ソフトウェア品質向上の 変 2015江戸~今、改革のとき~ 20150204

34
Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved. 提供すべきは「成果物」ではなく「サービス」 今あらためて疑うべき、「スピードと品質」の本当の意味 グロースエクスパートナーズ(株) 鈴木雄介 2015年2月4日(水)

Transcript of ソフトウェア品質向上の 変 2015江戸~今、改革のとき~ 20150204

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

提供すべきは「成果物」ではなく「サービス」今あらためて疑うべき、「スピードと品質」の本当の意味

グロースエクスパートナーズ(株)

鈴木雄介

2015年2月4日(水)

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

自己紹介

• 鈴木雄介

–グロースエクスパートナーズ株式会社

» http://www.gxp.co.jp/

» 執行役員

–日本Javaユーザーグループ

» http://www.java-users.jp/

» 会長

–ブログ

» http://arclamp.hatenablog.com/

1

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

今日の話

• 開発に求められていることの変化

• 「成果物」と「サービス」の違い

• 「スピードと品質」のあるべき姿

2

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

アジェンダ

• 何が起きているのか

• ITサービス運営とは

• ITサービス運営とスピード

• ITサービス運営と品質

• まとめ

3

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

4

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

• 企業におけるITの意味

–第1のIT:事務処理を自動化する

–第2のIT:管理統制を拡張する

–第3のIT:事業に価値を付加する

–今後、「第3のIT」の役割が大きくなる

» 「デジタル」が顧客の生活や仕事を大きく変えてしまった

» 全ての業種において「デジタル」が本業の在り方を変えようとしている

5

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

• 「第3のIT」に向けた動き

–製造:利用者向けのSNS

–製造:オフィスOA機器むけの法人サービス

–通信:法人顧客向けの統合サービス

–医療:医療情報向けの保管/共有サービス

6

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

• 「第3のIT」の特徴

–本業に価値を付加する

» 本業の継続的な利用を促すサービスの提供

» 本業を軸として顧客の囲い込むサービスの提供

» 本業の既存顧客に対する新たなサービスの提供

–ただし、何をすればいいのかは不明瞭

» どういったサービスが売上に寄与するか、試行錯誤をする必要がある

» 「第1のIT」や「第2のIT」の経験が活きない

7

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

• 「第3のIT」における要求

–今までのように「アプリケーションを作る」

» なるべく速く、安く、高品質に

–加えて「ITサービスを運営する」ことが必要

» うまくITサービスを運営する必要がある

8

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

何が起きているのか

• アプリケーションを作る

–決めた仕様に従う

–開発者が開発する

–プロジェクトが終了するまでの活動

• ITサービスを運営する

–利用者からフィードバックを受ける

–様々な人が関わる

–終わることのない持続的な活動

9

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

10

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営をいかに良くするか

–簡単なようで難しい

• ITサービス運営をモデル化し、取り組むべきことを明らかにする

11

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営のモデル v0.3

12

利用価値サービスソフト/ハード

開発プロセス

ITサービス

企画プロセス

運用プロセス

業務プロセス

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営のモデル v0.3

13

特徴 例

利用価値 • 利用者が体験して感じる価値• 利用者によって評価が異なる

• AさんとBさんで評価が異なる

サービス • 企業が利用者に向けて提供するもの

• 商品、サービス

ITサービス • システムが稼働し、利用者が利用可能な状態になっているもの

• 本番環境

• インスタンス• データ• 性能と可用性

ソフト/ハード

• 開発の成果物として作成されたもの

• 後に残り、参照可能

• ソースコード• ドキュメント• テーブル定義• インフラ

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営のモデル v0.3

14

特徴 例

企画プロセス

• ITサービスの振る舞いを管理する• 追加や変更を要求する

• 売上• 企画立案

開発プロセス

• ソフトを作る、ハードを用意する• 追加や変更を実施する

• 開発マネジメント• リリース計画• 開発ツール

運用プロセス

• 稼働状態を管理する• 追加や変更を受け入れる• 安定させる

• デプロイ• SLA

業務プロセス

• サービスに関わる(ITサービスを利用することもある)

• 利用者に価値を提供する

• 現場• 窓口

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営の特徴

–価値は利用することによって決まる

–たくさんの利害関係者がいる

» そして、それぞれの関心事は異なる

–持続的に成長する

» フィードバックサイクルが重要

–全ての要素は影響し、依存する

15

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• ITサービス運営と方法論の関係

–リーンスタートアップ

» 利用価値~企画プロセス~開発プロセス

–アジャイル

» 開発プロセス~ソフト/ハード

–DevOps

» ソフト/ハード~運用プロセス~ITサービス

16

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とは

• 「成果」とは何か?

– ITサービス運営全体としては「より良い利用価値をもたらす」こと

–では、開発プロセスの成果物は何なのか?

–全体を良くする活動せず、成果を上げることは難しい

17

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

18

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

• スピードは速いほうがよいか?

19

利用価値サービスソフト/ハード

開発プロセス

ITサービス

企画プロセス

運用プロセス

業務プロセス

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

• スピードは速いほうがよいか?

– ITサービス運営全体のスピードを速くすることには限界がある

–業務部門に対して数週間おきに業務変更を強いるのは現実的ではない

» ABテストすら、簡単なことではない可能性がある

–利用価値を測定しない改善に意味はない

» 誰がフィードバックをもらえるのか?どのぐらいの期間利用してもらうべきか?

20

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

• リズムが整っていることが重要

–部分的に速くても意味がない

–全てのプロセスで合意できるリズムであること

• 顧客からのフィードバックが基準速度» 一般的な企業であれば3か月~6か月

» Web企業であっても数週間程度

» あとは多重度の問題だけ

21

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

• たとえば3つのリズムを並行する

–新機能

» 6か月~12か月ごとに新機能を提供する

» メジャーリリース

–定期改善

» 数か月ごとに定期的に機能改善を行う

» マイナーリリース

–運用保守

» 数日~数週ごとにバグ対応や小さな課題解決を行う

» マイクロリリース

22

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営とスピード

• アジャイル?

–開発手法としての「アジャイル」は重要

–でも、ITサービス運営のアジリティは開発だけの問題ではない

–エンタープライズ・アジャイルは組織としての取組みであるべき

23

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

24

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

• 品質は高い方がよいか?

25

利用価値サービスソフト/ハード

開発プロセス

ITサービス

企画プロセス

運用プロセス

業務プロセス

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

• 品質は高い方がよいか?

–最終的にはサービスの品質が重要だが、サービスの品質だけをあげるという取り組みは難しい

–すべての品質は関連づいている

–もちろんQCDのバランスをとるべき

26

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

• ITサービス運営の要素品質

–ソフト/ハード

» 機能系のテスト(単体、結合)

» 自動ユニットテスト

» 静的構造解析

– ITサービス

» 非機能系のテスト(性能、可用性、セキュリティ)

» 受入テスト

–サービス

» 運用テスト

27

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

• ITサービス運営のプロセス品質

–企画プロセス

» 事業計画と技術実現性

–開発プロセス

» 開発マネジメント

–運用プロセス

» サービスデリバリとサービスサポート

–業務プロセス

» 営業、顧客サポート、保守導入支援

28

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

ITサービス運営と品質

• 全体を通じて妥当な品質レベルを維持する

–いつ、どこで確保すべきか

–ゲートキーパーが重要

29

企画

要件定義

基本設計

詳細設計

実装 ユニットテスト

単体テスト

結合テスト

受入テスト

システムテスト

本番稼働

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

まとめ

30

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

まとめ

• 企業におけるITの意味

–第1のIT:事務処理を自動化する

–第2のIT:管理統制を拡張する

–第3のIT:事業に価値を付加する

• どういったサービスが売上に寄与するか、試行錯誤をする必要がある

–「アプリケーションを作る」ことに加え「ITサービス運営」が求められる

31

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

まとめ

• ITサービス運営のモデル v0.3

32

利用価値サービスソフト/ハード

開発プロセス

ITサービス

企画プロセス

運用プロセス

業務プロセス

Copyright© Growth xPartners, Inc. All rights reserved.

まとめ

• ITサービス運営のスピード

–各プロセスのリズムを整える

–複数のリズムを並行させることが大事

• ITサービス運営の品質

–各プロセスで妥当な品質を維持する

–どのタイミングで、どの品質を確保するのかが大事

33