日本のクリーンコール技術の海外への 普及促進政策 340 0 500 1,000 1,500 2,000...

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日本のクリーンコール技術の海外への 普及促進政策 平成246資源エネルギー庁 石炭課 梅原徹也 1

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日本のクリーンコール技術の海外への 普及促進政策

平成24年6月

資源エネルギー庁

石炭課

梅原徹也

1

2

インフラシステム輸出にかかる政府の動き

3

パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合

2010年6月に閣議決定された新成長戦略にて、パッケージ型インフラ海外展開が21の国家戦略プロジェクト の1つとして位置付けられ、大臣会合を2010年9月に設置。

○インフラ分野の民間企業の取組を支援するため、以下の事項について、国家横断的かつ政治主導で判断を行う (1)個別の重点プロジェクトの取組の支援 (2)重点分野の戦略策定、横断的・構造的問題の改革 ○会議の構成 (1)議 長:内閣官房長官、国家戦略担当大臣 (2)構成員:総務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣 ○これまでの開催実績 第1 回 H22. 9 パッケージ型インフラ海外展開について 第2 回 H22.10 パッケージ型インフラ海外展開に関する政府部内の体制強化、原子力発電分野について 第3 回 H22.10 ベトナムについて 第4 回 H22.11 鉄道分野について 第5 回 H22.12 水分野について 第6 回 H22.12 横断的・構造的問題について 第7 回 H23. 1 石炭火力発電分野について 第8 回 H23. 2 インドネシアについて 第9 回 H23. 8 資源(レアメタル・レアアース)について 第10回 H23.10 ASEAN連結性について 第11回 H23.12 インドについて 第12回 H24. 2 ミャンマーについて 第13回 H24. 3 宇宙について 第14回 H24. 4 メコンについて

4

2010年6月に経済産業省より公表された「産業構造ビジョン2010」において 戦略5分野の一つとして、重点11分野にかかるインフラ・システム輸出の重要性 が提言されており、石炭火力発電・石炭ガス化プラントは重点11分野のうちの1つ。 経済産業省は、2010年8月より、我が国企業によるインフラ・システム輸出を一層 促進すべく、国際競争力強化等の方策を示すことを目的として、産業構造審議会 インフラ・システム輸出部会を開催している。

第1回 2010年8月①インフラシステム輸出を進めるに あたっての今後の官民連携のあり方 第2回 2012年4月①インフラ・システム輸出の現状と課題 ②日本企業の競争力 第3回 2012年5月①貿易保険の現状と課題 ②円借款、海外投融資の現状と課題 (以下、予定) 第4回 2012年6月①競争力強化WGからの報告 ②日本企業の競争力強化策 夏以降(3回程度開催) ○上流段階からの案件形成への関わりの現状と課題 ○海外との連携について ○11分野ごとの取組の現状と今後の方向性

①経済産業省政務三役 ②企業、金融及び団体の代表者 ③学者、有識者

①水 ②石炭火力発電・石炭ガス化プラント ③送配電 ④原子力 ⑤鉄道 ⑥リサイクル ⑦宇宙産業 ⑧スマートグリッド・スマートコミュニティ ⑨再生可能エネルギー ⑩情報通信 ⑪都市開発・工業団地

産業構造審議会インフラ・システム輸出部会

開催スケジュール メンバー構成

重点11分野

○90年代半ばから2003年まで4,000億ドル前後で推移。2003年以降、毎年平均約900億ドルずつ増加し、2009年以降は1兆ドル超。

○そのうち、海外受注分は約4,000億ドル。

世界の上位225コントラクターの売上高推移における自国内/海外別の推移 (億ドル)

海外受注 約4,000億ドル

国内受注 約6,900億ド

出典:ENR 「Top 225 International Contractors 2011」

3,080 3,210 2,970 2,340 2,470 2,500 2,560 2,480 2,560 2,950 3,350 3,730

4,270 5,170

5,750 6,220

6,890 920 1,050 1,270

1,100 1,160 1,190 1,160 1,070 1,170 1,400

1,680 1,890

2,240

3,100

3,900 3,840

3,840

4,000 4,260 4,240

3,440 3,630 3,690 3,720 3,550 3,730

4,350

5,030

5,620

6,510

8,270

9,650 10,060

10,730

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000 海外

自国内

合計

5

世界の上位225コントラクターの売上高推移における自国内/海外別の推移

世界のインフラ需要(売上高ベース)

世界の上位225コントラクター分野別海外売上高(2010年度)、主要受注企業国内訳

出典:ENR 「Top 225 International Contractors 2011」

6

(注)ENR Top 225 International Contractorsでは、商社、重電メーカーが含まれていないため発電分野の内訳は省略

1,090 893 830 386 124 512

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

分野

交通(Transport)

石油(Petroleum)

建設(Building)

発電(Power)

その他(Other)

交通(Transportation) 石油(Petroleum) 建築(Building) 発電(Power) 水(Water) その他

億ドル

計3,835

海外インフラ受注の状況(分野別)

世界の上位225コントラクター域別海外売上高(2010年度)、主要企業受注国内訳

942 766 724 606 456 340

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

地域

ヨーロッパ

アジア

中東

アフリカ

北米

南米・カリブ

ヨーロッパ 南米・カリブ 北米 アフリカ 中東 アジア

億ドル

計3,835

中国 235

イタリア 100

フランス 59

韓国 22

日本 8

その他182

スペイン 108

イタリア 61 米国

35

中国 33

韓国 7 日本 5

その他 91

出典:ENR 「Top 225 International Contractors 2011」 7

ドイツ 96

米国 96

フランス 50

日本 19

韓国 5

中国 4

その他187

米国 117

韓国 111

中国 100 イタリア

54

日本 42

その他299

中国 174

ドイツ 168

米国 97

日本 78

韓国 36

その他213

フランス 211

スペイン 156

ドイツ 61

中国 24

日本 4

その他 485

海外インフラ受注の状況(地域別)

ランキング

アフリカ

2002年 2006年 2010年

1 米国 中国 中国

2 フランス フランス イタリア

3 中国 米国 フランス

4 日本 イタリア 英国

5 イタリア 韓国 トルコ

6 ドイツ ドイツ 韓国

7 韓国 トルコ スペイン

8 英国 日本 英国

9 オランダ スペイン ドイツ

10 カナダ 英国 カナダ

(参考) 地域合計

億ドル 111.4 179.1 605.9

ランキング

中東

2002年 2006年 2010年

1 イタリア 米国 米国

2 フランス 日本 韓国

3 日本 韓国 中国

4 米国 フランス イタリア

5 韓国 中国 トルコ

6 中国 英国 日本

7 英国 トルコ 英国

8 ドイツ イタリア スペイン

9 カナダ スペイン フランス

10 オランダ ドイツ ドイツ

(参考) 地域合計

億ドル 97.4 413.8 724.3

ランキング

アジア

2002年 2006年 2010年

1 日本 ドイツ 中国

2 中国 中国 ドイツ

3 ドイツ 日本 米国

4 米国 米国 日本

5 韓国 フランス イタリア

6 フランス 英国 フランス

7 英国 トルコ 豪州

8 イタリア 韓国 韓国

9 カナダ イタリア トルコ

10 オランダ スペイン 英国

(参考) 地域合計

億ドル 226.8 401.9 766.4

(備考)アフリカの2010年については、日本は11位

出典:ENR「Top225 International Contractors 2003,2007,2011」

■我が国の受注ランキングは、アジア、中東、アフリカの全てで低下傾向。 ■韓国は中東、中国はアジア・アフリカでの台頭が目立つ。

8

日韓中の海外インフラ受注の地域別推移

我が国の石炭火力発電技術の強みと課題(弱み)

9

我が国の石炭火力は、高効率技術(超臨界圧・超々臨界圧)と運転・管理ノウハウにより、世界最高水準の発電効率を達成し、運転開始後も長期にわたり維持。

日本の最新技術を米中印の既存の石炭火力に適用した場合、約13億トンの削減が可能(日本全体のCO2排出量に相当)。 現在ASEANでは低効率の亜臨界圧が主流。

既存の発電技術 今後の技術開発 【石炭火力発電の効率向上】

日本

ドイツ

米国

豪州

中国

インド

25

27

29

31

33

35

37

39

41

43

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 (年)

熱効率(発電端・LHV)(%)

日本 ドイツ 米国 豪州 中国 インド

出典:資エ庁作成

出典:ECOFYS, “INTERNATIONAL COMPARISON OF FOSSIL POWER EFFICIENCY” (2008)

【各国石炭火力平均熱効率】

石炭火力発電からのCO2排出量実績(2007年) と 日本の最高効率適用ケース

283 256

1975

1571

2996

2264

688

471

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

実績 BP ケース 実績 BP ケース 実績 BP ケース 実績 BP ケース

日本 米国 中国 インド

CO

2排

出量

(Mt-

CO

2)

(▲27)

(▲732)

(▲404)

(▲217)

日本 米国 中国 インド

+▲404 (百万t) +▲732 (百万t) +▲217 (百万t) 約13.5億t

石炭火力 (Site B) 途上国

熱効率 (%, HHV)

0 10 20 30 40 運転開始からの経過年数

石炭火力 (Site A) 日本

設計熱効率

設計熱効率

熱効率の低下

【適切なプラント運用管理の重要性】

出典:電事連

出典 : 「IEA World Energy Outlook 2009」、「Ecofys International Comparison of Fossil Power Efficiency and CO2 Intensity 2010(電事連提供)」から作成

【石炭火力発電からのCO2排出量実績(2007年)と日本の最高効率適用ケース】

我が国の石炭火力発電は世界最高水準の発電効率

10

〔g/kWh〕

出所:電気事業連合会及び(財)国際環境技術移転研究センター資料より (日本は10電力+電源開発㈱、磯子は2005年度の実績値)

SOx、NOx等の環境対策も重要。

主要各国の石炭火力発電所から排出されるSOx、NOx量の比較

11

海外でのビジネス展開における我が国の課題(弱み)

国内における新技術の実用化に向けた実証の場の不足。 近年、中国・韓国プレーヤーの価格競争力に押され、相対的に競争力が低下。 欧米、韓国は重電メーカの寡占化が進んでいるものの、同一案件に我が国のビジネスプレーヤーが複数参加し、過当競争を実施。 企業によっては、東日本大震災以降、積極的な海外展開(投資)を考えづらい状況も存在。 政府は、バリューチェーン毎の複数の日本企業の過当競争に対し、国際社会でのフェアネスの追及から特定の企業・案件に肩入れすることが困難。

2010ATKEARNEY報告書 12

石炭火力発電分野の国際市場毎の現状・動向・課題

13

【アジア】 ①中国 ②インド ③韓国 ④インドネシア ⑤ベトナム ⑥タイ ⑦台湾

【東欧】 ⑧ウクライナ ⑨ポーランド

【中央アジア】 ⑩カザフスタン

EU ▲40GW(▲4.8兆円) (177GW → 137GW)

中東 1GW(0.1兆円) (0GW → 1GW)

アフリカ 21GW(52.5兆円) (41GW → 62GW)

インド 175GW(21.0兆円) (92GW → 267GW)

ASEAN 90GW(10.8兆円) (52GW → 142GW)

ロシア ▲4GW(▲0.5兆円) (47GW → 43GW)

北米 15GW(1.8兆円) (354GW → 369GW)

南米 7GW(0.8兆円) (4GW → 11GW)

中国 449GW(53.9兆円) (650GW → 1,099GW)

上の数字は2030年までの増加設備容量と 市場規模の金額(1GW当たり1,200億円と仮定し試算) 下の数字(括弧書き)は2009年の設備容量と2030年の設備容量見通し

2009年実績

2030年見通し

(単位:GW)

日本 ▲4GW(▲0.5兆円) (46GW → 42GW)

韓国+豪州+NZ 2GW(0.24兆円) (58GW → 60GW)

※ IEA World Energy Outlook2011 リファレンスシナリオを基に作成

※先進国(北米、EU、豪州、日本等)は経年設備のリプレースが相当数見込まれるが、 本試算には含まれていない。

東欧 ▲12GW(▲ 1.4兆円) (56GW → 44GW)

世界の石炭火力発電の導入見通し

発電設備容量は今後も着実に増加し、2030年までに現在から約1.5倍の見込み。(計700GWの増加。年間平均33GW) 地域別には、中国・インドをはじめとするアジア地域の需要拡大が顕著。2030年までに倍増の見込み。 地球温暖化対策の必要性を踏まえ、先進国・新興国における高効率石炭火力発電需要は増加の見込み。

計700GW (1,577GW ⇒2,277GW)

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出典:インド;CEA “National Electricity Plan” 韓国;Ministry of knowledge economy “The 5th Basic plan for long-term electricity supply and demand”

インドネシア;RUPTL 10-9 ベトナム;INSTITUTE of ENERGY “VIETNAM POWER sector power master plan”

マレーシア;APEC/EGCFE 馬 プレゼン資料 “Coal Policy in Malaysia” 台湾;台湾電力公司“Briefing on Taiwan’s Power System”

タイ;PDP2010 ウクライナ:2030年までのウクライナのエネルギー戦略 ブルガリア;Euro-electric “Power Statistics & Trends 2011”

ポーランド;Ministry of economy “Energy Policy of Poland until 2030”

各国の電源開発計画に基づく石炭火力発電の導入見通し

単位:MW

中国以外においても、インドをはじめとするアジア地域及び東欧地域で、今後約270GWの発電設備容量の増加

が見込まれている。

なお、ポーランドをはじめとする東欧地域では、発電設備容量はほぼ横ばいであるが、老朽化した石炭火力発電

所のリプレース需要が見込まれる。

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ボリュームゾーン

亜臨界圧 中国勢が席捲

低コスト

で他国を

圧倒

• 圧倒的な価格競争力。 • SC市場へ進出。 • USCは600℃級の再熱蒸気条件が可能だが経験が浅い。USC技術は日本及び欧州企業から技術供与されたものであり、第3国輸出に制約あり。

• SC市場へ進出。日欧よりコスト競争力あり

• USC市場にも進出。但し再熱蒸気条件は593℃に留まる。

• 大容量機の経験無し

• SCは中国、インドでの積極的な現地製造でコストダウン。

• USCは600℃級を製造可能。 • 中国の合弁工場から第3国への輸出を開始。

• SCはインドにて現地製造に着手。

• USCは世界最高の再熱蒸気条件620℃を達成。豊富な実績により運転管理技術で優位。

石炭ガス化 (IGCC)

実証化から商業化へ 米国、日本、欧州が

先行

• 中国のSC/USC製造

工場から第3国市場へ輸出を計画。

• 政府と一体でIGCC推進。

石炭火力発電分野におけるメーカーの国際競争の状況

超々臨界圧(USC) 日欧が性能で優位だが

競争激化

超臨界圧(SC) 価格競争の激化

中国メーカー 韓国メーカー 欧州メーカー 日本メーカー 米国メーカー

インド

東南アジア(尼、越、馬、タイ)

その他(東欧、南ア、台湾等)

先進国でSC,USC等へのリプレース需要有

中国

先進国(米等)

SC,USCへの移行

プラントのコモディティ化

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①中国における高効率石炭火力発電の現状と動向

【現状】 中国の石炭火力発電の電源構成比は約80%。国内の石炭火力設備は2000基に達すると言われており、2009年時点で200MW以上の石炭火力発電設備が約1000基(我が国は54基)存在。 高効率石炭火力発電設備は、2006年に同国でUSC第1号となる浙江省玉環発電所1号が運転開始して以降、 2010年末時点で27基の1000MW級のUSCが稼働中と言われている(我が国には、同クラスが12基存在)。 【動向】 2010年末時点で、新たな建設が予定されている*USCは30基、 SCが53基となっている。 *出所:IEA Clean Coal Center 【外国企業のビジネス展開】 ①高効率石炭火力発電設備 我が国プラントメーカー3社がビジネスを展開しているが、日本企業の石炭火力発電設備にかかる商法は欧州企業と違い、基本的にライセンス生産。 ②環境設備 *2011年6月、我が国企業が中国における今後の環境規制強化に対応し、脱硝触媒を製造するための合弁会社を設立し、 本年4月から脱硝触媒の製造を開始。

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中国の石炭火力発電設備の状況 (2009年)

(出所:CCfE石炭火力設備診断事業報告書(JCOAL)2010)

中国火力発電設備容量の成長状況

(石炭、石油、天然ガス及びバイオマスを含む。うち石炭火力は約92%)

【課題】 欧米メーカーは中国市場のみならず、製品の第3国輸出も視野にいれ、中国に合弁会社を設立。今後、安くて良質な製品を提供すると考えられ非常に脅威。 独シーメンスは、上海電気集団との合弁会社(シーメンス40%、上海60%)を設立。タービン及び発電機の生産を行っている。 仏アルストムは、武漢にボイラ工場(アルストム51%、武漢ボイラ6.9%、その他42.1%)を設立。規模は同社のボイラ工場として世界最大。製品出荷目標は、中国向け60%、海外向け40%。 米バブコック&ウィルコックス(B&W)は北京に超臨界及び超々臨界圧用ボイラー生産のための工場B&WBC (生産規模:8000MW)を設立。 上海電気集団は、昨年10月、インドReliance社向け660MW超臨界石炭火力発電設備36基の受注に成功。アルストムは、本年4月、マレーシア国営電力会社との間でマンジュン石炭火力発電設備(同国初の超々臨界圧:1000MW)の建設契約を締結し、ボイラを武漢ボイラ工場より供給する予定。 B&WはベトナムにてSC用ボイラーを供給。 【石炭】 世界第1位の石炭生産国(年産:32億㌧)であり、世界の生産量の約半分を占めている。 一般炭の埋蔵量は陝西省と内モンゴルに集中。 国内石炭火力発電向け一般炭の需要拡大もあり、海外炭の輸入量が増加しており、2009年には石炭の純輸入国に転じ、2011年は1.8億㌧の輸入超過となっている。

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発電分野の世界シェア

発電ボイラ 蒸気タービン

(2008年における受注容量) 中国における海外電力プラントメーカの進出状況

出所:マッコイレポート

①中国における高効率石炭火力発電の現状と動向

インドの石炭火力発電設備の状況 (2011年8月現在)

【現状】 インドの石炭火力発電の電源構成比は約70%。2010年時点の国内の石炭火力発電所は*約400基となっており2011年の石炭火力発電設備容量は約99,503MW(我が国の2.6倍)。*インド中央電力庁発表 2010年12月に稼働したADANI powerのMundra発電所(660MW)が同国最初のSCとなる。 【動向】 慢性的な電力不足が続く中、インド電力省はウルトラメガパワープロジェクト政策に従ったSC建設を推進する方針を明らかにしており、現在、下表のとおり建設が計画されている。 第12次5ヵ年計画(2012年~2017年)では低炭素成長戦略の一環として、新設石炭火力発電所の半数は超臨界圧、超々臨界圧、石炭ガス化を利用する方向性を示している。 インド火力発電公社によれば、電源開発のロードマップは以下のとおり。 ①2014年迄にインド国内炭をベースとしたIGCCを設置。 ②2016年迄に600度超クラスのUSCプラントを運転開始。 ③2020年迄に700度超クラスのA-USCプラントを運転開始。 2030年には石炭火力発電の全設備容量は、2009年末(159GW)の4.4倍に拡大すると予測されている。

ウルトラメガパワープロジェクトに従い、インド火力発電開発公社が建設 を実施もしくは計画中の500MW以上のSC

(出所:東アジア低炭素化技術普及研究事業) 19

4702

79

10475

4990

25

30030

143

10250

41

5520

18

28005

56

4200

71980

30

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

MW

/ N

os

Up to 100MW

101-150MW

195-200MW

210 MW 250 MW 300-330MW

490 -500MW

600 MW* 660MW**

インドの石炭火力発電設備の状況 (2011年8月現在)

(出典:National Workshop on Renovation & Modernization (R&M) of Thermal Power Stations, 2011)

発電所名 出力 運転開始時期 備考 Sipat STPP Stage-1 660MW×3

2011-13年 建設中 Barh STPP Stage-1 660MW×3 Barh-Ⅱ, 660MW×2 Meja, Uttar Pradesh 660MW×2

2015-2016年 発注済み Sholapur 660MW×2 Nebinagar 660MW×3 Mouda Ⅱ 660MW×2 Raghunathpur Ⅱ 660MW×2 Darlipali, Orisa 800MW×2

2016-2018年 計画/入札実施中

Lara, Chattisgarh 800MW×3 Kudgi, Karnataka 800MW×3 Gajmara, Orissa 800MW×2 Tanda-Ⅱ 660MW×2 Talcher 660MW×2 Barethi 660MW×6 Dhurvan 660MW×2

②インドにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

【外国企業のビジネス展開】 インドでは最大の重工メーカーであるBHELがタービン技術をシーメンスからボイラー技術をアルストムから導入し火力発電機器を製造している。過去、インド市場を独占してきたが、2007年以降、インド政府が発電設備製造にかかる外国企業の参入を認めるとともに、付加価値税の導入により、海外の重電メーカーの投資を奨励したことから、我が国の重電メーカー3社以外にもアルストム及び韓国斗山重工等がSCの生産拠点を設置し、激しい市場獲得にかかる競争が行われている。 【課題】 現地に生産拠点を有する企業同士の過当競争が行われており、有利にビジネスを展開するためには、多くのコネクションを有する現地企業とのコンソーシャム形成が課題。 【石炭】 一般炭の生産が国内需要に追い付いておらず、石炭の輸入量は2003年から2010年までの7年間で4.2倍に増加。新規の石炭火力発電設備については、輸入炭に依存している。 国内炭は灰分の含有量が40%と高く、選炭のニーズ大。

20

②インドにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

海外重電メーカーのインドにおける事業展開

アルストム GE 合弁相手先 パラート重電機

(BHEL) インド原子力発電公社 (NPCIL)

Triveni Engineering &Industries Limited

設立時期 2010年 2010年

生産体制 *NPCILがプラント設置、BHELがタービン製造、アルストムが技術支援

バンガロール工場にて製造

21

③韓国における高効率石炭火力発電の現状と動向

【現状】 韓国の石炭火力発電の電源構成比は約44%。全石炭火力発電設備容量のうち超臨界圧及び超々臨界圧の割合は約70%と他のアジア諸国に比較し高い。 【動向】 政府は第5次電力需給計画(2010-2024)の中で、CO2排出量を削減するため、原子力発電と再生エネルギーの割合を増加させる方針を打ち出している。その一方で石炭火力発電についても新たに15基の建設が予定されており、石炭火力発電の電源構成比は今後減少傾向にあるものの、石炭火力の設備容量は増加する見込みである。 【外国企業のビジネス展開】 *2010年、我が国企業が唐津超々臨界圧石炭火力発電所9,10号(1000MWX2)向け蒸気タービン・発電機を受注。 *2011年、我が国企業が三陟超々臨界圧石炭火力発電所(1000MW)向け蒸気タービンを受注。 *2012年、我が国企業が泰安超々臨界圧石炭火力発電所(1000MW)向け蒸気タービン・発電機を受注。 【課題】 我が国にとって、高効率石炭火力発電設備の海外展開における競合相手。現時点において、韓国メーカーのUSCの材料強度の開発が遅れており、差別化が可能。 【石炭】 国内で消費する石炭量のうち、約95%を輸入に依存している。 国内の石炭火力発電の運転コスト低減の観点から、瀝青炭と低灰分・低硫黄分の亜瀝青炭との混炭を進めている。

プラント名 出力 運転開始予定

永興 5、 6号 870MWX2 2014/2014

東海 1、 2号 500MWX2 2014/2015

東部 1、 2号 500MWX2 2015/2015

唐津 9、10号 1000MWX2 2015/2016

泰安 9、10号 1050MWX2 2016/2016

新保寧1、 2号 1000MWX2 2016/2017

超々臨界圧石炭火力の建設計画

(出所:H22年度ERIA報告書)

44%

3%

20%

31%

1% 1%

石炭

石油

天然ガス

原子力

水力

その他

2010年の韓国の電源構成

(出所:H22年度ERIA報告書)

【現状】 尼国の石炭火力発電の電源構成比は約45%。2010年時点で石炭火力発電所の数は40基弱とみられ、総発電容量は15,017MWとなっている。 尼政府は2010年から2019年における全国の電力需要の伸びを年平均9.2%と予測しており、このような電力需要の拡大に対応し、06年に石炭火力発電所の建設を推進することを目的とした第1次クラッシュプログラムを実施。中国企業が大半の案件を受注。当初は2009年までに発電所を完工する予定であったが金融危機等の影響により、資金調達が計画どおり進まず遅延する見込み。 【動向】 インドネシア電力供給事業計画によれば、尼政府は国内の石炭火力発電設備容量を2010年の15,017MW(我が国の4割程度)から2019年には44,397MW迄、増加させることを計画。 【外国企業のビジネス展開】 昨年10月には、我が国企業がインドネシア初の超々臨界圧となる中部ジャワ石炭火力発電所のIPP事業に関し、PLN(インドネシア国営電力会社)との間で長期売電契約を締結。 現在、稼働中の高効率石炭火力発電は存在しないが、2つの超臨界圧発電所建設プロジェクトが進行中であり、本年2月に我が国企業のボイラ/タービンを使用したTanjung Jati B (660x2MW)が完工。斗山重工業(韓国)のボイラ/タービンを使用したCirebon 1(660MW)が僅々に完工する予定。

22

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

20009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

発電

設備

容量

(M

W)

その他

地熱発電

水力発電

石炭火力

ガスコンバインド

ガス火力

ディーゼル火力

インドネシアの電源構成の推移

(出所:インドネシア電力供給事業計画2010-2019)

④インドネシアにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

ジャワバリ地域における石炭火力発電開発計画 (単位:MW)

PLN

建設中 or

承認済

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

Suralaya unit8 625

Labuan 300

Teluk Naga Lontar 630 315

Palabuhan Ratu 700 350

Indramayu 990

Rembang 630

Pacitan 630

Paiton Baru 660

Tj Awar-awar 350 350

Cilacap Baru Adipala 660

Tanjung Jati B unit3-4 660 660

Indramayu unit4&5 1000 1000

計画中 Lontar unit4 660

PlTU Bekasi 600 600

IPP

建設中 or

承認済

Cirebon 660

Paiton unit3 815

Celukan Bawang 380

計画中

East Bali 0

Banten 660

Madura 400

Sumsei-8 Mt 1200

Sumsei-9 MT 1200

Sumsei-10 MT 600

PLTU Jawa Tengah 1000 1000

Cirebon Exp 660

Cilacap Exp 600

(出所:Draft RUPTL2011-2020)

【石炭】 世界第6位の石炭生産国。インドネシアの石炭のほとんどが一般炭であり、灰分、硫黄分が少ないという長所を有する。 2009年法律第4号「新鉱物石炭鉱業法」及び施行細則「高付加価値義務化大臣令」を打ち出しており、生産者に対して国内市場に対する石炭の優先供給を義務付け、石炭輸出の無制限な増加を抑制。5700kcal/kg以下の石炭については「高付加価値義務化大臣令」に規定される輸出禁止規定を適用し、2014年1月以降、改質による高付加価値化を行わない限り、輸出を認めない 方針。

23

④インドネシアにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

【現状】 ベトナムの2007年における電源構成は、水力発電が最も高く(43.0%)、次いで天然ガス発電(32.1%)となっており、石炭火力発電は21.4%となっている。 【動向】 石炭火力発電の設備容量は2010年3661MWで、第7次国家電力マスタープランに従い、2020年には約10倍の36000MWに拡大する予定。 2000年以降、少なくとも12基の石炭火力が運転を開始、建設される石炭火力の大型化が進んでいる。 【外国企業のビジネス展開】 蒸気条件は過去、亜臨界が主流であったが、2010年12月、ベトナムPVN(国営石油グループ)が同社の子会社であるPTSCとの間で、同国初のSCとなる可能性があるロンフー1第1,2号機(SC:600MWx2)建設に関するEPC契約(運転開始は2015,2016年を予定)を締結。ボイラー及びタービンは海外から調達される予定。 【石炭】 世界第2位の無煙炭生産国であり、高品位なものは輸出され、低品位なものは国内で発電用等に使用されている。 今後石炭火力設備の大量の導入が予定されており、海外炭の輸入増加が懸念される中、我が国に対し、高品質な海外炭と同国で生産される無煙炭との混焼技術の協力を求めている。

24

⑤ベトナムにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

発電所名 出力(MW) 事業主 運開年

Hai Phong 3 第1,2号機 2x600 VINACOMIN 2018/19

Duyen Hai 1 第1,2号機 2x600 EVN 2014/15

Duyen Hai 2 第1,2号機 2x600 EVN 2018/19

Duyen Hai 3 第1,2号機 2x600 EVN 2016

Duyen Hai 3 第3号機 600 EVN 2017

Mong Duong 2 2x600 2015

Vinh Tan 1 2x600 EVN 2016

Vinh Tan 2 2x600 EVN 2014

Vinh Tan 3 第1,2,3号機 3x660 EVN 2017/18/20

Vinh Tan 4 第1,2号機 2x600 EVN 2017/18

Quynh Lap 第1号機 600 VINACOMIN 2022

Vung Ang 1 第1,2号機 2x600 PVN 2013/14

Vung Ang 2 第1,2号機 2x600 2018/19

Long Phu 1 第1,2号機 2x600 PVN 2015/16

Long Phu 3 第1,2号機 2x1000 PVN 2025/26

Thai Binh 2 第1,2号機 2x600 PVN 2015/16

Quang Trach 1 第1,2号機 2x600 PVN 2018/19

Song Hau 1 第1,2号機 2x600 PVN 2019/23

Van Phong 第1,2号機 2x660 EVN 2015

Van Phong 第3,4号機 2x660 2017/18

Hai Duong 1 第1,2号機 2x600 2016/17

Kien Giang 1 第1,2号機 2x600 2016/17

Nam Dinh 第1,2号機 2x600 2016/17

Nghi Son2 2x600 EVN 2017

(出所:第7次国家電力マスタープラン等)

25

Mong Duong 2 600MWx2

Hai Phong 3 第1,2号機 600MWx2

Thai Binh 2 第1,2号機 600MWx2

Quang Trach 1 第1,2号機 600MWx2

Van Phong 第1-4号機 660MWx4

Vinh Tan 1 600MWx2

Vinh Tan 2 600MWx2

Duyen Hai 1 第1,2号 600MWx2

Duyen Hai 2 第1,2号 600MWx2

Duyen Hai 3 第1-3号 600MWx3

Long Phu 1 第1,2号 600MWx2

Long Phu 3 第1,2号 1000MWx2

Song Hau 1 第1,2号 600MWx2

Vung Ang 1 第1,2号機 600MWx2

Vung Ang 2 第1,2号機 600MWx2

Nghi Son 2 600MWx2

Nam Dinh 第1,2号 600MWx2

Hai Duong 1 第1,2号 600MWx2

Vinh Tan 3 第1-3号機 660MWx3

Vinh Tan 4 第1,2号機 600MWx2

⑤ベトナムにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

【現状・動向】 タイの電源構成は、現在、ガス発電が中心であり、石炭火力発電は限られている(発電設備容量は我が国の1/10程度)。 国家電力計画である「Thailand Power Development Plan 2010-2030」によれば、自国の天然ガスを利用したコンバインドサイクル及びコジェネの普及を推進するなかで、自国のエネルギー資源を活用すべく、石炭火力発電の開発も視野に入れている。 【外国企業のビジネス展開】 タイ初の超臨界圧発電所となるCHECO-One発電所(660MW)は、発電設備を斗山重工(韓国)が納入しており、2012年に運転開始となる予定である。 新規の石炭火力発電の建設が困難な中、既存のMae Moh 発電所4~7号機(140MW×4)を600MWの超臨界圧若しくはIGCCにリプレースする計画がある。またKrabi石炭火力発電所(800MW) 等、2019年~2030年にかけて、超臨界圧または超々臨界圧を利用した*800MW×9基の建設計画がある。*PDP2010より 【課題】 過去に発生した公害問題により、石炭火力新設については住民の抵抗感が根強い。このため政府としては高効率発電技術の活用を進めていく方針を打ち出している。 【石炭】 タイは世界第20位の石炭生産国であり、国内で生産される石炭は褐炭に限られ、その全量を国内で消費している。近年、海外からの一般炭の輸入が増加しており、高効率石炭火力の増設に伴いその傾向の加速化が懸念されている。

20618MW

3896MW

3761MW

324MW 310MW 300MW

ガス

石炭

水力

石油

再生

その他

2009年のタイの電源構成

注)石炭火力発電は、Mae Moh (Unit 4-7:560MW, Unit8-13:1620MW) 及びBLCP Power Co., Ltd (Unit1:673MW, Unit2:673MW)のみ。

(出所:Thailand Power Development Plan 2010-2030) 26

GWh

Yr

68% 66% 64% 64% 64% 62% 59% 59%59%

58%54%

49%48%

47%46%

45%43% 44%

39% 39%39%

8% 9% 10% 10% 11% 12% 11% 11% 10% 11% 12%13% 13%

15% 14% 13% 17% 16%19% 20% 21%

11% 11% 10% 10% 9% 9% 9% 8% 8% 8%7%

7% 7% 6%6%

5% 4% 4%4%

6%6%

6%6%

6%6%

6%6%

6%6%

6%6%

6%

6%6%

6% 6% 8% 11% 10% 10% 12% 11% 11%6%

14%14% 15%

16%17%

17%17%

18%18%

18%18%

19% 19%

13%13%

7%7%

6% 8%

7%

5%5%

5%6%

PDP2010PDP2010

3% 2%

3%

Thailand Power Development Plan 2010-2030(PDP2010)

タイの電源構成の変化

⑥タイにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

運開年 月 発電所 計画名称 蒸気条件(MW)

2016 7 大林 大林新1 USC 800

2017 7 彰工 彰工1 800

2017 7 大林 大林新2 USC 800

2018 1 深澳 深澳新1 SC 800

2018 2 彰工 彰工2 800

2019 1 深澳 深澳新2 SC 800

2019 2 台中 台中11 800

2020 1 台中 台中12 800

2015/16/20 1/1/1 林口 林口新1/2/3 800x3

2012 1 興達 興達新2 800

台湾電力の石炭火力増設計画

(出所:2010年台湾電力電源開発所資料)

台湾の電源構成

(出所:2010年長期電源開発計画(台湾経済部能源局))

【現状】 台湾の2010年末の石炭火力発電の設備容量は*11,897MWで我が国の1/3程度。2010年の石炭火力発電の電源構成に占めるシェアー36.8%。*熱併給発電を除く。

【動向】 昨年5月、馬政権は稼働中の原発6基について老朽化による危険を回避するため、稼働期間40年で廃炉することとし、この決定に基づき、2025年には既存の原発が全て運転を終了することとなる。原発の廃炉に伴う電力不足については、石炭火力による代替を考えており、2025年の石炭火力の電源構成比は、現在と比較し10%程度高くなる模様。 【海外企業のビジネス展開】 本年8月、台湾電力が林口石炭火力発電所1-2号機(亜臨界)を台湾初となるUSC80万kW×3基にリプレースする国際競争入札を実施し、我が国企業が落札し、10月に契約を締結。 また本年2月に大林新石炭火力発電所新1-2号機( USC80万kW×2基)の国際入札が実施され、本年4月末に我が国企業グループが落札。

27

36.8 35.8 34.0 34.0 34.2 34.0 35.5 36.3 38.9 39.7 6.5 6.9 7.1 7.3 7.3 7.2 7.5 8.0

8.2 8.8

31.4 30.5 30.0 30.0 29.8 30.6 30.2 31.0 29.4 28.7

9.3 8.5 8.3 8.3 8.3 8.1 7.7 6.2 5.9 5.7

10.6 13.0 15.4 15.4 15.3 15.1 14.3 13.9 13.2 12.9 5.4 5.2 5.1 5.1 5.0 4.7 4.6 4.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

揚水

原子力

石油

ガス

再生

石炭

⑦台湾における高効率石炭火力発電の現状と動向

既設及び今後台湾において建設される石炭火力発電所(IPPを除く)の位置

大林発電所1-2号機(既設) 30万kWX2 大林発電所新1-2号機(新設) 80万kWX2(USC)

台中発電所1-10号機(既設) 55万kWX10 台中発電所11-12号機(新設) 80万kWX2

林口発電所1-2号機(既設) 30万kWX2 林口発電所新1-3号機(新設) 80万kWX3(USC)

興達発電所1-2号機(既設) 50万kWX2 興達発電所3-4号機(既設) 55万kWX2 興達発電所新2号機(新設) 80万kWX1

深澳発電所新1-2号機(新設) 80万kWX2(SC)

彰工発電所第1-2号機(新設) 80万kWX2

(出所:台湾電力HP)

⑦台湾における高効率石炭火力発電の現状と動向

【石炭】 2007年の石炭の消費量は約64百万㌧で、域内で消費される石炭のほぼ全量を海外からの輸入に依存している。輸入先としては インドネシアが最も多く、全体の約39%、次いで豪州(36%)、中国(21%)の順番となっている。

28

台湾の既設石炭火力発電所(IPPを除く)の機材納入先

ボイラ タービン

林口発電所 米国 米国

1号機 Riley Stoker Westinghouse

林口発電所

日本企業

米国

2号機 English Electric Co.,

台中発電所 米国 米国

1-4号機 Foster Wheeler GE

台中発電所 米国 米国

5-8号機 B&W GE

台中発電所 英国

日本企業

9-10号機 日本企業

興達発電所 米国

日本企業 1-2号機 Foster Wheeler

興達発電所 米国 米国

3-4号機 B&W GE

大林発電所

日本企業

米国

1-2号機 Westinghouse

2008年時点のウクライナの既設石炭火力発電所 電力会社 発電所 運転開始 石炭火力発電設備容量 Centrenergo Trypillya 1969-1972 4x300MW Uglegisk 1972-1977 4x300MW Zmyiv 1960-1969 6x175MW、3X275MW、300MW Dniproenergo Kryvorizka 1965-1973 10x282MW Prydniprovska 1959-1966 4x150MW、315MW、3x285MW Zaporizhya 1972-1977 4x300MW Donbasenergo Slavyanskaya 1955-1971 80MW、800MW Starobeshevo 1961-1967 8x175MW、2x200MW Zakhidenergo Burshtyn 1965-1969 4x185MW、8x195MW Dobrotvir 1959-1964 3x100MW、2x150MW Ladyzhyn 1970-1971 6x300MW Vostokenergo Kurahovo 1972-1975 200MW、6x210MW Lugansk 1962-1968 100MW、3x175MW、4x200MW Zuyiv 1982-1988 4x300MW

出所:Thermal Gencos ECU TSO

2008年時点のウクライナの電源構成

27.2GW

13.8GW

5.1GW

6.5GW

火力発電

原子力

水力

その他

【現状・動向】 ウクライナにおける2008年の電力の設備容量は、52.6GW。その約半分を火力発電(うち約8割が石炭火力発電所と言われている)が占めている。大半は旧ソ連時代に建設されたものであり、火力発電所毎の稼働率は平均33%と非常に低い。 石炭火力発電設備の多くが40年以上を経過しており、設備の老朽化が進むなか、設備改修、リプレースのニーズが存在。 【外国企業のビジネス展開】 現在のところ、外国メーカーの高効率石炭火力発電分野における進出は限られる、政治的安定、経済の立て直し等の課題はあるものの、穴場的存在。 【石炭】 ウクライナの石炭埋蔵量は、世界第6位そのうち約半分が亜瀝青炭及び褐炭となっている。

29

⑧ウクライナにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

ポーランドにおける大規模な石炭火力発電建設計画

0.00

50.00

100.00

150.00

200.00

250.00

2006 2010 2015 2020 2025 2030

廃棄物

揚水

再生

原子力

石油

ガス

石炭

(単位:Twh)

ポーランドの発電電力量内訳(送電端)

(出所:Projection of demand for fuel and energy until 2030, Ministry of Economy)

【現状・動向】 現在、石炭火力はポーランドの発電電力量の93%を占めており、将来的に原子力、再生エネルギーの比率を高めることが計画されているものの、石炭火力発電が将来にわたり同国の主要電源であり続けることに変わりはない。 2030年までのエネルギー政策は、エネルギー安全保障、エネルギー効率改善及び環境負荷軽減の観点から「CCT活用による石炭資源の有効利用」を推進。 【外国企業のビジネス展開】 今後の大規模石炭火力建設計画に関し、日本、欧州、中国及び韓国勢が参加を予定しており、激しい競争が行われている。 【課題】 石炭火力発電所の新設にあたり、以下の課題が存在。 ①EU/CCS指令により30万kW以上の石炭火力発電の新設にあたり、「CO2貯留サイトの確保」及び「 CO2回収装置が付設できるスペースの確保が必要。 ②EU-ETS第2フェーズ(2013年~)において、電力会社に対し排出枠のオークションが導入されるが、CO2クレジット価格の動向が不確実なため、新規石炭火力建設にあたってのコスト計算が困難。 ③欧州投資銀行、欧州復興開発銀行等金融機関が環境政策の観点から融資に消極的。

30

⑨ポーランドにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

発電所名 炭種 出力(MW) 運転開始

ナポレ 一般炭 900x2 2016

トウルフ 褐炭 460 2017

ベウハトフ 褐炭 858 2011

オストロエンカ(USC) 一般炭 1000 2016

コジェニーツェ(SC) 一般炭 1000 2017

ヤボジノ 一般炭 910 2017

ペルピリン 一般炭 1000X2 2017

ワジスカ(USC) 一般炭 1000 2019

31

⑩カザフスタンにおける高効率石炭火力発電の現状と動向

【現状】 2009年の石炭火力発電の設備容量は、1581万kWであり、全体の83%を占める。国内の石炭火力設備の多くは旧ソ連製の効率 の悪い石炭火力発電所が大半を占め、既にほとんどの発電所が30~40年経過している。 【動向】 エネルギー鉱物資源省が2009年~2015年の電源開発計画を纏めており、石炭火力発電はEKIBASTUZ第1発電所の第3号機の設備更新、第5号機の近代化、 EKIBASTUZ第2発電所の第3号機(50万kW)の新設、バルハシ発電所の新設(66万kW X4)が計画されている。 【外国企業のビジネス展開】 韓国が同国の石炭火力発電事業に関心を有しており、昨年8月、李明博大統領が同国を訪問した際、韓国知識経済部とカザフスタン産業技術省がカザフスタン北西部でのバルハシ発電所の事業権を韓国コンソーシアムに与える政府間協定を締結。 注)バルハシ石炭火力発電所 韓国から韓国電力(35%)及び三星物産(35%)が、またカザフスタンからサムルクエネルギー (25%)及びカザフミス(5%)が事業参加。66万kWの石炭火力発電所2基を建設し、今後20~30年間にわたり所有・運営する予定。 【課題】 我が国重電メーカーにとって石炭火力発電ビジネスは実績がなく、まずは情報収集が必要。

83%

12%

5% 石炭

水力

ガス

2009年のカザフスタンの電源構成 発電所名 所有企業名 設備容量 運転開始年

EKIBASTUZ-1 No1-N08 KAZAKHMYS PLC 500X8MW 1980-1984

EKIBASTUZ-2 No1-N02 JSC EKIBASTUZSKAYA GRES-2

500X2MW 1990-1993

ERMAKOV1-8 EURASIAN ENERGY CORP 300X8MW 1960-1975 KARAGANDA TPS-3 NO5 ENRO ENERGO LTD 160MW 2011 ASTANA-2 NO4 ASTANA ENERGIA 120MW 2006 PAVLODAR-1 NO8 PAVLODARENERGO 120MW 2007 KARAGANDA TPS-3 NO1-4 ENRO ENERGO LTD 110X4MW 1977-1990 PAVLODAR CCL-3 NO4-6 PAVLODARENERGO 110X3MW 1975-1977 KARAGANDA HPS-2 NO3-8 KAZAKHMYS PLC 110X6MW 1963-1967 KARAGANDA TPS-2 NO1-4 MITTAL STEEL TEMIRATU 100X4MW 1974-1982 UST-KAMENOGOR TETS 11 AES KAZAKHSTAN 100MW 1970

カザフスタンの主な既設石炭火力発電所

(出所:海外諸国の電気事業(海外電力調査会))

石炭ガス化複合発電(IGCC)について

32

33

【実証中のIGCC】

【実証プラント建設中のIGCC+CCS】

プロジェクト名 国 サイト 出力 ガス化炉 運開予定 CO2貯留

Southen 米国 ミシシッピー州 582MW KBR 2014 EOR

Nuon Magnum オランダ エームスハーヴェン 800MW Shell 2015 枯渇ガス田

Wandoan 豪州 クィーンズランド州 350MW GE 2015 帯水層

GreenGen 中国 天津市 265MW 西安熱工研究院

2012(IGCC) 2018(CCS)

帯水層

事業者 項目

Conocophilips (酸素)

Uhde (酸素)

世界のIGCC開発・実用化に向けた動き

34

現在、米国Duke Energyがインディアナ州Edward sport発電所にて世界初となる商業ベースでのIGCCプラントを建設中。 ①設備容量: 618MW net GE製ガスタービン:232MWx2基 GE製スチームタービン:320MWx1基 所内動力:▲166MW ②運転開始:2012年を予定。 ③事業費:28.8億㌦。 1kW あたりのイニシャルコストは4,660㌦ であり、かなり高め。最終的に5,593㌦/kW 迄達する模様であり、 Duke社は販売電力 価格に転嫁する予定。 ④優遇措置: ⅰ)133百万㌦の連邦政府の税控除 ⅱ)460百万㌦以上の地方税の優遇措置

世界初のIGCC商業機の運転開始

プロジェクトサイト

・中国天津市濱海新区臨港工業区に存在 ・天津市中心から約40km、港油田から約20km

プロジェクト外観

プラントの据え付けがほぼ完了し、現在、個々の設備の動作確認を行っているところ。

第1段階

第2段階

第3段階

・250MW級IGCC実証プラントの建設 ・2000t/日の2段式ガス化炉の開発 ・同時にグリーンジェン実験室の建設

・グリーンジェンコア技術の研究開発 ・石炭化学のコア技術の研究開発 ・2X450MW級IGCC実証プラントの建設

・450MW級IGCC+CCS実証プラントの建設 ・IGCC+CCSプラントの運開 ・商業化に向けた経済性の実証

2005年、中国国内の主要発電会社、石炭会社8社がグリーンジェン社を設立。中国華能集団(中国最大の発電会社)がグリーンジェン社の52%の株式を所有。 その他の主要発電会社(中国大唐、中国華電、中国国電、中電投)、主要石炭会社(神華、中煤)及び国家開発投資公司がそれぞれ6%の株式を所有。また唯一米国ピーボディーが6%の株式を所有。 現在、プロジェクトの第1段階にあり、概要以下のとおり。 【概要】

華能集団の傘下の西安熱工研究院が自主開発した2000t/日ガス化炉及びシーメンスのガスタービンを使用した265MWのIGCCプラント。 2012年上半期に運転開始予定。 ADBより135百万㌦の借款と5百万を無償供与。 国家発展委員会が同プロジェクトに対し7000万元(約8億56百万円)の財政支援を行うことを決定。 事業費は30億元(約367億円)

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中国におけるIGCC実証機の開発(グリーンジェン)

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CCT普及にかかる政府の支援のあり方

日本の優位性が発揮できる環境の整備 •政策決定・案件組成段階からの提案 •ライフタイムでの効率性・信頼性(運転保守ノウハウ)、工期内の履行能力等、日本の優位性が、実績により評価されるような働きかけ •新技術の開発と実証による技術革新。

(コスト)競争力の強化 •低利のファイナンス(JBIC)、円借款、二国間クレジット等、金融面での支援 •海外生産拠点(JV, MA)の活用及び第三国輸出((P)輸出金融等) •コンソーシアムの競争力強化(競争力あるプレーヤーの参画) →O&M(電力会社)、燃料調達、EPCコントラクター(土木) ※ファイナンス組成と企業参画の容易化→PPA、保証スキーム ※為替、FTA

多角的な協力・支援 •技術移転(特に保守管理ノウハウの移転のための人材育成) ※単なるプラント売りではなく、現地でのO&M協働により、真に技術を移転し貢献。 •石炭分野での協力(低品位炭有効活用等) •関連周辺インフラ(他の発電所、送電線、港湾・道路等)の整備(ODA、公的ファイナンスの活用) •電力・エネルギー政策、PPP政策への貢献(政策対話、制度構築への支援等) •環境改善への貢献(ODA等を活用し、環境負荷の小さい機材の展開を促進)

CCT普及に向けた支援のあり方

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石炭火力発電の案件形成支援のためのツール

技術開発

実証事業

調査

技術普及

トップセールス 官民ミッション

ODA

金融

石炭火力発電の技術普及のステージと支援ツール

運転 管理 建設 案件

形成 基礎 調査

技術開発 実証実験 商業化

成約

基礎調査、案件形成調査

セミナー、ワークショップ、専門家派遣、研修生受入によるCCT紹介

出資・融資

非ODA事業において実質支援が 困難な領域

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入札

運転・保守管理のための研修

▲▲

▲▲

★ H23:中国における石炭ボイラ運転管理技術高度化プロジェクトの案件発掘調査(出光) ★ H23:中国における廊坊IGCCプロジェクトの案件形成調査(三菱重工)

★ H23:インドネシアにおけるIGCC発電プロジェクトの案件発掘調査(JPOWER、日揮) ★ H23:褐炭からの代替強粘結炭プロジェクトの案件発掘調査(千代田化工、伊藤忠)

★ H23:豪州における褐炭を利用した水素供給・利用インフラチェーンプロジェクト の案件形成調査(川崎重工)

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★ H23:モンゴルにおける石炭紀源クリーン燃料製造プロジェクトの案件発掘調査 (日揮)

★ H23:ポーランドにおける高効率石炭火力発電所 新設プロジェクトの案件形成調査(中国電力)

★ H23:ブルガリアにおける超臨界石炭火力発電 所及びCCSプロジェクトの案件形成調査(東芝)

H23年度NEDO交付金「石炭高効率利用等案件形成調査」 ~6ヶ国において事業を展開~

H24年度は、以下の調査を追加。 ①案件発掘のための基礎調査 ②過去、FSを実施した案件に関し、概念設計に基づくコスト検証 により合理化を図るとともに、最新情報に従ったプロジェクトの 最適化を目的とした案件形成合理化調査

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高効率石炭火力発電所の初号機にかかる海外企業の受注

以下の海外企業の受注例では、仮に初期の段階において適確な情報が入手できれば、我が国 企業がより優位にビジネス展開できた可能性あり。

【ゲコワン石炭火力発電所】 (1)概要: 2007年にCHECO-One Company(注)がタイ電力公社(EGAT)との間で25年間の売電契約(PPA)を締結。 注)CHECO-One Companyについて CHECO-Oneプロジェクトのために、現地Glow Energy 社とHemaraji Land 社が設立した ジョイントベンチャー ①プロジェクト建設地:タイ国ラヨーン州(バンコクから南東に174km) ②発電容量:660MW(同国初の超臨界圧石炭火力発電所)

③建設費用:8300億ウォン(594億円)

(2)入札経緯: CHECO-One Companyが本IPP事業を案件形成する段階から斗山重工がメンバーとして拘わっていたとみられ、日本企業に対しプロジェクト参画にかかる打診はなかった。

プロジェクトサイト

国内 海外

A-USC IGCC USC

EAGLE (IGCC , IGFCパイロット)

大崎 (IGCC実証)

大崎 (IGFC実証)

(技術開発・実証) (事業展開)

IGCC

IGFC

勿来 (IGCC実証)

(実証実験:07~09fy)

磯子1号:02年運開 磯子2号:09年運開 (USC)

中部ジャワ(USC) 昨年6月、本邦企業 優先交渉権獲得

中国 廊坊(IGCC) (本年度 F/S実施)

石炭火力発電分野における技術開発について 技術開発と海外展開のスパイラル

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○石炭火力発電から排出されるCO2を大幅に削減させるべく、究極の高効率石炭火力発電技術である石炭ガス化

燃料電池複合発電(IGFC)とCO2分離・回収を組み合わせたゼロエミッション石炭火力発電の実現を目指し、IGF

Cの基幹技術である酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証試験を実施する

燃料電池を組み込み、IGFCシステムの実証を行う

石炭ガス化複合発電(IGCC)

空気分離 装置

空気

酸素

ガス化炉 排熱回収ボイラ

発電機

煙突 燃焼器

蒸気 タービン

可燃性ガス H2 CO等

H2

シフト反応器 CO2分離回収

H2

CO2 H2 CO2輸送・ 貯留へ

CO

H2 シフト反応 ・COに水蒸気を添加し触媒反応でCO2とH2に転換する反応。

CO2回収 ・可燃性ガス中のCOをシフト反応でCO2とH2に転換した上でCO2を回収。

CO2回収技術

・石炭をガス化して可燃性ガス(H2、CO等)に変換し、ガス燃料としてガスタービンを駆動。

・ガスタービン排熱およびガス化炉の熱により蒸気を発生させ、蒸気タービンを駆動。

ガス タービン

空気 圧縮機

○究極の高効率発電技術であるIGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)とCO2分離回収を組合せた革新的ゼロエミッション火力発電の実現を目指し、基幹技術である酸素吹石炭ガス化技術(酸素吹IGCC)に関する実証試験を行う。 ○また、当該IGCC実証設備にCO2分離回収設備を設置し、CO2回収実証試験を行うとともに、燃料電池をIGCC実証設備に組み込んだIGFCシステムの実証を行う。

事業の概要・目的 事業イメージ

石炭火力発電分野における技術開発について 石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業(IGFC)

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2 インド: 世界第3位の産炭国。一般に高灰分で発熱量が低い石炭が多い中、大規模な電源開発計画が進捗しており、選炭技術、低品位炭の 改質技術及び海外炭への依存度の抑制から輸入炭と国内炭の混炭技術の普及が課題となっている。同国において、日本企業による 以下のプロジェクトが実行中。

低品位炭等に対する有効利用協力

インド、インドネシア、ベトナム等においては電力需要の高まりを受け、自国の低品位炭(褐炭、 無煙炭)の有効利用が大きな課題。 低品位炭の改質に関する関連ビジネス支援とともに、石炭火力発電における低品位炭の混焼 利用を支援する。 各国との低品位炭利用に対する協力実績は、以下のとおり。

1 インドネシア: 我が国にとって第2位の石炭供給国。同国の石炭埋蔵量のうち約6割は未利用な低品位炭であり、同国にとって低品位炭の有効利用・ 高度化利用が喫緊の課題となっている。 同国において、日本企業による以下のプロジェクトが実行又は実行中。

3 ベトナム: 同国で生産される石炭は無煙炭を主としており、同国は我が国にとって第2位の無煙炭の供給国。同国は低発熱量の無煙炭を 発電用に使用しており、今後、高効率石炭火力設備の大量の導入が想定される中、我が国に対し、高品質な海外炭と同国で生産 される無煙炭との混炭技術の協力を求めている。

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プロジェクト 事業の実施状況

褐炭改質事業 商業化FSを地元企業と実施中。

褐炭乾燥事業 FS実施中。

褐炭改質スラリー化実証事業 デモプラントによる実証中。

プロジェクト 事業の実施状況

選炭実証事業 我が国選炭技術のインド炭への適用実証中。