意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~

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1 意意意意意意意意意意意 意意意意意意意意意意意意意意 ~~ 意意意意意意意意意意意意意 西 意意意意意 意意意意意意意意 意意 意意

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意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~. 関西学院大学北海道分権セミナー 話題提供者:尼崎市監査事務局  増田 昭男. 本日の内容. <尼崎市の改革と自分自身の取り組み> 尼崎市の概況 H10 ~ 13 年度の事務事業評価導入まで H14 ~ 16 年度までに行政経営改革 それら取り組みの総括&自分自身の総括 ※ 極めて、個人の主観に基づく話です!  失敗事例なので、突っ込みをお願いします!. 市域: 49.77K㎡ 人口:約 462,000 人 1971 年約 554,000 人 92,000 人減少   推計人口 - PowerPoint PPT Presentation

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意味のある行政評価とは~行政経営改革の限界と可能性~

関西学院大学北海道分権セミナー

話題提供者:尼崎市監査事務局 増田 昭男

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本日の内容<尼崎市の改革と自分自身の取り組み> 尼崎市の概況 H10 ~ 13 年度の事務事業評価導入まで H14 ~ 16 年度までに行政経営改革 それら取り組みの総括&自分自身の総括※ 極めて、個人の主観に基づく話です! 失敗事例なので、突っ込みをお願いします!

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尼崎市の概況

市域: 49.77K ㎡ 人口:約 462,000 人    1971 年約 554,000 人       92,000 人減少  推計人口    2030 年約 361,000 人 課税所得  阪神間平均 453 万円  尼崎市    359 万円

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H10 ~ 13 年度までの 改革第1ステージ流行に乗ったけど・・・

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当時から改革が必要と考えていた背景

人口減少少子高齢化社会の到来  ⇒全国的な課題 財政危機  ⇒全国的な課題に加え、尼崎市特有の

課題  がある 非常に歪な職員の年齢構成  ⇒全国的な状況が深刻化した尼崎市

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財政危機1(市税収入)

市税収入の推移

836863 873

823 808

871

820 809777

723 709 701

905869

847

600650

700750

800850

900950

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17

億円H9 年度と比較して 204 億円22.5% 減

<減少の内訳>・個人市民税            264億円 ⇒ 165億円 ( 99億円減)・法人市民税             93億円 ⇒  68億円 ( 25億円減)・固定資産税及び都市計画税     481億円 ⇒ 405億円 ( 76億円減)・収益事業収入(競艇場)      146億円 ⇒  12億円                    (134億円減:92年度対05年度)     

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財政危機2(市税収入内訳)税財源の内訳

0

5,000,000

10,000,000

15,000,000

20,000,000

25,000,000

30,000,000

35,000,000

40,000,000

45,000,000

年度

税額

個人市民税 法人市民税 固定資産税 軽自動車税 市町村たばこ税特別土地保有税 入湯税 事業所税 都市計画税

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財政危機3 ( 計上収支比率の推移 )

経常収支比率の推移

89. 787. 8

93. 8

100. 6103. 6

96. 598. 3

10197. 6

99. 1100. 5 100. 4 99. 1

75

80

85

90

95

100

105

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15

・定数削減や給与水準の見直しなどにより人件費は減少・投資的経費は、震災前を下回る水準・扶助費の増加と震災復興事業により700億円の市債発行により 義務的経費を押し上げている

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財政危機4(歳出内訳)歳出の推移

0

10,000,000

20,000,000

30,000,000

40,000,000

50,000,000

60,000,000

70,000,000

年度

歳出金額

人件費 扶助費 公債費 物件費維持補修費 補助費等 繰出金 積立金投資・出資・貸付金 投資的経費

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職員の年齢構成1(定数削減の状況)職員数の推移

3,700

4,200

4,700

5,200

5,700

S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14

年 度

職員数(

水道・交通を除く)

阪神大震災

採用

行政管理課へ

市町村経営フォーラム

行政経営研究会発足

尼崎市最大職員数5,599( 人)

2002 4 1年 月 日現員3,914人

最大から現在の職員削減数1,685 30.1%人( )

あまがさき未来協会へ

職員労働組合専従へ

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尼崎市職員年齢構成表(事務職員)

0

20

40

60

80

100

120

18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59

年齢

職員数

男性職員

女性職員

管理職員

2004.4.1( 現在)

職員の年齢構成2

・50歳以上の職員の構成比率    53.2%・50歳以上の管理職員の構成比率  84.2%

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何が問題と考えたのか

第1ステージ その1

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地方自治体は、事務事業の柔軟な執行は求められていないのではないか

<方針管理>○ 基本方針として、新規

事業構築の政策調整方針、予算編成方針、定数変更方針などを発信する

<進行管理>○ 進行管理は、事務事業

の執行状況の把握を行う

○ 重要事務事業の進行管理は、面整備などの投資的事業の進捗度管理を主に行う

基本方針

部門別執行方針

実施基本計画

重要事務事業の進行管理

部内事業の進行管理

局長

Plan Do

市長

部長

局内事業の進行管理

具体的実施計画 課内事業の進行管理課長

事業の指導監督係長

事業の実施係員

Do

Do

尼崎市事務処理規程及び事務事業進行管理規程にみる行政管理

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どのような改革を目指そうとしたのか

基本方針

部門別執行方針

実施基本計画

重要事務事業の進行管理

部内事業の進行管理

局長

Plan Do See

市長

部長

局内事業の進行管理

具体的実施計画 課内事業の進行管理課長

事業の指導監督係長

事業の実施係員

Do

Do

行政評価による成果の検証

行政評価による成果の検証

行政評価による成果の検証

行政評価による成果の検証

目指すべきは、成果による統制

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何をしたのか

第1ステージ その2ゲリラ部隊の結集

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尼崎市事務事業評価導入の前夜<H10年度>(財)あまがさき未来協会 行政経営研究会 B/S作成 事務事業評価導入の示唆 ※ゲリラ部隊の結集

<トピックス> 関西学院大学 山本栄一先生の後押し 小西先生らとの出会い 日本経済新聞などの記事の掲載

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市町村経営フォーラム 99

< H10 年度の研究成果を実現するために> 市町村経営フォーラム 99 を開催  ⇒当時:逢坂町長、細川珠生氏、上山信一氏ら あまがさき宣言 99

何故か、福岡市で花開く   ⇒トップダウン(福岡市)と      ボトムアップ(尼崎市)の差か

※ゲリラ部隊の活動は

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あまがさき宣言 99

<抜粋>  また、われわれは、プロの公務員が誇りを持

って仕事ができる環境づくりを訴えたい。また、議会、住民、マスコミも、良い工夫、ひたむきな改善努力には賞賛を惜しむべきではない。例えば、ディズニーなどのサービス業の先端企業は、従業員を極めて大事にする。同様に、公務員が仕事に対して不安や不満を抱いているようでは、良質な住民サービスは期待できない。

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尼崎市の事務事業評価

第1ステージ その3~作ってはみたものの~

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尼崎市事務事業評価 その1( H13 年度バージョン)

事業開始年度所管した部長名所管した課長名

部 7部章 24章節 82節

施策・方向性 21番

(対象)

(意図)

(手段)

 藤井 棟昭 殿護 禎彦

担当部担当課

市民生活部市民課

    464 170   199 174     13 4 1市民 (住民基本台帳人口 , 人、世帯数 , 世帯 平成 年 月 日現在)

9 00 17 15本庁市民課、各支所市民課、園田東地区出張所(: ~ : )7 30 19 00 9 00 15 00地区出張所(平日 : ~ : 、土曜日 : ~ : )

822101

事業・業務名事業番号

住民基本台帳業務

本庁市民課、各支所市民課及び各地区出張所において届出の受付及び、各種証明書(住民票の写し、住民票記載事項証明、戸籍附票、転出証明)を交付する。

事業目的 → → → (誰を、どの地域を どのような状態にしたいのか そうすることによってどのような効果を得たいのか 実現する具体的手法)

基本計画の施策体系

業務市民サービス市民サービス業務

戸籍・住民基本台帳部門

何のために資金を投入するのか

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尼崎市事務事業評価の特徴1

予算小事業(約 3,000 事業)を目的別に整理した(事務事業評価:約 1,000 事業)

  ⇒予算事業との不整合が生じた

全事務事業を総合計画・実施計画の施策体系と関連付けを行った

  ⇒事業の多面性を無視

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尼崎市事務事業評価 その2( H13 年度バージョン)

インプット 11年度決算 12年度決算 13年度決算 14年度予算 15年度予算決算額 594,190 636,704 616,894 606,284 0

財 国・県支出金 0 0 0 0源 市債 0 0 0 0

決 内 一般財源 488,140 533,712 511,380 502,476 0訳 その他 106,050 102,992 105,514 103,808

566 3,648 13,907 12,803算 111,298 131,945 133,216 135,610

454,531 475,945 443,727 429,880額 27,795 25,166 26,044 27,991

(正規職員) 39.43人 40.54人 37.59人 39.05人(嘱託職員) 10.18人 13.82人 13.96人 9.15人

0 0 0 00 0 0 00 0 0 00 0 0 0

21,491 16,905 9,810 10,193615,681 653,609 626,704 616,477 0

△( 控除)雑収入

部門外経費直接人件費

(加算)金利

間接費

△( 控除)非コスト項目

(加算)退職給与引当

(加算)減価償却費

事業費合計

フルコスト

いくらの資金を投入するのか

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尼崎市事務事業評価の特徴2

<コスト集計の特徴> 人件費のみの事務事業を認識 事務事業に人件費を配賦 減価償却費を費用として認識 資本支出を事業費から控除 事務事業に間接費及び共通費を配賦

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尼崎市事務事業評価 その3( H13 年度バージョン)

11年度決算 12年度決算 13年度決算 14年度予算 15年度予算353,501件 343,307件 351,714件 346,036件

単位当たりコスト(円) 1,742円 1,904円 1,782円 1,782円 #DIV/0!

26,648時間 29,168時間 31,698時間 29,714時間行 単位当たりコスト(円) 23,104円 22,408円 19,771円 20,747円 #DIV/0!

評12年度決算         1,850園田支所 円 13年度決算        1,599園田支所 円

    2,434    本庁市民課 円         993阪尼出張所 円     2,055    本庁市民課 円     1,081阪尼出張所 円             0中央支所 円   2,527出屋敷出張所 円        2,290中央支所 円  2,597出屋敷出張所 円       1,401小田支所 円      1,159塚口出張所 円        1,528小田支所 円     1,175塚口出張所 円       1,926大庄支所 円   1,427東園田出張所 円        2,019大庄支所 円  1,377東園田出張所 円       1,471立花支所 円   9,030園田東出張所 円        1,589立花支所 円  8,751園田東出張所 円

価        1,426武庫支所 円 2,736立花駅前出張所 円        1,489武庫支所 円 2,013立花駅前出張所 円

(施設別・活動別・類団・民間)

比較分析コメント

1施設別住民票の写し等証明書発行 件当たりのコスト数値である。※ 本庁市民課の中には、ホストコンピュータ関連経費及び住民基本台帳入力業務等に要する人員を含んでいるため、コスト増となっている。

(経年業績評価)

比較分析コメント

(経年業績評価)

証明書発行件数

利用可能総時間

アウトプット

住民票の写し等証明書1件当たりのコスト数値である。 1証明書発行1件当たりのコスト負担内訳(市 ,482 300円、 市民 円)

1平成13年 月から住民基本台帳業務のうちデータ入力作業を業者委託したことによる人件費の減により、1件当たりコストは減少している。

比較分析コメント

比較数値

※ 11 6 1 平成 年 月 日 各出張所における昼休み窓口業務実施※ 12 6 1 平成 年 月 日 立花駅前出張所業務開始※ 3 4 1 平成1年 月 日 中央支所業務開始よって各施設利用可能総時間は増加し、単位当たりコストは減少している。

結果、どうなったのか

Page 25: 意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~

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尼崎市事務事業評価の特徴3

<事務事業のコスト分析の試み>部門間比較類似事務事業比較 経年変化 ABC 分析の試み ⇒しかし、部門長に費用をコントロール   する権限が付与されているのだろうか・・・・。

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どんなことがしたかったか

<常に改善を目指す組織>

第1ステージ その4~夢物語~

<救急救助編>

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救急件数の伸びを見ると・・・1隊あたりの救急件数

2,000

2,200

2,400

2,600

2,800

3,000

3,200

3,400

3,600

3,800

8平成年 9平成年

10

平成年

11

平成年

12

平成年

13

平成年

14

平成年

15

平成年

16

平成年

17

平成年

18

平成年

19

平成年

20

平成年

21

平成年

22

平成年

23

平成年

年度

救急件数

1隊増隊し7隊に

増隊の必要が発生?

震災移行の増加から算出

さらに増隊の必要が発生?

Page 28: 意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~

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尼崎市の救急活動傷病程度別の推移

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

平成3年度 平成4年度 平成5年度 平成6年度 平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度

年度

件数

死亡 重症 中等症 軽症 その他

軽症

中等症

重症

死亡その他

阪神大震災前

31.0%増

34.5%増

クラフ1

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こんなので、対応できない?                         増隊する  コスト増大

            救急隊増やす                         軽症者に、ボラン

ティア・タクシー                         を利用してもらう救急件数の増加に対応    軽症者の利用            を減らす        モラル向上のための啓発

                          救急車の稼働率向上

            救急車の稼動            率を上げる       救急隊の稼働率向上

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当時の事務事業評価導入目的(公式見解)

 「事務事業評価システムは、行政活動によって提供されるサービスやその成果を顧客である住民の視点から客観的指標で評価するとともに、その評価内容を情報開示することによって、行政として説明責任を果たし改革改善を推進していく手段です。」

コスト評価機能の強化【執行評価】 顧客成果志向の行政運営【政策評価】 行政の体質改善・職員の意識改革 経営的視点(ニュー・パブリック・マネジメント)の導入

Page 31: 意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~

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私が目指したかったこと 成果(結果)に対する責任を負う組織運

営  ⇒現場では、救急活動のような絶え間ない改善

政策・予算・定数の3つの意思決定の統合のための共通言語の作成

極端な政治的恣意性の排除   ⇒これが後に・・・

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事務事業評価を導入したが、何も起きなかった?なぜ???

<甘い暗黙の前提条件> 業績を測定する事務事業評価を実施し、

そのすべてを公開することにより、市民・議会から改革への健全な圧力が生じて、職員の成果に対する考え方や仕事のあり方を変えざるを得ない状況になる

<第1ステージの反省>外からの改善改革の圧力を期待するので

はなく、自ら変わる意識改革が必要!!

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H14 ~ 16 年度改革の第2ステージ

新たな行政経営システム構築~幻想と幻惑の狭間で~

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経営再建プログラム(抜粋)新たな行政経営システムの確立と発展  近年の行政課題は、益々多様化・高度化し、柔軟かつ迅速な意思決定と業務運営が求められることから、成果志向に基づく事務事業の選択と集中を定着化させ、各局の主体的な改革改善の取組を促すため、行政資源の弾力的な運営方策を確立する必要がある。

  このため、新たな行政経営システムを、事務事業評価システムを中心として確立し、継続的に事務事業の再構築を進めるとともに、政策評価(新規事業評価)導入の取組も進める。

  また、上記の行政経営システム運用の一環として外部評価を導入し、透明性・客観性を高めるとともに、全庁的な改革改善実践運動を展開する。

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経営再建プログラムで目指したもの

<NPMに基づく行政経営システム> 管 理:予算の執行管理、予算執行のための事業      の工程管理

マネジメント:事業実施による成果と実際のギャップを       発見して解決し、決められた目標達成

を行       う

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政権交代

第2ステージ その1~事業見直しの影での幻惑の時代~

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行政経営への取組( BY福岡市DNA2002)

管理部門主導、上意下達型の改革手法は、本市では限界にきている。求めるべき行政経営改革は、所管部局室、そして、現場職員が自律的に改革改善に取り組む環境をつくらない限り、抜本的な経営改革は望めない

これまでの行革 求める抜本的な行政経営改革

行革本部

トップは最初の掛声だけであとは専門部署任せ

自前の処方箋提示

¶ 当事者意識なし(「やらせる人」と「やらされる人」に分離) ¶ その場しのぎ、一過性 ¶ けちけち運動が中心となりがち

¶ 市民ニーズに立脚 ¶ 自律改革(一人ひとりが改革の当事者) ¶ 学習と改善の持続的サイクル、次々にバージョンアップ

トップのリーダシップトップが率先して継続的にリード

新たな手法導入・外部専門家の評価・外部機関、人材の活用

市民の参画・協働・市民への情報公開・市民との対話・市民との協働

局・室の使命

課・施設の使命

職員の意識改革・現場レベルの改革改善実践活動

Page 38: 意味のある行政評価とは ~行政経営改革の限界と可能性~

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尼崎市の目指す姿求める抜本的な行政経営改革

¶ 市民ニーズに立脚 ¶ 自律改革(一人ひとりが改革の当事者) ¶ 学習と改善の持続的サイクル、次々にバージョンアップ

トップのリーダシップトップが率先して継続的にリード

新たな手法導入・外部専門家の評価・外部機関、人材の活用

市民の参画・協働・市民への情報公開・市民との対話・市民との協働

局・室の使命

課・施設の使命

職員の意識改革・現場レベルの改革改善実践活動

トップマネジメント

<業績マネジメント> ¶ 集権化・集中化(トップダウン:戦略レベルの意思決定) ・歳出総額の決定 ・資源配分の優先順位付け ・全庁的目標設定 ¶ 分権化・分散化(ボトムアップ:戦術レベルの意思決定) ・個別プログラムへの資源配分 ・事務事業の選択 ・運営費レベルの意思決定

権限・裁量・達成すべき目標の明確化・予算、人事等のインプット に関する裁量・インセンティブ

説明責任・業績成果の報告

各局・室長

権限・裁量・達成すべき目標の明確化・予算、人事等のインプット に関する裁量・インセンティブ

説明責任・業績成果の報告

各課長

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39

目指していたもの 経営システム改革 ⇒集権と分権による経営システム  ⇒①分権するための目標設定  ⇒②成果主義に基づく予算編成(枠配分予算編成)  ⇒③目標と結果のギャップ評価の施策評価

 ⇒推進の補助エンジンとしての外部評価委員会の設置

現場からの改革改善実践運動 ⇒YAAるぞ運動( DNA 運動の模倣) ⇒即決・プロポーズ大作戦(プロポーザル運動の模倣)

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一言で言うと 歳出総額の決定、資源配分の優先順位付け、全庁的目標設定という長期的・全体的な展望にたった意思決定をトップ層に集権化

この意思決定に基づく個別事務事業への資源配分、事務事業の選択、運営費などの具体的な遂行方法の意思決定を所管局に分権

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改革手法の乱立

第2ステージ その2~幻惑から現実に~

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改革手法の乱立<新市長が目指した改革>住民との対話重視住民が行政運営の主体であり、住民の意見

という外圧を利用して、行政組織を揺るがし行政の改革を行う

<私が目指した改革>住民に付託を受けた結果に対して説明する 自ら責任を持ち決めることを決め、部下に任せるところは任せつつ改革を行う

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新しい行政経営改革の取り組み 年度 評価状況区分 主な取組内容

○経営再建プログラム策定

○経営再建プログラム・タウンミーティングの実施・パブリックコメントの実施・車座集会の開催○新たな行政経営システム構築・タウンミーティング実施・パブリックコメントの制度化・車座集会実施・市長室オープントークの実施・ネットモニター制度の導入・新規事業評価の導入(ハード事業を除く)・施策評価委員会の設置(新規事業の外部評価実施)・総合調整方針の発信・YAAるぞ運動実施(全庁的改革改善実践運動)・プロポーズ大作戦実施(職員提案制度)○新たな行政経営システム構築・三役と局長の政策課題の意見交換実施・枠配分予算編成方式の一部導入・民間経験者の職員採用

H16

H14

H15

事務事業評価実施を中心とした新しい行政経営システムの構築

市民との対話強化

集権と分権システム導入と機能強化

・外部の力に依存するのではなく、自ら変わる意識改革を、行政改革に組み込んだ行政経営改革に戦略の転換

市長交代・市民との双方向のコニュニケーション機能強化

<出来なかったこと。・目標設定・評価と人事評価との連動

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改革のつまづき

第2ステージ その3~現実の世界で~

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改革のつまづき 総額管理施策別枠配分予算編成方式導入

の失敗ツールである予算編成の方法が先走り、

組織がついてこれなかった担当者が全局長に、予算編成方法の変更

を個別に説明 (経営推進会議での指示とはいえ、独走の表れか・・

・)

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改革のつまづき総額管理施策別枠配分予算編成1

欲求段階に基づく事務事業の段階別分類 

より高い価値

を求める

人の命に

かかわるもの

普通以上②:生涯学習、スポーツ活動、

研究開発など 第5段階

第4段階

第3段階

第2段階

第1段階

普通以上①:文化施設・文化財保全

都市開発、企業誘致など

普通:保育・幼稚園、高等学校

公園整備、相談・リハビリなど

最低限②:医療・福祉、生活保護

義務教育、生活道路など

最低限①:防災・防犯、救命救急

災害復旧など

このほかに、市役所内部の管理業務(第0段階:組織の維持)があります。

価値観が

多様化する

価値観が

一元化する

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改革のつまづき総額管理施策別枠配分予算編成2

  

り  病  者

被  災  者

△ △局

◇ ◇局

☆☆局

子ども(生産年齢未満)

高齢者・自立

勤労者

××局

年代で区分

 女 性

 生産年齢

○○局

組織別に区分

受益者非特定=市民一般

低 所 得 者

▲ ▲局

障  害  者

受益者

個人市民 法人市民 その他(来訪者など)

受益者特定

★★局

※※局

高齢者(要介護)

受益内容で区分

受益者区分(擬似的施策体系)

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改革のつまづき総額管理施策別枠配分予算編成3

施策別削減配分額 (単位:千円)0段階 1段階 2段階 3段階 4段階 5段階 合計

市民一般 0 0 0 85,697 80,850 35,443 201,990子ども 0 0 0 35,651 617 941 37,209親 0 0 0 15,784 6,104 57 21,945女性 0 0 0 437 1,028 2,270 3,735勤労者 0 0 0 1,777 0 1,139 2,916高齢者(自立者) 0 0 0 28 0 5,760 5,788高齢者(要介護者) 0 0 0 39 285 0 324心身障害者 0 0 0 6,390 1,639 28 8,057り患者 0 0 0 0 0 0 0被災者 0 0 0 434 0 0 434低所得者 0 0 0 22 0 0 22その他 0 0 0 0 0 986 986事業者 0 0 0 960 4,161 8,925 14,046内部 202,547 0 0 0 0 0 202,547

A合計 202,547 0 0 147,219 94,684 55,549 499,999

一般財源配分検討資料

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改革のつまづき総額管理施策別枠配分予算編成4

<各局長説明資料より>

Ⅰ.導入目的 1.行政全体を鳥瞰した施策(受益者)別の経  営資源配分の意思決定

 2.経営資源配分意思決定により、各局室へ の権限委譲を行い、自律した経営を目指す

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もう1つのつまづき(スプリングレビュー)行政経営システム年間スケジュール

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月

事業執行出納閉鎖期間 レビュー期間 意見聴取期間 審議期間

各局と3役の課題の整理枠配分額検討

経営幹部

所管局室

再構築

事務事業

行政評価

サマーレビュー・事務事業再構築・新規事業構築

外部評価及び2次評価のための・事務事業再構築調整・新規事業調整

前年度決算評価書作成

施策評価委員会施策評価

予算案審議

事業実施

委員会

施策評価

新規検討事業及び

施策評価の2次評価

総合調整方針策定

予算編成

市 民

評価結果公表レビュー結果公表・パブリックコメン

ト・出前講座など

議 会

評価結果説明

パブコメなどによる修正の検討

修正結果説明

予算案公表

行政経営運営方針策定

前年度評価分析

財政局

企画

各局内課題整理

前年度評価分析

プレゼン・施策評価委員会・2次評価

予算審議

前年度評価書公表

前年度評価書説明

決算審査

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尼崎市の総括

公式見解と独断と偏見に基づく総括

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尼崎市の今後の展開(公式見解)

<課題> 導入したシステムが未成熟システム相互の連携がない

事務事業評価の熟度を上げる 行政経営推進室の所管する仕組みを事

務事業評価を中心に組み替える

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尼崎市の本質的課題(私見)

経営トップ層の経営スタイルと目指したNPM に基づく行政経営システムとが不整合

経営トップ層の考えの不整合による改革推進力の問題

職員の意識は、改革が持続的であるか懐疑的である

職員の年齢構成上の問題から、改革を推進する役職者が少ない

組織的に改革が推進されていない

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行政経営改革の本質的問題 行政改革:事務事業の見直+行政経営改革 行政経営改革は、内部統制の改革である 内部統制は、経営者が形成するものである 内部統制のあり方は、経営者のスタイルに適合したものでなければならない

NPM のスタイルは、万能ではない 事務事業の見直しを決定するのは、政治システムの領域 政治システムでは、理屈の世界で決定されない  (時には、評価と政治的判断が乖離することがある)

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自分自身の総括

おまけ~要らんと言われるかもしれませんが~

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雑感 表面だけを見るのではなく、本質を見極める力

を養うことが重要 役所の根幹は財政であるが、財政課を中心とし

た改革が実現しなかった (調整課により枠配分予算編成方式への変更を行う)

現状において自己の出来ることの限界を感じ、当面は自分を肥やす時期と決め、大学院で基礎を学び直すこととした(でも、会計学です・・・)

また、自分自身の財政などの知識不足を痛感し、小西先生主宰の地方財政アカデミーで学ぶ

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雑感2(地方財政アカデミーでの気づき) 某市スーパー財政課長の注意していること ①現場での管理事務を増やさない工夫 ②現場のキーパーソンの巻き込みが必要 ③トップには、苦言を呈することも時には必要 小西先生 ★信頼された分だけ改革ができる

⇒独り突っ走らず、組織総体が変革できるように、緩やかに進めることが重要

⇒ 理屈を学んでも、信頼がなければ改革はできない