東村山市 平成30年3月 - city.higashimurayama.tokyo.jp · 2030 年 6,000 万人 (2015...

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東村山市 平成30年3月

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東村山市

平成30年3月

第2次東村山市観光振興プランの策定にあたって

東村山市は、都心近郊の住宅都市である一方で、トトロのふるさとと言われる

八国山緑地や花菖蒲が咲き誇る北山公園などの豊かな自然、多摩地域で唯一の国

宝建造物である「正福寺地蔵堂」などの歴史文化遺産があるまちです。そして梨

や葡萄、野菜などの農産物、伝統食としての武蔵野うどん、また最近ではB級グ

ルメの黒焼そばが話題となるなど、みどりと歴史そしてグルメがそろった地域資

源の豊かな素敵なまちです。

東村山市観光振興プランは、第4次総合計画前期基本計画に基づき、平成24年3月に策定され、この

ようなまちがもつ様々な魅力を、観光まちづくりを行う過程で見直し、地域の活性化や地域経済の振興を

図りながら、多くの方々に東村山市が訪れたいまち、住んでみたいまち、そして住み続けたいまちと評価

されるよう策定され、本市の取り組むべき観光振興施策の方向性を示し、将来都市像である「人と人 人

とみどりが響きあい 笑顔あふれる 東村山」を目指して取り組んでまいりました。

第2次東村山市観光振興プランは、前プランを基本としながらも「東京2020オリンピック・パラリ

ンピック」の開催決定、東村山創生事業の推進、市においても連続立体交差化事業の推進、都市計画道路

の整備など、東村山をとりまく環境の変化に迅速かつ的確な対応が求められることから、これまでに取り

組んできた観光施策のふりかえりを行い、中長期的かつ総合的な視点に立った未来の東村山に適合した観

光施策として前プランを継承し、時点修正いたしました。

今後、本プランに基づき、市民、事業者、関係団体との連携を一層深め、本市の観光施策をさらに進め

てまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

また、策定にあたり貴重なご意見やご提言をいただきました東村山観光振興連絡会委員のみなさま、並

びに関係者のみなさまに心から感謝申し上げます。

平成30年3月

東村山市長 渡部 尚

目 次

はじめに 観光振興プラン策定の目的と位置付け

1 観光振興プランの策定の目的 1

2 観光振興プランの位置づけ 1

3 観光推進プランの推進期間 1

第 1 章 観光を取り巻く環境の変化

1 国の動向 2

2 東京都の動向

(1)東京都の取り組み 3

(2)東京観光の実態 3

3 東村山市の観光の現状と課題

(1)東村山市の観光の現状 6

(2)東村山創生 6

(3)東村山市の観光の課題 7

第 2 章 東村山市観光振興プランにおける基本理念と方針、体系

1 基本理念(観光振興ビジョン) 8

2 東村山市の観光振興の基本方針 9

3 観光振興プランの体系 10

4 具体的推進施策 11

第 3 章 観光振興プランの推進体制

1 観光振興の推進体制 26

2 推進主体別の役割 27

資 料 編

1 第2次東村山市観光振興プラン策定経過 28

2 東村山観光振興連絡会規約 29

3 東村山観光振興連絡会名簿 30

1

はじめに 第2次観光振興プラン策定の目的と位置づけ

1 観光振興プラン策定の目的

第2次東村山市観光振興プランは、国や東京都、東村山市の現況や動向を踏まえた上で、今後における観光

施策の方向性やビジョンを明確にすることによって観光を推進し、地域の活性化と郷土意識の醸成を柱とする

地域振興に繋げていくことを目的としています。

2 観光振興プランの位置づけ

本プランは、平成23年度から推し進めている東村山市第4次総合計画において、基本目標4「みんなが快

適に暮らせる、活力と魅力にあふれたまち」の施策大綱4-3「豊かさとにぎわいを創出する産業を振興す

る」の施策4-3-3「観光まちづくりの推進」に位置づけられている観光振興施策を具体化していくための

基本計画であり、観光振興の基本理念や将来の方向性を示すとともに、官民の協働の取り組みによって、施策

を計画的に推進していくための指針と位置付けています。

東村山市

第4次総合計画

基 本 目 標 4 みんなが快適に暮らせる活力と魅力にあふれたまち

施 策 大 綱 3 豊さとにぎわいを創出する産業を振興する

施 策 3 観光まちづくりの推進

国・都等の取組み

計画的な推進のための指針

■新成長戦略

■観光立国推進計画

■地方創生事業

■東京都観光推進プラン

東村山市観光振興プラン

取組・動向の反映

3 観光振興プランの推進期間

観光振興に関する基本的な考え方や取り組みの方向性については、これまでと大きく変わることなく、継続

して取り組んでいく必要があります。一方で、連続立体交差事業の着手、都市計画道路の整備等による市街地

の変化、東村山創生事業による新たな観光資源の創出、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催な

ど東村山をとりまく環境が変化していくこと。さらに、本プランの取り組みは、市のみならず市民・市民活動

団体や関係団体等と短期、中期、長期的に取り組んでいくことから、プランとしての推進期間を定めることな

く、必要に応じて見直しを図りながら継続的に推進します。

2

第 1章 観光を取り巻く環境の変化

1 国の動向

国は外国人旅行者の来訪促進策として、平成15年から国、日本政府観光局(JNTO)、地方公共団体

及び民間事業者・団体によるビジット・ジャパン・キャンペーン事業(平成22年からはビジット・ジャパ

ン事業)を行っています。平成27年度にはビザ要件の緩和、免税店の拡大、航空路線の新規就航やクルー

ズ船の寄港拡大等とそれに連動したプロモーションを実施しています。

また、平成28年3月には「明日の日本を支える観光ビジョン-世界が訪れたくなる日本へ-」を策定

し、観光はわが国の成長戦略と地方創生の大きな柱であるとし、「観光資源の魅力を極め、地方創生の礎

に」、「観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に」、「すべての旅行者が、ストレスな

く快適に観光を満喫できる環境に」といった3つの視点を掲げ、以下の数値目標を設定しています。

国が定める目標値

訪日外国人旅行者数 2020 年

4,000 万人 2030 年

6,000 万人

(2015 年の約 2 倍) (2015 年の約 3 倍)

訪日外国人旅行消費額 2020 年

8 兆円 2030 年

15 兆円

(2015 年の 2 倍超) (2015 年の 4 倍超)

地方部での外国人延べ宿泊者数 2020 年

7,000 万人泊 2030 年

1 億 3,000 万人泊

(2015 年の 3 倍弱) (2015 年の 5 倍超)

外国人リピーター数 2020 年

2,400 万人 2030 年

3,600 万人

(2015 年の約 2 倍) (2015 年の約 3 倍)

日本自国内旅行消費額 2020 年

21 兆円 2030 年

22 兆円

(最近 5 年間の平均から約 5%増) (最近 5 年間の平均から約 10%増)

出典:明日の日本を支える観光ビジョン

521614 673 733

835 835

679

861

622

836

1036

1341

1974

2404

351421 463 525

613 615481

653

472

639

812

1082

1665

2010

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(万人)

(年)

訪日外国人旅行者数の推移

アジアからの旅行者数

出典:日本政府観光局(JNTO)

3

2 東京都の動向

(1)東京都の取り組み

東京都では、平成25年5月に「東京都観光産業振興プラン-世界の観光ブランド都市・東京をめざして」

を策定し、東京を世界有数の観光都市とすべく外国人旅行者を誘致するためのプロモーション活動や、国際会

議等のMICE※の誘致、地域観光資源の開発、外国人旅行者の受入環境整備などに取り組んできました。

さらに東京2020オリンピック・パラリンピックとその先を見据え、新たに「PRIME観光都市・東京

―東京都観光産業振興実行プラン2017」を平成29年1月に策定しました。ここでは旅行者数に加え、外

国人リピーター数や消費額といった質的な面にも着目した総合目標が設定されています。またその目標達成に

向けて「消費拡大に向けた観光経営」、「集客力が高く良質な観光資源の開発」、「観光プロモーションの新

たな展開」、「MICE誘致の新たな展開」、「外国人旅行者の受入環境の向上」、「日本各地と連携した観

光振興」を6つの戦略として掲げ、それに基づく施策を展開しています。

多摩地域は、外国人旅行者の訪問場所の割合が区部と比較して低くなっていることから、旅行者がもっと多

摩地域に訪れるよう、都心部には見られない豊かな自然や食を生かした観光振興を進めるとともに、MICE

開催に向けた地域の取り組みを支援すること、新たな観光情報センターを整備し(平成29年6月東京観光情

報センター多摩-JR立川駅商業施設「エキュート立川」にオープン)観光案内機能の向上を図るといった施策

を打ち出しています。

※MICE(マイス):Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention または Conference(大会・学

会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語でビジネストラベルの一つの形態。参加者が多いだけでな

く、一般の観光旅行に比べ消費額が大きいと言われている。

(2)東京観光の実態

① 旅行者数の推移

東京を訪れる外国人旅行者数はこの10年間で約2.6倍に増加しています。2015年の旅行者数は過去最

高の1,189万人に達し、年間で初めて1,000万人を突破しました。また、訪都旅行者全体の約98%

(2015年)を占める国内旅行者についても増加傾向にあり、2015年は約5億1,670万人に達し、

過去最高を記録しました。

この結果、平成25年5月に策定した「東京都観光産業振興プラン」で定めた目標である訪都外国人旅行者

数1,000万人、訪都国内旅行者数5.1億人を2年前倒しで達成となりました。

② 旅行者の消費額の推移

東京を訪れる国内からの旅行者による消費額は、2015年には過去最高の約4兆8,500億円に達して

います。また、訪都外国人旅行者の消費額も2011年以降は増加が続いており、2015年は初めて1兆円

を突破しました。訪都外国人旅行者1人当たりの旅行時の消費については、2015年には過去最高を記録し

ているものの、訪日外国人旅行者による消費額と同様に、2015年の10-12期から減少傾向に転じてい

ます。

4

出典:東京都観光客数等実態調査(東京都)

※ 2016 年訪都外国人旅行者消費額は、円高の進展、中国人旅行者の消費額の縮小等の影響を受け減少。訪都日本人旅行者消費

額は、訪都日本人旅行者数の減少や消費意欲の低下等により減少となった。

出典:「訪日外国人消費動向調査」「旅行・観光消費動向調査」(観光庁)、「東京都観光客数等実態調査」(東京都)

365,978

409,326

424,468 436,127

425,200

415,173

457,173

420,100

469,258

505,827

506,248 516,695 514,300

4,180 4,489 4,808

5,330 5,336

4,760

5,942

4,098

5,562

6,812

8,874

11,894

13,102

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(千人)(千人)

(年)

訪都旅行者数の推移

訪都国内旅行者数(右目盛) 訪都外国人旅行者数(左目盛)

204,354

197,369

194,208

201,871

184,204

204,090

209,547

40,781

36,857 42,473

46,649 47,655 48,465 46,017

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(億円) 日本人旅行者の消費額

国内日本人旅行者消費額 訪都日本人旅行者消費額

11,490

8,135

10,846

14,167

20,278

34,771

37,476

4,585 3,130

4,401 5,814

7,854

11,150 10,880

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(億円)

(年)

外国人旅行者の消費額

訪日外国人旅行者消費額 訪都外国人旅行者消費額

5

③ 多摩・島しょ地域の現状

多摩・島しょ地域には、都心部には見られない豊かな自然や食などの観光資源があり、こうした魅力を活用

して旅行者の誘致につなげることのできるポテンシャルを持っています。その一方、2015年度に東京を訪

れた外国人旅行者の訪問地域を見ると、新宿・大久保、浅草、銀座、秋葉原、渋谷など上位10位は全て区部

の地域が占めており、多摩・島しょ地域への訪問割合は低い状況にあります。

出典:平成 28年度国別外国人旅行者行動特性調査(東京都)

④ 多摩・島しょ地域への観光産業振興施策の展開

多摩・島しょ地域への旅行者の誘致を推進するため、より効果の高い観光PRを展開することが重要になり

ます。また、多摩・島しょ地域の特色である自然や農林水産業などを生かした観光ツアーを増やしていくこと

や、国の国立公園を活用した観光振興の動きなどに合わせ、都としても新たな誘客を行うことが必要となって

います。

多摩・島しょ地域では、限られた時間の中で観光スポットを周遊できる交通の仕組みを作り上げることが

必要です。また、移動手段としてバスやタクシーのほか、自転車なども効果的です。

多摩地域の商工団体や観光団体などをはじめとする様々な民間団体が力を合わせて自治体の区域を越えて

観光資源やルートを開発することが重要になってきます。

島しょ地域への誘客を進めるため、島しょ地域を訪れるインセンティブを導入するとともに、観光振興が

地元経済の活性化につながる仕組みを作り上げていくことが必要です。

56.9

48.2

48.1

43.9

41.2

37.4

36.8

34.1

28.0

22.8

19.5

18.3

11.4

10.2

5.9

5.6

5.1

2.5

1.5

0.8

0.6

0.4

4.0

0.2

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

新宿・大久保浅草銀座渋谷

秋葉原東京駅周辺・丸の内・日本橋

上野原宿・表参道・青山

お台場・東京湾池袋

六本木・赤坂築地品川

新橋・汐留恵比寿・代官山

墨田・両国吉祥寺・三鷹

八王子・高尾山蒲田

伊豆諸島・小笠原諸島奥多摩

青梅・御岳山その他無回答

(%)

外国人旅行者が訪問した場所

6

3 東村山市の観光の現状と課題

(1)東村山市の観光の現状

東村山市の観光は、名所や旧跡を見学するという従来型の観光だけではなく、元々ある観光資源に付加価値

を加え、歴史や文化、買い物やグルメをめぐるまち歩き、自然や文化を体験し、街の魅力を楽しむ「都市観

光」であることが特徴といえます。

都市観光の資源として、食の地域ブランド「里に八国」、黒焼そば、多摩湖梨やぶどうなどのグルメや農産

物、国宝である正福寺地蔵堂をはじめとした史跡・文化財、北山公園菖蒲苑、狭山丘陵など四季折々楽しめる

自然など、市内全域にあります。

また、近年では東村山創生事業によって新たな魅力の創出※があり、今後も継続して農商工業事業者との連携を推

進することで、観光資源としての活用も考えられる地域資源が点在しています。

※ 豊島屋酒造…北多摩唯一の酒蔵。酒蔵見学、人と人の縁を醸す「醸しの場」などを展開

ポールスタア…黒焼きそばソースをはじめとした各種ソースを生産、全国に販路を拡大。

(2)東村山創生

国では、将来にわたって「人口減少問題の克服」と「成長力の確保」を目指した地方創生の実現に向け、ま

ち・ひと・しごと創生法を制定し、平成26年12月には、日本全体の人口の現状と将来の展望を示した「ま

ち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と、それを踏まえた今後5か年の政府の施策の方向等を示した「ま

ち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定しました。

東村山市では、全国的な少子高齢化社会の到来を迎えて我が国の人口が減少していくなか、人口減少を克服

し、将来にわたって活力ある東村山を実現するため、「東村山市人口ビジョン・東村山市創生総合戦略」を平

成28年3月に策定しました。

この総合戦略では、市の最上位計画である「東村山市第4次総合計画後期基本計画」との整合を図りなが

ら、3つの目標を定めていますが、その一つの「東村山市や周辺地域に安定した雇用を創出する」という目標

の中で、地域に活力を生み出す産業の振興として「観光まちづくりの推進」を掲げています。

また、現在国の地方創生推進交付金を活用した「市内事業者の販路拡大支援事業」では、地域物産を活用し

た市内事業者の販路拡大を進めるとともに、これを交流人口の創出の機会と捉え、支援事業者を核とした市内

飲食店の魅力向上や集客交流ビジネスとして、事業者の交流拠点や市内集客拠点を周遊できる観光プログラム

の造成などを図ることで、より多くの方に来訪していただき、地域の活性化を進めてまいります。

7

(3)東村山市の観光の課題

前プランの課題を継続して取り組んでいきます。

6つの課題

1 歴史・文化資源 歴史・文化資源を活かした観光振興をすすめるまち 2 人的資源 観光振興を担う人材育成をすすめるまち 3 産業観光 産業観光資源を活かした観光振興をすすめるまち 4 みどりと自然 みどりと自然を活かした観光振興をすすめるまち 5 観光インフラ 観光インフラ整備をすすめるまち 6 情報発信 観光資源を積極的に発信するまち

8

第2章 東村山市観光振興プランにおける基本理念と方針、体系

これまでのプランは、東村山市の現状と課題を踏まえたうえで、東村山市観光振興プラン策定委員会におい

て今後のあり方を検討し、その集約を観光振興プランの基本理念(観光振興ビジョン)としました。これらの

検討にあたっては、東村山市観光振興プラン策定準備会報告や新たに実施した各種調査、東村山市観光振興プ

ラン策定委員会での意見を十分に加味し、みんなで創るみんなの観光プランとなるよう留意したものです。こ

のことは、観光振興連絡会において新たなプランを検討していくなかでも、普遍のものであり、継承していき

ます。

1 基本理念(観光振興ビジョン)

本市は、多摩北部地域のリーディング都市の一つとして、東京都のイメージアップに貢献するまちとしての

役割を担っています。また、市民が快適に生活でき、まちに誇りを持ち、そして観光客も感動する、魅力ある

まちづくりを進める必要があります。そのために、市民、産業、公が連携した観光振興への取り組みが求めら

れています。

従って、本市は、おもてなしの心をもった市民とともに、東村山ならではの恵まれた自然や文化資源等の積

極的な発信を通じ、市民と来訪者の交流を創出し、もって地域経済の活性化と郷土意識の醸成を図り、市民が

東村山市で暮らす喜びやワクワク感を享受・共有できるまちづくりを目指します。

のめっ恋こい

まち 東村山

~自然・歴史・文化があふれ、人と人がふれあうまち~

のめっ恋こい

とは

人と人との関係において、親しい、仲

のいい間柄。あるいはうどんなど、滑ら

かな、つるつるした感じをあらわす形容

詞で、東村山とその周辺地域に由来する

言葉(方言)です。

当プランでは、東村山への憧れ=恋し

て欲しいという願いを込めて「恋」とい

う文字をあてました。

●各施策を主導的に実施

●企業・住民が主導となる施策

のきっかけづくり

東村山市の観光振興プランにおける

観光施策の実現

協 働 の 輪

市民

●公が展開する観光事業に参加

●産と絡んで、産が進める観光

推進にかかわる

産業

●公と市民との協議による観光

事業を推進する

●産独自の観光事業を推進する

自然 歴史

文化

特産物等

9

2 東村山市の観光振興の基本方針

基本方針1 観光資源の魅力の向上

自然、歴史、文化、まつり、特産品などを含む本市の幅広い観光資源について、既存資源の整備と活用、

新たな資源の発掘を通じて、その魅力を磨く。また、テーマとストーリー性の高い観光コースやメニューを

開発し、本市に対する話題づくりを行う。そして、さまざまな取り組みに対する定期的な評価や検証を通じ

て改善を行い、さらなる観光資源の魅力を向上させながら、新しい魅力を創造します。

基本方針2 来訪客を迎え入れる積極的な情報発信

情報発信の拠点を整備することにより、本市の魅力を発信するとともに、観光振興に必要な情報収集を行

います。また、情報発信ツールとして、市のHPや広報誌をはじめ、マスメディアや地域メディアを加え、

情報発信ツールの多様化を図ります。さらに、ブログやSNSを活用しながら、口コミによる情報発信を展

開し、東村山市のファンづくりを行います。

基本方針3 観光インフラの構築

本市に訪れる来訪者の利便性や満足度を高めるために、「人」と「環境」の両面から“おもてなしの心”

を伝える受入態勢づくりを行います。人的面においては、本市ならではのガイドシステムを構築し、来訪者

の満足度を高めます。また、環境面においては、来訪者の利便性や安全性を確保しながら、良い印象を持た

せるため、市内の美化活動を行うとともに、五感で楽しめる環境整備を実施します。

基本方針4 9 つの駅を起点とした回遊性の向上

市内に9つの駅があることは非常に珍しいことであり、面白い話題になりうる潜在力があります。まず、

市内にある9つの駅を起点とし、市内の回遊性を高めた上で、回遊ルート上にある観光スポットを整備し、

点⇒線⇒面へと、回遊性の拡大を目指します。

基本方針5 まちづくりと連携した観光の人材育成と組織化

行政、観光関係者、農商工業関係者、関連団体、市民からなる推進組織を構成し、推進体制を拡大・強化

します。また、観光ボランティアや観光事業の担い手の育成・支援を行い、持続的発展ができる体制を整え

ます。さらに、行政内の横断的連携を強化することにより、各施策のシナジー効果の向上を図るとともに、

近隣地域との広域連携を強化し、相乗効果の極大化を目指します。

10

3 観光振興プランの体系

基本方針 計画の柱 取組内容

1 観光資源の魅力の向上

(1)地域の名物の発掘及び開発 ①地域食・特産品の開発・PR

②東村山音頭の再ブランディング

(2)魅力ある観光コース・メニューの開発 ①自然・歴史・文化・街並みにふれるまち歩きコースの展開

②自転車でまち巡りコースの展開

(3)ストーリーテリングを活用した話題づくり ①イベントと観光資源のストーリーの整理

②魅力向上のためのストーリーの創出

(4)観光資源・コース等の定期的評価・改善の実施 ①モニターによる資源・コースの評価

②定期的来訪者の満足度調査の実施

来訪客を迎え入れる積

極的な情報発信

(1)情報発信の拠点整備 ①情報発信窓口の一元化

②観光振興に必要なデータの定期的収集・活用

(2)情報発信ツールの多様化

①市の HP と広報紙(市報)の活用

Sihou

②マスメディアとの連携強化

③地域メディアの活用

(3)口コミ情報発信の展開 ①ブログ及び SNS の活用

②東村山のファンづくり

3 観光インフラの構築

(1)受入体制の整備

①案内板・標識の整備

②来訪者に優しい環境づくり

③市内移動手段の環境づくり

(2)五感で楽しめる仕掛けづくり

①五感体験案内マップの作製

②観光資源の保護及び美化活動

③地場産業・企業と連携した五感体験イベントの開催

(3)独自性のある案内プログラムの展開 ①観光ボランティアの活用

②地場産業の関係者による「東村山のはなしリレー」の展開

9 つの駅を起点とする

回遊性の向上

(1)市民公募によるストーリー性の高い回遊モデルの

構築

①各駅の特徴やテーマの整理

②自分しか知らない店(隠れた店)の整理

(2)駅前の商店街の連携強化

①商店会へ観光情報の発信

②共同メニューの開発

③リレーキャンペーンの実施

まちづくりと連携した

人材育成と組織化

(1)円滑的かつ中核的な推進体制の構築 ①行政における横断的な連携の強化

②行政、観光、農商工業関係団体、市民等からなる推進組織の構成

(2)市民参加型の組織づくり

①観光ボランティアの育成及び支援

②観光振興の担い手の育成及び支援

③観光関連組織間の交流

(3)近隣地域との広域連携の強化 ①近隣地域と連携した観光コース・商品の開発

②近隣地域と連携した共同プロモーションの展開

11

4 具体的推進施策

基本方針1 観光資源の魅力の向上

(1)地域の名物の発掘及び開発

≪現 状≫

国宝である正福寺地蔵堂等の文化歴史資源、八国山緑地の北山公園等の自然、東村山菖蒲まつり

等のイベント・まつりのように、魅力的資源は存在するが、地域への訴求力のある地域ブラン

ド・名物にはなっていない。

「東村山」の地名の認知度はある程度あるものの、正確な位置の認知度は低い。

東村山音頭は全国的な知名度がある。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1)地域食・特産品の

開発及び PR

・特産品の総合販売拠点を活用した PR

・農商工連携による特産品の開発

・地域ブランドのHPを利用した PR

商、JA、農商

2)東村山音頭の

再ブランディング

・鉄道駅での発着時メロディとして活用推進

・東村山音頭をアレンジした楽曲の発表

市、市民、観

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1)地域食・特産品の

開発及び PR

・特産市の開催

・地域ブランド PR イベントの実施

・どんこい祭の開催

実施

2)東村山音頭の

再ブランディング

・東村山駅西武新宿線発着時メロディで活用

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

12

(2)魅力ある観光コース・メニューの開発

≪現 状≫

地域の物産、商店街や事業所での視察・見学、農業体験などを行う形態の観光が注目されている。

本市にはものづくり産業に関する事業所や施設など、整備することにより魅力的な観光スポットとな

りうるものが多数存在している。

商工会が進める食の地域ブランド「里に八国」や、梨、ぶどうなどの名産をその場で収穫できる体験

農園など様々な取り組みが広がってる。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1)自然・歴史・文化・街並みに

ふれるまち歩きコースの展開

・文化財をテーマにしたイベント企画の推進

・農産物・果樹園を活用したコースの検討

・狭山丘陵を活用したイベント企画の推進

商、農商、観

2)自転車でまち巡り

コースの展開

・観光マップ等によるサイクリングコースの PR 観、市、市民

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1)自然・歴史・文化・街並みに

ふれるまち歩きコースの展開

・鉄道事業者ウォーキングイベントの実施

・東村山の石造物をテーマにしたウォーキングイベントの実施

・市内観光ミニツアーの実施(毎月1回)

・狭山公園での自然をテーマにした各種イベントの実施

・映画「あん」のロケ地を巡るイベントの実施(INGRESSミッション)

実施

2)自転車でまち巡りコースの展開 ・レンタサイクルの導入

・東村山まち歩き MAP「ココミテ」にて自転車コースの紹介 実施中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

13

(3)ストーリーテリングを活用した話題づくり

≪現 状≫

市の北西部地域には、正福寺地蔵堂や八国山たいけんの里など多くの観光資源が集まっている。

正福寺地蔵堂は多摩地域唯一の国宝建築物であり、八国山たいけんの里では、下宅部遺跡から発掘され

た学術的に貴重な縄文時代出土品が保存・展示されている。

地域の特性を活かしたストーリーの創出のためには情報の収集及び共有が不可欠である。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) イベントと観光資源の

ストーリーの整理

・文化財及び自然についての情報収集 商、農商、観

2) 魅力向上のための

ストーリーの創出

・東村山にゆかりのある歴史上の人物にスポットを

当てた企画の推進

観、市

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) イベントと観光資源の

ストーリーの整理

検討中

2) 魅力向上のための

ストーリーの創出

・「多摩屈指のパワースポット巡り」の実施

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

14

(4)観光資源・コース等の定期的評価・改善の実施

≪現 状≫

来訪者のニーズに合った観光メニュー開発のため、定期的な調査・分析が必要である。

東村山菖蒲まつり等、定期的な来訪者のあるイベントでのアンケート調査は効果的と考えられる。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) モニターによる

資源・コースの評価

・各種イベント参加者対象アンケートの実施 市、観

2) 定期的来訪者の

満足度調査の実施

・産業観光案内コーナーへご意見ボックス等の設置 市

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) モニターによる

資源・コースの評価

・市内観光ミニツアー参加者アンケートの実施

・多摩屈指のパワースポット巡り参加者アンケートの実施

実施

2) 定期的来訪者の

満足度調査の実施

・菖蒲まつり来場者アンケートの実施

・利用者満足度調査の実施(狭山公園)

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

15

基本方針2 来訪客を迎え入れる積極的な情報発信

(1)情報発信の拠点整備

≪現 状≫

東村山駅西口公益施設「サンパルネ」にて産業・観光案内コーナーを運営している。

近年の情報発信ツールの多様化に伴う対応が必要となっている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) 情報発信窓口の一元化 ・産業観光案内コーナーの拡充

・観光情報サイトの充実を図る

市、観、商、

JA、農商

2) 観光振興に必要なデータの

定期的収集・活用

・鉄道各社乗降者数等の収集・分析

・観光情報サイトへのアクセス数調査

市、商、観

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 情報発信窓口の一元化 ・観光情報サイトの構築

・産業観光案内コーナーの設置

・狭山公園 HP でイベント情報、ブログの更新

実施

2) 観光振興に必要なデータの

定期的収集・活用

・観光情報サイトへのアクセス数調査

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

16

(2)情報発信ツールの多様化

≪現 状≫

東京観光情報センター(都庁)、東京観光情報センター多摩(立川駅ビル内)、バスタ新宿でのデジタ

ルサイネージ活用など、市外に対しても情報発信できる環境づくりに努めている。

東村山菖蒲まつりでは、鉄道事業者と連携し、駅構内でのポスター掲示、車内中吊り広告での広報活動

を行っている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) 市のHP と

広報紙(市報)の活用

・市広報の積極的な活用

・東京観光情報センターとの連携強化

市、観

2) マスメディアとの連携強化 ・マスメディアへの積極的な情報提供 市、商、観

3) 地域メディアの活用 ・CATV等の活用、フリーペーパーの発行 市、商、農商

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 市の HP と

広報紙(市報)の活用

・市内観光ミニツアー募集記事の掲載

・都広報を活用した PR

実施

2) マスメディアとの連携強化 検討中

3) 地域メディアの活用 ・るるぶ東村山特別編集版の発行

・新聞、雑誌、地域情報誌への情報提供

実施中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

17

(3)口コミ情報発信の展開

≪現 状≫

観光情報発信における口コミ情報の重要性及び信頼性が高まっている。

若年層のSNSに対する注目度は高く、情報ツールの一つとして需要が高まっている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) ブログ及び SNSの活用 ・観光ニュース等のリアルタイムな情報発信 市民、商、JA、

農商、観、市

2) 東村山のファンづくり ・東村山 PR動画等の製作

・観光特使任命の検討

市民、商、JA、

農商、観、市

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) ブログ及び SNSの活用 ・観光情報サイトの構築

・web 広告の展開(多摩屈指のパワースポット巡り)

実施

2) 東村山のファンづくり ・Facebook「たのしむらやま@東村山」

・シネアドの実施 実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

18

基本方針3 観光インフラの構築

(1)受入体制の整備

≪現 状≫

市内5ヵ所(東村山駅東口、新秋津駅前、久米川駅南口、八坂駅前、北山公園善行橋付近)に観光案内板が

設置されている。

連続立体交差事業、都市計画道路の整備によって市街地の環境の変化が予想されるため、観光案内板等

の新設については現在保留となっている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) 案内板・標識の整備 ・既存の市内観光案内板(盤面)の改修

・観光スポット用のぼり旗等の活用

市、観

2) 来訪者に優しい環境づくり ・観光資源周辺の安全対策推進

・公共交通サービスの検討

市、商、観

3) 市内移動手段の環境づくり ・公共交通機関の PR 市、観

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 案内板・標識の整備 ・菖蒲まつり開催期間中の駅~公園間ののぼり旗設置(東村山駅・西武園駅) 実施

2) まち歩きコースの歩道の整備 検討中

3) 市内の移動手段と

駐車場の整備

・レンタサイクルの導入 実施中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

19

(2)五感で楽しめる仕掛けづくり

≪現 状≫

近年は、工場見学や作業体験などの地場産業の特性を活かしたイベント、企画等に関心を高まってい

る。

来訪者に気持ち良く過ごしていただけるよう美化活動をはじめとした観光資源の保全活動等の必要性が

高まっている。

≪推進方針≫

計 画 取 組 事 例 推 進 主 体

1)五感体験案内マップの作成 ・東村山まち歩き MAP「ココミテ」の活用 市、商、農、観

2)観光資源の保護及び美化活動 ・観光資源保全活動の推進 市、市民

3)地場産業・企業と連携した

五感体験イベントの開催

・工場見学、作業体験等の企画の検討

・畑、果樹園等を活用したイベント等の企画の検討

観、商、農

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1)五感体験案内マップの作成 ・東村山まち歩き MAP「ココミテ」の改訂 実施

2) 市内の景観整備及び美化活動 ・菖蒲まつりゴミパトロールの実施 実施中

3) 地場産業・企業と連携した

五感体験イベントの開催

・豊島屋フェスタの開催

・黒焼きそば食べ歩きキャンペーンの実施

・ポールスターいちょうまつりの開催

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

20

(3)独自性のある案内プログラムの展開

≪現 状≫

地場産業の特性を活かすため、関係者と連携し、情報の収集および掘り起しが必要である。

観光ボランティア等、市民が参加できる環境づくりの推進が必要である。

≪推進方針≫

計 画 取 組 事 例 推 進 主 体

1)観光ボランティアの活用 ・定期的な市内観光ミニツアー等の実施

・菖蒲まつり等での定点ガイドの実施

観、市民

2)地場産業の関係者による

「東村山のはなしリレー」の展開

・地場産業の情報収集と活用 商、農商

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1)観光ボランティアの活用 ・鉄道事業者イベント時の定点ガイド

・市内観光ミニツアーの実施

実施

2)地場産業の関係者による

「東村山のはなしリレー」の展開

検討中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

21

基本方針4 9つの駅を起点とする回遊性の向上

(1)市民公募によるストーリー性の高い回遊モデルの構築

≪現 状≫

市内には、9つの駅(東村山駅、久米川駅、八坂駅、萩山駅、武蔵大和駅、西武園駅、西武遊園地駅、秋津

駅、新秋津駅)がある。

上記それぞれの駅を中心に生活圏が形成されており、市内の回遊性が低い。

知る人ぞ知るような店など、市内の回遊性の向上の起爆剤となるような情報が断片的である。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1) 各駅の特徴やテーマの整理 ・市内各駅周辺の情報収集 市、商、観

2) 自分しか知らない店

(隠れた店)の整理

・地域別の情報収集 市、市民、商

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 各駅の特徴やテーマの整理 ・観光情報サイト内での各駅紹介 実施中

2) 自分しか知らない店

(隠れた店)の整理

検討中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

22

(2)駅前の商店街の連携強化

≪現 状≫

市内の回遊性の向上のため各商店会との情報共有等の連携が必要である。

近年では、地域の産品を活用した「コラボ商品(共同メニュー)」など注目度が高い。

≪推進方針≫

計 画 取 組 事 例 推 進 主 体

1) 商店会へ観光情報の発信 ・商店会ミーティング等での観光情報の共有 商、農商

2) 共同メニューの開発 ・里に八国ブランドのパッケージ商品化の検討

・地域産品を活用した商品開発

商、JA、農商

3) リレーキャンペーンの実施 ・商店会とのタイアップイベントの企画推進 商、農商

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 商店会へ観光情報の発信 ・東村山まち歩き MAP「ココミテ」の改訂 実施

2) 共同メニューの開発 検討中

3) リレーキャンペーンの実施 ・豊島屋フェスタの開催

・黒焼きそば食べ歩きキャンペーンの実施

・ポールスターいちょうまつりの開催

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

23

基本方針5 まちづくりと連携した人材育成と組織化

(1)円滑的かつ中核的な推進体制の構築

≪現 状≫

観光振興の担い手となる人材の確保は最重要の課題である。そのためにも観光振興連絡会の機能強化を

図り、地域全体が一体となった推進体制が必要である。

類似資源の相乗効果や新たな魅力の創出を図るため、近隣地域との広域連携が近年増えている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1)行政における

横断的連携の強化

・産業観光推進専門委員会への参画

・狭山丘陵連携事業への参画

・多摩地域観光資源広域活用協議会への参画

・多摩観光推進協議会との連携

2)行政、観光、農商工業関係団

体、市民等からなる推進組織

の構成

・観光振興連絡会の機能強化と組織化の推進 市、商、JA、農

商、観、市民

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1)行政における横断的連携の強化 ・産業観光推進専門委員会への参画

・狭山丘陵連携事業への参画

・多摩地域観光資源広域活用協議会への参画

・多摩観光推進協議会との連携

実施中

2)行政、観光、農商工業、市民、

まちづくり団体からなる推進組

織の構成

・東村山観光振興連絡会の設置

実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

24

(2)市民参加型の組織づくり

≪現 状≫

観光振興の担い手の発掘及び育成のため、担い手同士の交流の場づくりや活動への助言・支援が必要で

ある。

市内の小中学生で構成されている観光キッズなど、若年層の市民参加が減少傾向にある。

≪推進方針≫

計 画 取 組 事 例 推 進 主 体

1) 観光ボランティアの

育成び支援

・観光ガイド育成講座の実施

・インバウンドに対応したガイド養成講座等の推進

市、市民、観

2) 観光振興の担い手の

育成及び支援

・観光ガイドの連携強化

・観光ボランティアの拡充

・観光キッズ(小中学生案内人)の拡充

市、市民

3) 観光関連組織間の交流促進 ・観光関連組織間の交流の推進 市、市民

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 観光ボランティアの

育成及び支援

・ガイド養成講習会の実施

実施

2) 観光振興の担い手の

育成及び支援

・ガイド事業に関する各種保険料の支援

・観光キッズ(小中学生案内人)活動のサポート 実施

3) 観光関連組織間の交流促進 ・近隣市観光関連団体との交流 実施

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

25

(3)近隣地域との広域連携の強化

≪現 状≫

類似資源の相乗効果や新たな魅力の創出を図るため、近隣地域との広域連携が近年増えている。

地場産業と連携したイベント等の開催が求められている。

≪推進方針≫

計 画 取組事例 推進主体

1)近隣地域と連携した

観光コース・商品の開発

・近隣地域と連携した観光コースの開発

・近隣地域と連携した体験ツアーの実施

市、商、農商

2)隣地域と連携した

共同プロモーションの展開

・多摩地域の酒蔵を活用したプロモーションの展開

・武蔵野うどんをテーマにしたプロモーションの展

市、商

≪これまでの取組≫

計 画 実 施 事 業 進捗状況

1) 近隣地域と連携した

観光コース商品の開発

検討中

2) 近隣地域と連携した

共同プロモーションの展開

・多摩地域の地酒パンフレットの発行(多摩観光推進協議会「豊島屋酒造」)

実施

3)広域連携を促すための

制度面の整備

検討中

凡例

推進主体 市民…市民・市民活動団体、商…商工会、JA…JA東京みらい、農商…農商工業関係者

観…観光関連関係者、市…東村山市

進捗状況 実施、実施中、検討中、未実施

26

第3章 観光振興プランの推進体制

1 観光振興の推進体制

本プランの推進にあたっては、市民・市民活動団体、商工会、JA東京みらい、観光関連関係者、農商工

業関係者、東村山市等、それぞれの主体性を尊重し、協働に基づき取り組むことが重要となります。

そのため、本プラン推進のために設置された「東村山観光振興連絡会」を、東村山市の観光全般に関して

の中心に据え、引き続き情報共有、観光事業の共同実施の検討等による推進体制をとります。

また、将来的には専門的な観光振興事業に関わる民間主体の組織「(仮称)東村山市観光推進機構」の設

立も視野に入れ、推進体制の充実、強化をしていきます。

東村山観光振興連絡会

市民・

市民活動団体

JA東京みらい

農商工業関係者

東村山市

観光関連関係者

商工会

(仮称)東村山市観光推進機構

27

2 推進主体別の役割

推進主体別の役割分担については、下記の表のとおりです。

区 分 主 な 役 割

市民・市民活動団体 ■観光振興プラン推進のための理解と参画

郷土である「東村山」に対する誇りと自信の共有

地域の歴史・文化、自然資源、伝統行事等への理解、参加、体験、保護

地場産品の地産地消の推進

おもてなしの心による来訪者との交流

郷土及び地域資源の宣伝

東村山市商工会 ■観光振興事業の推進

既存イベントの創意工夫及び充実・発展

効果的な情報発信ツールの多様化への取り組み(HP、ポスター、パンフレット等)

観光関連事業者との連携(旅行会社、鉄道会社等)

商工業者の観光に関するスキルアップ(セミナー等)

■観光振興に向けた組織力の向上

利害関係者間のネットワークの構築

JA東京みらい ■観光振興プラン推進への参画

関係者間での積極的な連携

主体的で創意と工夫にあふれた事業展開

同業者また異業者との積極的な交流促進

おもてなし・ホスピタリティ意識の向上

観光関連関係者

農商工業関係者

東村山市 ■観光振興プランの推進と総合調整

推進体制の整備・強化

観光振興連絡会等との連携

部署間の横断的連携の強化

効果的な情報発信への取り組み

観光関連統計・データの整備

ボランティア・NPO 等の市民団体の育成・支援

マスメディアへの対応

人材育成・支援

■広域連携の推進

近隣地域との広域的な連携

広域連携の共同プロモーションの実施

国や東京都との連携強化

28

資料編

1 第2次東村山市観光振興プラン策定経過

開 催 日 等 内 容

平成28年度

平成28年12月9日 第3回東村山観光振興連絡会

・現行プランの体系の整理

平成29年2月13日 第4回東村山観光振興連絡会

・第2次東村山市観光振興プランまでの策定協議

平成29年度

平成29年4月19日

第1回東村山観光振興連絡会

・次期プラン策定までの年間スケジュールの確定

・現行プラン取組内容と実施済事業のふりかえり

平成29年5月15日 第2回東村山観光振興連絡会

・現行プラン取組内容と実施済み事業のふりかえり

平成29年6月28日 第3回東村山観光振興連絡会

・現行プラン取組内容と実施済み事業のふりかえり

平成29年7月31日 第4回東村山観光振興連絡会

・次期プランの取組内容(具体的な取組事例)の抽出・検討

平成29年9月25日 第5回東村山観光振興連絡会

・次期プランの取組内容(具体的な取組事例)の抽出・検討

平成29年10月25日

第6回東村山観光振興連絡会

・次期プランの取組内容(具体的な取組事例)のまとめ

・次期プランの全体的なまとめ

平成29年12月6日 第7回東村山観光振興連絡会

・第2次東村山市観光振興プラン(案)の確認

平成30年

1月15日~2月4日 第2次東村山市観光振興プラン(案)に対するパブリックコメントの実施

平成30年2月26日 第8回東村山観光振興連絡会

・パブリックコメント実施結果報告及び協議

平成30年3月 第2次東村山市観光振興プランの公開・発行

29

2 東村山観光振興連絡会規約

第1 設置

東村山ならではの恵まれた自然や文化資源等の観光資源の積極的な発信を通じて、市民と来訪者の交流の

創出を図り、東村山市観光振興プランを推進することを目的に、東村山観光振興連絡会(以下「連絡会」とい

う。) を設置する。

第2 所掌事項

連絡会は、次の事項に掲げる事項について協議し、決定する。

(1) 観光振興プランの推進に関すること

(2) 観光振興事業の共同実施に関すること

(3) 「(仮称)東村山市観光推進機構」に関すること

第3 構成

連絡会は、別表に掲げる委員をもって構成する。

ただし、必要に応じ、連絡会の承認をもって委員の追加をすることができる。

第4 委員の任期

1 委員の任期は、当該年度3月31日をもって終了する。

また、次年度の委員は連絡会の承認をもって選任する。

2 委員に欠員が生じた場合における後任委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第5 役員

1 連絡会には会長、副会長及び監査を置き、委員の互選により定める。

2 会長は、連絡会を代表し、会務を総括する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代行する。

4 監査は、連絡会の会計を監査する。

第6 会議

1 連絡会は、会長が招集する。

2 連絡会は、委員の過半数が出席しなければ、開くことができない。

3 連絡会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

4 委員は、やむを得ない理由のため連絡会に出席できないときは、あらかじめ書面をもって、同一の団

体又は機関に所属するものを代理人として出席させ、合議及び表決を委任することができる。この場

合において、当該委員は出席したものとみなす。

第7 関係者の出席

会長は、必要に応じて、関係者に出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。

第8 報酬等

委員の報酬は無償とする。

第9 庶務

連絡会の会計及び庶務は、東村山市において行う。

30

第10 委任

この規約に定めるもののほか、連絡会の運営に関して必要な事項は、会長が連絡会に諮って定める。

第11 適用

この規約は、平成26年1月21日より適用する。

〈附則〉

一部改正(平成27年4月1日)

規約第5 監査の記載、同第9会計の記載

3 東村山観光振興連絡会名簿(平成29年度、敬称略)

役 職 氏 名 選 出 団 体

会 長 大井お お い

芳よし

文ぶみ

東村山郷土研究会

副 会 長 島田し ま だ

弘之ひろゆき

東村山市商工会

委 員 榎本えの も と

延也の ぶ や

JA東京みらい

委 員 金崎か な さ き

順一じゅんいち

西武鉄道

委 員 渡部わ た べ

淑子よ し こ

(平成 29年 6月 30日まで)

JR東日本

委 員 増井ま す い

智とも

久ひさ

(平成 29年 7月 1日より)

JR東日本

委 員 市川いちかわ

暢男の ぶ お

歴史とロマン市民の会

委 員 渡 邉わ た な べ

濶かつし

東村山観光ボランティアガイドの会

委 員 木本き も と

一宏かずひろ

西武・狭山丘陵パートナナーズ

委 員 武岡たけおか

忠史ただふみ

東村山市

委 員 尾作お ざ く

整一せいいち

東村山市

委 員 肥沼こいぬま

裕史ひ ろ し

東村山市

31

参考:平成29年度市民意識調査(中間報告)抜粋

■市の取り組みに対する満足度と重要度

基本

目標

市の取り組み(施策)

満足度 重要度

満足 不満 重要

重要

でない

基本目標4

みんなが快適に暮らせる、活力と魅力にあふれたまち

22 適切な土地利用と良好な住宅地の整備 20.8 22.3 68.9 2.6

23 にぎわいと利便性向上のための駅周辺の整備 28.0 40.8 82.1 2.9

24 公共施設再生に向けての取り組み 21.0 21.8 73.6 2.6

25 下水道の整備・雨水対策 44.1 16.4 81.4 1.2

26 幹線道路の整備 28.4 35.5 80.4 3.3

27 生活道路の整備 27.8 40.2 82.4 2.7

28 利用しやすく安全な交通環境の整備 25.9 35.0 81.3 1.5

29 都市農業の振興 20.5 8.0 52.3 4.6

30 商工業の振興 14.6 19.1 60.4 2.8

31 地域資源を活かした観光の振興 16.7 16.8 52.3 7.1

32

市からの情報発信、行政サービスの電子化など情報環境の

整備 23.0 17.3 58.2 4.4

※「満足」は「満足」と「まあ満足」、「不満」は「やや不満」と「不満」を足した値です。

※「重要」は「大変重要」と「ある程度重要満足」、「重要でない」は「あまり重要でない」と「全く重要でない」を足した値です。

※満足度、重要度ともに、「どちらともいえない」、「無回答」は記載していません。