ある現役エンジニアからの提案 (高専生向け進路指導関連講演)
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ある現役エンジニアからの提案株式会社ハートビーツ斎藤 祐一郎2015/02/25@産業技術高専 品川キャンパス
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はじめに• 60分プレゼン・30分質疑とします。• このスライドは公開します。• スライドの内容を踏まえて書いていないことをお話しします。• メモを取る場合は書いていないこと中心に行ってください。
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自己紹介: 斎藤 祐一郎 (@koemu)
筑波大学 大学院 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻 博士前期課程修了
(株)ハートビーツ 基盤開発エンジニア• ITインフラの構築・運用を自動化するシステムの開発担当
(株)TENTO ボランティア講師• 小中学生プログラミング塾・イベント実行委員
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今日話すこと1. 勤務先について2. どうやって今に至ったか3. 就活の時に取り組んでみるといいこと
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ここで話すこと
1. 今の仕事の紹介2. 新人育成体制とキャリアパスの事例紹介3. ハートビーツの特徴
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今勤めている会社
• 株式会社ハートビーツ(以下、HB)とは?• 従業員: 60人弱 (アルバイト含む)
• 主力: MSP
• 子会社: セキュリティ分析ツールWaltiの提供
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MSPって?
• インターネットサービスを提供するサーバ・ネットワーク(ITインフラと言う)の構築・運用、そしてコンサルティングを行う。
• 原則、お客様からサーバを預かる。
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例えば
• Gizmodo Japan
• WWDCapの模様をリアルタイム更新。• 読者が頻繁にリロード→相当負荷かかる!
• でも、落ちない。• HBのメンバーが落ちないように支えたgz。
gz 参考: http://heartbeats.jp/casestudy/gizmodo.html
ap WWDC: https://developer.apple.com/wwdc/
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実務のサーバ構築とは
• ただ、動くだけではダメ。• 高い負荷に対する備え(チューニング)。• セキュリティ対策。• トラブル(障害)に備えたバックアップ体制の構築。
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(つづき)
• ただ、動かし続けるだけでもダメ。• 万一、障害が起きた時に誰が治すのか?• 休日・夜間は誰が動くのか?• 想定以上の負荷がかかったら誰が対応するのか?
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MSPとは
• 以下の価値を提供する会社。• お客様から依頼を受け、• 「実務で使うサーバ」を構築し、• 安心・安全にサーバを動かし続ける。
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そのためにHBでは…
• 24時間 365日 必ず人が守る。• シフトを組んで負担を偏らせず、無理なく楽しく勤められる仕組みを整えている。
• 日々、技術を学び続けている。
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どういうこと?
• 初めてIT関連の仕事をする人でも、お客様のサーバを預かるにふさわしい技術力を育成する。
• 責任を持ってお客様のサーバを預かれる技量に達した段階で、現場に立つ。
• アルバイトも、正社員も関係なく同様に育成。
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高専卒のアドバンテージ
• 既にITの職務教育を受けているため、技術の獲得がスムーズに進む。• コンピュータの仕組みを理解する素養がついている。
• 他の人に比べて比較的早く現場に立てる。• 高専生を求めているIT企業は少なくない。
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新人育成の現状
• IT系中小企業で、新人育成を適切にやっている所は、あまり無い模様。• 数週間軽く実習。その後、いきなり現場。
• 多くの場合、現場で必要な技術力と、新人が持つ技術力の乖離が大きい。• 努力と根性で乗り切る!?それは解決にはなっていない。
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(つづき)
• HBは、組織の力で一人一人を支えている。• 不本意なドロップアウトを防いでいる。• お客様にとっても、サービスの品質が安定することとなるので良い。
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ここまでのまとめ
1. MSPは、インターネットサービスを動かすITインフラを守る仕事。
2. キャリアパスが提示されていると、自分がどのように成長できるか思い浮かべやすい。
3. 新人育成が適切に行われている会社は、結果として自分自身が現場でいち早く活躍しやすい。
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おはなしすること
1. 大企業と中小企業の違いと選択理由2. 常に変化が求められる技術3. どうやって未来を切り開こうとしているか
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大企業
• 多種多様な業務と職種• 確立された業務プロセス• その中で小さなことから確実にこなす• 人間関係がより重要
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中小企業
• 業務を特化している• 緩いルールと柔軟な業務プロセス• 幅広い権限と担当範囲• 実務で何ができるかがより重要
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どうして僕は中小企業を選ぶのか
• 給与査定: 大企業は高卒だと低い• それが組織の ルール
• 権限: もっと幅広く仕事をしたかった• 人間関係: それよりも開発に注力したかった
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僕に求められた技術
• 1社目: サーバサイドJava
• 2社目: スケールアウト, 計算量の最適化, グロースハックgh, コンタクトセンタ立ち上げ
• 3社目: プロジェクトマネジメント, 要求定義• 4社目: 瞬間的な大量処理, AR
• 5社目: ITインフラ構築, 生産性向上(自動化等)gh 定量的評価を基にした営業利益向上の取り組みの総称
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変わるものと変わらないもの
• 変わるもの• 現場で使う技術• 技術に対するベストプラクティス• 付き合う人
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(つづき)
• 変わらないもの• 論理的な文章を読む・書く• 計算機科学基礎• より良い 人との接し方
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おまけ: 僕が心がける 人との接し方
• 相手に関心を持つ• 相手の目を見て話を聞く。• 相手の話にはっきりと頷く。• 時折、相手の話に質問する。
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大学受験の失敗
• 4年制大学へ行っていない?• 一浪してダメだったら働くと親と約束。• 大学受験に失敗。• 働いた。
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飛び級してでも大学院に行った目的gm
• 計算機科学を勉強し直したかった• 経営のことを論理的に学びたかった• 学歴を高めたかった
gm 詳細: ブログ - http://www.koemu.com/blog/2010/12/07/road-to-bs/
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飛び級して得たものgg
• 計算機科学基礎• 論理的な文章を読む・書く・説明する力• 自分自身が切り開きたい未来: 情報教育
gg 詳細: ブログ - http://www.koemu.com/blog/2013/05/06/graduated-from-gssm/
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エネルギー配分を最適にしていく
• 判断にはバランス感覚が必要• 進学・就職・転職は最たるもの。• 最初からうまく行くことに越したことはない。
• 一方で多くのことは挽回可能• 時が経つとエネルギー(体力・気力・お金)が更に必要。
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ここまでのまとめ
1. 大まかな傾向として、仕組みが整っているのが大企業、裁量が広いのが中小企業。
2. 今後、どんどん自分自身と周辺に変化が起きる。それに適応できるようにする。
3. 自分を変えたいと願い行動すると、未来が見え始める。
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お話しすること
1. 情報の集め方を工夫してみる2. OB訪問をしてみる3. 勉強会に行ってみる
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多くの視点で集める
• 情報を集める• なるべく現場に近い情報を得る• 多くの視点を用いる• よいキャリアの ステップ を見つける
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多くの視点とは?
• 言っていることは一貫性があるか調べておく• 就活生・転職者• 従業員• 顧客• 取引先 (仕入元・アウトソース先)
• 投資家 (株主・銀行)
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誰を訪ねるのか
• 対象: 必ず「現場のエンジニア」• 今後その会社で仕事をした時の鏡にしやすい。
• OBの人から、 想定 と 現実 のギャップを聞くとより現実感が増す。
• 東京に住んでいるアドバンテージを活かす!• 就職課で斡旋してくれるなら活用する。Copyright © 2015 Yuichiro Saito All rights reserved. 54
(つづき)
• 人事、営業担当など違う業務だとまた違った観点で話をする。• 仕事を始めた時に「あれっ?」となるかも。
• 余裕があれば聞いてみる、程度で良いかも。
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勉強会とは何か
• 現場のエンジニアは、勉強会に参加して日々情報交換に努めている。• 最新情報を一人で追うのは難しい。• 学んだ知識を交換することで、技術者同士で技量をあげ合う。
• ひいては自分たちの知識を高めることにつなげる。
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学生が勉強会に行くと
• 現場で何をやっているのか直接聞ける• 懇親会を狙え!オフレコ話も一杯!!• 「酒無理です」は遠慮なく言って良し。お酒が飲めない人も普通にいる。
• 違うパスから就職試験を受けられるかも• 現場からの紹介制度を持った会社がある。
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勉強会を探す
• connpasss: http://connpass.com/
• dots.: http://eventdots.jp/
• atnd: http://atnd.org/
• zussar: http://www.zusaar.com/
• 高専カンファレンス: http://kosenconf.jp/
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ここまでのまとめ
1. 勤めたい会社が、伝えていることが各方面の利害関係者に対して一貫しているかを確認する。
2. OB訪問で、近いケースから今後の自分を想定してみる。
3. 勉強会を通じて、現場の生の声を聞いてみる。
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僕からの提案
1. 駆け出し時は、キャリアパスを描きやすく、その道筋を照らしてくれる会社に入ると自分が成長しやすい。
2. 社会に出たら、常に変化が起こる。まずは、変化に適応できるようにして行く。
3. 情報を多方面から集めて、今後の自分をより深く想像するための引き出しを増やす。
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