バングラデシュの サイクロン

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バングラデシュの サイクロン. 災害と気象学の関係に関する考察. 災害と気象学研究の原点. 災害との出会いの原点(院生時代) バングラデシュのキラーサイクロン (1991) 阪神淡路大震災 (1995) 気象学にとっての災害、災害にとっての気象学 災害をもたらす大気現象はしばしば興味深い気象学や災害科学の題材となる 旱魃や大雨→大規模な大気の流れの研究 集中豪雨→メソスケール対流雲の自己組織化 気象学研究は果たして防災に役に立つのか? バングラデシュのサイクロンと 阪神淡路大震災から考える. インド洋のサイクロン. サイクロンとは - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: バングラデシュの サイクロン

バングラデシュのサイクロン

災害と気象学の関係に関する考察

Page 2: バングラデシュの サイクロン

災害と気象学研究の原点 災害との出会いの原点(院生時代)

バングラデシュのキラーサイクロン (1991) 阪神淡路大震災 (1995)

気象学にとっての災害、災害にとっての気象学 災害をもたらす大気現象はしばしば興味深い気象

学や災害科学の題材となる 旱魃や大雨→大規模な大気の流れの研究 集中豪雨→メソスケール対流雲の自己組織化

気象学研究は果たして防災に役に立つのか? バングラデシュのサイクロンと阪神淡路大震災から考

える

Page 3: バングラデシュの サイクロン

インド洋のサイクロン サイクロンとは

熱帯低気圧のうち、北インド洋などで発生し、基準まで発達したものをサイクロンと呼ぶ

台風やハリケーンのなかま

Hayashi (2008)

Page 4: バングラデシュの サイクロン

世界の熱帯低気圧 赤道付近の暖かい海で発生する

→ 暖かい海面から蒸発する水蒸気が重要 赤道上では発生しない

→ コリオリの力による回転が重要

一般気象学第 2 版

Page 5: バングラデシュの サイクロン

台風と熱帯低気圧 北西太平洋の熱帯低気圧のうち、域内の最大

風速がある基準より強くなったもの=台風

WMO の typhoon

風速 64 ノット(1 分間の平均風速 )

日本の気象庁の台風

風速 34 ノット= 17m/s(10 分間の平均風速 )

気象科学事典

Page 6: バングラデシュの サイクロン

熱帯低気圧は回転する渦 北半球では左回りの渦となる(コリオリ力)

デジタル台風:雲画像動画アーカイブ

2004 年 8 月の雲動画

Page 7: バングラデシュの サイクロン

バングラデシュのサイクロン被害 甚大な被害

最大の原因は高潮災害 桂ら (1992)

寺尾 (2008)

Page 8: バングラデシュの サイクロン

海岸線を襲った高潮 高潮高の推定計算結果( Chittagong )

5m の高潮 満潮時と重なる

桂ら (1992)

Page 9: バングラデシュの サイクロン

サイクロンの経路と高潮被害 Kutubdia

高潮高 3.8m

Hatia 高潮高 4.7m

桂ら (1992)

Hatia

Kutubdia

Page 10: バングラデシュの サイクロン

高潮と吹き寄せ効果 台風の進行方向の右側と左側の風

危険半円(右側)と船 吹き寄せ効果

Page 11: バングラデシュの サイクロン

高潮と吸い上げ効果 熱帯低気圧は中心気圧が低く、海面が上昇す

る 1hPa の気圧低下につき約 1cm の割合

吸い上げ効果桂ら (1992)

Page 12: バングラデシュの サイクロン

参考:伊勢湾台風のコース 伊勢湾台風の強さ

とコース、地形の特徴から、名古屋付近における高潮被害が激甚化した。危険半円吸い上げ効果

宮澤 (1999)

Page 13: バングラデシュの サイクロン

サイクロンの経路と高潮被害 Kutubdia

高潮高 3.8m 死亡率 18.9%

19,133/101,118 Hatia

高潮高 4.7m 死亡率 1.0%

2,956/300,819

参考:名古屋市南区 ( 伊勢湾台風 ) 死亡率 1.0%

1,417/146,500 桂ら (1992)

Hatia

Kutubdia

Page 14: バングラデシュの サイクロン

高潮高と死亡率の関係 自然的要因だけに解消さ

れない被害状況の違い 高潮の規模とリスクの関

係 地域による大きな差異 何がこの違いを作ったか

災害拡大の要因は?

桂ら (1992)

Page 15: バングラデシュの サイクロン

サイクロンシェルター Kutubdia

前回の高潮被害が 1897 年 重点建設地域ではなかった

Hatia 12 基のシェルター完成

対策の意義は明白

Page 16: バングラデシュの サイクロン

気象学はどこに? サイクロンの襲来は予測していた ( 桂ら ,

1992) インドの人工衛星からの雲画像は得られなかった

が、日本や米国の雲画像は入手していて、サイクロンが迫っていることは認識していた。

海岸沿いのレーダーシステムは稼働していて、データがダッカに転送できない問題はありつつも、サイクロンの襲来は認識していた。

今必要なことは気象学の発展ではない? 原因はむしろ社会の防災体制にあった

シェルターの問題・情報伝達の問題

Page 17: バングラデシュの サイクロン

再び襲来したサイクロン サイクロン Sidr の襲来 (2007.11) 4000人以上の犠牲者・・・だが、

その後のバングラデシュ

Page 18: バングラデシュの サイクロン

伊勢湾台風とサイクロン バングラデシュの被害を日本の台風被害のグ

ラフに重ねてみる

桂ら (1992)

「バングラデシュもようやく伊勢湾台風並みになった

なぁ」ある南アジア気象研究者の言

Page 19: バングラデシュの サイクロン

役に立ったレーダー 2008年2月に運用開始今回のサイクロンの襲来に

は間に合わなかった. しかし,サイクロンシェ

ルターとして機能し、500名が避難した.

Hayashi, 2008

Page 20: バングラデシュの サイクロン

阪神淡路大震災 地震被害と「役立つ気象学」

Page 21: バングラデシュの サイクロン

ブルーシートと天気予報 天気予報の威力を感じた震災直後の避難生活

雨の降るタイミングをあらかじめ予測し、被災者に雨対策を呼びかける天気予報

復興へ向かう街の中で役に立った気象学

Page 22: バングラデシュの サイクロン

エルニーニョと日本を襲う台風 エル・ニーニョ/

ラ・ニーニャと台風台風の発生位置や

強さ・コースが変わってくる

→エル・ニーニョ/ラ・ニーニャの予測は日本付近の台風予測につながる

Wang and Chan (2002)