいと思った商品に対しては検索を行い、商品を調べ、気に入れば購入し、ブログを書くという AISASに沿った行動パターンをとっている。
一方で、ブログに対して消極的な人は、インターネットを商品の購入や代金の支払い、ネットバンクなど、生活に必要な場合のみに使うことが多い。欲しいと思った商品はあまり検索して調べたり、消費者の情報を参考にするといった行動は定着していないと考えられる。
ブログをする人、しない人は何が違うのか
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グループ A ~ D において性別や既婚率の違いはあまりない。 グループ D はやや平均年齢が高く、子供がいる人がやや多い。 グループ D に注目した場合、雑誌は他のグループに劣らず積
極的に購読しているにも関わらず、アソシエーション分析によるとブログと雑誌購読の同時行動はほとんど見られなかった。ここからは、雑誌から消費者同士の情報共有を促すような広告を出していないことがわかる。(購読者の情報源を雑誌からインターネットへ移行させないため?)
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インターネット以外のメディア接触だけでは、どうしても入ってくる情報量が少なくなってしまい、グループ D の人は他のグループの人に比べ、購買意欲・行動が弱い。商品の多様化・複雑化は、 TV や雑誌の広告だけでは表現しきれないということの表れと言えるのではないか。こうした購買行動が弱い人達に対して積極的に商品をアピールするためには、ブログとの同時行動が見られる平日 3 ~ 18 時の時間帯の TVCMを利用したり、ブログに載せたくなるような話題性のあるキャンペーンサイトの制作が有効である。
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8. 今後の課題
検索行動の使い分けがどのようにして異なってくるのか、根本的な部分を調査してみたい。また、今回はブログに絞って同時購買行動を比較したが、他のメディア接触においても同様の分析を行い、広い角度から情報共有を促す広告を提案したい。
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参考文献・ URL 1)原因をさぐる統計学 豊田秀樹・前田忠彦・柳井晴夫 講談社 2) あの商品は、なぜ売れたのか 杉村貴代 ソーテック社 3)放送法 URL http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM 4)新「雑誌ジャンル・カテゴリー区分」最新表〈 08. 02更新版〉 URL http://zakko.or.jp/jpn/subwin/genre.html 5)SPSS と Amos による心理・調査データ解析 小塩 真司 東京図書 6)ユーザーのための心理データの多変量解析法 山際勇一郎 田中 敏 教育出版
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