自然エネルギー世界白書 2011 日本語版

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RENEWABLES 2011 GLOBAL STATUS REPORT 自然エネルギー世界白書 2011 日本語版 翻訳:NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
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    29-Jul-2015
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本報告書は、21世紀のための自然エネルギー政策ネ ットワーク(REN21)の委託を受け、世界の研究者の協力を得て作成された「Renewables 2011 Global Status Report 」(主筆: Janet L. Sawin and Eric Martinot)を、環境エネルギー政策研究所の責任で日本語へ翻訳したものです。

Transcript of 自然エネルギー世界白書 2011 日本語版

RENEWABLES 2011 GLOBAL STATUS REPORT

自然エネルギー世界白書 2011

日本語版翻訳:NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)

Sultan Ahmed Al Jaberアラブ首長国連邦・外務省

Adnan Z. Amin国際再生可能エネルギー機関

Corrado Cliniイタリア・国土環境省

Robert Dixon地球環境ファシリティ気候と化学物質のチーム

Michael Eckhart米国・シティグループ

Mohamed El-Ashry国連財団

Saliem Fakir南アフリカ・WWF

Deepak Guptaインド・新・再生可能エネルギー省

Amal Haddoucheモロッコ・エネルギー・鉱山・水利・環境省

David Hales米国・アトランティックカレッジ

Kirsty Hamilton英国・チャタムハウス

St. John Hoskyns英国・エネルギー・気候変動省

Didier Houssin国際エネルギー機関エネルギー市場とエネルギー安全保障ディレクター

飯田哲也日本・環境エネルギー政策研究所

REN21 運営委員

免責事項REN21の発行誌や報告書は、自然エネルギーの重要性を強調し、自然エネルギー促進のための主要な論点について議論を喚起すべく、REN21が発表するものである。REN21のコミュニティによる考察や情報の賜であるが、当ネットワークの参加者が全ての点においてかならずしも見解が一致しているわけではない。本報告書の情報は作成時に著者らが有する最善のものであるが、REN21とネットワーク参加者たちが情報の精度と正確性の責任を負うものではない。

Øivind Johansenノルウェー・石油・エネルギー省

Mahama Kappiah西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)自然エネルギーとエネルギー効率化のための地域センター (ECREEE)カーボベルデ

Manfred Konukiewitzドイツ・経済開発連邦省

Hans-Jorgen Kochデンマーク・気候エネルギー省デンマークエネルギー庁

Emani Kumarイクレイー持続可能性を目指す自治体協議会南アジア事務所

André Correa do Lagoブラジル・外務省

Junfeng Li中国・国家発展改革委員会エネルギー研究所/中国再生可能エネルギー産業協会

Bindu Lohaniアジア開発銀行

Ernesto Macìas Galàn農村電化同盟

Pradeep Monga国連工業開発機関エネルギー・気候変動対策部門

Paul Mubiruウガンダ・エネルギー鉱物開発省

Nebojsa Nakicenovicオーストリア・国際応用システム分析研究所

Kadri Nassiep南アフリカ・国立エネルギー研究所

Rajendra Pachauriインド・エネルギー資源研究所

Wolfgang Palz再生可能エネルギー世界協議会

Mark Radka国連環境計画技術・産業・経済部

Peter Rae国際再生可能エネルギー同盟

Athene Ronquillo Ballesteros世界資源研究所/緑の独立発電事業者ネットワーク

Steve Sawyer世界風力会議

Maria Sicilia Salvadoresスペイン・イベルドローラ

Griffin Thompson米国・国務省

Ibrahim Togolaマリ・フォルケセンター /再生可能エネルギーと持続可能性のための市民連合

Piotr Tulej欧州委員会・環境総局エネルギー課

Veerle Vandeweerd国際開発計画エネルギー・環境グループ

Arthouros Zervos欧州再生可能エネルギー評議会

 21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク(REN21)REN21は自然エネルギーへの急速な移行を目指し、世界中の多岐にわたるステークホルダーの統率力を結集しています。さらに発展途上国や先進工業国の経済において、自然エネルギーを有効に利用するための適切な政策を推進しています。REN21は自然エネルギーに尽力するステークホルダーに幅広く開かれており、各国政府、国際機関、NGO、業界団体、その他パートナーシップやイニシアティブを結びつけています。REN21は自然エネルギーを迅速に拡大するために、彼らの功績を活用し、その影響力をさらに強めていきます。

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REN21は自然エネルギーへの急速な移行を目指し、世界中の多岐にわたるステークホルダーの統率力を結集するために2005年に設立された。REN21による自然エネルギー世界白書(GSR)は、その年の後半に初めて発行された。それは世界の自然エネルギーについての包括的な状況を初めて把握しようという試みから生まれた。本報告書は、自然エネルギーがエネルギー市場や経済発展の面で主流となっていくという現実と理解を結びつけていくことも目的としている。

数年にわたり、GSRは自然エネルギー市場と産業の驚くべき発展に伴い対象範囲を広げ、詳細さを高めてきた。本報告書は世界中の数千ものデータ、数百の報告書や文献、専門家との個別のやり取りをまとめた重要な成果となっている。当初の調査と執筆は全てエリック・マーティノーと数多くの国際的な寄稿者からのデータ提供によるものであった。本報告書は複数の著者、REN21の事務局スタッフと理事会メンバー、地域の研究パートナー、100名以上の寄稿者や校閲者による真の協同の成果である。

GSRのデータ収集プロセスを最適化する必要性が高まり、2010年にREN21は自然エネルギーインタラクティブマップを発表した。現在、それは自然エネルギーに関する進展状況をオンラインで収集し共有する効率的な道具となっている。政策と市場の概要は国、地域、技術、分野ごとに定期的に更新され、新しい情報にアクセスできるという双方向性の特徴を持つため、インタラクティブマップによって重要な情報をこれまでより容易に、時宜に応じて利用できるようになる。そのためGSRの研究者や読者は、より広い自然エネルギーコミュニティと繋がり継続的に貢献できるようになる。自然エネルギーインタラクティブマップはwww.map.ren21.net/ からアクセスできる。

REN21 の自然エネルギー世界白書と自然エネルギーインタラクティブマップ

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 目次

序文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4世界白書要旨・・・・・・・・・・・・・・・・6主要指標と上位5カ国・・・・・・・・・・・・11第1章 世界市場の概要・・・・・・・・・・・ 12 電力市場・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 熱利用および冷房市場・・・・・・・・・・ 24 輸送用燃料の市場・・・・・・・・・・・・ 29第2章 投資フロー・・・・・・・・・・・・・ 32第3章 産業の潮流・・・・・・・・・・・・・ 36第4章 政策の展望・・・・・・・・・・・・・ 46 政策目標・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 発電促進政策・・・・・・・・・・・・・・ 49 グリーン電力購入と自然エネルギー電力証書・・56

表表1. 自然エネルギー技術の現況:特徴とコスト・・・・・・・・・ 31表2. 自然エネルギー促進政策・・・・・・・・・・・・・・・・ 50表3. 農村地域(独立型)における自然エネルギーへの変革・・・ 65

図図1. 世界の最終エネルギー消費における自然エネルギーの割合                  (2009年)・・・・・ 12図2. 自然エネルギー設備容量とバイオ燃料生産の年間平均成長率              (2005年〜2010年)・・・・・ 13図3. 世界の電力供給における自然エネルギーの割合                  (2010年)・・・・・13図4. 自然エネルギー発電設備容量 途上国、EU、上位5カ国                  (2010年)・・・・・14図5. 世界の風力発電設備容量(1996年〜2010年)・・・・・15図6. 風力発電設備容量 上位10カ国(2010年)・・・・・・15図7. 世界の太陽光発電設備容量(1995年〜2010年)・・・・19図8. 太陽光発電設備容量 上位10カ国(2010年)・・・・・19図9. 太陽熱温水/暖房設備の新規設備容量          上位12カ国/地域(2009年)・・・・・26図10. 太陽熱温水/暖房設備の既存設備容量          上位12カ国/地域(2009年)・・・・・ 27図11. エタノールおよびバイオディーゼルの生産量              (2000年〜2010年)・・・・・28図12. 世界の自然エネルギー(大型水力を除く)への投資額              (2004年〜2010年)・・・・・32図13. 風力タービン製造上位10社による市場占有率                  (2010年)・・・・・37図14. 太陽電池製造上位15社による市場占有率                  (2010年)・・・・・38図15. EUの最終エネルギーにおける自然エネルギーの割合:         2005年、2009年、2020年目標・・・・ 47

 熱利用と冷房に関する政策・・・・・・・・ 58 交通政策・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 都市や自治体による政策・・・・・・・・・ 60第5章 農村地域(独立型)の自然エネルギー・・64

表参照・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91設備容量の説明および報告に関する注釈・・・・94追加情報および情報源に関する注釈・・・・・ 95巻末注・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96略語一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112日本語版作成にあたって・・・・・・・・・・ 113

補足欄補足欄1. 海洋エネルギー技術と商業化・・・・・・・・・・・・24補足欄2. 2011年始めの投資トレンド・・・・・・・・・・・・・35補足欄3. 持続可能性への注目:      レアアース(希土類)鉱物と太陽電池リサイクル・・・39補足欄4. 自然エネルギーによる雇用・・・・・・・・・・・・・・45補足欄5. 自然エネルギーに関するIPCC特別報告書・・・・・・49補足欄6. 固定価格買取制度とは?・・・・・・・・・・・・・・・53補足欄7. 系統統合と補完インフラ           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・57補足欄8. ライトニング・アフリカ:市場や技術革新から得る教訓           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

表参照表R1. 自然エネルギーの      新規および既存の設備容量(2010年)・・・・・71表R2. 新規および既存の風力発電容量 上位10カ国                  (2010年)・・・・・71表R3. 新規および既存の太陽光発電容量                         (2006年〜2010年)・・・・・72表R4. 自然エネルギー発電設備容量(2010年末時点での既存容量)           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・73表R5. 太陽熱温水器設備容量 上位12カ国 EUと世界総計                  (2009年)・・・・・74表R6. バイオ燃料生産 上位15カ国プラスEU(2010年)・・・75表R7. 自然エネルギーの一次および最終エネルギーにおける割合            (2008年、2009年、目標値)・・・・・76表R8. 自然エネルギーによる電力の割合、2009年値および                将来の目標値・・・・・79表R9. その他の自然エネルギー目標値・・・・・・・・・・・・・81表R10. 固定価格買取制度(FIT)を採用している             国/州/地域の累計数・・・・・84表R11. RPS制度を採用している国/州/地域の累計数・・・・85表R12. バイオ燃料混合規制・・・・・・・・・・・・・・・・・86表R13. 都市および地域の自然エネルギー政策、主な事例・・・・87

レポートの引用 REN21.2011.Renewables 2011 Global Status Report (Paris:REN21 Secretariat).

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 序文

昨年、前回の「自然エネルギー白書」が発行されてから、世界中で様々な進展が見られ、直接的にも間接的にも自然エネルギーに対して大きな影響が及ぼされた。

2010年、世界的な景気後退は新しい段階に入り、様々な国、とくに欧州の国々が国家財政危機に陥った。これにより、多くの国が太陽光発電システムに対する補助金の削減を発表した。シェールガスの採掘技術が発達したため、天然ガスの価格は低い状態を維持しており、一時的に自然エネルギーの市場競争力は低下している。

同時に、化石燃料や原子力エネルギーに依存することのセキュリティー問題、経済性、人件費に対する関心が世界中で高まっている。3ヶ月にわたりBP社がメキシコ湾で起こした石油流出事故は大規模な損害を引き起こし、その地域の経済だけでなく、地域住民の生活をも脅かしつづけている。“アラブの春”と呼ばれる中東不安によって石油価格が変動し、エネルギー市場は不安定な状態にある。一方で世界の石油需要は生産能力を上回る勢いで伸びている。また日本の福島県における原子力発電所の事故により、相対的に低炭素な電力を発電するという原子力発電の役割について多くの国が再考することとなった。

2010年の世界平均気温は、統計開始以来、2005年と並び過去最高となった。不況にもかかわらず、温室効果ガスの排出量は過去最大となり、“産業革命前と比べた年平均気温の上昇を2℃以内に抑える”という世界的な目標の達成はますます困難になった。

この混乱の最中に数値が向上したのは、世界の自然エネルギーの実績であった。2010年には、自然エネルギーによって世界の最終エネルギー消費の推計16%がまかなわれた。年末までにはすべての発電容量の4分の1を占め、世界の電力供給の5分の1を担った。太陽光発電においては発電容量が1年前に比べ約2倍になっている。一方で、自然エネルギー技術が様々な課題に直面しているにもかかわらず、それらの多くは屈することなく奮闘している。太陽光発電は大幅に費用が低下したため、他のエネルギーよりも収益率が高くなっている。

景気後退にもかかわらず、2010年の自然エネルギーに対する投資は新記録を達成した。自然エネルギー由来の電力や燃料への投資は2110億米ドルに達し、前年の1600億米ドルと比較し32%の増加となった。先日発表された、本レポートの関連出版物である国連環境計画

(UNEP)の“Global Trends in Renewable Energy

Investment 2011”に示された通り、自然エネルギー関連の企業、大規模発電やバイオ燃料プロジェクトに対する途上国での投資が、先進国での投資を上回った。とくに世界の投資の3分の1は、中国に向けられている。

中国や他の経済大国であるインド、ブラジル以外の発展途上国でも、政策、投資、市場動向、製造業などの分野で大きな展開が見られた。自然エネルギーに関する目標値や支援政策を制定している118カ国のうち少なくとも半分は途上国である。

さらに、自然エネルギーがより広い地域や国へ拡大することにより、世界のより多くの人々が必要最低限の基本的な需要を満たすだけでなく、経済的発展につながるようなエネルギーサービスを利用できるようになる。

発展途上国での取組みが増加していることは、今回の報告書で提示されている重要な点の1つである。将来のエネルギー需要の増大の多くは途上国で起こると考えられているため、これは明るい傾向である。

今日、ますます自然エネルギー由来のエネルギー容量が増加し、価格が低下し、さらに世界中でエネルギー全体に占める割合が上昇するにつれ、自然エネルギーの利用者は増加している。本年度の世界自然エネルギー白書は様 な々データを統合し、世界の実態を明示した。

REN21の運営委員会を代表し、本レポートの作成にご協力いただいた方々に謝辞を申し上げたい。研究部長であり主筆を務めたジャネット・セウィン、専門的アドバイザーであり、主筆であるエリック・マーティノー、プロジェクトマネージャーであるラナ・アディブ、バージニア・オブライエンが事務局長を務めるREN21事務局の方々、その他に本レポートの作成にご尽力いただいた編集者、研究員、寄稿者、校閲者などすべての方 に々深く感謝する。また、資金援助を提供してくださったドイツ政府、およびインド政府、ドイツ国際協力公社(GIZ)、国連環境計画(UNEP)、そして経営面でのサポートをしてくださったREN21事務局にもこの場をお借りしてお礼申しあげる。

本レポートが今までのものよりも、さらに多くの事柄をカバーし、一層刺激的なレポートとなることを願う。これに関するご意見やご指摘をいただければ幸いである。

モハメッド・エル=アシュレイREN21代表

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 謝辞

この報告書(英語版)は、REN21が主体となり、世界の研究者ネットワークの協力のもとに作成された。ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)とドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全省(BMU)、インド新・自然エネルギー省、アジア開発銀行から資金サポートを受けている。またこの報告書の研究の多くは、ボランティアを基本に成り立っている。

研究ディレクターおよび主筆ジャネット・L・セウィン Janet L. Sawin

(スンナ研究所、ワールドウォッチ研究所)

名誉研究ディレクターおよび主筆エリック・マーティノー Eric Martinot

(環境エネルギー政策研究所 ワールドウォッチ研究所)

分野ごとの筆者ダグラス・バーンズ Douglas Bernesエリック・マーティノー Eric Martinotアンガス・マックローン Angus McCrone

(ブルームバーグ・ニュー・エネルギー・ファイナンス)ジョディ・ラッセル Jodie Roussellジャネット・ L・セウィン Janet L. Sawin ラルフ・シムス Ralph Sims(マッシー大学)ヴァージニア・ゾンターク・オブライエンVirginia Sonntag-O, Brien(REN21事務局)

REN21プロジェクト・マネージャーラナ・アディブ Rana Adib(REN21事務局)

REN研究サポートジョナサン・スキーン Jonathan Skeen、エヴァン・ムッソリーニ Evan Musolino、ラナ・アディブ Rana Adib、リリィ・リアヒ Lily Riahi(REN21事務局)

編集・デザイン・レイアウト編集 リサ・マストニ―  Lisa Mastny (ワールドウォッチ研究所)デザイン(ウィークス・デ・ヴェルヴェアーゲントァGmbH)

制作REN21事務局、ドイツ技術国際協力公社(GIZ)

各国、各地域の研究者サハラ以南のアフリカ: Mark Hankins (African SolarDesigns)Safiatou Alzouma Nouhou (IRENA)西アフリカ: Bah Saho and Martin Lugmayr(ECOWAS Regional Centre for Renewable Energy and Energy Efficiency);Ibrahim Sani (Ministry of Mines and Energy, Niger);

K. A. Otu-Danquah (Energy Commission,Ghana)オーストラリア: Mark Diesendorf (University of New SouthWales)ブラジル: Renata Grisoli and Suani T. Coelho (Brazilian Reference Center on Biomass,CENBIO)カナダ: José Etcheverry (York University)中国: Junfeng Li and Ma Lingjuan (Chinese Renewable Energy Industries Association)エジプト: Maged Mahmoud (Regional Centre for Renewable Energy and Energy Efficiency – RCREEE, Egypt)東ヨーロッパ: Kerstin Schilcher and Eva Lacher (Austrian Energy Agency, enerCEE); Lili Ilieva西ヨーロッパ: Lukas Hermwille, Jan Burck, Tatjana Regh, and Hanna Schmole (Germanwatch);Thomas Nieder (ZSW)イタリア: Francesco Francisci and Daniele Guidi (Ecosoluzioni)インドネシア: Chayun Budiono (Chazaro Gerbang International); Martha Maulidiaインド: Tobias Engelmeier, Ali Adil, and AshokThanikonda (Bridge to India)韓国: Kwanghee Yeom (Friends of the Earth Korea andFreie Universität Berlin); Sanghoon Lee (Energyvision)ラテンアメリカ・カリブ諸国: Gonzalo Bravo (Bariloche Foundation, Argentina)メキシコ: Odón de Buen Rodriguez (Energía, Tecnología y Educación)中東・北アフリカ地域: Ashraf Kraidy (RCREEE, Egypt);Mustapha Taoumi (IRENA)パレスチナ: Basel Yaseen (Palestinian Energy and Environment Research Center)フィリピン: Rafael Senga (WWF);Amalie Obusan (Greenpeace Philippines)ポルトガル: Luísa Silvério and Lara Ferreira (DGEG/DSACIA)ロシア: Lili Ilieva南アフリカ: Amanda Luxande (REEEP)南アジア: Govind Pokharel (SNV Netherlands Development Organization); Benjamin Sovacoolスペイン: Miquel Muñoz (Boston University);Josep Puig (ECOSERVEIS); Hugo Lucas (IRENA)タイ: Chris Greacen (Palang Thai)チュニジア: Ulrich Laumanns (GIZ)トルコ: Yasemin Biro (World Bank)英国: Miguel Mendonca米国: Janet L. Sawin, Matthias Kimmel and Will Bierbower (Worldwatch Institute)

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テーマ別研究者バイオエネルギー : Rana Adib (REN21 Secretariat);Dunja Hoffmann (GIZ); Rita Ramanauskaite(European Biogas Association)都市: Eric Martinot (Institute for Sustainable Energy Policies); Monika Zimmermann (ICLEI WorldSecretariat); Maryke Van Staden (ICLEI Europe)集光型太陽熱発電 : Frederick Morse(Morse Associates); Kurt Klunder (Klunder Consulting)固定価格買取制度: Miguel Mendonca; Davis Jacobs (IFOK)地熱エネルギー : John Lund (Oregon Institute of Technology);Ruggero Bertani (ENEL Green Power)系統統合: Carlos Gasco (IEA); Eric Martinotグリーン電力料金: Lori Bird (NREL)水力発電: Lau Saili (International Hydropower Association); Munof von Rudloff (Canadian Hydropower Association)産業: Jodie Roussell投資フロー : Virginia Sonntag-O’Brien(REN21 Secretariat); Angus McCrone (Bloomberg NewEnergy Finance)雇用: Sven Teske (Greenpeace International)政策: Ada Marmion (IEA)政策目標: Janet L. Sawin; Jonathan Skeen andEvan Musolino (REN21 Secretariat)農村地域の自然エネルギー : Douglas Barnes;Simon Rolland (Alliance for Rural Electrification)太陽熱温水器: Werner Weiss (AEE INTEC – Arbeits gemeinschaft Erneuerbare Energie)太陽光発電: Denis Lenardic (pvresources.com);Gaëtan Masson (European PV Industry Association)風力発電: Birger Madsen (BTM Consult/Navigant);Shi Pengfei (Chinese Wind Energy Association);Andrew Kruse (Southwest Windpower)

その他寄稿者、研究者および校閲者Rafee Alhallak (National Energy Research Centre, Syria);Fabiani Appavou (REN21 Secretariat); Marlon Arraes(Brazilian Ministry of Mines and Energy); Ana Bachurova(GIZ); Richard Bain (NREL); Sabin Basnyat (International Finance Corporation); Morgan Bazilian (UNIDO); AmelBida (RCREEE); Georg Bonsiepe (Büro Hans-Josef Fell MdB); Cao Boqian (CWEA); Milena Breisinger (Inter-American Development Bank); Uli Brunner (KfW);Kanika Chawla (REN21 Secretariat); Helena Chum(NREL); Ester del Monte (OLELA); Nikhil Desai; Bärbel Epp (Solrico); Karin Ericsson (Lund University); Matthias Fawer (Sarasin Bank); Lisa Feldmann (GIZ); Solomone Fifita (Secretariat of the

Pacific Regional Environment Programme); Árni Finnsson (Icelandic Nature Conservation Association); Lisa Frantzis(Navigant); Rachel Gelman (NREL); Stefan Gsänger(World Wind Energy Association); Vashti Guyadeen(Ministry of Energy, Trinidad and Tobago); Andreas Häberle (PSE AG); Robert Heine (GIZ); Amy Heinemann(North Carolina Solar Center); Issao Hirata (Brazilian Ministry of Mines and Energy); St. John Hoskyns (UK Department of Energy and Climate Change); Lian Jiang (Himin Solar); Oivind Johansen (Ministry of Petroleum and Energy, Norway); Thomas B. Johansson(Lund University); Mahama Kappiah (ECREEE); Claus Keller (F.O. Licht); Doug Koplow (Earth Track); Diana Kraft (GIZ); Amit Kumar (TERI); Arun Kumar (Indian Institute of Technology); Ole Langniss (Fichtner); Philippe Lempp (GIZ and German Federal Ministry for Economic Cooperation and Development); Diane Lescot (Observ’ER); Christine Lins (EREC); Carlos Alberto Fernandez Lopez (IDAE); Ludger Lorych(RCREEE); Abraham Louw (Bloomberg New Energy Finance); Fred Marree (SNV Netherlands Development Organization); Hironao Matsubara (ISEP); Jasmin Metzler (UNEP); Lars J. Nilsson (Lund University);Matt Nocella (National Hydropower Association); Alexander Ochs (Worldwatch Institute) Mika Ohbayashi (IRENA);Martina Otto (UNEP); Alexandra Parvulsecu (REN21 Secretariat); Vishal Persad(Ministry of Energy, Trinidad and Tobago); Magdolna Prantner (Wuppertal Institute); Tim Raabe (GIZ); Árni Ragnarsson (ISOR); Bernhard Raninger (GIZ); Robert Rapier (CTO, Merica International); Peter Rechberger(AEBIOM);Kilian Reiche (iiDevelopment GmbH); Wilson Rickerson (Meister Consultants Group); Denish Samanta(Waterhealth International); Steve Sawyer (Global Wind Energy Council); Tormod Schei (Statkraft AS); Martin Schöpe (BMU); Maria Sicilia (Iberdrola); Djaheezah Subratty (UNEP); Paul Suding (GIZ/IADB); Vicky C.L. Tan (Asian Development Bank); Jun Tian (Asian Development Bank); Frederic Tuille (Observ’ER); Björn Verse (REN21 Secretariat); Salvatore Vinci (IRENA); Arthur Wellinger (EBA); Christine Wörlen (Arepo Consult); Dimitrios Zevgolis (Global Environment Facility); Aiming Zhou (ADB),

その他、具体的な有効データを共有してくださった方々。

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 世界白書要旨

自然エネルギーはすべての最終消費部門で大きく増加しつづけ、世界の投資は記録を更新した。政策が広まるにつれ、自然エネルギーの地理的分布も拡大している。

自然エネルギーの市場、投資、産業、政策は近年急速に変化しているため、自然エネルギーに対する認識は現実から数年遅れたものとなっている場合がある。この報告書では、2011年初期の現実をとらえ、世界の自然エネルギーに対する独自の概観を紹介する。また、本報告書は現状とともに主要なトレンドも含めるが、現状の分析や問題点の議論や将来の予測は行わないこととする。

世界全体のエネルギー消費量は2009年に全体的に減少し、2010年に再び増加した。それに反して、2009年に自然エネルギーは減少することはなく電力、熱、交通といったすべての最終消費部門で大きく増加した。そして、世界のエネルギー消費量の16%(推計)を自然エネルギーが供給した。また2009年に新設された発電容量194GW(推計)のうち約半分は自然エネルギー由来のものであった。2010年には世界の電力供給の20%を自然エネルギーが占め、2011年前半にはすべての電源の発電容量の4分の1を占めることとなった。

熱と輸送燃料を含むエネルギー供給に占める自然エネルギーの割合もいくつかの国で急速に伸びている。たとえば、

・米国では国内の一次エネルギー生産のうち10.9%を自然エネルギーが占め(原子力発電による電力は11.3%)、2009年から5.6%増加した。

・中国では系統連系型の自然エネルギーを29GW増やし、全体で263GWに達した。この総量は2009年に比べ12%増加であった。自然エネルギーは2010年の中国国内における発電容量の26%、発電量の18%、そして最終エネルギー消費の9%を占めている。

・ドイツでは最終エネルギー消費全体の11%を自然エネルギーが占め、電気消費量の16.8%、熱生産の9.8%(主にバイオマス)、輸送燃料の5.8%に相当する。風力発電が自然エネルギー発電量の36%を占め、続いてバイオマス、小水力、太陽光となっている。

・いくつかの国では、2010年度全体の電力需要における風力発電の割合が増加した。それぞれ、デンマークでは22%、ポルトガルは21%、スペインは15.4%、アイルランドでは10.1%となった。

こうしたトレンドはすべての市場部門での着実な成長と投資を反映している。2005年末から2010年までに、太陽光、風力、太陽熱発電、太陽熱温水、バイオ燃料といった多くの自然エネルギー技術の容量は世界的に見ると年平均で15%から50%程度で増加した。電力や熱生産におけるバイオマスや地熱の成長も著しかった。最も伸びの大きかったエネルギーは風力発電で、続いて水力発電、太陽光となっている。

ほとんどの技術において、2010年は部品製造、販売そして設備導入部門で成長が見られた。とくに太陽光発電における技術コストの削減は製造部門における高い成長率に直結した。風力タービンやバイオ燃料の処理技術のコスト削減も成長に貢献している。同時に、とくにバイオマスやバイオ燃料の産業で、より多くの企業合併があり、従来型のエネルギー企業がますます自然エネルギー事業に参入し、製造会社が事業開発に取り組み始めている。

2011年はじめには、少なくとも118カ国が国レベルでなんらかの政策目標や自然エネルギー支援政策を策定し、2005年の55カ国から増加している。また国、州、地域レベルでも様々な政策が実施されている。政策目標を掲げる国の半数以上が発展途上国であり、何らかの自然エネルギー支援政策を実施している国の半数も発展途上国である。これらの国々は、自然エネルギー推進においてますます重要な役割を担っている。

より多くの国にこうした政策が広まるにつれて、自然エネルギー利用の地政学も変化してきている。たとえば、商業用の風力発電を建設した国は1990年代にはわずかであったが、現在では少なくとも83カ国に増加した。2010年には太陽光発電は100カ国以上で設置された。発展途上国が自然エネルギー容量の半分以上を占める一方、オーストラリア、カナダ、日本など欧米以外の先進国でも自然エネルギーは進歩し、技術は多様化している。

中国は今や市場の成長を示すいくつかの指針でトップに立っている。2010年には風力タービンと太陽熱温水システムの導入量、また水力からの発電量においてトップであった。インドは風力発電の累積導入量では世界5位で、バイオガスや太陽光発電といった農村地域に適した自然エネルギー分

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野でも飛躍的な伸びを示している。ブラジルはサトウキビ由来の世界のエタノール生産量のうち実質的にほぼすべてを担っており、さらに水力発電、バイオマス、風力発電や太陽熱利用システムも導入している。

また中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ20カ国以上でも自然エネルギー市場は盛況である。製造における牽引役もヨーロッパから中国、インド、韓国といったアジア諸国へとシフトし、こうした国は自然エネルギーをますます推進している。このような市場や製造が地理的に分散することで、自然エネルギーはある特定の国の政策や市場の混乱に簡単には左右されないという信頼感が高まっている。

自然エネルギーを推進する力の一つに、新しい産業と共に何百万もの雇用が生み出されるとの期待がある。自然エネルギー関連の雇用はいくつかの国で数十万人に達している。世界規模では自然エネルギー産業による直接雇用は約350万で、そのうち半数がバイオ燃料産業であるとされ、この数字

以外にも間接的な雇用が多くあると見積もられている。

さらに自然エネルギー開発を加速させてきた要因として多国間もしくは二国間の公的開発金融機関があり、近年の世界経済悪化の間も自然エネルギーへの投資の中心となってきた。そのために2010年には、政府の景気刺激策よりも開発銀行を通して多くの公的資金が自然エネルギー市場に投資された。

自然エネルギーへの投資額は、2009年には1600億ドルであったが、2010年には全体で2110億ドルまで膨れ上がり、調査開始年の2004年から毎年着実に増加している。未報告である150億ドルの太陽熱温水器への投資も含め、総計では2260億ドルを超える。さらに400億〜450億ドルが大規模水力発電に投資された。

自然エネルギーの新たな事業規模発電設備(風力発電所、太陽光発電所、バイオ燃料や太陽熱発電所など)への融資は全体の60%となり、最大の投資対象となった。小規模な分散型発電設備(主に太陽光発電)への融資だけでも600億ドルを計上し、これは自然エネルギー市場全体の投資の25%以上となった。発展途上国における自然エネルギー関連の会社や事業規模の発電事業、バイオ燃料プロジェクトへの投資額が先進国での投資額を初めて抜いた。2010年の世界全体の投資額の3分の1は中国へ向けられており、2年連続でトップとなった。

【2010年の市場・産業のハイライトとトレンド】

風力発電風力発電は38GW増加して合計で約198GWとなり、2009年の水準を保った。新設容量の半分以上を発展途上国と新興市場が占めるのは初めてである。これは、世界市場の半分を占める中国によるところが大きい。トレンドとしては、洋上風力が引き続き発展し、コミュニティベースまたは小規模分散型の発電が広まり、多様な地理的条件下での風力発電プロジェクトが進んだ。2010年には、タービンの平均的なサイズも大きくなり、5MWやそれを超えるものもあり、ダイレクトドライブ方式のタービンが世界市場の18%を占めた。

太陽光発電(PV)2010年の太陽光発電の世界市場は、前年の2倍以上

─ 8 ─

の規模へ成長するという驚くべき一年を経験した。2009年には7.3GWを下回るほどであったが、2010年には世界で17GW増加したと推定され、合計で40GWとなった。これは5年前の容量の7倍を超える。EUが世界市場を独占しており、これはイタリアやドイツによる貢献が大きい。とくにドイツでは、2010年の新規導入量が2009年の世界全体の新規導入量を上回った。大規模太陽光発電の設置数は増加傾向にあり5000件を超え、世界導入量の約25%を占めた。太陽電池の製造はアジアへのシフトが進み、製造企業の上位15社のうち10社がアジアに拠点を置いている。産業界は統合、拡大、プロジェクト開発への参入に取り組むことで、価格の下落や急速に変化する市場に対応した。

集光型太陽熱発電(CSP)集光型太陽熱発電は数年間停滞していたが、2007年から2010年末までに740MWが新規導入され、成長を再開した。このうち、2010年の導入量が半分を超える。トラフ式太陽熱発電が継続して市場を独占している。太陽光発電コストが飛躍的に削減されたことで、集光型太陽熱発電市場の成長を圧迫している。少なくとも米国では、複数の事業が計画段階で大規模太陽光発電に変更された。同時に、集光型太陽熱発電の設置地域はスペインや米国南西部から、その他の地域、とくにMENA(中東および北アフリカ地域)にも広がっている。

太陽熱温水/暖房2010年の新規導入量は25GWthにのぼると推定され、合計で約185GWthになった(プール用の非ガラス管式集熱器を除く)。太陽熱温水システムの世界市場は引き続き中国が独占した。2010年のEU市場は新規参入があったにも関わらず、経済の停滞により縮小した。一位の中国には大きく差をつけられたものの、市場規模は変わらず二位であった。中国での新設は太陽熱温水器のみであったが、EUでは温水器と暖房を組み合わせた比較的大きめのシステムを導入する傾向がある。工業プロセスでの太陽熱の導入が、2009年から2010年の間に中国、EU、米国、その他の地域で行われた。

バイオマス発電/熱利用バイオマスが発電および熱利用に占める割合は増加しており、自然エネルギーによる熱生産の大半がバイオマスによる。2010年末時点で稼働していたバイオマス発電容量は62GWであった。バイオマ

ス熱市場はEUを中心に米国、中国、インド、その他の地域で着々と拡大している。トレンドとしては、固形バイオマスペレット(発電および熱)消費や、熱電併給システム(CHP)や地域熱供給システムにおけるバイオマス利用の増加がある。家庭用バイオガスプラントの数では中国が世界をリードし、ガス化装置はインドやその他の地域で小規模から大規模の企業にまで熱利用のためにより多く使われるようになっている。とくにEUでは発電や熱電併給システムの天然ガスに代わって、バイオメタンガス(精製されたバイオガス)がガス供給パイプラインに投入されている。

バイオ燃料2010年の世界の道路輸送用燃料の約2.7%を液体バイオマスが占めた。エタノール産業は石油価格高騰をきっかけに回復し、生産は17%増加した。なかには、過去に倒産した企業の復活もあった。米国とブラジルがエタノール生産の88%を占めており、数年間輸入国となっていた米国は、ブラジルを抜いて世界を率いるエタノール輸出国となった。EUは継続してバイオディーゼル生産の中心であるが、相対的に安価な輸入品によって競争が激化したために成長が滞った。先進的なバイオ燃料産業において、急速に成長する新興企業、主要航空企業、および大手石油企業の参入によりプレーヤーの多様化が進んでいる。

地熱発電/熱利用2010年に地熱発電プラントは少なくとも24カ国で稼動しており、地熱の直接熱利用は少なくとも78カ国で行われていた。2010年は発電分野の成長は停滞し、世界の導入量は11GWを超える程度であった。一方で先進技術により新たな国で開発が可能となり、今後の設置率を確実に加速させると期待されている。地熱による熱利用は過去10年間、年平均9%で増加した。これは主に、地中熱ヒートポンプシステム利用の急速な成長による。熱電併給システムにおける地熱エネルギーの利用も増加傾向にある。

水力発電2010年の世界の電力供給量の16%を水力発電が占めた。新たに30GWが導入され、合計で1010GWになると推定される。水力発電の新規導入の動きは、それぞれ中国とブラジルを中心としたアジア、ラテンアメリカで最も活発であった。

─ 9 ─

海洋エネルギー少なくとも25カ国が海洋エネルギーの開発を手がけており、波力や潮力の発電技術は2010年に商業利用に向けて大きな発展を見せた。2010年末までに合計6MW(2MWの波力発電、4MWの潮力発電)の海洋エネルギー発電が主に欧州で導入された。

すべての自然エネルギー分野が引き続き成長していくと期待されており、世界中で様々な段階のプロジェクトが展開されている。中国のみで2011年から2012年にかけて30GWを超える風力発電の導入計画があり、インド、米国、英国、その他の国々でも相当数が建設段階にある。米国では2010年末までに少なくとも5.4GWの太陽光発電の導入が契約済みである。世界的には2010年末までに2.6GW近くの集光型太陽熱発電が建設段階に入っており、2014年までにすべてが稼働する予定である。2010年末までに世界中で地熱による発電と熱電併給システムのプロジェクトが進められている。地熱の新規導入は今後5年のうちに、46カ国で行われると予想される。水力、海洋エネルギー、その他の自然エネルギー源は重要な開発の段階にある。

2010年の詳しいデータや国別の順位についてはP11の主要指標と上位5カ国の表を参照。

【ダイナミックな政策の展望】

2010年には世界的に長期的な政策の確実性や安定性を欠いたことによる後退はあったものの、自然エネルギーのシェアが増えつつあり、自然エネルギー促進政策は市場拡大の原動力となっている。

何らかの政策目標を掲げている国は現在少なくとも96カ国にのぼる。これらの目標として、発電量の割合(通常10%〜30%)、一次エネルギー供給あるいは最終エネルギー消費量に占める割合、熱供給、様々な技術の一定量の導入や、道路輸送用燃料におけるバイオ燃料の割合などの設定が挙げられる。そういった多くの政策目標は国レベルだけでなく、州など地方自治体レベルでも設定されている。規模が縮小したり、達成されなかった目標もいくつかあるが、多くの国で2010年に設定された目標は達成されたか、目標を上回る結果となった。スウェーデンは2020年に達成を予定していた目標値をすでに実現した。フィンランドやドイツ、スペインや台湾を含む多くの国ですでに目標値が

上乗せされ、南アフリカ、グアテマラ、インドなどの国々で全く新しい目標が設定された。

自然エネルギー発電に関する政策は世界96カ国で実施されており、最も広く普及した自然エネルギー促進政策となっている。固定価格買取制度(FIT)は最も多く取り入れられている政策であり、少なくとも61の国と26の地域で導入されている。2010年におけるFIT関連の動きとしては、予想を上回る勢いの市場、とくに太陽光発電の市場に関する既存政策の改正が多く見られた。2010年から2011年初期にかけて、多くの発展途上国や新興国で新しいFIT政策が施行された。自然エネルギー割当基準

(RPS)が10カ国と50以上の自治体で制定されてきた。その中には、米国の30の州(ワシントンDCも含む)や、新たな発電量の93%を自然エネルギー由来のものとすることを義務づけたカナダのブリティッシュコロンビア州も含んでいる。

自然エネルギー発電を促進する多くの追加的な政策が取られている。直接投資への補助金、助成金、リベート、税制優遇措置、エネルギー生産に応じたインセンティブや税の控除、公的融資などである。分散型発電に対するネットメータリング法

(ネットビリング法)は少なくとも14カ国、たとえばイタリア、日本、ヨルダン、メキシコ、そしてほとんどの米国の州などで採択されている。グリーンエネルギー購入制度や、ラベリング制度のおかげで、欧州、米国、オーストラリア、日本、カナダでは600万人以上のグリーン電力の消費者が存在している。

自然エネルギーやバイオ燃料を普及させるための政策に比べ、冷暖房への自然エネルギー利用導入を推奨する政策の導入は消極的だった。しかし、近年になり多くの推進政策が施行された。英国の自然エネルギーによる熱供給に対する優遇措置や南アフリカの助成プログラムなど、新しい政策が2010年以降積極的に導入された。これまで政府は自然エネルギーの熱利用システムへの投資を増やすために、直接投資補助や税制控除に頼る傾向があったが、国家予算を中立的に供給する新しい政策が支持されてきている。新築の建造物に対する太陽熱温水システム設置の義務づけは国レベルでも地方自治体レベルでも増加している。

バイオ燃料混合規制は29の州および自治体と31カ

─ 10 ─

国で制定されている。バイオ燃料を促進するために、燃料税の免除や助成金も制定されている。フィンランド、エチオピア、タイやスペインでは2010年時点のバイオ燃料政策法が改正され、韓国やジャマイカでは新たなバイオ燃料混合についての規制を制定した。

自然エネルギーによる供給や利用の推進過程において、都市や自治体はますます重要な役割を担うようになってきている。自治体の支援政策として、自然エネルギーの将来の目標値、自然エネルギーを都市開発に組み込んだ都市計画、自然エネルギーを推奨あるいは義務づけする建築基準、税額控除あるいは免除、自治体の建物や公共交通機関での自然エネルギー導入への投資、助成金、補助金や融資、地域レベルで自然エネルギーを促進するための自主的な活動などがある。

【農村地域における自然エネルギー】

多くの隔絶された地域であっても、照明、通信、調理、冷暖房、送水ポンプといった基本的なエネルギーサービスを提供するという自然エネルギーの役割はますます増加している。さらに、経済成長にも繋がっている。ソーラーホームシステム、風力発電、小水力またはハイブリッド・ミニグリッド(化石燃料との併用システム)、バイオマスまたは太陽光による送水ポンプ、その他の自然エネルギー技術は、発展途上国の農業地帯や系統に接続されていない地域において、家庭、学校、病院、農業や小規模工業で利用されている。

個別のプロジェクト推進者や民間企業によって自然エネルギー事業が推進されるケースも増えており、自然エネルギーを利用している農村地域の世帯数を見積もることは難しいが、数億に達すると見られている。小規模の太陽光発電システムによって数百万の家庭に電気を供給しており、町や村落規模の電力網に合わせた小水力発電が電気を供給できる家庭の数はさらに多くなる。家庭用規模の発酵槽バイオガスは4400万以上の世帯で照明や調理に使われている。そして、1億6600万以上の世帯がより効率の良いバイオマス調理ストーブを利用している。

多くの発展途上国の農業地域において、オフグリッド(独立型)の自然エネルギーソリューションは、

低価格で持続可能な選択肢としてますます認知されている。こうした傾向は、エネルギーに関する情報へのアクセスや製品の購入に対する障害を解決しようとする場合にはとくに、市場開発に長期的な影響を与えるだろう。

─ 11 ─

主要指標と上位5カ国

上位5カ国(2010年の年間合計)

新規設備への投資

風力発電の新設

太陽光発電の新設

太陽熱温水/暖房設備の新設2

エタノール生産量

バイオディーゼル生産量

1位 中国 中国 ドイツ 中国 米国 ドイツ

ドイツ 米国 イタリア ドイツ ブラジル ブラジル

米国 インド チェコ トルコ 中国 アルゼンチン

イタリア スペイン 日本 インド カナダ フランス

ブラジル ドイツ 米国 オーストラリア フランス 米国

2位

3位

4位

5位

主要指標 2008年 → 2009年 →

自然エネルギー新規設備への投資額(年間) (10億米ドル) 130 → 160 →

自然エネルギー発電容量(既存、水力を含まない)  (ギガワット) 200 → 250 →

自然エネルギー発電容量(既存、水力を含む) (ギガワット) 1,150 → 1,230 → 1,320

水力発電容量(既存) (ギガワット) 950 → 980 →

風力発電容量(既存) (ギガワット) 121 → 159 →

太陽光発電容量(既存) (ギガワット) 16 → 23 →

太陽電池生産量(年間) (ギガワット) 6.9 → 11 →

太陽熱温水器容量(既存) (ギガワット熱) 130 → 160 →

エタノール生産量(年間) (10億リットル) 67 → 76 →

バイオディーゼル生産量(年間) (10億リットル) 12 → 17 →

政策目標を有する国 79 → 89 →

固定価格買取制度を採用している州/地域/国1 71 → 82 →

RPS制度を採用している州/地域/国 60 → 61 →

バイオ燃料法(規制)を採用している州/地域/国 55

#

#

#

# → 57 →

2010年

211

312

1,320

1,010

198

40

24

185

86

19

96

87

63

60

上位5カ国(2010年末時点の既存容量)

自然エネルギー発電設備容量

(水力は含まない)

自然エネルギー発電設備容量

(水力を含む)風力発電 バイオマス発電 地熱発電 太陽光発電

太陽熱温水/暖房2

1位 米国 中国 中国 米国 米国 ドイツ 中国

中国 米国 米国 ブラジル フィリピン スペイン トルコ

ドイツ カナダ ドイツ ドイツ インドネシア 日本 ドイツ

スペイン ブラジル スペイン 中国 メキシコ イタリア 日本

インド ドイツ、インド インド スウェーデン イタリア 米国 ギリシャ

2位

3位

4位

5位

注:順位は容量と生産量、またはバイオ燃料生産に基づいている。1人あたりの容量をもとにすると、順位は大きく異なると予想される。設備容量(GW)よりも発電量(TWh)を考慮した場合、水力発電の国別順位は変動する。いくつかの国ではベースロードを水力発電に依存しており、他の国では電力需要に追従したり、ピーク対応をさせているためである。1 2010年の固定価格買取制度には、2011年初期の分も含まれている。2 太陽熱温水/暖房設備は2009年の数値である。上記の表および当報告書全体を通じて、多くの数値は有効数字2桁での概算値である。したがっていくつかの合計値では誤差がある場合がある。

─ 12 ─

自然エネルギーは2010年に世界で新たに導入された発電容量の半分を占め、熱利用や輸送分野でも重要性を増している。

世界のエネルギー消費量は2009年に全体的に減少したが、2010年には再び大きく増加し、これまでの年間平均成長率をはるかに上回る5.4%に達した1 *。自然エネルギーは2009年に停滞することはなく、2010年も引き続き安定した成長を遂げた。

2009年には自然エネルギーによって世界の最終エネルギー消費※の推定16%が供給された。これには伝統的バイオマス、水力、風力、太陽光、地熱、近代的バイオマス、バイオ燃料が含まれる2(図1参照)。発展途上国の農村地域で主に調理や暖房で利用されている伝統的バイオマスは、エネルギー全体の約10%を占める。水力発電は3.4%を占め、成長はゆるやかであるが、大型水力発電が主流である。2009年には他の自然エネルギーが約2.8%を占めており、多くの先進国と一部の発展途上国で急速に増加している。

自然エネルギーは、発電、冷暖房、輸送燃料、農村地域/系統に接続していない独立型のエネルギー供給という4つの市場において化石燃料と原子力の代替エネルギーとなっている。農村地域/

独立型のエネルギーについては本報告書の「農村地域の自然エネルギー」の章で詳述する。

世界の自然エネルギー容量†は2005年末から2010年の間に、太陽光発電(PV)、風力、集光型太陽熱発電(CSP)、太陽熱温水器、バイオマスなどの自然エネルギーの多くの分野で、年間平均成長率約15% ~ 50%で伸びている。2005年末から2010年の期間に、自然エネルギー分野の中で最も急速に拡大しているのが太陽光発電‡で、その後を追うのがバイオディーゼルと風力だった。太陽光発電の成長は、過去4年間と比べて2010年に一気に加速した。一方、風力発電の2010年の総発電容量の伸びは安定している。またバイオ燃料の成長率は近年下降しているが、エタノールについては2010年に再び上昇した3(図2参照)。

水力発電、バイオマス発電と熱利用、地熱発電と熱利用の年間成長率は3% ~ 9%と目立つものではないが、化石燃料(1% ~ 4%、途上国によってはこれより高いところもある)の世界の成長率に引けを取らないものである4。しかし、こうした自然エネルギーが世界の平均成長率をはるかに上回っている国がいくつかある。(主要な自然エネルギーとその特徴、コストのまとめについては表1を参照)。

 第 1章 世界市場の概要

化石燃料 81%

伝統的バイオマス 10%

自然エネルギー 16%

原子力 2.8%

水力発電 3.4%

バイオ燃料 0.6%

16%

バイオマス/太陽熱/地熱による給湯と暖房 1.5%

風力/太陽/バイオマス/地熱による発電 0.7%

図1. 世界の最終エネルギー消費における自然エネルギーの割合(2009年)

出典:本章の巻末注2を参照

* 巻末注はセクションごとに p96 から記載。※ 16% は最終エネルギー消費の割合。多くの統計資料で使用される一次エネルギー消費量の割合に対する従来の指標と比べると差異はあるが、同じく有効な指標である。欧州連合は 2020 年目標で最終エネルギー消費量の割合を使っている。「自然エネルギー世界白書(GSR)」では 2007 年以降最終エネルギー消費量の割合を使用している。詳細は 2007年版の補足欄 1 を参照のこと。2011 年に出版された IPCC の自然エネルギーと気候変動緩和に関する特別報告書では、世界の自然エネルギーの割合を 13% と記しているが、これは一次エネルギーの割合である。また 13% という数値は「direct equivalent」の手法をもとに一次エネルギーの割合を算出している。「substitution」手法を用いた場合、IPCCの数値は 16% になりうる(IPCC 報告書 Table A.II.1 in Annex II から)。† 本章はエネルギーに関する推定データを含むが、主に設備容量のデータに着目している。p94 の「設備容量の説明および報告」を参照。‡ 今年度版から「自然エネルギー世界白書」では、系統連系型太陽光発電に主に焦点を絞るのではなく、あらゆる太陽光発電(系統連系型と独立型)を取り上げている。図 2 では、世界の年間平均成長率の変化を強調するためにすべての太陽光発電に加えて系統連系型のみの数値を入れている。太陽光発電に関する詳細は「設備容量の説明および報告」を参照。

─ 13 ─

電力市場自然エネルギーは2010年に世界で新たに導入された推定194ギガワット(GW)の発電容量のうちのおよそ半分を占めている。世界全体の自然エネルギー由来の発電容量は2010年に前年比約8%増の推定1320GWに達した5。自然エネルギーは今や世界の発電容量(2010年に推定4950GW)のおよそ4分の1を占め、世界の電力の20%近くを供給している。この大半が水力発電によるものである6*(図3参照)。水力発電を除くと、自然エネルギーの総発電容量は312GWで、 2009年比(250GW)25%増となった7

(表R4参照)。2010年に自然エネルギーの中では風力発電容量が最も伸び、世界全体で39GW増加した。水力発電容量は約30GW増加し、太陽光発電容量は約17GW増加した。

水力発電を除いた自然エネルギー発電容量における上位5カ国は、米国、中国、ドイツ、スペイン、インドである。水力発電を含めた場合、2010年末までの自然エネルギーの既存容量における上位国は中国、米国、カナダ、ブラジル、インドおよび同位のドイツとなる8(その他の順位はP11の上位5カ国と図4を参照)。普及状況を測るのに有用であるが、自然エネルギー由来の電力割合の増加や一人当たりの消費量などの項目で世界の順位を示すデータはない。

米国では2010年に自然エネルギーが新規発電容量の推定25%を占め、2010年末には既存容量の11.6%を占めた。2010年に自然エネルギーは国内の発電量の10.3%強を供給した9。さらに、米国の一次エネルギー生産量における自然エネルギーの割合は約10.9%(原子力発電の割合は11.3%)となり、2009年と比べ5.6%増加した10。

中国は2010年に風力タービンと太陽熱温水器の新規導入量で世界をリードし、水力発電の発電量で世界をリードした。中国では系統連系型の自然エネルギーの発電容量が推定29GW増加し、総設備容量は263GWに達し、2009年比で12%増となった11。中国での自然エネルギーは2010年に設備容量の約26%、発電量の18%、最終エネルギー消費量の9%以上を占めている12。

太陽光発電

太陽光発電(系統連系型)

風力発電

集光型太陽熱発電

地熱発電

水力発電

太陽熱温水/暖房

エタノール生産

バイオディーゼル生産

60%81%

72%

2010年2005年末-2010年末の5年間平均

図2. 自然エネルギー設備容量とバイオ燃料生産の年間平均成長率(2005年~2010年)

出典:本章の巻末注3を参照

49%

27%25%

25%

4%3%

3%3%

16%

23%17%

16%

38%7%

77%

化石燃料 67.6%

原子力 13%

水力 16.1%

水力を除いた自然エネルギー

3.3%

図3. 世界の電力供給における自然エネルギーの割合  (2010年)

出典:本章の巻末注6を参照

* 揚水発電を含む。世界全体で水力発電容量のうち、揚水発電は約136GWにのぼる。この手法は「自然エネルギー世界白書2012」で再考する予定。揚水式はエネルギー源ではないが、化石燃料や原子力エネルギーの貯留のために利用されることが多い。さまざまな自然エネルギー源による発電の普及促進に重要な役割を担っている。

─ 14 ─

欧州連合(EU)*では2010年に自然エネルギーは新規導入量の推定41%を占め、そのうちの半分以上が太陽光発電だった13。2009年の新規導入量に占める自然エネルギーの割合が60%以上だったことと比較すると、この割合はかなり低い。しかし、EUでの自然エネルギーの発電容量はこれまでになく増加し(22.6GW)、総設備容量は前年(17.5GW)と比べて31%増加している14。2009年には、自然エネルギーはEUの総発電量のおよそ20%(そのうちの42%が水力発電を除いた自然エネルギー)を占め、EUの正味エネルギー消費量の総量に占める割合は1999年の5.4%から2009年には9%に上がった15。

ドイツは2010年、最終エネルギー消費量の11%を自然エネルギー源でまかなった。これは電力消費の16.8%、熱生産の9.8%(大半がバイオマス)、輸送燃料消費の5.8%に相当する16。2010年のドイツの電力消費量の増加率は4.3%だった。しかし、自然エネルギーによる発電量の割合は、2009年比で16.3%増となった。風力発電(102テラワット時〔TWh〕)が、自然エネルギー発電量の約36%を占めている。バイオマス、水力、太陽光がこれに続く17。スペインでは自然エネルギーは最終エネルギー供給の13.2%、発電量の32.3%を占めた。2009年には最終エネルギー供給の9.3%、発電量の26%だった18。

インドは2010年に系統連系型の自然エネルギー発電容量を新たに推定2.7GW導入した。これは主に風力だが、他にもバイオマス、小水力、太陽光/熱による発電容量も含まれる。2011年1月には既存容

量が約19GWにのぼった19。独立型の自然エネルギー発電容量もまた大幅に導入された20。2010年のインドの電力の4分の1を大型水力で発電し、4%以上がその他の自然エネルギーによるものだった21(国別自然エネルギーの割合の表R7とR8を参照)。

風力発電風力発電容量は2010年の新規導入量が39GWに達し、自然エネルギー分野の中で最も成長した。5年前の世界の風力発電新規導入量は11.5GWだったが、その3倍に相当する22(図5)。そのため、既存容量は2009年比で24%以上増加し、2010年末までに世界の風力発電容量は約198GWに達した23。2010年に少なくとも52カ国で既存容量が増加し、現在商業規模で風力発電を利用している国は83カ国ある24。2005年末から2010年末までの間に、風力発電の累積容量の年間平均成長率は27%であった25。

しかし、世界の風力発電の年間市場は2010年に、2009年の発電容量をやや上回っただけで大きな伸びは見られなかった。これは鍵となる国々(米国やスペインがその例)での政策が明確でなかったことや、今なお続く経済の停滞によって資金調達が困難になったこと、また先進国の多くで電力需要が下がったために米国やヨーロッパで成長がゆるやかだったことが要因である26。そのため、新設タービンの大半が、従来の風力市場ではなく、発展途上国や新興市場に導入された27。

2010年の風力発電分野での成長は、主に中国によっ

350

300

250

200

150

100 50

0

ギガワット

その他地熱太陽光バイオマス風力

途上国 EU-27 米国 中国 ドイツ スペイン インド世界

図4. 自然エネルギー発電設備容量 途上国、EU、上位5カ国(2010年)

*水力は除く 出典:本章の巻末注8を参照

94

135

56 50 49

16

312

26

* 「欧州連合」あるいは「EU」はとくに EU27 カ国すべてを指している。

─ 15 ─

て牽引されたものだった。世界の風力発電容量に占 め る 中 国 の 割 合 は2005年 に は4.4%だ っ た が、2010年には50%を占めるようになった28(図6参照)。中国の新規導入量は18.9GWで、2009年市場から37%増となった。総設置容量は44.7GWに達し、中国は世界1位となった29。2GW分を除いたこれらの施設は実際にすでに電力網に電気を送っていたが、推定13GWは年末になっても商用利用の認定を受けていなかった。試験期間を完了させ、系統運用者との商業契約を結ぶまでには、報告の遅れも考慮するともう少し時間がかかるだろう30。中国の導入容量の30%以上が内モンゴル自治区に設置され、他は甘粛省(10%)、河北省(10%)、遼寧省(9%)に設置されている31。

米国の風力発電の新規導入量は2009年には10GW以上だったが、2010年は5GWをやや上回っただけで、総設備容量は2009年比15%増の40.2GWとなった32。2010年末までに風力発電は総発電量の2.3%(2009年の1.8%から増加)を占めており、米国の1000万以上の世帯に電力を供給できる量となっている33。テキサス州には10.1GWあり、2010年末の時点で米国の既存設備容量の4分の1以上を占めている。事業規模の風力プロジェクトを抱える38州のうち14州で、各州の設置容量が1GWを超えた34。米国とカナダを合わせると世界市場の約15%を占めている35。

欧州連合は2010年に、2009年市場をやや下回る約9.5GWを新たに導入し、総設備容量は約84GWとなった36。風力は2007年以降初めて、電力の新規導入量の割合において天然ガス、太陽光発電を下回

り、1位から3位となった37。ドイツでは2010年末時点 で27.2GWが 稼 動 し て お り、 年 間 の 発 電 量 が36.5TWhと、EUトップを維持した38。しかし新規導入量は2009年比19%減の1.6GWとなり、国内風力市場で1999年以降最も少ない導入量だった。廃止されたシステムを計算に入れると、正味の新規導入量は1.5GWとなる39。

スペインは新規導入量1.8GWで再びヨーロッパ1位となり、総設備容量が20.7GW以上に達した。スペインは新規導入量で世界3位の市場となった40。スペイン政府が設定する2005年から2010年までの目標値を上回ったが、絶対量では2003年以降最もゆ

200

150

100

50

0

ギガワット

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

図5. 世界の風力発電設備容量(1996年~2010年)

出典:GWEC, WWEA, EWEA, AWEA, MNRE, BMU, BTM Consult, IDAE, CREIA, CWEA

198

159

94

74.659.3

47.639.431 324.2

17.413.510.07.661

121

中国

米国

ドイツ

スペイン

インド

イタリア

フランス

英国

カナダ

デンマーク

2009年既存2010年導入

ギガワット50403020100

図6. 風力発電設備容量 上位10カ国(2010年)

出典:GWEC, WWEA, EWEA, AWEA, MNRE, BMU, BTM Consult, IDAE, CREIA, CWEA

+18.9

+5.1

+1.5

+1.8

+2.3

+0.9

+1.1

+0.9

+0.7

+0.3

─ 16 ─

るやかな増加であった41。スペインは稼動中の容量ではドイツに劣っているが、風況が良いことや最新型タービンの設置のおかげで、2010年の発電量ではドイツを上回った(43TWh)42。その他のEU諸国の導入量の上位国はフランス(1.1GW)、イタリア(0.9GW)、英国(0.9GW弱)である43。ブルガリア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアなどEUの新興市場が大幅に成長したことによって、EUの成熟市場の減退を補った。それに加え、キプロスも初めて風力タービンを設置した(0.08GW)44。

インドも2010年の市場で上位に入った。新たに2.3GWを導入し、総設備容量は約13.2GWに達し、総設備容量で世界5位を維持した45。他にも世界中で新たな市場が軌道に乗り始めている。ラテンアメリカとカリブ海諸島では、2010年に総設備容量が54%増加した。ブラジルとメキシコの新規導入量はそれぞれ0.3GWだった46。しかし、世界の風力発電容量においてラテンアメリカが占める割合はかなり小さい。アフリカと中東では2010年末時点で少なくとも11カ国で商業規模の風力発電を設置したとはいえ、ラテンアメリカと同様と言える47。エジプトでは、100メガワット(MW)を新規に導入し、総設備容量は550MWに達した。これは、アフリカ諸 国 の 中 で 最 も 多 い。 ま た、 モ ロ ッ コ がDahr Saadan風力プロジェクト(140MW)を開始した48。イランは2010年に風力発電を導入していないが、中東で唯一大規模な風力プロジェクト(0.9GW)を抱える国である49。

洋上風力産業は風力発電容量全体に占める割合は小さいものの、2010年末の時点で設備容量は1.2GWから3.1GWに増加した。この大部分はEUで、他に中国(0.1GW)、日本(0.02GW)となっている50。EUの洋上風力市場は2010年に50%以上増加し、総設備容量は3GWとなった51。英国が新規導入量約0.7GWで世界をリードし、2010年末には1.2GW以上に達した。続いて、デンマークが総設備容量約0.9GWで2位、オランダが0.2GWで3位となった52。ヨーロッパの国以外で初めて大規模洋上ウィンドファームを導入したのは中国で、上海に近い東海大橋で0.1GWの施設が2010年7月に正式に稼動を開始した。その3カ月後、中国は江蘇省の沿岸沖で4つのプロジェクトに着工し、2014年には完成する予定である。総設備容量は1GWである53。他にも、

米国では2001年から提案されていた東海岸沖のケープ風力発電プロジェクト(約0.5GW)に、連邦政府による最終的な建設許可が下りた54。

風力発電プロジェクトの規模は、洋上、陸上ともに大きくなっていく傾向にある。それに伴い、主にコストの問題が浮上している(変電所や連系点、認可や建設許可にかかるコストなどのインフラ面を含む)。2010年末までに稼動している世界最大の陸上ウィンドファーム(約0.8GW)は米国にあるが、他にも最大級のウィンドファームが建設中である55。

それに加えて、コミュニティの風力発電プロジェクトへの関心が、カナダなど数カ国で高まっている。農村地域での電力の必要性や低コストの系統連系用インバーターの開発、政府による刺激策が推進力となり、小規模風力タービン*の使用も増加しつつある56。米国は2010年に小規模風力タービンを推定0.02GW導入した。一方、英国の小規模風力タービン市場は2009年比65%増え、総設備容量約0.04GWにのぼった57。中国では2009年時点で、小規模風力タービンによって推定150万人分の電気を供給した58。

2010年末の時点で既存の風力発電により、世界の電力消費量の推定2.0% ~ 2.5%を供給することができる59。2010年末までのEUに設置されている風力発電によって、平年の風況ならEU域内の電力消費量の5.3%をまかなえる(2009年は4.8%)60。2010年に電力需要に占める風力発電の割合が伸びた国はデンマーク(22%)、ポルトガル(21%)、スペイン

(15.4%)、アイルランド(10.1%)、ドイツ(6%)などいくつかある61。ドイツの4つの州では、2010年の電力需要の40%以上を供給している62。

米国の風力発電をリードするアイオワ州は2010年に、風力発電によって電力需要の15%以上を供給した。 テ キ サ ス 州 の 電 力 負 荷 の85%に 相 当 す るElectric Reliability Councilの管内では、2010年に風力が発電量の7.8%を占めた63。中国では内モンゴル自治区(12%)、吉林省、黒竜江省、新疆自治区(それぞれ4%)などのいくつかの地域で風力の割合が一層高まったものの、国内発電量における風力の割合は1%だった(前年比の約2倍)64。

* 小規模の風力発電システムには通常家庭や農場、小規模ビジネスに十分な電力を供給できるタービンが含まれる。米国風力発電協会(AWEA)は「小規模」を 100kW 未満と定義づけているが、サイズは需要や国と州の法律によっても異なる。

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2010年末には多くのプロジェクトがさまざまな段階で進んだ。中国だけで2011年~ 2012年の間に30GW以上を導入する予定である。2011年始めまでに米国(5.6GW)と英国(1.9GW)で大規模な施設を建設中である65。EUで風力発電に参入した国は、ボスニア(初めてのウィンドファームを計画中)と、2010年に最大の陸上ウィンドファームの建設に着工したルーマニアが含まれる66。ラテンアメリカ(とくにアルゼンチン、ブラジル、チリ、コスタリカ、メキシコ、ニカラグア、ウルグアイ)やアフリカでも風力発電推進の兆しがあり、エジプトやエチオピア、ケニア、モロッコ、ナイジェリア、チュニジア、タンザニアで計画または建設中である。これにはケニアの0.3GWのLake Turkanaプロジェクトとモロッコで建設中の0.7GWの風力発電が含まれる67。

バイオマス発電バイオマスは通常、電力生産や熱利用に使用され、輸送用の液体バイオ燃料に変換されるものもある

(後述の熱電併給プラントによる熱利用に触れた熱利用および冷房市場の項および輸送燃料市場の項を参照)。バイオマス由来の発電技術には、固形バイオマスや自治体で回収される有機性廃棄物*、バイオガス※、液体バイオ燃料の直接燃焼および混焼

(石炭あるいは天然ガスを使用)が含まれる。2010年にはヨーロッパの多くの国で、また米国や中国、インド、その他の途上国の一部で、発電のためのバイオマスの利用が大幅に拡大した。世界全体でバイオマス発電容量は2010年末時点で62GWと推定される68。

米国が2010年のバイオマス発電で引き続き世界をリードしている。ほかにもドイツやスウェーデン、英国などのEU諸国やブラジル、中国、日本がバイオマス発電を促進している69。米国では2010年に0.3GW未満のバイオマス発電が導入され、総設備容量は10.4GW(自治体の有機性廃棄物を除く)で、発電量は約48TWhだった70。米国のバイオマス発電のほとんどは、木材や農作物の残渣、産業分野における熱電併給システムで燃焼される黒液から生産している71。埋め立て廃棄物から出たガスを利用した方式が増加しつつあり、2010年には発電量8TWhに達した。2011年4月中旬時点で、550以上の

プラントが埋立地ガスを燃料にしている。総設備容量は1.7GWに達した(2008年に1.4GW)72。

EUのバイオマスによる正味発電量は、2008年から2009年にかけて79.3TWhから87.4TWhに約10.2%増した73。固形バイオマスは62.2TWhで約71%を占め、それ以外はバイオマスが占めている。EUのバイオマス発電量は電力のみの施設が半分を、熱電併給プラント(CHP)が残りの半分を占めており、国によってその割合は異なっている74。

EUでは、バイオガスの増加が最も著しいが(約18%増加)、あらゆるバイオマスからの発電が急速に拡大している75。たとえば2001年から2009年にわたり固形バイオマスによるEUの発電量は3倍に増加し、2010年始めまでに約800もの固形バイオマス発電所(推計7.1GW)が稼動した76。EUでの電力と熱利用へのバイオマス利用の増加は、政策支援によるところが大きくなっている。多くの国が、化石燃料や二酸化炭素の排出に税を課したり、有機性廃棄物の埋め立ての削減を要求するEU規制と合わせた政策を実施している77。

EUの上位3カ国は、ドイツ、スウェーデン、英国で、この3カ国でEUの2009年のバイオマス由来の発電量の約50%を占めている。ドイツだけで、EUのバイオガス発電量の約50%、バイオマス発電量の約30%を占めた78。他にもフィンランド、ポーランド、イタリア、オランダがバイオマス発電を促進している。また、イタリアやフランス、スペイン、英国でとりわけバイオガスの利用が将来伸びると予測され、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキアでは新しい市場が出現している79。デンマークは上位国には入っていないが、バイオマスによる発電量の割合が、2000年の3.1%に比べ、2009年には8.1%と急激に高まっている80。

ドイツのバイオマスによる発電量は、過去10年間に 年 平 均22%以 上 増 加 し、2010年 に は 推 定28.7TWh、総設備容量は4.9GWにのぼった81。2010年末までに、バイオマスエネルギーはドイツのエネルギー消費量の5.5%を占め、風力発電に次いで2番目に大きい自然エネルギー源となっている82。ドイツのバイオマス発電はほとんどがバイオガスで

* 焼却処分される自治体の有機性廃棄物(自治体の固形廃棄物における有機物/生物有機物の割合)は GSR の表 R1 と R4 にあるデータには含まない。この点に関する詳細および世界のバイオマスエネルギー開発の報告の課題については P94 の「設備容量の説明および報告」の注釈を参照のこと。※ バイオガスは埋め立て(埋立地ガス)あるいは都市下水の嫌気性消化や排水処理施設(下水ガス)、スラリー、農作物残渣、食品廃棄物、家庭や草木の廃棄物から摂取したメタンから生産できる。

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あり、2010年に設備容量は20%以上増加し、430万世帯に電力を供給できる量となった83。ドイツはバイオガスで2010年に約13.8TWh発電した。次に多いのは英国(6.8TWh)、そしてイタリア(2.1TWh)だった84。

ブラジルのバイオマス発電はほとんどすべてが熱電併給型で、こちらも着実に増加してきた。設備容量は2010年末までに7.8GWに達し、総発電量は28TWhだった85。発電量の大半は、製糖工場のCHPプラントによるもので、原料としてバガス(訳者注:サトウキビの搾りかす)を使用している。2010年の砂糖の収穫時期にバガスによって18.5TWhの電力を生産した。そのうち8.8TWhの余剰電力は系統に送られた86。コスタリカ、メキシコ、ウルグアイなどの他のラテンアメリカ諸国の中にもバイオマス電力が2010年に著しく拡大した国がある87。

日本は2010年に石炭混焼を除いて、推定10TWhをバイオマスで発電した88。アジアでは他にも中国でバガス、固形バイオマス、有機性廃棄物、バイオガス(家畜の糞尿を含む)を組み合わせて使用し、設備容量が2010年に25%増加し、4GWに達した89。インドではバイオマス資源は、3つの一般的な方式により発電に利用されている。系統連系型バイオマス発電所、独立・分散型のバイオマス発電、製糖工場などの産業での熱電併給である90。インドは2010年に新たに約0.3GWのバイオマス発電容量を導入し、総設備容量は同年末に3GWにのぼった91。タイでは2010年に、固形バイオマス発電0.003GWを新規に導入し、設備容量は1.3GWとなった。バイオガス設備容量は2009年時点で0.05GWに倍増し、2010年にはさらに37%増の0.07GWに増加した92。マレーシアもまたバイオガス発電の大幅な拡大を模索している93。

アフリカと中東でも関心が高まっている。カメルーン、ケニア、タンザニア、ウガンダなどの国で、すでにバイオマス発電所を設置しているか、今後の開発計画を持っている94。バイオガスプロジェクトの建設(とりわけ埋立地ガス)が南アフリカ、エジプト、チュニジア、ヨルダンなどの国において、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の一環で進められている95。

100%バイオマスで運転する施設に加え、既存の石

炭火力発電所やガス火力発電所は、化石燃料を用いたバイオマス“混焼”に転換を進めている96。2010年時点で米国に約40基、オーストラリアに約10基の化石燃料利用のバイオマス混焼プラントがある97。日本では、いくつかの石炭火力発電所でバイオマスを使用した混焼の実証運転を行っている98。ドイツと英国では混焼による固形バイオマスの発電量が増加しつつあり、2010年にEU全体で100基の混焼プラントがあると推定される99。

太陽光発電(PV)太陽光発電(PV)は2010年に100カ国以上で新たに導入されるなど、依然として発電技術の中で最も急速に伸びている100。世界全体で新規導入量が推定17GW(2009年の新規導入量は7.3GW弱)となり、世界の総設備容量は約40GWに達し、5年前の稼動中の容量の7倍以上にのぼる101*(図7)。

世界の太陽光発電容量は2009年と比べ72%増加し、2005年から2010年の間の年間平均成長率は49%を超えた(系統連系型のみの場合、対応する成長率は81%と60%である)。薄膜型の売り上げは引き続き増加しているものの、2005年以来初めて薄膜型の市場占有率が下がり、2009年に17%だったものが2010年には13%となった102。太陽光発電市場は、コストの低下(「産業の潮流」の章を参照)や新しい用途、投資家の強い関心、継続的で強力な政策支援によって動かされただけでなく、いくつかの国で買取価格の低下が進んだことも影響した103。

世界の太陽光発電市場を独占しているのはEUで、13.2GWの新規導入量によって、総容量は世界全体の80%に達した。これでEUの約1000万世帯の電力消費を満たすことができる104(図8を参照)。2010年にドイツとイタリアによって、EUは初めて太陽光発電の新規導入量が風力発電を上回った105。ドイツが2010年 に 新 た に 導 入 し た 太 陽 光 発 電 容 量

(7.4GW)は前年度の世界の導入量を上回り、設備容量は17.3GWとなった106。ドイツは2011年の第1四半期には、太陽光発電によって2.75TWhを発電し、2010年の同時期よりも87%増加した107。

イタリアでは2010年末までに送電網に連系した太陽光発電容量が推定2.3GWで、総設備容量は約3.5GWに達したと公式に発表された108。しかし実際の設備容量はこの数字よりも高いと考えられる。な

* 今年度版の「自然エネルギー世界白書」から、とくに記述がなければ、太陽光発電のデータは、系統連系型と独立型の両方を含む。

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ぜなら、2011年6月初めまでに公式発表された、イタリアで施行されている固定価格買取制度(FIT)の対象となった総設備容量は5.8GWであるが、このうちの一部は2010年に導入されていたと考えられるためである109。チェコ共和国ではFITの買取価格が高いことに加え、太陽光発電の設備コストの低下によって、2度目の大幅な伸びを示した年(導入量1.5GW)となった。2008年の導入量は実質的にゼロだったが、2010年末の既存容量は2GWに増えた110。

他にも、2010年にヨーロッパで新規導入が進んだ国は、フランス(導入量0.7GW)で、2009年比で3倍以上増加した。続いてベルギー(0.4GW)、そして2009年比4倍増のギリシャ(約0.2GW)だった111。スペインは、2010年の新規導入量が0.4GWで総設備容量が3.8GWとなった。地上設置型における買取

価格の上限と新たな規制枠組みが不透明だったことから新規導入量がピークだった2008年から2年連続で大幅に減少した112。

ヨーロッパ以外の太陽光発電の主要な市場は、日本(約1GW)、米国(0.9GW)、中国(0.6GW)だった113。日本と米国の太陽光発電市場は2009年比でほぼ2倍に拡大した。日本の設備容量は3.6GWに達し、米国は2.5GWを上回った114。米国の導入量の4分の1は事業規模のプロジェクトであることから、電力事業者が今後米国の成長の鍵を握ることになると考えられる115。米国では2010年末までに少なくとも5.4GWの新規容量の契約を交わしている116。カリフォルニア州は市場の30%を占め、依然として国内市場をリードしている(2004年/2005年の80%から減少)117。韓国市場(0.1GW)は2年連続して低下

40

35

30

25

20

15

10

5

0

ギガワット

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

図7. 世界の太陽光発電設備容量(1995年~2010年)

出典:PV News, EPIA

40

23

16

9.575.4

3.92.82.21.81.41.20.90.80.7

スペイン 10 %

日本 9 %

イタリア 9 %

6 %米国

チェコ共和国 5 %

ドイツ 44 %

世界その他 6 %

フランス 3 %

韓国 2 %EUその他 2 %ベルギー 2 %中国 2 %

図8. 太陽光発電設備容量 上位10カ国(2010年)

出典:EPIA, BMU, IDAE, GSE, KOPIA, CREIA

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している。またオーストラリア市場(0.3GW)は2009年比で4倍になった118。

事業規模の太陽光発電所*が増える傾向が続いている。事業規模のシステムは2009年には3200基をやや上回るほどだったが、2010年には5000基を超えた119。こうした施設の総設備容量は2010年末までに約9.7GWで、1年間に3GW以上増加し、世界全体の太陽光発電容量の約25%に相当する120。EUが2010年末までに世界の総設備容量の84%を占め、引き続き世界をリードしている。ドイツだけで世界の新規導入量の約3分の1を占める121。スペインは2010年末までに、世界の事業規模の設備容量の32%を占めた。2位以下は順にドイツ(26%)、イタリア(16%)、米国(7%)、そしてチェコ共和国(6%)だった122。

他にも、2011年始めまでにブルガリアや中国、エジプト、インド、イスラエル、マリ、タイ、アラブ首長国連邦(アブダビ)などで事業規模の施設をもつ国が、少なくとも30カ国ある123。風力発電と同じく、プロジェクトの規模を大きくしようとする傾向があり、世界各地にある15の大規模太陽光発電所プロジェクトのうち9つが2010年に完成した124。2010年末時点で、稼動中の太陽光発電所のうち世界最大の施設は、カナダのオンタリオ州サーニアにある0.08GW規模の施設で、1万2800世帯に電力を供給する見込みである125。

また、集光型太陽光発電(CPV)への関心も高まっている。2010年から2011年始めまでに世界各地で送電網にほぼ0.02GWが接続された。これには米国カリフォルニア州やオーストラリア、エジプト、フランス、イタリア、ヨルダン、メキシコ、スペイン、南アフリカなどのいくつかの国でのプロジェクトあるいは実証施設も含まれる126。2010年に数多く の 米 国 の 大 規 模 プ ロ ジ ェ ク ト が 発 表 さ れ、Southern California Electricと0.3GWの売電契約が交わされた127。建物一体型太陽光発電(BIPV)への関心も2010年に高まっている。フランスおよびドイツという従来からの市場を越えて、現在までで最大規模のBIPVプロジェクトが中国で発注された128。

現在の太陽光発電の設備容量の大半は系統連系型で、独立型の割合が年々減少している129。しかし、分散型かつ小規模のシステムへの関心が、とりわけ

発展途上国で、また先進国でも高まっている。オーストラリアでは、太陽光発電の推定70%が独立型であり、遠隔地の家庭や農場などにある。その中には2010年に西オーストラリアに設置された太陽光とディーゼルのハイブリッド発電所の一部である国内最大の太陽光発電追尾システムがある130。

地熱発電地熱エネルギーは直接熱利用(「熱利用および冷房市場」の項を参照)と電力供給で利用される。2005年以降、アイスランド、インドネシア、ニュージーランド、米国、トルコにおいて発電容量が大幅に導入された。地熱による発電量は世界全体で20%以上増加している131。2005年以降、エルサルバドル(35%)、グアテマラ(58%)、パプアニューギニア(800%以上)、ポルトガル(81%)などの発電容量が少ない国の成長率が著しかった132。

2010年末までに世界の地熱発電の総設備容量は11GWを超え、2009年から推定240MW増加した。2010年には約67.2TWhが地熱発電所で発電された133。2010年の地熱開発は2009年と比べてゆるやかだったが、この小休止は一時的なものだと推測される134。掘削装置の不足(石油、ガス産業との競合のため)が、世界各地の地熱発電開発業者の妨げとなっている一方、ケニアなどで能力のある労働力の不足が懸念されている。2013年までに米国だけで掘削装置の需要が約1.5倍にもなると予想されている135。

2010年にニュージーランド(これまでで最大の0.1GW規模のシングルシャフトタービン・プロジェクト)、イタリア(0.04GW)、ケニア(0.04GW弱)の3つの大型発電所が発注された136。新規導入量を加えると、ケニアの地熱発電所は0.1GWに達し、アフリカ最大となった。これによって、ケニアの総設備容量は約0.2GWとなった137。米国は2009年と比

* 事業規模の太陽光発電とは、200 キロワット(kW)を超える施設と定義づけられている。

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べてやや減少したが、2010年に事業規模の地熱発電を約0.2GW導入した138。トルコとメキシコでも2010年に設備容量が増加している139。

2011年始めまでに、地熱発電所は少なくとも24カ国で稼動しており、世界の設備容量の大半が、米国

(3.1GW)、 フ ィ リ ピ ン(1.9GW)、 イ ン ド ネ シ ア(1.2GW)、メキシコ(1GW弱)、イタリア(0.9GW)ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド( 約0.8GW)、 ア イ ス ラ ン ド

(0.6GW)、日本(0.5GW)の8カ国に集中している140。一人当たりの容量ではアイスランドがトップで、2010年の国内発電量の約26%を地熱が占めた。フィリピンでは地熱が約18%を占めている141。

地熱発電市場の拡大が続いており、最新技術によって新規参入国でも地熱計画の開発が容易になり、開発のスピードが大幅に加速することが予測される142。米国では2011年初期の時点で、約0.8GWが掘削もしくは建設段階にあり、2015年までに稼動できると予測される。米国15州で合わせて123のプロジェクトが確定しており、一部は開発段階にある143。

アイスランドでは2011年に新たに約0.1GWが導入される予定である。今後5年以内に46カ国で地熱発電容量が導入されるという見通しがあり、世界中でプロジェクトが進行している。地熱発電はより一層拡大するとみられる144。ドイツには2010年後半までに、推定150の進行中のプロジェクトがあった。計画がすでに開発段階にあるのはチリ(0.2GW)、コスタリカ(0.4GW)、インド(約0.3GW)、英国

(0.01GW)である145。

集光型太陽熱発電集光型太陽熱発電(CSP)市場は数年間停滞していたが、2007年から2010年末の間に活気を取り戻し、約740MWが導入された146。このうち半分(約478MW以上)が2010年に導入され、世界の総設備容量は1095MWに達した147。パラボリック・トラフ式発電所が世界市場を独占しており、CSP発電所の90%、稼動中の既存容量のほぼすべてを占めている148。

スペインは太陽エネルギーへの魅力的なプレミアム価格を国王令で提示したため、国内企業がCSP開発に注目し、2009年には大規模な導入が始まった。スペインは2010年に新たに400MWを導入し、稼動中の総設備容量が632MWとなり世界をリードしている149。

米国は2010年末までに78MWを導入し、総設備容量が509MWとなった。これには2MWの石炭発電所1基の附属施設と75MWのガス化複合発電の附属施設(フロリダ州で初めての施設)が含まれる150。

2011年の始めに、新たに50MWの発電所(Extresol-2)がスペインで正式に運転を開始した。モロッコでは、20MWのCSPと天然ガスのバイブリッド発電所が稼動を始め、エジプトでは20MWのCSPのEl Kuraymatハイブリッド発電所の一部が稼動を始めた151。

CSPは今後も急速に成長すると予想される。スペインでは2011年4月の時点で新たに946MWが建設中で、1789MWの新規容量が2013年末までに稼動すると予想される152。米国では2011年始めの時点で1.5GWのパラボリック・トラフ式およびタワー式発電所が建設されている。また、少なくとも新たに6.2GWの契約が交わされた。これは連邦政府による融資保証、連邦政府の土地使用の許可、自然エネルギーに関する州の規定(「政策の展望」の章を参照)による奨励によるところが大きい153。

北アフリカや中東でもCSPに大きな関心を寄せている。アラブ首長国連邦で建設中の発電所やアルジェリア、エジプト、ヨルダン、チュニジア、モロッコで計画されている発電所を含め、少なくとも1.2GWの設備容量の開発が進行中で、2010年までに2GWの太陽熱発電容量を目標としている154。インドでは複数のCSPプロジェクトが建設段階にあり、中国はCSP発電所を導入する意向を表した。それには電力や室内暖房、もしくはプロセス熱を供給する熱電併給型が含まれている155。オーストラリア、南アフリカ、メキシコ、イタリアも太陽熱発電の普及をさらに促進する意向を表し、新たなプロジェクトもしくはMW規模の実証発電所を設置してきた156。2010年の後半には世界全体で約2.6GWのCSP(大半が米国とスペイン)が建設中で、そのすべての施設が2014年までに稼動することが予測される157。

同時に、太陽光発電(PV)のコストが劇的に下落していることが、少なくとも米国でのCSP市場の成長の足かせになりつつある。2010年に国内で計画されていたいくつかのプロジェクトがCSPではなく事業規模の太陽光発電技術を用いるよう再設計された158。こうした太陽光発電への転換は、今後も続くと考える専門家もいる。その一方で、太陽熱

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は蓄熱と輸送が可能であることが事業者にとって魅力となると考え、CSPのコストの方がやや高いことを擁護する専門家もいる159。

水力発電水力発電は現在約150カ国で利用されている160。世界の水力発電による発電量は2010年に5%以上増加した。これは中国で新規導入量が大幅に増えたことと、雨量が増えたことが原因である。水力発電は世界の発電量の約16%を占めている161。発電容量の推定30GWが2010年に導入され、世界の総設備容量は推定1010GWに達した162。

水力発電容量の上位国は中国、ブラジル、米国、カナダ、ロシアであり、これら5カ国で世界の設備容量の52%を占める163。発電量の上位国は順に中国、カナダ、ブラジル、米国、ロシアで、これはベースロードの供給源として水力発電に依存している国(カナダなど)もあれば、電力負荷に従ってピーク時に対応するために使用されることが多い国(米国など)もあるためである164。地域別では、アジアが世界の設備容量に占める割合で世界をリードし、EU、南北アメリカが続き、アフリカはかなり遅れて5位となっている165。

中国は2010年に新たに16GWの水力発電を導入し、総設備容量は推定213GWに達した。これは稼動中の設備容量が117GWだった2005年末から大幅に増加した166。ブラジルでは約5GWが稼動し、総設備容量は80.7GWとなり、さらに8.9GWが建設中である167。 カ ナ ダ は2010年 に 水 力 発 電 に よ っ て 約348TWhを発電し、同年末にまでに500MWを導入して総設備容量は75.6GWとなった168。カナダ全体で2011年始めまでに11GW以上のプロジェクトが建設中で、2012年末までに推定1.3GWが稼動する169。

米国は経済不況が原因で、ここ最近の開発のスピードは緩やかになっているが、2010年には0.02GWをやや上回る新しい水力発電所が稼動し、設備容量は78GW(揚水発電20.5GWは除く)となり、年間257TWhを発電した(2009年は233.6TWh)170。ロシアは推定55GWで、国内の発電設備容量の5分の1に相当する171。

ブラジルは国内の電力の約80%、カナダは約61%を

水力により発電している172。アフリカの多くの国では系統連系型電力のほぼ100%を水力で発電している。ノルウェーもほぼ100%を水力に頼っている173。ノルウェーとアイスランド、ニュージーランドは一人当たりの水力発電量で世界をリードしている174。

ラオスの1.1GWのNam Theun2発電所と、中国の2.4GWのJin'anqiao発電所、ブラジルの0.9GWのFoz do Chapeco発電所、エチオピアの2つの施設(0.5GWと0.3GW)などの水力発電の大型プロジェクトが2010年に完成した175。ベトナムでは、東南アジアで最大の水力発電(2.4GW)の一部が稼動を始めた176。

ほかにも多くの国で大規模から小規模まで水力発電の開発が続いている177。2010年に、エクアドル

(0.2GW)、 ト ル コ(0.02GW)、 ウ ズ ベ キ ス タ ン(0.05GW)でプロジェクトが完成した178。オーストラリアでは初めて、処理済みの下水を利用した水力発電の稼動が始まった。ニューサウスウェールズ州に建設されたこの発電所は、水が60メートルのシャフトを落ちる際のエネルギーを利用する179。

インドの既存容量は40GW(そのうちの37.4GWは大型水力)で、水力発電容量で世界6位である。2010年に約0.3GWの小水力*を導入し、2010年末の時点で小水力の累計発電容量は2.9GWとなった。2011年始めには、新たに0.9GWの小水力の建設が進行中である180。ブラジルは2011年始めまでに53の建設中の小水力プロジェクト(0.7GW)があり、149の新たな発電所(2.1GW)が認可された181。カナダ、イラン、カザフスタン、スイスも多くの小水力発電所が建設中あるいは計画段階にある182。ルワンダは2015年までに小水力発電容量を0.04GWに引き上げることを目標としている183。

アジア(中国が1位)とラテンアメリカ(ブラジルが1位)は、水力発電の開発に最も熱心な地域である184。中国では今後5年間に140GWの新設を予定している185。中国はイランと共同で、イランのザグロス山脈で1.5GWの世界で最も高い立地でのダムプロジェクトを計画している186。ブラジルは2011年の後半に3.2GWの貯水池式のプロジェクトなど、アマゾン地域で2つの大型プロジェクトを計画している187。北アメリカとヨーロッパでも新しい発電所を建設しており、既存の発電所の近代化と揚水発電施設の

* 小水力は 10MW 未満の施設と一般的に定義づけられている。しかし、インド(25MW 以下)やブラジル(30MW 未満)など例外も多くある。詳細については「用語解説」の欄を参照のこと。本報告書における水力発電の扱いについては「設備容量の算出と報告」の注釈を参照のこと。

─ 23 ─

設置を中心に進めている188。

揚水発電は、後に使用するエネルギーを蓄えるため水位が低い貯水池から高い貯水池に水をポンプで送る必要がある。そこでは変換ロスが発生する。揚水発電そのものはエネルギー源にはならない。揚水発電への関心は、とくに多様な自然エネルギー源が比較的普及している地域や国で高まりつつある189。揚水発電はまた、電力需要のピーク時に電力価格が高くなるのを抑えるために利用されている。大半の揚水発電は、EUや日本、米国にある190。中国、ドイツ、スロベニア、ウクライナなど、世界全体で2010年に約4GWが新たに導入され、世界全体で稼動中の揚水発電所の容量は2005年の98GWから約136GWに増加した191。2011年始めまでに設備容量5GW以上が契約を交わしており、揚水発電市場は今後5年間で60%増加すると推測される192。

海洋エネルギー海洋エネルギーは、この報告書で取り上げている自然エネルギー技術の中では最も開発が遅れているが、様々な見込みのある技術として関心が高まっている193(補足欄1を参照)。発電するための海洋エネルギー技術には、波力、潮力(堰方式、タービン)、浸透膜発電、海洋温度差発電(OTEC)システムなどがある。

ランスの240MW潮力発電所は、フランス沖で1966年に稼動を始め、年間約600GWhを発電し続けてきた194。他にも潮力プロジェクトが長年にわたり、カナダ、ロシア、中国で出現し、2001年には推定262MWの施設が稼動していた195。だが、海洋エネルギーの開発は最近までほとんど行われなかった。2010年末に、潮力堰方式システムのみが商業ベースにのり、世界の海洋エネルギーの設備容量の大半を占めている196。

しかし、2010年にはさまざまな技術を用いた商業化前の発電プロジェクトがいくつかあった。他の自然エネルギー技術と比べて既存容量は小さいが、多くのプロジェクトが開発中あるいは契約済で、少なくとも25カ国が海洋エネルギー開発に携わっている197。2010年末には、波力発電(2MW)および潮力発電(4MW)を合わせた推定6MWが、国際エネルギー機関(IEA)の「海洋エネルギーシステムに係る実施協定」に加盟する18の加盟国で導入された198。こうしたプロジェクトの大半がヨーロッパで実施されており、主にポルトガルと英国の沖で短期間の実証試験を行っている。商業化にむけて第一段階に入りつつあるプロトタイプが数基ある199。

また、2010年には最初の事業規模の系統連系型の波力発電機(0.25MW)が稼動してから10年を経て、送電網を通じて約6万世帯に電力を送り、年平均稼働率98%を達成した200。さらに、世界初の事業規模の潮力タービン(1.2MW)が北アイルランド沖から英国の送電網に2GWhを供給するという大きな節目に到達した201。

海洋エネルギー利用の進展は、2010年にスウェーデンが少なくとも0.04MWの実証プロジェクトに乗り出したことやオーストラリア西部で継続的に5MWを開発していることに現れている202。ノルウェーでは、11月に1.5MWのMorildⅡの浮力式の潮力プラントが稼動した203。他にもドイツの電力会社E.ON.が0.075MWのPelamis波力機の試験運転を開始した204。カリフォルニアの電力会社が2008年~2010年に、設置場所やコストの問題のために3つの波力発電設備で開発を中止したが、波力エネルギーの開発が進んでいる州もある205。2010年にはハワイ州の米国海軍基地の電力網に0.04MWの波力システムが接続された。最終的にはオレゴン州沖で事業規模の波力プロジェクトの建設が始まった206。

将来にむけて、世界中の多くの国々でプロジェクトが計画されている。英国では2011年に7.4MWの試作品が計画および製造の最終段階にあった。他にも11MWのプロジェクトの許可が下り、また23MWが英国の計画に入っている207。トルコ沖での波力発電計画の他にも、インドネシア、イタリア、インド洋沖のレユニオン島などでさまざまな海洋エネルギープロジェクトが進められている208。

─ 24 ─

アジアで最初の商業用潮力発電所の建設が2011年に始まることになっている。インドのグジャラート州の沖で、50MWの施設が建設される予定であり、今後その施設は総設備容量250MWにまで拡大する計画である209。韓国ではいくつか小規模プロジェクト が 進 行 し て お り、2011年 に 稼 動 す る 予 定 の254MWのSihwa潮力発電所の建設によって、世界の潮力発電の既存容量は約520MWに増加する210。技術の評価を行っている国は、オーストラリア、カナダ、フランス、アイルランド、日本、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、米国である211。

熱利用および冷房市場近代的バイオマス、太陽、地熱のエネルギーは現在世界中で数千万もの建物に温水や暖房を供給している。太陽熱温水器だけでも多くの学校、病院、ホテル、政府機関や商業ビルに加えて7000万以上の世帯(その多くは中国)で利用されている。さらに、産業で太陽熱によりプロセス熱を生み出そうとする傾向も強まっており、冷却目的での太陽エネルギー利用に対する関心も増している。バイオマスと地熱エネルギーは産業、家庭、また農業分野にも熱を供給している。パッシブソーラービ

補足1.海洋エネルギー技術と商業化

海洋エネルギー技術の商業利用は依然として限られているが、2010年には将来の市場につながる取り組みが増加した。2010年には、累積容量1GWを超える100以上の海洋エネルギープロジェクトが、さまざまな開発段階に達した。一方では、経済的支援や政策支援の高まりが、新たなプロトタイプの実験に必要なインフラの開発を加速した。2010年、英国、デンマーク、スウェーデン、カナダで、沖合実験施設が設置された。2011年始めまでに、ポルトガル、スペイン、ノルウェー、アイルランド、米国で新しい施設が開発中にある。

海洋エネルギー技術は比較的未発達なことから、商業化に備えるために多様な機器を競争させて、実験的な研究開発のさまざまな取り組みを促進してきた。こうした構想の多様性は、波力エネルギー分野でかなり明確に表れている。英国やオーストラリア、米国の企業は”点集中式吸収”システムのプロトタイプの実験を行っている。これは通常、あまり波の大きさに関係なく、あらゆる方向からのエネルギーを吸収するよう設計されている。

通常、波の大きさに強く影響され、波の方向に平行に作動する「線式吸収器」も実海域実験を行ってきた。開発中の構想には他にも、生じる波に注目し吸収あるいは「消波処理」する「消波工型」がある。「振動水柱型」は、空気を圧縮し発電設備を動かすために波を利用する。

潮力エネルギー分野も同様に多様な機器がある。この4年間に、水平軸タービンがヨーロッパや北ア メ リ カ の い く つ か の 企 業 で 開 始 さ れ た。

「oscillating hydrofoil型」のプロトタイプは2009年に実験された。垂直軸(もしくは交差軸)タービンは実用試験段階に達している。

こうした開発は、とりわけヨーロッパ、北アメリカ、韓国では、研究開発に対する公共の財政支援による強力な後ろ盾がある。これらの政府は、プロジェクトやプログラム、実験施設、実証プロジェクト、基礎調査などに対して通常1000万~ 1億ドルの補助金や財政支援を提供している。最近では、ベルギー、カナダ、デンマーク、アイルランド、ポルトガル、韓国、米国が投資を行っている。

波力・潮力技術の進歩の一方で、温度勾配や塩分濃度勾配をもとにしたエネルギーの開発などの海洋エネルギー技術が国家プロジェクトの研究項目に挙がりつつある。海洋エネルギー技術は一般的にはまだ開発段階にある。この分野は風力エネルギーと比べて15 ~ 25年遅れている一方で、風力エネルギーと同様に多様な商業化の道をたどる準備段階にある。

出典:本章の巻末注193を参照。

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ルデザインは膨大な熱(および光)を供給しており、その数もまた増加している。しかし世界規模のデータがないため、ここには含まれていない。

バイオマス熱利用世界的にみれば自然エネルギー由来の熱利用の多くは引き続き近代的バイオマスによって供給されている。これは固形、液状、ガス状のバイオマスを燃焼させることで熱を得るものであり、調理や温水、室内暖房、プロセス熱などに用いられている。個人住宅規模の装置から熱電併給プラント(CHP)を含む大規模地域暖房システムにまで利用されている。最新の世界規模のデータが利用できる2008年において、熱利用のための近代的バイオマス利用は世界で1万1600ペタジュール(PJ)となっている212。

2009年には推計234.5PJ(5.6 mtoe:million ton oil equivalent石油換算トン)の固形バイオマスとバイオガス由来の熱がヨーロッパの熱利用市場で販売されたが、その97%は固形バイオマスを利用したものだった。CHP(64%)と熱利用のみの施設(36%)を組み合わせて熱を供給しているが、この混合率は各国の資源利用可能性や現在のエネルギー供給システム、補助政策によって異なる。屋内熱利用は個人住宅システム(薪ストーブなど)によるか地域暖房システムによるかにかかわらず、ヨーロッパでの固形バイオマス販売の大部分を占めている213。バイオマス熱利用市場はヨーロッパで堅調に拡大しており、2009年にはハンガリー、ポーランド、オランダが最高の成長率を示した214。

スウェーデン、フィンランド、デンマークはヨーロッパのバイオマス熱利用市場を牽引しており、この3カ国がEUの地域熱供給ネットワークで販売されるすべてのバイオマス熱利用量の70%を供給している。フィンランドは一人当たりの固形バイオマス由来の熱供給でヨーロッパをリードしている215。しかし熱生産量は2009年にスウェーデンとフィンランドでわずかながら減少している。とくにフィンランドでは経済危機によって木材加工と紙パルプ産業がさらに縮小して生産高が下落を続けたために減少した216。

スウェーデンでは2008年にバイオマスが住宅向けの主要なエネルギー源となり、暖房施設で直接に、あるいは地域暖房スキームへ連結する形で使用さ

れている。地域熱供給ネットワークへの熱利用総売り上げは2009年に減少したものの、固形バイオマスの売り上げは伸び続けており、スウェーデンの全エネルギー供給(熱利用、発電および輸送)に占めるバイオマスの割合(32%)が初めて石油(31%)を超えた217。デンマークは発電の約10%と熱量の多くをバイオマスCHPによって供給している218。

バイオメタン(精製バイオマス)はヨーロッパで数十年にわたって発電と熱利用に利用されてきた。バイオメタンは天然ガス供給網に導入され、主としてガス発電所の熱電併給プラントで利用されている。オーストリアやオランダ、スウェーデンやスイスなどいくつかの国で採用例が増えている219。バイオガスによる熱を最も供給しているのはドイツ、オランダ、フランス、ポーランド、そしてデンマークである220。ドイツは2006年までバイオメタンの開発を始めていなかったが今では他のヨーロッパ諸国を大きく引き離して前進している。プロジェクト数は急速に増加しているが、これは国内の固定価格買取制度によって強力に牽引されたものである。2010年11月までに44の施設がガス供給網に接続しており、年末までには全部で60の施設が接続されると見込まれている。これにより総量では1時間あたり4万㎥を供給できるようになる221。

バイオマスペレットも同様にEU内で一般的な燃料となっている。ペレットはベルギーやオランダでは主として発電に利用され、スウェーデンやデンマークではCHP用に燃焼されている。その他の国では家庭用と商業ビル用の暖房に広く利用されている。EUでは2010年に1100万トン以上の木質ペレットが消費されたが、これは2009年と比べて7%の増加である222。スウェーデンは2010年に200万トンという最大の消費国であり、ドイツは約100万トンを消費している223。結果として木質ペレットはカナダからヨーロッパへ輸出されるようになり(2010年には100万トン)、米国からの輸出は2008年から2010年の間に倍増した(60万トン)224。

熱利用のための屋内での薪利用も同様に一般的なものとなってきている。米国では多くの州で2000年から2010年の間に熱利用のために薪かペレットを利用する家庭が50%以上の割合で増加した。2011年初頭までに推計1200万の薪ストーブおよびペレットストーブや暖炉が導入された。米国の家庭の10戸に1戸がバイオマスストーブをもっているこ

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とになる。210万から260万の家庭が主要な、あるいは唯一の熱源として木質燃料を利用している225。

発展途上国では米やココナッツ皮のような農業廃棄物を利用して小規模から大規模までの電力と熱を供給するのが一般的である226。アルゼンチンやオーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、キューバ、グアテマラ、インド、ケニア、モーリシャス、フィリピン、タンザニア、タイ、ウガンダなど、大規模な砂糖産業がある先進国および発展途上国では、バガスの電力と熱への利用が重要なものとなっている227。たとえばタイの固形バイオマス容量

(バイオマス発電の項目を参照)の大部分はCHPで利用されるバガスによるものである228。

小規模バイオガス施設の利用も増加している。中国では推計5000万の家庭がバイオガスを利用しており、施設数という点で世界をリードしている229。インドは2010年に6万以上の小規模バイオガス施設を増設して、国内の総施設数は430万となり、調理用のエネルギー需要を満たすために利用されている230。バイオマスガス化は零細、小規模、中規模企業で熱利用のために採用される数が増えている。また、バイオガスを製造してボンベに詰めたり、パイプラインで送り届ける混合供給施設も一般的になってきており、発酵後の固形残さは土壌の肥料として利用されている231。

太陽熱の熱利用と冷房太陽熱温水器の技術は普及しつつあり、数カ国では給湯に大いに役立っている。中国、ドイツ、トルコ、インド、オーストラリアは2009年の新規導

入設備容量において市場を牽引しており、中国、トルコ、ドイツ、日本、ギリシャが同年末までの総設備容量で上位を占めている232(図9、図10と表R5参照)。

2010年、既存の太陽熱温水器および暖房設備の容量は約25GWthで約16%増加し、およそ185GWthに達した(非ガラス管式の温水プールでの利用を除く)233。中国は推計17.5GWth(集熱器面積では2500万 ㎡ 以 下 同 じ ) を 新 規 導 入 し、 総 量 で は118GWth(1億6800万㎡)弱となった234。

残りの新規導入容量の大部分はEUが占めている。しかし経済の停滞のためオーストリア、ドイツ、フランスなど主要なヨーロッパ市場では新規導入が減少を続けた。ギリシャとイタリアの市場ではわずかに増加した一方で、スペイン市場は前年には21%増加したものの2010年は変化がなかった235。発展中のヨーロッパ市場、すなわちチェコ、デンマーク、ポーランド、ポルトガル、スイス、英国の市場の成長も、大規模市場の減少を埋め合わせることにはならなかった。2010年のEUでの新規設置総量は2.6GWth となり、2009年に比べて10%の減少、2008年市場に比べると約19%の減少であり、既存設備容量は25.1GWhとなった236。

ドイツの新規設置量は引き続きヨーロッパで最大であり、EU全体の約3分の1を占めているが、新規設置が2年連続で減少した(2009年に比べて26%の減少)。その主要な原因は国内の払い戻しプログラムが一時的に停止・再構成されていることであり、また天然ガス市場の価格が低下していることも影

ギリシャ 0.4 %

イタリア 0.9 %

オーストラリア 1.0 %インド 1.1 %トルコ 1.8 %

ドイツ 3.1 %

中国 80.3 %

その他 8.2 %

各0.5 %

各0.7 %

イスラエル、フランス

オーストリア、スペイン、ブラジル

図9. 太陽熱温水/暖房設備の新規設備容量 上位12カ国/地域(2009年)

出典:Weiss and Mauther, 2011

─ 27 ─

響している237。ドイツは年末までに既存設備容量9.8GWthに加えて0.8GWthを新規導入した238。温水・暖房システムの割合は国内市場の約3分の2まで増加した239。オーストリア(3.2GWth)、ギリシャ

(2.9GWth)は全設備容量では引き続き2位と3位に位置している240。

ブラジルは2010年に約0.6GWthを新規に設置した241。ブラジル市場は近年急激に伸びており、その大部分の設備は南東の州で導入されている242。ラテンアメリカの他の地域ではチリやウルグアイのように非常に小規模であるが成長している市場がある243。

中国以外では、日本とインドがアジアでの最大市場である。2010年から2011年の間、インドは0.35GWth

(50万㎡)の太陽熱利用容量を増やし、2011年1月末には全体で約2.8GWth(397万㎡)となった244。

米国市場(非ガラス管式の温水プールでの利用を除く)は依然として比較的小規模ではあるが前進している。カリフォルニアは先行していたハワイを追い抜いたと見られ、さらにフロリダとアリゾナが続いている245。2010年には国全体で約3万5500のシステム(約0.2GWth)が導入されて5%の市場成長を示しており、全設備容量を2.3GWth近くまで押し上げた246。2009年に比べて成長率が低かったのは経済危機のためと競合する家庭用暖房燃料の価格下落のためであり、これによって太陽熱利用システムの投資回収期間が長くなってしまっている247。

アフリカではエジプト、エチオピア、ケニア、モロッ

コ、ナミビア、南アフリカ、チュニジア、ジンバブエその他の国々に市場が拡大している248。たとえばエジプトは2010年末までに1GWth(70万㎡)の太陽熱システムを導入しており、モロッコの集熱器容量は総計で約0.2GWth(28万㎡)となった249。

キプロスは全体では18位であるが、一人当たりを基準にすると2009年末も引き続き世界の太陽熱利用におけるリーダーであり、住民1000人当たりの容量は554kWthであった。これに続くのがイスラエル(391kWth)である250。オーストリアは2009年に住民1000人当たりの容量が315kWthであり、引き続きヨーロッパ大陸の牽引役である。これに続くのがギリシャ(266kWth)とドイツ(102kWth)である251。

太陽熱による暖房と冷房も同様に、とくにヨーロッパにおいて前進している。最も進んだ太陽熱市場はオーストリア、ドイツ、スペインであり、ここではあらゆる規模の住宅やホテル向けの温水および暖房設備、地域暖房や空調管理、冷房のための大規模施設が導入されている252。太陽熱が導入されている約115の地域暖房ネットワークと11の太陽熱冷房システムが2009年末ヨーロッパで操業されている253。

カナダとサウジアラビアもまた大規模なシステムを導入した。2011年初頭、4万人の大学生に温水と暖房を供給するためにリヤドで稼動した0.03GWthのシステムは、デンマークのマースタル(Marstal)における施設を追い越し、世界最大のものとなった254。世界最大となると予想される太陽熱冷房施設

トルコ

ドイツ

インド、米国、オーストラリア、イタリア

日本、ギリシャ、イスラエル、ブラジル、オーストリア

5 %

5 %

各 1 %

各 2 %

中国

その他

64 %

12 %

図10. 太陽熱温水/暖房設備の既存設備容量 上位12カ国/地域(2009年)

出典:Weiss and Mauther, 2011

existing capacity

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は2011年初頭にシンガポールで建設中であった(3900㎡または0.003GWth)255。

太陽熱利用および蒸気利用もまた様々な産業プロセスで利用が可能であるが、太陽熱技術のなかで最も発展が遅れたものである。多くの産業プロセス用の太陽熱利用設備が2009年と2010年に稼動したが、世界的にはわずかに100のプロジェクトが進行中であるにすぎない256。一般に屋根に取り付けられている比較的小規模なシステムで用いられる典型的な平板型集熱器や真空管式集熱器によって100℃以下の熱が供給されうる257。より高温の熱を供給するにはパラボラトラフ式か線状のフレネル型集熱器とCSPに適する程度の良好な日射が必要であるが、一般的にはよく屋根に取り付けられ低温で作動できる小規模システムを用いる258。2011年初頭までには最大規模の太陽熱によるプロセス加熱設備が中国の杭州で操業を始めるといわれていた。その他の施設も中国で稼動しており、南アフリカやその他の国にシステムを導入する計画が進行中である259。

地熱直接利用地熱エネルギーの直接利用は、2010年も伸び続けており、その容量は年末には約51GWthに達した260。過去10年で地熱からの熱供給は毎年平均約9%(ヒートポンプを除くと4%)増加しており、約439ペタジュール(PJ)に達した261。この増加分の多くは地中熱ヒートポンプに関わるものであるが、これは過去10年で毎年平均25%成長した262。

2010年に地中熱ヒートポンプは35.5GWthで、世界中の地熱直接利用容量の70%を占め、直接熱利用の約50%となった(214.8PJ)263*。地熱直接利用は、風呂やプールへの利用が約25%、暖房への利用(主に地域暖房)が14%以上、残りは温室、工業目的、養殖池の温度調節、農作物の乾燥、融雪、冷房その他の目的に利用されている264。

地熱エネルギーを直接利用する国は2000年には58カ国、2005年には72カ国であったが、2010年には少なくとも78カ国に増加した265。設置容量では米国が12.6GWth超 で 世 界 最 大 で あ り、 次 に 中 国

(9GWth)、 ス ウ ェ ー デ ン(4.5GWth)、 ド イ ツ(2.5GWth、ヒートポンプが2.2GWth、地域や建物暖 房 の た め の 深 層 地 熱 利 用 が0.1GWth)、 日 本

(2.1GWth)が続く266。この5カ国で2010年の全世界容量の64%を占める267。中国は実際の年間エネルギ ー 供 給 量21TWhで 最 大 で あ り、 こ れ に 米 国

(15.7TWh)、スウェーデン(12.6TWh)、トルコ(10.2TWh)、 日 本(7.1TWh)、 ア イ ス ラ ン ド(6.8TWh)が続く268。一人当たりの平均年間エネルギー利用量を考慮すると、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、ニュージーランド、デンマークが上位となる269。2010年のアイスランドの暖房需要の約90%が地熱から供給されている270。

設置されたヒートポンプの容量は2005年以降2倍以上になっており、導入している国も2005年の33カ国から2010年には43カ国へと増えている271。2010年には約290万の地中熱ヒートポンプが世界中で稼動

* ヒートポンプは設備利用率が相対的に低いため、熱利用の割合はヒートポンプ容量が占める割合よりも小さい。これはヒートポンプが一般的に他の用途よりも稼働時間が少ないためである。ヒートポンプの割合が上がれば、地中熱利用の単位当たりの出力は下がる。熱利用は成績係数 3.5 で推計されている。

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

10億リットル

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

エタノールバイオディーゼル

図11 エタノールおよびバイオディーゼルの生産量(2000年~2010年)

出典:F.O.Licht

19171611

6.63.72.41.91.41.00.8

7366

50

3931

292421

1917

86

─ 29 ─

しており、最も設置数が多いのは米国、ついで中国、ヨーロッパである272。英国、韓国、アイルランド、スペイン、オランダでは2005年から2010年の間に直接利用による地熱の設置容量は大幅に伸びており、新規に設置された機器のすべてがヒートポンプである273。

CHPへの地熱エネルギーの利用も同様に増えている。2010年後半には130MWthの熱利用施設がアイスランドのレイキャビク付近のヘットリスヘイディ(Hellisheiði)発電所で稼動を始めた(最終的には300MWの発電能力と400MWの熱生産能力で世界最大級のものになる見込みである)274。2011年初頭に建設中のその他の地熱CHP施設には、イングランドのコーンウォールにある初の商業地熱施設や、ドイツのババリアにある10MWの施設があり、後者は電力と地域暖房を供給する予定である275。

輸送用燃料の市場輸送分野において、自然エネルギーは電力および水素、バイオガス、液体バイオ燃料の形で利用されている。

電気は電車や地下鉄に使われており、現時点では数は少ないが乗用車タイプの電気自動車や電動自転車における利用も進んでいる。自然エネルギーに関するEU指令によって輸送燃料の自然エネルギー目標が10%と定められており、これによってさらなる自然エネルギー利用が促進されるであろう。電気自動車や自然エネルギーが電力に占める割合が増加するにつれて、輸送燃料分野における自然エネルギーの役割もより重要なものとなる。さらに、電気自動車の増加によって需給調整が促進され、様々な自然エネルギーの市場進出が可能となる(系統統合に関する補足7を参照)。しかし、輸送分野の電力における自然エネルギー利用については、その規模が小さくデータが不足しているために、本節には含まれていない。水素も同様の理由から本報告書には含んでいない。

電車、バス、その他の車両におけるバイオガス利用は、限定的であるが伸びている276。オーストリア、フランス、ドイツ、スウェーデン、スイスではバイオメタンが主にバスや商用車に使われている277。

2010年にスウェーデンでは輸送燃料分野の5.7%をバイオ燃料が占めており、バイオ燃料のうち11%

(エネルギー換算)がバイオガスによるものであった278。

液体バイオ燃料は少量であるが拡大傾向にあり、2010年には世界の道路輸送燃料の約2.7%を占め、世界の燃料利用に貢献している279。いくつかの国や地域でのシェアはより高く、たとえば米国では4%、EUでは3%、とくにブラジルでは2010年の普通乗用車燃料の41.5%*がサトウキビ由来のエタノールでまかなわれた280。米国は世界最大のバイオ燃料生産国であり、第二位がブラジル、第3位がEUと続く281※。バイオディーゼルは継続的に生産が増加しているものの、2010年の増加率は低下した。一方で、エタノール生産量は勢いづいた(図11を参照)282。

本節では主にトウモロコシやサトウキビから精製されるエタノールおよび植物由来のバージンオイルや廃油、動物性油、魚油、藻類(現状では商業用としては生産されていない)から精製されるバイオディーゼルを含むバイオ燃料に着目する。世界のエタノール生産量の半分以上を占めるトウモロコシ由来のものは米国を中心に、3分の1を占めるサトウキビ由来のものはブラジルを中心に生産されている†。バイオ燃料利用の大半は道路輸送分野においてであるが、海上輸送分野においては限定的に、また、航空輸送分野においても潜在的な燃料として関心が高まっている(現状では試験的段階)283。

エタノール2010年に世界のエタノール燃料の生産量は前年比17%増の約860億リットルに達した284(図11と表R6 を参照)。米国とブラジルが2010年の世界のエタノール生産の88%を占め、とくに米国は57%を占めた285。

世界のエタノール生産量増加に最も貢献したのは米国で、2010年には前年から84億リットル増加し、合計で490億リットルが生産された286。米国では、エタノール混合のガソリンは全体の90%を優に超えた287。世界の穀物供給量の約3%がエタノール生産に使われ、3250万トンの飼料が副産物として生産

* これらはエネルギーベースの値である。体積当たりでは、エタノールはブラジルの普通乗用車用燃料の 48%に相当する。※ バイオ燃料の生産と資源量との間には相違があることに注意。バイオ燃料を大量に製造していても、資源を他国から輸入している国もある。† ライフサイクルでの温室効果ガス排出量を含むバイオ燃料の環境的、社会的、その他のコストは、予防手段が無ければ重大な問題となりうるし、資源、土地利用の変更、精製過程を含む複数の要因により異なってくる。一般的に、トウモロコシから作られるエタノールはバガスから作られるものよりも環境影響が大きい。バイオ燃料生産と利用の持続可能性を高める取組みの詳細については、本報告書 2010 年版の補足 7 を参照。

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された288。米国は数年間、エタノール燃料の純輸入国であったが、2010年に純輸出国となり、過去最大の13億リットルのエタノール燃料を、主にカナダ、ジャマイカ、オランダ、アラブ首長国連邦、ブラジルに輸出した289。

長い間世界最大の輸出国であったブラジルは、とくにEU市場でのシェアを失い、国際市場のシェアでは米国に追い抜かれた290。

悪天候によって世界のサトウキビ生産は抑制され、価格が高騰した291。結果的に国際市場では、米国産のトウモロコシ由来エタノールが相対的に安価となった(ただしブラジル産エタノールと異なり、補助金を受けていた)292。しかし、ブラジルのエタノール生産は前年比7%以上増加して280億リットルとなり、世界全体のおよそ3分の1を占めた293。

中国は引き続きアジア最大のエタノール生産国で、20億リットルを生産し、タイ、インドが次に続く。インドの年間生産量は前年の2倍を超える4億リットルであった294。EUで最も生産が拡大した英国では、前年比325%増の3億2000万リットルが生産された295。2010年も引き続き、フランスとドイツが欧州の最大生産国であった296。カナダ、コロンビア、ポーランド、スペインも主要な生産国である297。アフリカの世界生産量のシェアはごくわずかであるが、2010年に急速な成長を遂げた298。

バイオディーゼル2010年に世界のバイオディーゼル生産量は7.5%増加しておよそ190億リットルとなり、5年間(2005年末から2010年まで)の平均成長率は38%であった。バイオディーゼルの生産はエタノールよりも分散しており、上位10カ国でも2010年の全生産量の75%をわずかに下回る程度である299。

EUは引き続き世界のバイオディーゼル生産の中心であり、100億リットルを生産し、2010年の全生産量の約53%を占めた300。EUで消費されるバイオ燃料の大半がバイオディーゼルであったが、EUのバイオディーゼルの伸びは引き続き低調で、2009年には19%であった成長率が2010年は2%であった

(2005年は成長率65%)301。

多くの国で伸びが減速しているのは、相対的に安価なEU域外(カナダ、アルゼンチン、最近はイン

ドネシアも)からの輸入品のためである。こうした傾向から、国内生産義務の引き下げによる生産工場の閉鎖、輸入品への関税率やバイオディーゼルの義務的混合比率の引き上げが行われた302。ベルギー、スロバキア、スペイン、英国などのEUのバイオディーゼル生産量は減少したが、フランスは2009年水準を保った303。

ドイツは世界最大のバイオディーゼル生産国の地位を維持し、2010年には29億リットルが生産された304。次いでブラジル、アルゼンチン、フランス、米国であった。ドイツでは税控除の縮小によって、消費量は著しく減少した。需要の減少が最も大きかったのは、純植物油およびB100(100%バイオディーゼル燃料)であった。一方、混合義務によってバイオディーゼル混合燃料の利用は増加し、生産量も増加した305。

生産量の増加が最も大きかったのはブラジル(合計23億リットル、前年比46%増)と、前年比57%増で合計21億リットルとなり、その4分の3を輸出したアルゼンチンであった306。米国ではバイオディーゼル生産量は2年連続して減少し、2010年は40%の下落であった307。世界全体の12%はアジアで生産され(2009年の10%から上昇)、これはインドネシアやタイのパーム油によるものが大きい308。

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表1. 自然エネルギー技術の現況:特徴とコスト標準的なコスト

自然エネルギー技術 主な特徴 (米セント/kWh)

発電大型水力 発電所の規模:10MW-1万8000MW 3‒5小水力 発電所の規模:1-10MW 5‒12陸上風力 タービンの規模:1.5-3.5MW; ブレード直径:60-100m 5‒9洋上風力 タービンの規模:1.5-5MW; ブレード直径:70-125m 10‒20バイオマス発電 発電所の規模:1-20MW 5‒12地熱発電 発電所の規模:1-100MW

型式:バイナリー、シングル/ダブルフラッシュ、天然蒸気

発電所の規模:50-500MW(トラフ型)、10-20MW(タワー型)型式:トラフ、タワー、ディッシュ

4‒7太陽光発電(モジュール) 効率:結晶系12-19%; 薄膜型4-13%

効率:25%‒

太陽光発電(集光型) ‒屋上式太陽光発電 最大発電能力:2-5 kW

最大発電能力:200kW-100MW

17‒34大規模太陽光発電 15‒30集光型太陽熱発電(CSP)

14‒18(トラフ型)

給湯/冷暖房バイオマス熱利用 規模:1-20MWth

規模:2-5㎡(家庭用);20-200㎡(中規模・集合住宅);0.5-2MWth(大規模・地域暖房);型式:真空管型、平板型規模:1-10MWth

1-6太陽熱温水器/暖房 2‒20(家庭用)

1‒15 (中規模)1‒8(大規模)

地熱利用型式:ヒートポンプ、冷房、直接利用、チラー 0.5‒2

バイオ燃料エタノール 原料:サトウキビ、砂糖大根、トウモロコシ、

キャッサバ、サトウモロコシ、麦、(将来的にはセルロース)30‒50セント/リットル(砂糖)

60-80セント/リットル(トウモロコシ)(原油換算)

バイオディーゼル 原料:大豆、菜種、からし種子、パームヤシ、ナンヨウアブラギリ、廃植物油、動物性油脂

40-80セント/リットル(ディーゼル換算)

農村地域ミニ水力 規模:100-1000kW 5‒12マイクロ水力 規模:1-100kW 7‒30ピコ水力 規模:0.1-1kW 20‒40バイオガス発酵槽 ガス発生装置の規模:6-8㎥ データなしバイオマスガス化 規模:20-5000kW 8‒12小型風力発電 タービンの規模:3-100kW

タービンの規模:0.1-3kWシステムの規模:10-1000kW

15‒25家庭用風力発電 15‒35村落規模小型系統 25‒100ソーラーホームシステム システムの規模:20-100W 40‒60

注:データは2010年版報告書から太陽光のコスト以外は変化していない。太陽光コストはEPIA(欧州太陽光発電協会)により欧州における最近の傾向を反映させている。2011年版ではすべてのコストの更新は行っていないが、2012年版で行う。とくに、2011年に発行された多くの出版物が新しいコストのデータを紹介しており、次年度版のための専門家の推計とよく一致している。

コストは補助金や政策による奨励金を除いた経済的コストを示す。標準的なコストは最適条件下でのシステム設計、立地、原材料の入手を前提としている。最適条件下ではコストが低下し、条件が良くない場合は相当のコスト増加が起こる。自然エネルギーを利用した系統独立型のハイブリッド発電におけるコストは、システムの規模、立地、ディーゼル・バックアップ装置や蓄電設備等の有無によって大きく変動する。太陽光発電のコストは緯度、太陽ふく斜率によって変動する。バイオマス発電のコストはバイオマスの原材料により異なる。

出典は複数の資料を利用した。米国国立再生可能エネルギー研究所、世界銀行、国際エネルギー機関(IEA)、IEAの委員会等の資料を含む。多くの最新の推定値は未発表である。2011年の文献はより包括的になっているが、これまで全ての技術コストを総合的にまたは正式に紹介した単一の報告書はない。詳細データ:IPCC, 自然エネルギーと気候変動緩和に関する特別報告書, 2011年5月, http://srren.ipcc-wg3.de/, 世界銀行/ESMAPのTechnical and Economic Assessment: Off-grid, Mini-Grid and Grid Electrificiation Technologies,(ワシントンD.C. 2007);IEAのDeploying Renewables: Principles for Effective Policies(パリ:OECD、2008), 太陽光発電コストデータはGaëtan Masson, 欧州太陽光発電協会(EPIA), REN21との個別のコミュニケーション、2011年4月5日。

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自然エネルギーの新規設備(大型水力を除く)への投資総額だけを合計すると、2030億ドルとなる。この2030億ドルは大型事業のアセットファイナンス(大規模風力発電、大規模太陽光発電、バイオ燃料施設)、分散型発電(大部分は1MW以下の住宅用太陽光発電)、温水/暖房施設を含む。また全体の中で、自然エネルギー企業、大型発電、バイオ燃料プロジェクトへの新規金融投資は、2010年には17%上昇し1430億ドルであった。

地域別投資2010年の投資総額の上位国は、中国、ドイツ、アメリカ、イタリア、ブラジルであった。発展途上国の自然エネルギーの新規金融投資が初めて先進諸国を上回った。(ただし新規金融投資に含まれていない小規模プロジェクトと研究開発の分野では、まだ先進諸国がかなり上回っている。)新規金融投資 は170億 ド ル の 増 加 で720億 ド ル 以 上 と な り、OECD諸国では40億ドル弱の増加で705億ドルであった。中国への投資額は490億ドル(2009年に比べ28%増)で、これは2010年の自然エネルギーへの投資額のうち発展途上国の3分の2以上、世界の3分の1以上であり、中国は2年連続で世界トップとなった。アメリカは約250億ドルで新規金融投資では第2位であり、2009年に比べ58%増加した。ドイツは2010年には67億ドルの新規金融投資があったが、小額にとどまったのは、屋上式太陽光発電を中心とした小規模プロジェクトに343億ドルが流入したからである。

新規金融投資の総額は発展途上国で高くなっているが、成長率は多くの先進国がいくつかの主要な発展途上国を上回った。たとえば、投資額の増加はベルギーでは40%、カナダは47%、イタリアは248%、アメリカは58%であるのに対し、インドでは25%、ブラジルでは-5%であった。イタリアは有利な固定価格買取制度を背景として太陽光発電におけるアセットファイナンスが急増したので、世界の自然エネルギーの投資額で世界第9位から第3位になった。

発展途上国での投資の増加は、アメリカと同様に

金融投資と小規模投資を含め、世界全体の自然エネルギーへの投資は2010年には記録的規模の2110億ドルに達した。中国は約500億ドルを呼び込み、2年連続で市場をけん引した。

2010年の自然エネルギーへの投資総額は約2110億ドルであり*、2009年の1600億ドルから増加している※。これは、報告されているアセットファイナンス、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ投資、一般市場での株式購入、企業と政府の研究開発を含む。(図12参照)太陽熱温水器に投資された未公開の150億ドル(推計)を含めると、投資総額は2260億ドルとなる。さらにこれとは別に大型水力には400億~ 450億ドルが投資された。

250

200

150

100

50

0

10億米ドル

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

図12.世界の自然エネルギー(大型水力を除く)への   投資額(2004年~2010年)

211

160

103.5

62.8

2240.9

130

*この章は本報告書の姉妹版である UNEP(国連環境計画)「自然エネルギー投資の潮流 2011(パリ、2011)」をもとにしている。数値は特に記載がないかぎり、ブルームバーグニューエナジーファイナンス(BNEF)のデータベースによる。下記の自然エネルギープロジェクトが含まれる。すべてのバイオマス、地熱、1MW 以上の風力発電プロジェクト、0.5MWから 50MW までのすべての水力発電、0.3MW 以上のすべての太陽光発電プロジェクト、すべての海洋エネルギープロジェクト、100 万リットル以上の年間生産能力を持つすべてのバイオ燃料プロジェクト。BNEF は 500kW 以上の設備容量の太陽光発電を事業用として定義している。詳細については、UNEP の報告書を参照。本報告書でのすべてのドルおよびセント表示は記載がない限りは米国ドルである。※ 2010 年版自然エネルギー世界白書で記載した 1500 億ドルから上方修正した。

 第 2章 投資フロー

410300

70

ドイツ米国

億ドル億ドル

500中国

億ドル

ブラジル

億ドル

億ドル

イタリア

140

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風力発電を中心としたアセットファイナンスの増加によるものである。風力発電向けのアセットファイナンスが世界で230億ドル増加し、900億ドルになっている。

中国が首位となったのは、主に2010年の風力発電の増加によるものであった。中国は、2008年の金融危機の真っただ中に460億ドルの“緑の刺激”策を発表し、この政策の恩恵を受け続けた。詳細についてはデータが不明確であるものの、2010年末までには、政策資金の70%が費やされた。中国はまた一般市場でも主要な地位を占めており、自然エネルギーへの新規投資に59億ドルを一般市場で得た。(総額490億ドル)。

インドは自然エネルギーの投資で世界第8位であった。投資額は25%上昇の38億ドルとなった。その大半は風力発電プロジェクト(23億ドル)であり、続いて太陽光とバイオマス発電(廃棄物発電も含む)がそれぞれ4億ドルとなっている*。

ブラジルでは、新規投資は70億ドルと5%減少した。やや低いと思われる実績は、バイオ燃料部門の統合に重点が置かれたためであり、ほとんどの資金は新規投資とみなされない吸収合併に投入された。

ブラジルを除くラテンアメリカは発展途上国地域での自然エネルギーへの投資の絶対額で最大の増加を見せた。ラテンアメリカの中で最大の増加はメキシコの348%増であった。この成長は、2012年までに自然エネルギーの目標値を3.3%から7.6%まで高めるという2009年の政府の発表の後に、大型風力発電と地熱発電のプロジェクトへの資金調達に成功した結果であった。アルゼンチンの投資は7.4億ドルと568%の増加、ペルーは4.8億ドルと倍増、チリは9.6億ドルと21%の増加だった。

アフリカは中国、インド、ブラジルを除いた発展途上国地域の自然エネルギーへの投資で最大の増加割合を示した。投資総額は、主にエジプトとケニアの好況によって、7.5億ドルから36億ドルと増加した。

タイプ別投資大型事業の新規自然エネルギープロジェクト(大規模風力発電、大規模太陽光発電、バイオ燃料や

太陽熱利用)へのアセットファイナンスは最大の投資対象であり、2010年には1280億ドルという記録を達成し、全体のほぼ60%となった。これは2008年比6%減少であった2009年と比べ、20%の増加を示している。

2010年の大型事業のアセットファイナンスの再成長は主にアジア、オセアニア地域によるものであり、同年の新規アセットファイナンス総額の約44%を占めている。とくに中国は2010年にはアセットファイナンスは国別では最大の438億ドルに至り、クリーンエネルギーの新設で首位に立った。アメリカのアセットファイナンスは、中国の半分以下の196億ドルで、第2位であった。中国とアメリカで2010年の新規アセットファイナンスの半分以上を占めている。

ドイツ、イタリア、スペインが主導する欧州では数カ国が上位15位に入った。ブラジル、カナダ、インド、メキシコも上位15カ国に入っている。3位から15位の国のアセットファイナンスは、14億ドル(ポーランド)から69億ドル(ブラジル)となっている。

風力発電は2009年比33%増の900億ドルの投資で、大型事業のアセットファイナンス部門の大半(70%)を占めた。大規模太陽光発電は2010年に190億ドルとなり、大型事業のアセットファイナンスの中で2番目に大きい部門であった。太陽光パネルの急激な価格低下により依然として2008年の230億ドルという記録を下回っているものの、2009年の調達資金より5%増加した。

地熱発電もまた2010年には2009年と比べてアセットファイナンスの増加が見られた。2010年のバイオマス(廃棄物発電も含む)、バイオ燃料、小水力、海洋エネルギー発電のための資金調達は、前年と比べて低調であった。2010年のバイオマス(廃棄物発電も含む)のためのアセットファイナンスは、10%減の102億ドルであった。バイオマス部門は原料供給の課題と今後の原料価格の不確実性に悩まされ続けた。

バイオ燃料部門のアセットファイナンスは19%減の47億ドルであった。これは2007年に調達したアセットファイナンス200億ドルの4分の1であり、2008年

(160億ドル)の3分の1以下であった。2010年の減*この章では、廃棄物由来のエネルギーとはすべての廃棄物発電を含むが、廃棄物由来のガスは含まない。

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少傾向は原油価格の低下と原料供給の不確実性によってもたらされた。

小規模水力発電のための資金調達は、金融危機後の低迷状態、ヨーロッパの制度規制、および発電量に影響を及ぼす降雨の変動リスクへの懸念により、43%減の20億ドルとなった。

海洋エネルギーはいまだ開発の初期段階にあり、アセットファイナンスはわずか4000万ドルであった。しかし、意欲的な計画としてイギリスやポルトガルなどの洋上での数メガワット規模のプロジェクトが2010年度に浮上した。

2010年の投資活動の他の分野も同様に注目に値するものだった。ベンチャーキャピタルや自然エネルギー企業におけるプライベートエクイティ投資は、第3四半期の大幅な低下にもかかわらず、2009年に比べ19%増と55億ドルであった。この増加はすべてベンチャーキャピタル(初期および後期両方の段階)からで、プライベートエクイティの拡張資本は2009年と同様の傾向にあり、減少を続けた。初期段階のベンチャーキャピタルの投資は41%増の9.3億ドルで、後期段階は71%増の15億ドルであった。初期段階のベンチャーキャピタルは2008年のピーク時よりも38%下回っていたが、後期段階は2008年よりほぼ9%上回り、過去最高であった。

一方、プライベートエクイティ投資の拡張資本は、2009年の減少に続いて、2000万ドル減少して31億ドルとなり、2008年のピーク時の半分以下の値となった。2010年のプライベートエクイティは、資金調達、評価、売却に関する課題に直面し続けた。ベンチャーキャピタルとプライベートエクイティ投資では、トップ地域は北米であった。技術投資はほとんどが太陽光発電に投入された。

2010年の一般市場における自然エネルギーへの投資は前年比23%増の154億ドルであった。2010年の自然エネルギーに関する研究開発は90億ドルへ増加しており、その多くが太陽光発電(36億ドル)、ついでバイオ燃料(23億ドル)に投入されている。政府

(50億ドルで2009年の20億ドルから増加)は初めて民間(30億ドルで2009年の40億ドルから減少)より

も自然エネルギーの研究開発に多くの資金を投入した。これは“緑の刺激”策の資金が2010年も引き続き費やされたためである。とくにアジア(中国とインドを除く)とオセアニアでは、オーストラリア、日本、韓国の景気刺激策によって自然エネルギーへの政府の研究開発投資が27倍に増加した。

2010年には、600億ドルが小規模分散型発電プロジェクトに投資されており、これは自然エネルギーへの投資総額の25%以上を占める。この小規模投資は主に太陽光発電に対して行われ、有利な支援プログラム、太陽電池モジュール価格の下落、そして消費者に販売を行う設置事業者の成長に支えられた。ブルームバーグ・ニュー・エネルギー・ファイナンス(BNEF)は、小規模な太陽光発電への投資の86%が固定価格買取制度を導入している国で行われたと推計している。世界最大の太陽光発電市場を維持しているドイツは、世界の57%の投資シェアで首位を占めている。事業規模と小規模太陽光発電を合わせた2010年の太陽光発電の投資総額は、主にヨーロッパでの分散型発電プロジェクトにより790億ドルに増加した。

世界的に太陽熱温水器への投資額に関しては、信頼できる統計数値はないが*、その設置数から、投資額は150億ドル前後と推計することができる。

開発銀行と国立銀行の金融世界経済が問題を抱えている昨今、多国間および二国間の国有開発銀行は自然エネルギー投資の柱となっている。2010年には、政府の景気刺激策よりも開発銀行からより多くの公的資金が自然エネルギー部門に投入された。

BNEFがまとめたデータによれば、世界中にある13の開発銀行は自然エネルギーへの資金として2010年には135億ドルを提供し、2007年の45億ドル、2008年の110億ドル、2009年の89億ドルから増加している※。この資金のほぼすべてが融資という形だったが、少数のエクイティファイナンス取引きもあり、とくに東欧では、欧州復興開発銀行(EBRD)によって行なわれた。

2010年の自然エネルギープロジェクトの資金調達

*太陽熱温水器は小規模自然エネルギープロジェクトへの投資に関する BNEF の総合データに含まれていない。※これらのデータはBNEFの取引記録と年間レポートの特定取引の情報公開、関係機関との情報交換に基づいている。BNEFの修正手法により、データは開発銀行のプロジェクトファイナンスローンとエクイティだけを網羅している。同一プロジェクトへの商業的貸手からのローン、その他の投資家によるエクイティ、開発銀行の自然エネルギー企業への投資は除外されている。開発銀行は数字に含まれていない大規模水力発電に対して大きく寄与している。

─ 35 ─

の面で上位3つの開発銀行は、欧州投資銀行(54億ドル)、ブラジルのBNDES(31億ドル)、ドイツのKfW(15億ドル)であった。欧州投資銀行(EIB)の出資は、2007年から2010年の間でほぼ5倍に増加した。2010年のBNDESの活動は2007年の2倍の水準に達したが、出資のピークはブラジルでエタノール投資ブームが最高潮に達した2008年の62億ドルであった。KfWのプロジェクトファイナンスは、2007年から2010年の間で同様に倍増した。

アジア開発銀行(ADB)は、2010年に自然エネルギープロジェクトへ8億1900万ドル投資した。世界銀行グループは、自然エネルギープロジェクトの直接融資として7億4800万ドルを投じ、その3分の2以上は、国際復興開発銀行(IBRD)と国際開発協会

(IDA)からの借入金であった。約3分の1は国際金融公社(IFC)からであり、この多くはエネルギー効率化プロジェクト(本報告書では扱わない)に

投資された。

一点不明瞭なのは中国国家開発銀行(CDB)であり、2010年に中国のクリーンエネルギー製造業者への融資限度を約360億ドルにすると発表したが、確認されているところではCDBの自然エネルギー事業への融資額は6億ドル程度である。おそらく、銀行の実際の出資は、この報告書発行時点で明らかにされているよりもはるかに高額であるということであろう。

BNEFの分析に含まれていないが、地球環境ファシリティ(GEF)は、GEFの直接出資総額4040万ドルとともに、2010年に25の自然エネルギープロジェクトのために資金を調達する旨、承認した。すべてこれらの事業への全出資者からの協調融資は、3億8210万ドルであった。

補足2.2011年始めの投資トレンド

2010年の年末に、多くの大規模な投資取引が駆け込みで完了した(魅力的な補助金を期限切れ直前に“捕まえる”ことも理由であった)ことから考えると、2011年第1四半期における活動が比較的低調であったことは驚くべきことではない。自然エネルギーにおける新規金融投資は、2010年第1四半期の320億ドル、2010年第4四半期の440億ドルを下回り、310億ドルであった。

アセットファイナンスにおいて、絶対額の面で最大の減少はアメリカの風力発電とヨーロッパの太陽光発電であった。2011年1-3月の最大のハイライトは、2010年の同時期に比べて25%上昇した中国の風力発電と、前年から倍増したブラジルの風力発電であった。

進行中の主要な風力発電プロジェクトは、ブラジルにおけるIMPSAの211MWのセアラ州風力オークションのポートフォリオと195MWのレノババイアポートフォリオ、中国において200MWの河北省御道口村の風力発電が含まれている。ヨーロッパでは、ドイツ沖のダンティスクプロジェク

ト、デンマークのスカゲラクの4つのプロジェクト、オランダのランスタッドのプロジェクトなどの大規模な洋上風力発電の発表はいくつかあった。

一般市場の投資では、中国のSinovel Windによる14億ドルの株の売却と中国の太陽光メーカー山東金精科学技術による2億2000万ドルの提供などの取引きがあった。ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ投資においては、2011年第1四半期の最大取引はアメリカのバイオマスや廃棄物発電を専門とするプラズマエナジーへの1億4300万ドルの拡張資本であった。

2011年3月、日本においては悲劇的な一連の出来事が起こり、自然エネルギーを含むエネルギーに潜在的な広範囲の影響をもたらした。東日本の地震と津波、そして福島第一原発の原子炉の危機は、日本およびドイツなど他の国に原子力発電の未来に対する疑問を投げかけた。当初は、自然エネルギー企業の株価高騰という結果をもたらした。しかし、自然エネルギーによる発電よりもむしろ、天然ガスによる火力発電の方が短期的には原子力問題の主要な受益者になるかもしれない。

─ 36 ─

多くの国で政策状況は流動的であるが、製造、販売、導入部門で力強い成長が続いており、統合化と国際化も起きている

2010年はほとんどの自然エネルギー技術において、自然エネルギー産業は装置の生産、販売、設置で成長を続けた。とくに太陽電池のコストが減少したことで、太陽電池生産は大幅に増加した。風力タービンやバイオ燃料生産技術のコスト低下もまた、成長に寄与した。

同時にバイオマスやバイオ燃料産業で統合が続いており、従来のエネルギー企業は自然エネルギー分野への移行をより進めている。2010年はサプライチェーンの垂直統合が増加した。この傾向のもとで製造会社は事業開発へと参入し続けている。

長年続いている産業の国際化傾向も継続した。世界的な風力タービンの製造会社は中国市場に注意を向け、また中国の太陽電池製造会社はヨーロッパにおいて過去最高の製品売り上げを記録した。同時に政策の展望が流動的なため、多くの国で産業の見通しが不確かになったり、(「第4章.政策の展望」を参照)否定的になったところさえある。アメリカにおけるバイオディーゼル生産や、スペインにおける太陽電池の導入がその例として挙げられる 1。

風力発電産業風力発電産業において製造量は2009年と同水準に留まったが、2010年には製造能力が大幅に増加した 2。開発事業者はここ3年で最安値を記録した天然ガス(販売数の減少につながる)との競争、事業資金の獲得、送電網への接続に立ち向かうことになった。業界の主要メーカーであるVestas、Gamesa、Hansen Transmissions、GE Windらは2010年の販売予測を下回ることとなった。成長の好機は、主に中国やその他の新興市場で現れることとなった。GE Windはブラジルにタービンを供給し、Gamesaは2012年までに中国での投資を3倍にする計画を立てている。またRepowerやSuzlonはトルコやブルガリアと契約を結んだ 3。世界の製造業者上位10社の中で、デンマークのVestasは1位の座を余裕を持って維持したが、2010年にはGE Windが中国のSinovelに2位の座を明け渡すこととなった 4(図13を参照)。

中国ではSinovel、Goldwind、Dongfang、United Powerといった企業が非常に力強い成長をみせた。その駆動力となったのは、政治的かつ法制化された支援が続いたことに加え、安い労働力と製造コストである。これらの企業で技術的な発展が続くことは海外企業との差を縮めていくことをも意味している。一例として、Sinovelは2010年に5MWタービンモデルを販売開始した 5。中国では、既存の100以上の企業からかなり少ない数へと産業を集約させることを要求した政府の草案のために、産業の統合が起こってきているようである。中国では、Longyuan、Datang、Huaneng、Huadian、CPI、Guohuaなど大部分の風力事業開発業者は国営企業である 6。

ヨーロッパでは、洋上の技術や東欧での事業開発に焦点を当てる産業活動が増加した。現在までに融資を受けている最大のタービンは、RePowerの6MWモデルであり、ベルギーで行われたC-Powerの300MW Thornton Bankプロジェクトに配置されることとなった。これは2010年に展開された9つの洋上ウインドファームのうちの1つである 7。またTranspowerの高電圧ケーブルによる送電インフラが北海で設置されており、2013年までにドイツの洋上で接続の拠点が設けられることとなっている。事業開発者は東欧でより積極的に活動しており、ウクライナでは2010年に少なくとも10事業者が新しい固定価格買取制度に向け積極的に活動している 8。

アメリカでは、14の新しいタービン製造工場が2010年に設立された 9。しかしながら、アメリカの産業は議会による投資減税措置の延長が遅れたことや、安価な天然ガスや電気料金、送電網への接続問題によって阻害されることとなった。その結果、事業者は2009年度の半数にまで落ち込んだ。ア メ リ カ の 主 要 な 風 力 事 業 者 に は、NextEra、Iberdrola Renewables、Horizon-EDPR、MidAmerican/PacifiCorp、E.ON Climate&Renewablesがある 10。

直接駆動型のタービンは世界の市場の18%を占めた。これは、Enercon(ドイツ)、Goldwind(中国)、Hara XEMC(中国)により先導された。イギリスでは2.5MW、中国では1.4MW、インドでは1.2MWのタービンが好まれるサイズであった。世界的に、タービンの平均サイズは2007年の1.4MWから1.6MWへと増加した 11。Vestasは過去最大の商業用タービ

 第3章 産業の潮流

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ンの販売を開始した。これは洋上用のV164タイプの7MWタービンで北海での市場を狙っている 12。

小規模風力産業は2010年に拡大を続けることとなった。Nordic Folkecenter によれば29カ国で106社が50kW以下の風力タービンを製造していることが確認されている13。アメリカでは、およそ95の製造業者が100kW以下のタービンを製造した。(これは2001年の60社から増加した。)そのうち半数の企業は、従来型のタービンを開発している14。中国では80の製造業者が2010年に積極的に活動していると報告されている。彼らは国内でタービンを販売し、モンゴルへの輸出も行っている15。イギリスでは小規模風力への強力なインセンティブによって設置数が65%増加し3280基となった。これらは2009年に20以上の国内製造業者、または多くの積極的な国外の製造業者によって導入された。イギリスで製造された小規模風力タービンのうちのおおよそ55%が輸出され、45%が国内で使用されている16。

バイオマス発電・熱利用産業バイオマス発電および熱産業は、林業、農業や自治体の廃棄物から得られる固体、液体、ガス状の燃料を供給し、使用するというものである。この多様な産業の多くはヨーロッパに集中しており、財政の緊縮にもかかわらず、2010年には製造、事業開発業者はゆるやかな成長を遂げた。これは再生可能エネルギーへのEU目標や各国の活動計画による後押しを反映したものである。主要なバイオマス転換装置製造業者は、主にスウェーデン、フィンランド、デンマーク、オーストリア、ポーランド、ドイツに存在している。ヨーロッパは世界最大の木質ペレット製造産業を有しており、操業中の670のペレット工場では2009年に1000万トンを製造した 17。

とくに、木質ペレット製造施設の成長がバイオマス産業において注目すべき動向を見せ続けている。2010年の重要な進展としては、ブラジルのペレット製造者Suzanoによる新しい取引がある。これは、イギリスの開発事業者MGT Powerへユーカリのペレットを供給するものである。また、Biowood Norwayは年間生産量45万トンの木質ペレット製造施設からの輸出を開始した。さらに、フィンランドとスウェーデンのベンチャー企業であるStora Ensoがエストニアで年間生産量10万トンの工場を建設するために1000万ユーロの投資を行うことが発表された。

2011年の前半までにVyborgskaya celluloseはロシアにおいて年間生産量90万トンの工場を操業開始する計画を立てている。これは世界最大の工場であり、スカンジナビアへのペレット販売を狙っている 18。アメリカでは、Point Bio Energyが2012年のヨーロッパ市場進出を目的として、ルイジアナに年間生産量40万トンのペレット工場を建設中であった 19。

バイオガスの生産もまた増加している。従来、家庭や農園、発展途上国の農業地域における地域社会のレベルで少量のバイオマスの燃料が生産されてきたが(農村地域の自然エネルギーを参照)、バイオガスは商業用の燃料として主流となってきている。これらは埋立地や都市の排水、廃水処理工場から回収されたメタンや、スラリーや穀物廃棄物、食品加工工程での廃棄物や家庭ごみ、環境にやさしい廃棄物からのエネルギー転換によるメタンである 20。

バイオガス産業は従来の廃棄物処理や管理から、計画的に栽培されたグリーンエネルギー穀物の使用を含むエネルギー生産へと、いくつかの国で移

その他 20.2%

4.1%

Siemens Wind Power(デンマーク) 5.7%

Gamesa(スペイン) 6.4%

6.5%6.7%

United Power(中国)

Dongfang(中国)Suzlon Group(インド)

14.3%

10.7%

9.3%

9.2%

7.0%

Vestas(デンマーク)

Sinovel(中国)

GE Wind(米国)

Goldwind(中国)

Enercon(ドイツ)

図13 風力タービン製造上位10社による市場占有率(2010年)

出典:BMT Consult ApS-a part of Navigant Consulting

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行した。ドイツ企業は製造業、事業開発において先導的な立場であった。バイオガスにおける固定価格買取制度がその駆動力となった。2010年末までに、ドイツにはおおよそ6800のバイオガス生産工場が存在していた 21。主要なバイオガス製造企業には、Axpo Kompogas(スイス)、Organic Waste Systems(ベルギー)、Strabag Umweltanlagen(オース ト リ ア )、Agroferm Group、MIT-Energie、Biotechnische Abfallvertungen、Biogas Nord、Weltec BioPower、Envitec Biogas、Schmack Biogas(すべてドイツ企業)などがある 22。

家 庭 用 や 小 規 模 の ビ ジ ネ ス 用( 発 電 能 力4.5-1000kW)バイオマスボイラーの主要な生産者はFroeling(オーストリア)、HDG Bavaria(ドイツ)、ETA Heizteknik(オーストリア)、KWB(オーストリア)である。産業用、または自治体規模の工場やボイラー(発電能力250kWから45MW)は、たとえば、Compte-R(フランス)、Weiss France(フランス)、MW Power Oy(フィンランド)、Foster Wheeler AG(スイス)、Babcock&Wilcox(アメリカ)によって製造された。E.ON、DalkiaやGDF Suezといった多くの電力会社も、2010年にはバイオマス発電プラントへの投資を拡大させ続けた。

太陽電池産業太陽電池産業にとって2010年は、世界のセルとモジュールの生産が2009年の2倍以上となった驚くべき年であった。2010年には推計23.9GWのセルと20GWのモジュールが生産された。2009年に見られた太陽電池コストの大幅な下落は2010年も続いた。いくつかの情報源によると2009年における38%の下落に続き、2010年にはさらに14%下落した。その結果、最大発電能力1W当たり1.30ドルから1.80ドルの範囲に収まっている 23。価格の下落は多結晶シリコンやウェハーの十分な量の供給によってなされたといえる。これらは中国やその他の国での製造能力の急速な拡大によってもたらされたものである。2010年の6月から12月にかけて、前半3か月の間に製造業者すべてが売り切れとなってしまったので、2010年の後半にセルやモジュールの供給が引き締められることになった 24。

結晶シリコン太陽電池の生産は市場で優勢であったが、薄膜太陽電池の市場占有率は13%へ減少した。薄膜太陽電池の生産は2010年に63%の増加を記録し3.2GWとなった。薄膜太陽電池製造は、これまで市場をけん引してきたFirst Solarを凌ぐ勢いで多くの企業で広がりを見せている 25。太陽電池製造業者のトップ15社で世界の生産量23.9GWの55%を占めた 26(図14参照)。セルの製造においては、アジアへの移行が目立ってきており、2010年までにトップ15の製造業者のうち10社がアジアへ進出した 27。中国本土と台湾の企業だけで2010年の世界の生産量の59%を占め、2009年の50%から増加した。また、2010年にはヨーロッパの市場占有率が13%に減少し、日本の占有率は9%に減少した。北アメリカの占有率は5%であったが、薄膜太陽電池の生産においては不釣り合いなほどの大きなシェアを占めた。北アメリカの生産量のほぼ半分が薄膜太陽電池で

Hanwha-SolarOne(中国)Neo Solar(中国) 2%Canadian Solar(中国)

2%

2%Sunpower(米国) 2%REC(ノルウェー) 2%

Gintech(台湾) 3%シャープ(日本) 3%Motech(台湾) 3%京セラ(日本) 3%

その他 45%

7%Suntech Power(中国)

JA Solar(中国) 6%

First Solar(米国) 6%

Yingli Green Energy(中国) 5%Trina Solar(中国) 5%Q-Cells(ドイツ) 4%

図14 太陽電池製造上位15社による市場占有率(2010年)

出典:PV News

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補足3.持続可能性への注目:レアアース(希土類)鉱物と太陽電池リサイクル

自然エネルギー市場や産業が拡大を続けるほど、それらに使用される素材の量も増大する。アメリカのエネルギー省は、クリーンエネルギー技術(太陽電池セル、風力タービン、電気自動車、蛍光灯)が、現在ではレアアース元素、インジウム、ガリウム、テルル、コバルト、リチウムなどの重要な元素 1を含む「重要資源」の世界消費量のおよそ20%を占めていると推計している。

需要の増加がこれらの物質のサプライチェーンにおける不安定さを露呈させている。これらの物質は、永久磁石や太陽電池の薄膜、風力タービンや電気自動車に使用されるバッテリーにとって必要不可欠なものである。中国は世界のレアアースのうち概算で36%を埋蔵しており、現在、世界の供給量のうち97%を生産している。ここ2、3年での10%から15%のレアアース需要の年間成長率を満たせなくなると予想されている。

中国はさらに、以前は管理が不十分だったレアアース産業においてより厳格な管理を実行し始めた。その結果、世界のレアアース供給における不安定さを悪化させている。環境への影響と過剰な拡大への懸念を挙げて中国政府は2010年の初めには72%のレアアース輸出削減をし、2011年の前半にはさらに11%の追加的削減を行う。2010年後半には、レアアースの抽出工程をさらに削減することになる可能性のある厳しい汚染防止の規定が導入された。

結果として、2010年には様々なレアアース元素が300%から700%も値上がりした。政策立案者はレアアースのリスクを安定させるための多様な手法を用いて対応した。日本のように国境を越えたレアアースの採掘を拡大するための積極的な支援を行ったり、戦略的鉱物の備蓄に投資したりする国も存在する。また、自国の埋蔵分を開発している国も存在している。カナダだけでも26社が採掘に関与しており、オーストラリア、アメリカ、カナダ、南アフリカ、カザフスタンでレアアース鉱山が間もなく操業開始される予定である。

アメリカ政府はレアアース元素の研究開発とレアアースを用いた磁石の代用品のために、1500万ドルを割り当てた。これらの取り組みにEU、韓国、日本、民間企業も影響され、多くの企業がネオジム磁石のようなレア

アースを用いた磁石にとって代わるフェライト磁石を開発している。加えて、アメリカ政府はレアアース元素を使わないバッテリーの開発に3500万ドルを投資しており、同様の取り組みが日本やEU、韓国で進行中である。公的機関、民間の両方が、ナノテクノロジーの長期研究プログラムで、永久磁石のレアアース含有率を減らすためのナノレベルでの複合物を研究している。

製品のライフサイクルのもう一方の側面から言えば、生産、使用、廃棄という過程が日々 増大しており、環境と素材に関する問題がひときわ目立つようになってきた。とくに太陽電池分野では、素材とエネルギーの流れ、環境への影響と使用済み部品からの再利用という問題が中心となってきている。2005年から2010年の間に世界で設置された太陽電池の容量は7倍に増えたが、これらの取り組みには非常に綿密な調査がなされ、効果的な製造工程、新製品、工程用水やその他資源のリサイクル、自然エネルギー製造のためのオンサイト発電におけるイノベーションを促すこととなった。

製品利用の最終段階として、ソーラーパネルのリサイクルがますます重要性を増している。現在までに使用を終えた太陽電池モジュールの量は小さいため、大規模なリサイクルの操業を完全には支援できないが、およそ13万トンの使用済み太陽電池パネルが2030年までにヨーロッパで処理される状態となると予測されている。

これに先立って、太陽電池産業では、非営利団体であるシリコンバレー有害物質問題連合によって発起された“ソーラースコアカード”のような先進的な取り組みを始めた。これは、多くの太陽電池産業における環境への総合的な影響を位置づけするものである。ヨーロッパでは、使用済み太陽電池パネルのリサイクルのための倉庫や収集所のネットワークはPV Cycleによって設立されている。2011年の3月までに、この機関はおよそ150トンの使用済み太陽電池モジュールの収集を行ったと記録しており、その大半は現在様々なリサイクル工程の段階にある。

出典:この章の巻末の注37参照

1“レアアース”は独特な触媒的、磁性的、光学的特性を有する17 の元素集団であり、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムがある。

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あり、世界平均の13%と比較しても大きな値であることがわかる。

中国のSuntechはすべての製造業者の中で2009年の2位から、1位へと躍進を遂げ、同じく中国のJA Solar は6位から2位へと順位を上げた。アメリカの企業であるFirst Solarは年間生産量が増加し続けたにもかかわらず、1位から3位へと後退した 28。生産能力の拡大が2010年の世界の産業界での主要な関心事であった。年末までには、おおよそ27GW分の生産設備が増設された。このうち中国が50%近くを占め、続いて台湾の15%、EUの10%、日本とアメリカは両者とも10%を下回った 29。高い成長率の一方で市場の不確実性が続くなか、多くの中国の製造業者は生産設備を導入せずに、製造工場の建設を先に行うという変則的な行動をとることとなった。

アメリカでの太陽電池の構成部品や素材の製造における成長率は、ウェハーが97%で624MWとなり、セ ル は81%で1058MW、 モ ジ ュ ー ル は62%で1205MWとなった 30。テネシーにおけるWacker Chemieの多結晶シリコン、カリフォルニアにおけるFlextronicのモジュール、ミシシッピにおけるStionのCIGS太陽電池の工場が現在建設中である。しかしながら、2010年に閉鎖となった工場もあり、メ リ ー ラ ン ド のBP工 場、 ニ ュ ー ヨ ー ク のSpectrawatt工場、マサチューセッツのEvergreen Solar工場などが挙げられる 31。

また2010年には新しい地域や新しい提携先といった、製造業における多様化が見られた年であった。たとえば、ドイツのSolarWorldはカタール政府と合弁企業を設立し、2012年に生産を開始する年間生産量3600トンの多結晶シリコン工場に5億ドルの投 資 を 行 う こ と を 発 表 し た 32。 ま た、 韓 国 のHanwha CorporationがChinese Solarfunの株式を49%取得した。さらに、韓国企業であるSamsung、LG、Hyundai、STXなどはすべてセルの生産能力を拡大した。

中 国 の 主 要 企 業 で あ るSuntechは 日 本 のMSK Corporationの株式を100%取得した。これにより中国企業として始めて、アメリカで製造業者としての地位を確立し10月にはアリゾナに30MWの製造施設を開設した 33。新しい薄膜太陽電池生産者の出現により2010年のFirst Solarの世界市場占有率は

44%に落ち込み、2006年以降で最低を記録した。日本のSolar Frontierは年間生産量1GWの世界最大の薄膜太陽電池工場を開業した 34。

多くの太陽電池製造業者は事業開発を拡大することで、2010年には垂直的な統合を進めたと言える。これは2008年に初めて注目されるようになった傾向である。日本では、直接的な販売、設置、アフターケアサービスにまで関わるようになった。いくらかの従来の電力会社は自然エネルギーへの転換を拡大することで、多様化を図った。サウジアラビアの電力会社KA-CAREは2010年に脱塩のために10MWの太陽光発電を開始すると発表し、石油会社のSaudi AramcoはSolar Frontierと1-2MWの発電施設を共同開発している 35。

インドは2022年までに全国の太陽電池設置目標を発電能力20GWとする目標をかかげており、この国家太陽光指令に反応して、2010年のインドの国内太陽電池製造産業は新しい成長を見せた。インド企業にはBharat Heavy Industries、Central Electronics、HHV Solar Technologies、Indosolar、KSK Surya Photovoltaic、Moser Baer 、Tata BP、Websol Energy Systems、XL Telecom&Energy、Jupiter Solar Power、Bhaskar Siliconなどがある。Moser Baer Indiaは2010年に、マハラシュトラにおいて、1MWの薄膜太陽電池発電設備の契約を含め、設置の新事業を先導した 36。

集光型太陽熱発電(CSP)産業2010年は集光型太陽熱発電(CSP)産業において、いくつかの注目すべき動向が見られた。事業者はスペインとアメリカの2つの先導的な市場に焦点を当て続けたが、アルジェリア、オーストラリア、エジプト、モロッコや中国といった他の市場にも注意を向け始めた。だが、依然として産業の拡大のほとんどは、ヨーロッパとアメリカで起こった。その例として、ドイツのSchottはスペインのSevilleにある施設でレシーバーチューブの生産量を倍増させた。スペインのRio Glassは近年主要な生産者となった比較的新しい企業であるが、アメリカで製造工場を建設しており、インドや中国で工場を建設する計画を立てた 38。

また、CSP市場への参入を目論む主要なエネルギー関連会社による企業買収が見られた。SiemensはSolel(イスラエル)を、ABBはNovatechを、GEは

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E-Solarを、ArivaはAusraをそれぞれ買収した。Alstromもまた、Bright Sourceと合弁企業を設立した。産業は垂直的な統合を続け、個々の会社は価値連鎖の多くの部門を所有するようになってきたが、市場が拡大し、企業は価値連鎖の中でそれぞれ特有の部門に特化することが予想される 39。

2012年以降のCSPに対してスペイン政府が新しい政策を実施するであろうという期待のもとに、溶融塩タワーやトラフの新しい設計開発が、行われている。この新しい政策は、新しい設計や技術に適用されると思われるが、現行の制限付きの固定価格買取制度は計画済み、あるいは設計済みのプロジェクトにのみ適用されているのである 40。

スペインの産業は80以上の活動的な企業によって、CSP施設の設計や操業で世界市場をけん引している 41。世界の主要な事業開発者にはAbengoa(スペイン)、Acciona(スペイン)、BrightSource(アメリカ)、Schott(ドイツ)、Siemens(ドイツ)がある 42。反射鏡の製造業者としてはSaint-Gobain(フランス)、Flabeg(ドイツ)、Rio Glass(スペイン)が挙げられる。他の注目すべきCSP関連企業にはAreva(スペイン)、eSolar(アメリカ)、Solar Millennium(ドイツ)、Solar Reserve(アメリカ)がある 43。

地熱利用・発電産業地熱発電技術には、従来の“熱水”、強化地熱システム(高温岩体、EGS)、併産、地層圧力システムがある。典型的な発電施設は50MW〜200MWであり、発見から商業利用までには5年から7年の歳月を要する。開発者のリスクは石油や鉱山事業と類似しており、採掘が行われるまで、資源量が正確に確認できない。

アメリカの産業は世界の先導的立場にあり、世界の新事業のうちおよそ3分の1を手掛け、また国内市場のすべてを取り扱っている。日本の企業である三菱重工、東芝、富士電機は、世界の地熱発電所における蒸気タービンの70%を供給した。従来の地 熱 発 電 関 連 企 業 に は、Borealis Geopower、Calpine、CalEnergy、Chevron、Enel SpA、GeoGlobal、Gradient Resources、Magma Energy Corp.、Mighty River Power、Nevada Geothermal Power、Ormat Technologies、Oski Energy、POWER Engineers、Ram Power、Terra-Gen Power、ThermaSource、U.S. Geothermalがある。EGS地熱発電のリーディング事業体としては、Al t aRo ck Ene rgy、EGS Ene rgy、Geox、Geodynamics、Potter Drillingが挙げられる 44。

水力発電産業アメリカ、EU、ロシア、カナダ、日本のような先進国市場において、水力発電産業は最も成熟した自然エネルギー産業であり、多様な自然エネルギー電力の使用割合を増加させるために、リパワリングや再認可、揚水発電の開発に重点を置いているという特徴がある。他の地域、とくに新興市場では新しい水力発電設備の建設に焦点が当てられている。

ブラジルでは2010年にPCH Brasilといった開発業者が収益率が12%〜14%を下回るために事業を延期した 45。小規模水力発電産業はEUで落ち目となった。EUでは、自然エネルギー指令と水政策枠組み指令に連動した国レベルでの実行要求が矛盾しており、その結果、遅延が生じ困難を要している 46。

水力発電産業において最も積極的なのは中国であり、多数の強力なプレーヤーに加えて、何百という小規模の事業者や自治体政府が存在している。

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インドでは小規模水力発電設備のための広大な製造拠点が存在しており、20の活動的な国内製造業者では、年間300MW分の設備を製造している。加えて、およそ5つの製造業者がマイクロ水力発電と水車の設備製造を行っている 47。

Alstom、Andritz、IMPSA、Voithが水力発電設備の製造を先導しており、世界市場のおおよそ40%から50%を占めている。残りの50%から60%の市場は、地域的な企業によって支配されており、American Hydro(北アメリカ)、Bharat Heavy Electrical(イン ド )、CKD Blansko Holding( 元 東 欧 圏 )、Energomashexport(ロシア連邦、元東欧圏)、日立や東芝(日本や北アメリカ)などが挙げられる。中 国 の 設 備 製 造 会 社 で あ るHarbin Electric MachineryやZhejiang Machinery&Equipmentもまた、世界的な企業として頭角を現している 48。

海洋エネルギー産業波力、潮力の技術開発は2010年において商業発電に向けて大きな進歩を遂げた。政府の政策と財政的な補助金、さらに新しい投資なども呼び込むことでこれを実現した。イギリスにおける産業開発はアメリカやカナダで起こっている初期段階の開発を先導する形となった。設計や、プロトタイプの実証評価に焦点が当てられ続けている。波力エネ ル ギ ー 装 置 の 製 造 業 者 に はPelamis Wave Power、Wave Dragon、Voith Hydro Wavegen、Ocean Energy Ltd.、AWSⅡBV、Fred Olsen、Ocean Power Technologies、Aquamarine、Wello Oyが含まれる。最新の潮力エネルギー技術の製造業 者 と し て は、Hammerfest Strom、Verdant P o w e r、V o i t h H y d r o O c e a n C u r r e n t Technologies、Marine Current Turbines、Clean Current Power Systems、Ponte di Archimede、Open Hydro、Atlantis Resources、Minesto、Pulse Tidal、Tidal Energy、Tidal Generation、TidalStream、VerdErg Renewable Energyが挙げられる 49。少なくとも32の企業がイギリス政府によって資金を融資された波力事業プロトタイプの開発と評価に積極的であり、産業の長期見通しはCrown Estateの貸地競売により成長が見込まれる。アメリカの産業については、現在のところ50以上の活溌な企業が存在する 50。

2010年にはAndritz Hydro、Alstom Hydro、Voith Hydroといった、多くの伝統的な水力発電会社が産

業に参入した。参入した電力事業者には、Iberdrola-Sco t t i shPower、Vatten fa l l、RWE、E.ON、Scottish&Southern Energy Renewables、Scottish Power Renewablesがある 51。

太陽熱暖房/冷房産業ここ数年間中国が太陽熱温水器市場を独占し続けており、また製造業者としても世界の先導的な地位を保っている。2010年には中国の太陽熱温水器製造業者は集熱面積で4900万㎡の温水器を製造した52。中国産業においては5000以上の企業が活動的であり、それらのほとんどは地域的にまたは全国的に営業している。しかしながらおよそ20の企業は国際的にも積極的に活動している 53。主要な中国企業の中にはHimin、Linuo、Sunrain、Sangleが含まれる。

中国の製造業者にとっての大きな課題は、品質を体系的に改良し、製品を標準化することである。ほとんどすべての中国製品は国内に設置されるが、自然循環型が売れる可能性がある、アフリカや中央、南アメリカなどのより暖かい気候の発展途上国への輸出が増加している。また中国製品はヨーロッパ市場にも進出し始めた 54。

ヨーロッパでは、太陽熱温水/暖房産業は主要な企業間でのM&Aや、堅固な年間成長、温水に加えて暖房利用へ移行しているということが注目されている。主要な製造業者にはAlanod、Almeco-TiNOX、Bosch、Bluetec、GreenOneTec、the Ritter Group、Solvisが含まれる。

2010年には、ドイツ、イタリア、オーストリア、スペインの主要製造業者が国内や地域の市場を越えて、インドやブラジルなどの新興市場に視点を移し始める傾向が強まった。ヨーロッパの主要な装 置 供 給 者 に は、GreenOneTec、Viessman、Schueco、Thermosolar、Solvis、Ritter Solar、W o l f、K i n g s p a n S o l a r、V a i l l a n t、K B B Kol lektobau、Rie l lo Group、Ezinc、Bosch Thermoteknikがある。2010年のドイツでは、一時的にリベート支払いを停止したため装置販売が26%減少し、多くのドイツ企業が破産を宣告したり、施設の閉鎖を行った 55。

ヨーロッパでは貯湯槽と集熱器の価格はわずかに減少したが、システム設置価格は過去10年間減少

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していない 56。対照的に、ブラジルでの設置コストは典型的には装置の全価格のわずか10%であり、EUに比べて低い労働価格を反映している 57。

ブラジルの企業は太陽熱温水器の主要な製造業者として頭角を現してきている。2010年にはブラジルの太陽熱集熱器の生産がほぼ100万㎡に達し、これは前年比で20%の増加である 58。2010年には、産業界に200の製造業者とおよそ1000の設置業者が存在した 59。

南アフリカでは電力料金の上昇に応じて太陽熱温水器の補助金を倍増させたことで市場がにわかに景気づき、結果として産業が拡大することとなった。Eskomは南アフリカの国営のエネルギー事業体であり、108の認可された供給業者、245の登録済み卸売業者、124の登録済みの独立設置業者が2010年のインセンティブプログラムに参加したと報告している。これは、2008年に補助金制度が初めて開始されたときに、登録済み供給業者が8件であったのに比べ大きく増加した。国家レベルの組合であるSESSAは2年間で設置業者を主として200社から500社へと加盟企業を増やした 60。

エタノール産業2010年の世界のエタノール産業は石油価格の上昇によって回復を見せることとなった。すでに破産していた企業には市場へ復帰できたものもあり、伝統的な大手石油会社が産業に参入したため、多くの企業買収もあった 61。

トウモロコシを原料としたエタノール産業はアメリカにおいて成長を続けた。アメリカの29の州において、エタノールの製造は510億リットルの生産能力を持った204の工場で操業されている。これらのうち10の工場では20億リットルの生産能力拡大を経験することとなった 62。

バイオ燃料の先駆者と伝統的な石油会社との境界は2010年に起こった多くの重要な企業買収によって曖昧なものとなった。アメリカの石油精製会社であるValero Energyはアメリカ最大のエタノール会社としての地位を確立した。というのも、2009年に開始した買収策の結果42億リットルの生産能力の獲得に成功したのだ。年末までにはValero Energyは10のエタノール工場を操業開始したが、このうち9工場は以前Verasunの所有であった。

さらに、精製会社であるFlint HillsはカンザスにあるHawkeyeの工場を買収することで8億3000万リットルの生産能力を獲得した。SunocoはNortheast Biofuelsのニューヨークにある3億7900万リットルの エ タ ノ ー ル 工 場 を 買 収 し、Murphy OilはVerasunからノースダコタにある4億1600万リットルの工場を買収した。生産者であるPacific Ethanolは2010年に、破産状態から立ち直り4工場を新設した 63。総合精製会社であるPOETは、2010年に26工場を操業し、60億リットル以上のエタノール(国内生産の約12%に当たる)、400万トンの飼料を生産した 64。

2010年にブラジルでは、複合的な垂直統合がなされたサトウキビ関連企業が現れた。エタノール業界は2010年には、すでに市場の主導者であるCosanによって独占されていた。Shellは発電、エタノール、先端バイオ燃料の製造のためにCosanと合弁企業を設立した。その結果、砂糖、エタノール製造を行う23工場を有するブラジル最大のエタノール製造者となった。加えて、ShellとCosanは次世代燃料の開発においてカナダのIogen Energyと共同開発を始めた。BungeはMoemaの5つの粉砕プラントを買収し、Louis Dreyfusはブラジルで2番目に大きいサトウキビ関連企業グループであるSantelisa Valeを買収した 65。

2010年末までには、ブラジル製のエタノールが経済性からはアメリカに輸出されなくなるほど、砂糖の価格が上昇することとなった。サトウキビの収穫量のうち、およそ44%が砂糖の生産に割り当てられ(2008年から2009年は42%であった)、残りの55%でエタノールの生産が行われた 66。大きな需要と、製品製造の必要性が増加したために、ブラジルは2010年に産業に4000億ドル以上を投資するという計画を是認した。これは、国内需要を満たし

─ 44 ─

つつ、エタノールの輸出を3倍の年間99億リットルにするということを目的としたものである 67。

バイオディーゼル産業2010年には、EUの生産者が引き続きバイオディーゼル産業を先導した。しかしながら、アブラナ油の生産コストや安価な輸入品によって悪影響を受け、多くのEUの生産業者が2009年と同水準の平均50%以下という操業率であった。EU加盟国27カ国のうちの245のバイオディーゼル工場が、250億リットル(2190万トン)の生産能力を有しているが、2010年のバイオディーゼル生産量は100億リットルに留まった 68。2010年にインドネシアから輸入されたパーム油は1億3500万リットル(12万トン)であったが、2011年には5億6500万リットル(50万トン)に達すると見られている。リサイクル油からの攻勢があり、バイオディーゼル精製業者の市場を獲得しつつある。

安価に生産できるアメリカの B99のバイオディーゼルが、カナダやシンガポールを通じて2006年後半にEUで販売され始めたことに不満があったことから、欧州議会は2010年の8月に調査を開始した 69。EUにおいて業界での合併は相次ぎ、GlencoreのGLEN.ULはBiopetrolを買収した 70。

2010年を通してブラジルではバイオディーゼルの生産が50%増加した。そのほとんどは2010年1月に制定されたバイオディーゼルの5%混合義務に起因する。2010年末までには、ブラジルで68のバイオディーゼル工場が操業中であった 71。国内の主要な企業にはGranol、Brasil Ecodiesel、Caramuru、Petrobras、ADM Brasilがある 72。

2010年の11月に、Nestle Oilは現在のところ世界最大の再生可能エネルギー由来のディーゼル工場をシンガポールに開設した。この会社の野菜からの油を元にしたNExBTLプロセス工場は年間約9億リットル(80万トン)の燃料を製造する 73。

アルゼンチンのバイオディーゼル産業は、最も速いスピードで成長したと見なされるものの一つである。アルゼンチンでは23のバイオディーゼル供給者がB7(9月のB5から)への国の混入増加期制に対応した 74。国内企業であるVincentinに率いられた7社が2010年の国内市場のほぼ50%を占めているが、海外市場に製品のほとんどを輸出もしている 75。

先端バイオ燃料産業先端バイオ燃料産業は2010年には依然として商業的な規模での生産は行われていないが、企業の多様性は増加し続けた。参入者には、伝統的な石油会社や主要な航空機製造会社、急成長を遂げている新興企業などがある。

航空機製造産業はほぼ独占的に先端バイオ燃料に取り組んでいるが、2010年に急速な進歩を見せることとなった。Royal Dutch Air ForceやU.S. Air Forceと同様、LufthansaやVirgin Atlantic、Quantas、KLM、Alaska Airlinesのような民間航空会社もバイオエタノールの先進的な取り組みやテスト飛行を開始した。British AirwaysとQuantasは、木材や農業廃棄物を航空機燃料に転換する商業的なバイオ燃料精製企業を支援するために、Solena Fuelsと合弁企業を設立した。ブラジルでは、開発者であるCurcasが率いるBP、Airbus、TAM Airlines、Brasil Eco Dieselによる連合が、世界最大の航空機産業バイオ灯 油 工 場 を 開 設 し た 76。Amyris、ClearFuels、Sapphire Energy、Solazyme、Solena Fuelsを含む先端バイオ燃料製造業者は、航空機燃料に注目している 77。

Algenol、Martek、Solix、BioArchitecture、Accelergy、Synthetic Genomicsのような会社はまた2010年には藻類由来の燃料開発に積極的であった。全体として、藻類分野において推定100社の積極的な企業のうちおよそ25社が、不況の中でも研究から試験段階へと移っている 78。2010年に試験や実証の段階にいる操業中の工場ではSolixの2万8000リットルの工場、Sapphire Energyの260万リットルの施設がある。光合成を行う微細藻類のバイオ燃料生産の現在の推定コストは1リットル当たり7ドルである 79。

伝 統 的 な 石 油 会 社 が 藻 類 事 業 に 参 入 し た。ExxonMobilはSynthetic Genomicsと、ShellはCellanaと 手 を 組 ん だ。 ま た、Conoco Philips、PetrobrasやNeste Oilは学術的な研究を支援したり、基礎研究を行ったりしている 80。ChorenやNeste Oilは両者とも2010年以前からヨーロッパの先端バイオ燃料に投資を行っており、2010年4月にロッテルダムにAbengoa Bioenergyの4億8000万リットルの施設が開設された 81。

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産業 世界の雇用統計 国ごとの推計

バイオ燃料 150万超 ブラジル73万 サトウキビとエタノール生産

風力発電 ~63万 中国15万、ドイツ10万、米国8万5000、スペイン4万、イタリア2万8000、デンマーク2万4000、ブラジル1万4000、インド1万

太陽熱温水器 ~30万 中国25万、スペイン7000

太陽光発電 ~35万 中国12万、ドイツ12万、日本2万6000、米国1万7000、スペイン1万4000

バイオマス発電 - ドイツ12万、米国6万6000、スペイン5000

水力発電 - 欧州2万、米国8000、スペイン7000

地熱発電 - ドイツ1万3000、米国9000

バイオガス - ドイツ2万

太陽熱発電 ~1万5000 スペイン1000、米国1000

総計 350万超

注:すべての数値は概算であり、正確なものではなく、下 3 桁または 4 桁の端数は四捨五入されている。ここで示されている数字のほとんどには重要な不確実性がある。これは集計の手法に関する問題であり、産業の定義や範囲に関する問題、直接雇用、間接雇用に関する問題、他産業での雇用の減少(正味の雇用創出、合計の雇用創出)に関する問題である。最も大きな不確かさはバイオ燃料における雇用創出で生じており、直接雇用、間接雇用の間の定義が、異なった手法や定義で解釈され、分析されている。Renner、Sweeny、Kubit は 2008 年に間接雇用を含んだバイオ燃料による雇用創出を 120 万人と見積もった。また、Kammen 、Kapadia、Fripp らによる 2004 年の雇用推計についての論文も参照。加えて、“雇用係数”分析を用いて、ある技術に関する直接雇用者数を見積もることが可能である。たとえば、陸上風力産業に関する雇用については、2009 年のヨーロッパ風力エネルギー協会の発表によると、製造、建造に 1MW 当たり年間 15 人、運転、メンテナンスなどの維持に 1MW 当たり 0.4 人の雇用が存在する。同様に、ヨーロッパ太陽電池産業協会によると、太陽電池部門には、生産に 1MW 当たり年間 38 人、維持に 1MW 当たり 0.4 人の雇用創出がある。これらの要因には間接雇用が考慮されていない。雇用係数分析手法は、本報告書の 2005 年から 2007 年版においてとくに使用され、2004 年には 170 万人の雇用(90 万人はバイオ燃料生産による雇用)が、2006 年には 240 万人の雇用(110 万人はバイオ燃料生産による雇用)があったと推計された。

出典:この章の巻末脚注82を参照。

補足4.自然エネルギーによる雇用

自然エネルギーによる雇用は、2010年には世界中で350万人を超えた。(表を参照)自然エネルギー産業の雇用に関する2008年国連環境計画(UNEP)報告書によれば、先進国が自然エネルギーの技術的な先進性を最大限に発揮している一方で、発展途上国もますます重要な役割を担うようになり、これは雇用に反映されている。

世界の自然エネルギーによる総雇用のうち、大きな割合を占めるのは中国、ブラジル、インドであり、風力発電、太陽熱温水器、バイオ燃料産業に

おいて大きな役割を担っている。これらの雇用の多くは、製造に加えて、設置、運転、メンテナンスに携わるものや、バイオ燃料の原料調達に関わるものである。製造業における機械化や、設置作業の経済規模縮小が、成長市場下においても雇用の成長率をゆるやかにする可能性があるが、雇用は産業と市場の成長と共に、すみやかに増加するであろうことが期待されている。自然エネルギーによる総雇用数について統計を取っている国もある。たとえば、ドイツ政府は現在の雇用者数を37万人と見積もっており、またスペイン政府は現在、7万人以上の雇用が存在すると見積もっている。

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自然エネルギー目標や支援政策を持つ国の数は2005年から2011年初頭にかけて倍増し、55カ国から118カ国になった。さらに自然エネルギーを推進する都市や自治体がますます増加している。

自然エネルギーへの投資を促進する政策は2010年から2011年初めにかけて増加し続けている 1。1980年代から1990年代初めには、自然エネルギーを促進するための政策を持った国はわずかしかなかった。しかし1998年から2005年にかけて、さらに2005年から2011年にはとくに顕著に、より多くの国、州、省や都市でそのような政策を導入し始めた。このような自然エネルギーに関する政策目標や促進政策を持った国の数はこの5年間で倍増しており、2005年初めの55カ国から、2011年初めには118カ国となっている 2。

国や州、省(県)、地方自治体において、自然エネルギーに関する市場や投資、産業の発展に政策が大きな役割を果たしてきた。しかしながら、すべての政策がこれらの発展を促進するのに等しく効果的であったわけではない 3。その取り組みが成功するかは、政策の選択だけでなく、制度設計や実施にかかっている(制度設計や有効性に関するさらなる議論は、補足5に示したIPCCの自然エネルギーに関する特別報告書を参照)。したがって政府は課題に対する設計や実施、技術の進歩や市場の変化に応じて政策を更新し、改訂し続けている。

加えて自然エネルギーを促進するための政策と、エネルギー効率の改善を促進するための政策との相乗効果が、年を追ってより明確になっている。そのような相乗効果の一例として、建物のエネルギー需要が減少するにつれてエネルギー供給量が削減される可能性がある 4。改修や新しい建築物の規格に関する政策は、自然エネルギーとエネルギー効率の分野をますます統合している。

2010年において、世界中で政策の長期的な確実性や安定性を欠いたことが自然エネルギー市場により大きな影響を与えた。いくつかの技術(とくに太陽光発電)でのコスト低下や、2008年末に始まった世界的な経済危機が続いたため、多くの政府が自然エネルギーに対しての税や経済的なインセンティブを削減することに着手し、その他の国では重要な政策の根本的な見直しについて検討してい

た。その結果、2010年にはフランスやドイツ、スペイン、イタリア、チェコ、英国を含め、いくつかの国や州レベルでの自然エネルギーを促進するための仕組みについて資金の削減が行われた 5。

それにもかかわらず、促進政策は電気、熱、輸送部門における自然エネルギーの割合の増加に重要な影響を与えて続けていた。他の多くのプレイヤーと協力して自然エネルギー産業は、安定した長期的な政策と効果的な政策パッケージを要求し続けていた。多くの場合において、(関連した教育プログラムを行うと同時にインセンティブを提供するような)政策を組み合わせる方が、(単に税額控除を与えるような)一つの手法をとるよりも成功することが証明されている。一般的に、政策立案者は現実的で達成できる目標を掲げ、それらを適切な長期的政策構造と関連づけようと試み続けているので、世界の自然エネルギー市場は不安定な状態のままとなっている。

この章では、国や州、省、地方レベルでの新しく制定された政策や改正された政策を含め、現在の自然エネルギーに関する目標や政策の展望について調査している。2005年以降に制定された自然エネルギー政策の詳細な歴史から、本報告書の過去の版についても触れる。

政策目標将来のエネルギー供給の一部として、自然エネルギーを様々なレベルで政策目標に組みこむことが増え続けている 6。政策目標は、少なくとも96カ国で設定されており、その半数以上は発展途上国である(表R7-R9参照)。多くの目標は発電量における割合で、一般的に今後10年~ 20年以内に全発電量のうち10% ~ 30%としている。異なるタイプの目標は、一次エネルギーや最終エネルギーにおける自然エネルギーの割合、熱供給、様々な技術の一定量の導入、輸送燃料におけるバイオ燃料の割合がある 7。いくつかの目標は数年の範囲に適用されるが、大抵は将来のある特定の年に適用される。

2010年までの目標は多く存在しており、2011年中頃まで2010年のデータが判明しないものもあるが、多くの国や州は2010年の目標を達成したと思われる。その他の場合については目標を達成しなかったか、目標を縮小した。しかしながら、いくつか

 第 4章 政策の展望

─ 47 ─

の目標は他よりも意欲的である場合があり、あるいは目標を達成するために必要な促進政策がかならずしも一貫して実行されたとは限らないため、政策目標の“達成”を判断する際には注意が必要である。

EUの2010年の目標である40GWの風力、3GWの太陽光発電、1GWの集光型太陽熱発電、5GWthの熱利用およびヒートポンプの導入は、すべて達成された 8。2010年の終わりまでに風力発電容量は86GWに達し、太陽光発電は29GWを超えた 9。これらの力強い成長傾向は続くと予想され、EUが自然エネルギー由来のエネルギーを20%にするという2020年の目標を十分に達成できることを意味している10(図15参照)。しかしながら、自然エネルギー電力指令やバイオ燃料指令における2010年の目標を完全には満たしていない(電気、輸送燃料における目標割合は、それぞれ21%、5.75%である) 11。

EU内では多くの国が2010年までの目標を達成した、あるいはほぼ達成したとみられる。スウェーデンにいたっては2020年の目標を2010年までに達成した。スコットランドは、2011年までに全発電電力のうち自然エネルギーの割合を31%にするという、2007年に設定した目標を達成しようとしている 12。したがって、スコットランド政府は2020年までに全発電量に占める自然エネルギーの割合を50%にするという目標を80%に引き上げた。ドイツにおいては、再生可能エネルギー法(EEG)のもと新たに導入される太陽光発電容量の目標である3.5GWは容易に達成された 13。この結果、3.5GWという上限を超えた場合には固定価格買取制度における年ごとの減額を行うという太陽光発電産業との合意に至った 14。

オーストラリアは2010年までに自然エネルギーからの発電量を9.5TWhにするという従来の目標を、

25 454035 555030

合計(EU27カ国)

スウェーデンラトビア

フィンランドオーストリアポルトガルデンマークエストニアスロベニアルーマニアフランス

リトアニアスペインドイツギリシャイタリアブルガリアアイルランドポーランド

英国オランダスロバキアベルギーキプロス

チェコ共和国ハンガリー

ルクセンブルクマルタ

2005年基準年時の割合(参照値)2009年までの実績2020年の目標値

2015105 %0

図15 EUの最終エネルギーにおける自然エネルギーの割合 : 2005年、2009年、2020年目標

出典:ECおよびEurObserv’s ER *スウェーデンは2009年時点で目標値を達成し、50.2%となっている。

50%*42%

34%

31%

30%

25%

25%

24%

23%

23%

20%

18%

18%

17%

16%16%

15%

15%

14%

14%

13%

13%

13%

13%

11%

10%

38%

─ 48 ─

2010年よりも早く達成した 15。多くの小規模プロジェクトを推進する州ごとの目標の結果として、2010年の6月に定めた計画の改訂によって2020年までに45TWhという新しい目標が定められた。国のグリーンエネルギー証書市場において上限を定めない固定価格の証書売買を行う小規模自然エネルギー計画(SRES)が一部貢献することで、この目標は達成されるだろう。その計画は2011年までに年 間 の 発 電 量 を10.4TWhと し、2020年 ま で に41TWhまで増加させるという全体の目標を後押しするだろう(全体目標の追加的な4TWhはSRESからきている)。

中国においては政府の有望な政策によって2005年以来毎年、風力発電の累積導入量は飛躍的に増加してきた 16。中国における風力発電は2010年には約45GWに達した(稼働していないものもある:世界市場の展望参照) 17。2007年の国家発展改革委員会の発表によれば、これは風力発電における従来の国 の 目 標(2010年 ま で に5GW、2020年 ま で に30GW)を大幅に上回った。2015年までに130GWとする風力発電の新しい目標は、第12次の5カ年計画(2011年~ 15年)に定められ、2020年までに150GW ~ 200GWにするという非公式な目標も定められた 18。全一次エネルギーに占める自然エネルギーの割合は9%を超えており、2010年までに10%にするという中国の以前の目標はほとんど達成されているが、2020年までに最終エネルギーに占める非化石エネルギー(自然エネルギーや原子力)の割合を15%にするという新しい目標に意識は移っている(2010年に9.1%の自然エネルギーや0.4%の原子力に達するという状態) 19。

いくつかの国では2010年の目標を達成できなかった。たとえば、インドでは2010年に風力発電を2GW導入するという目標を達成できなかった 20。また、いくつかの国では様々な理由により既存の目標を縮小してきた。たとえば、アメリカの環境保護庁は事業用生産設備を立ち上げるための十分な資金調達が困難であることを引き合いに出し、

(2007年の「エネルギー自給・安全保障法」に定められている)2011年までにセルロース系バイオ燃料を9億5千万リットルにするという指令をわずか2千5百万リットルに縮小させた 21。スペインは、2020年までに太陽光発電の累積導入量を8.3GWにするという目標を6.7GWに減少させた 22。チリとイスラエルも、2020年の発電量の目標を10%からそれ

ぞれ8%と7%に減少させた。

一方で、いくつかの政府では既存の目標を拡大してきた。フィンランドは輸送用バイオ燃料を2014年までに6%、2020年までに20%にするという既存の目標を拡大した 23。スペインは最低限のバイオ燃料の混合レベルを2010年の5.8%から2011年に6.2%、2012年に6.5%まで増加させた 24。ドイツは、自然エネルギーによる電力を2020年までに30%にするという2008年に定めた現在の公式目標を拡大し、新しい

“エネルギーコンセプト”の一部として2020年に自然エネルギーによる電力を35%まで拡大するという目標を2010年に導入した 25。台湾は2025年までに自然エネルギーによる電力の割合を15.1%にするという以前の目標から、現在は16%を目指している 26。ヨルダンは自然エネルギーの割合を以前の1%から10%に拡大した。これは太陽熱による給湯を30%、風力発電を1000MW、太陽熱電力を300MWから600MWという個々の技術における目標に基づいている 27。

様々な国や州、地域で新しい目標が導入されている(表R7、R8、R9参照)。南アフリカは2014年までに太陽熱温水システムを新たに100万台導入する 28。グアテマラは、2022年までに水力と地熱から全発電量の60%を生み出すことを目指し、計画の開発者に設備への税を控除することを提供した 29。インドは送電網に接続された自然エネルギー容量を10MWにするという2013年の目標を、多くのインセンティブを通じて、太陽エネルギーを1000MW

(太陽光発電と集光型太陽光発電の両方)、2020年までに2万MWに拡大した 30。アメリカのオクラホマ州は2015年までに水力を含む自然エネルギー由来の資源から全発電容量の15%を得るという目標を設定している 31。2015年~ 2019年の間に自然エネルギー発電量の割合を全発電量の12%にするというアメリカの自治連邦区であるプエルトリコの目標は、2035年までに20%に拡大している 32。隣接するトンガに続き、太平洋の島であるクック諸島は、固定価格買取制度を用いて2015年までに自然エネルギー発電量を50%、2020年までに100%を目指している 33。 UAEのドバイ首長国では、2030年までにエネルギーの5%を目指している 34。 インドでは、ジャワハーラル・ネールの国家太陽光計画によって、太陽光発電と集光型太陽熱発電の2013、2020年における目標を拡大している 35。

─ 49 ─

地域レベルにおいては、2009年のEU自然エネルギー電力指令と地中海ソーラープラン(2020年までに自然エネルギーを20GW導入する計画)などのような目標がわずかに設定されているが、2010年においては、新たな地域レベルでの目標は導入されていない 36。

発電促進政策現在、少なくとも96の国が自然エネルギーによる発電を支援する何らかの政策を実施している。これらのうち半数以上は、発展途上国または「新興経済国」とされる国である。熱利用、冷房、輸送への利用を支援する政策も数多く存在しているものの、自然エネルギーに関する最も一般的な政策は、発電についての政策である 37(表2および以下の節を参照)。

政府により実施される政策のうち、現在最も一般的な政策は固定価格買取制度である(プレミアム支給、先進的自然エネルギー買取制度、最低価格基準とも呼ばれる)。2011年の始めまでに、少なくとも61の国と26の地域が固定価格買取制度(FIT)を採用しており、それらの半数以上は2005年から政策を制定している 38(表R10参照)。

固定価格買取制度には多くの種類があり、単一の定義を当てはめることはできない 39(補足欄6参照)。新たな固定価格買取制度の一つは米国のルイジアナ州公共事業委員会が2010年に発表したものである。この制度では、プロジェクトの規模や利用技術または資源の利用度の相違に関わりなく、「標準買取価格」を提供する事を電力事業に求めている。この買取価格では、電力事業の「回避コスト」および「環境」プレミアムの額を3セント/kWhと定めている。

補足5. 自然エネルギーに関するIPCC特別報告書

国際連合の気候変動に関する国際パネル(IPCC)は「自然エネルギーと気候変動緩和についての特別報告書」を2011年中頃に100人以上の執筆者による2年間の作業を経て発行した。執筆者のなかには本報告書に関わっているものもいる。IPCCの特別報告書は最新のIPCCの気候変動評価報告書(2007年版)よりも広い範囲の自然エネルギーを扱っており、政策決定者に向けたより強力な政策の接合と実質的な情報をも掲載している。総合的な技術情報に加え、特別報告書は既存の政策の実績と自然エネルギーの更なる進歩に必要となる政策も評価している。

政府の政策は自然エネルギー技術の普及を加速するために決定的な役割を果たすと特別報告書は記している。多くの場合、エネルギーミックスのなかで自然エネルギーの割合が増加するためにはエネルギーシステムの変化を喚起する必要がある。万能薬となる政策は無く、制度設計と実行時の細部が政策の効果と効率性を決定づける。

リスクを減らすために透明で継続性があり、投資期間にわたって魅力的な利益をもたらすような政策枠組みを体系的に発展させることで、自然エネルギー普及や低コストでの利用が進む。こうした

“可能性を高める”環境と共存することで、自然エネルギー普及を進めるための政策の効率性と効果が高まる。

自然エネルギーを支援するための政策に関してより深く幅広い議論がなされること、また気候変動の緩和とエネルギーシステムの発展に対する自然エネルギーの役割への理解がより深まることを特別報告書は期待している。特別報告書は国際的な気候変動の議論と合意に貢献するだろう。さらに多様な利害関係者が自然エネルギーの論点を理解するための道しるべとなるだろう。

IPCCの特別報告書と政策決定者向け、技術者向け要約は下記からダウンロード可能。www.ipcc.ch/ または http://srren.ipcc-wg3.de/

─ 50 ─

表2. 自然エネルギー促進政策

規制政策 財政優遇措置 公的融資

固定価格買取制度

RPS

ネットメータリング法

バイオ燃料義務付け

自然エネルギー

熱利用義務付け

取引可能な

自然エネルギー証書

補助金・助成金・

リベート

投資・生産税額控除

消費税・エネルギー税・

CO2

税・付加価値税

控除・その他

エネルギー生産支給金

公的投資・融資・

助成金

公的競争入札

高所得国

オーストラリアオーストリアベルギーカナダクロアチアキプロスチェコ共和国デンマークエストニアフィンランドフランスドイツギリシャハンガリーアイルランドイスラエルイタリア日本ラトビアルクセンブルクマルタオランダニュージーランドノルウェーポーランドポルトガルシンガポールスロバキアスロベニア韓国1

スペイン2

スウェーデンスイストリニダード・トバゴ英国米国

▲印のある国では、州/省レベルでの政策は存在するものの、国レベルでの政策は存在しない。

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表2. 自然エネルギー促進政策(続き)

高中所得国

アルジェリア        アルゼンチンベラルーシボスニア・ヘルツェゴビナボツワナブラジルブルガリアチリコロンビアコスタリカドミニカ共和国イランカザフスタンリトアニアマケドニアマレーシアモーリシャスメキシコパナマペルールーマニアロシアセルビア南アフリカトルコウルグアイ

注:表中の各国は以下の一人当たり所得水準によってグループ化されている。「高所得」:1万2196ドル以上、「高中位」:3946ドル~1万2195ドル、「低中位」:996ドル~3945ドル、「低所得」:995ドル以下。一人当たり所得水準は世界銀行による2010年のデータを使用した。本表には法制化されている政策だけが含まれている。しかしながら、いくつかの政策で見られるように、法制化のみでは政策が有効に実施されたとは言えず、政策の実践を欠き十分な影響力を持たずに終わることもある。なお、継続性に欠けると思われる政策は記載していない。また、多くの買取制度は対象または技術的な点で制限されている。1 韓国では、現行の固定価格買取制度は2012年にRPSへと置き換えられる予定である。2 スペインでは、緊急経済対策の一環として付加価値税が2010-12年の期間引き下げられている。3 モザンビークでは、バイオ燃料混合の義務付けは承認されているが詳細は定まっていない。情報源について:本章の巻末注37を参照。

規制政策 財政優遇措置 公的融資

固定価格買取制度

RPS

ネットメータリング法

バイオ燃料義務付け

自然エネルギー

熱利用義務付け

取引可能な

自然エネルギー証書

補助金・助成金・

リベート

投資・生産税額控除

消費税・エネルギー税・

CO2

税・付加価値税

控除・その他

エネルギー生産支給金

公的投資・融資・

助成金

公的競争入札

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表2. 自然エネルギー促進政策(続き)

低中所得国

アルメニアボリビア中国エクアドルエジプトエルサルバドルグアテマラホンジュラスインドインドネシアヨルダンマーシャル諸島モルドバモンゴルモロッコニカラグアパキスタンパレスチナ地区*フィリピンスリランカタイチュニジアウクライナベトナム

低所得国

バングラデシュエチオピアガンビアガーナケニアキルギスタンマリモザンビーク3

ネパールルワンダタンザニアウガンダザンビア

規制政策 財政優遇措置 公的融資

▲印のある国では、州/省レベルでの政策は存在するものの、国レベルでの政策は存在しない。*パレスチナ地区は世界銀行による国の定義に含まれていないため、国連が提供している「パレスチナ被占領地区」の2008年国民総所得一人当たり額(1,595ドル)を使用した。

固定価格買取制度

RPS

ネットメータリング法

バイオ燃料義務付け

自然エネルギー

熱利用義務付け

取引可能な

自然エネルギー証書

補助金・助成金・

リベート

投資・生産税額控除

消費税・エネルギー税・

CO2

税・付加価値税

控除・その他

エネルギー生産支給金

公的投資・融資・

助成金

公的競争入札

─ 53 ─

また、この買取価格制度は最低価格および上限価格をそれぞれ6セント/kWhおよび12セント/kWhと設定しており、電力事業者あたりの合計容量の上限は30MW、適用対象のプロジェクトは25kWから5MWまでとしている 40。追加費用については燃料費調整条項を通じて利用者に転嫁する。これは化石燃料費の上昇を負担するために通常使われる手法である 41。

世界中に存在する固定価格買取制度のいくつかは現在見直しの対象となっている。とりわけ、多くの国で太陽光発電の固定価格買取制度を見直している。これは、2009年および2010年に太陽光発電の価格がかつてなく低下した結果、設備の設置が予想を遥かに上回ったため、この増加を抑えるための見直しである。たとえばチェコでは、2008年末時点での65MWから2010年末には2GWまで総容

量が増加したため、太陽光発電設置率を抑えるための新しい法案が2010年後半に成立した。この法案成立の背景には、平均的な電気料金に対して固定価格買取制度がもたらす影響への懸念も一部であった 42。2011年3月に発効したこの法案によりチェコはまだ電力系統へ接続されていない地上設置型の太陽光発電に対する固定価格買取制度を削減した。2011年5月には、イタリアが太陽光発電に対するすべての買取価格を2011年に22%~30%、2012年に23%~45%、2013年に10%~45%削減するとした

(設備の規模の相違により削減額に幅が生じる)。また、屋上設置型太陽光発電については1MW、地上設置型太陽光発電については0.2MWと定められているプロジェクトあたりの上限についても、設置容量がおよそ23GWになると予想される2016年末までに、総買取費用が60億~70億ユーロとなるよう制限することが要請されている 43。

補足6. 固定価格買取制度とは?

基本的な固定価格買取制度(FIT)は自然エネルギー源からの発電量に応じて定められた価格を支払う自然エネルギー促進政策である。通常は電力生産者により系統に供給された電気の一単位ごとに支払われ、長期間(典型的には20年)買取価格を固定する制度である。FITはバイオマス、太陽熱、地中熱からの熱にも応用可能である。

FITの支払は通常電力事業者や系統管理者により管理され、電力使用量(または熱などの他のエネルギー源)に応じた賦課金によりまかなわれる。この賦課金はしばしば個々のコストを最小化するために均等に広く全国または地域の顧客に課される。買取価格は技術や立地により異なる可能性があり、通常は導入が後になるほど低くなる。基本的なFITはドイツによる“近代的な”様式が成立してから広まった。それはすべての同様の政策に対し参考になる点がある。これは“市場から独立した”仕組みと呼ばれる。

別の形のFIT制度は“プレミアムFIT”であり、市場に連動した仕組みがスペインを中心に開発さ

れ、他にも広まった。この場合、単一ではなく2つの価格設定の仕組みがある。低減されたFIT価格と電気のスポット市場価格である。この2つの仕組みの組合せにより、電気生産者に対する支払を低すぎたり高すぎたりしないようにする。スペインの場合は下限と上限の価格を定めている。

“本来の”FITは以下の3つの規定を持つことについて政策コミュニティでは広く同意している。1)系統への接続保障、2)発電(または熱)への長期契約、3)生産コストと適正な利益率にもとづく価格。しかしながら、政策策定者によりこれがFITであると言えるようなすべての仕組みを含む十分に幅広い定義を作ることは難しい。政策の範囲と規定は年によって大幅に異なっている。さらに、価格帯や上限値、管理規定、その他の要素があるため、これまでの政策が“真の”FITであるとは専門家は同意しないだろう。

本報告書の目的から、実際に適用するのが難しい絶対的な基準に頼るのではなく、制度を導入している地域によりFITと見なされていれば、その政策はFITとして分類されている。

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2010年には他にも多くの固定価格買取制度の変更があった。スペインでは2007年に設定された太陽光発電における0.42ユーロ/kWhという固定価格買取制度の価格水準が現在も維持されているものの、新しい法律によって買取対象となる年間の総時間に上限が定められた。また、現行制度の費用を遡及的に削減するという不確定要素も生じている 44。ギリシャでは財政危機により政府が優遇措置の支援申込を未処理のまま中断したが、その額は20億ユーロ以上に相当する。しかし、2010年9月に規制は解除され、新規プロジェクトは継続している。英国は、「低炭素時代」に向けて既存のクォータ制を2013年から開始する固定価格買取制度に置き換えることを2010年に決定した 45。ブルガリアは、2011年6月の新たな自然エネルギー法において、固定価格買取制度の対象となる新規プロジェクトに対して割当てを適用することにより、年間上限を定めるとした 46。一方でトルコは長らく求められていた自然エネルギー法を成立させた。これは風力、地熱、バイオマス、バイオガスおよび太陽光発電の促進のために、現行の単一価格による固定価格買取制度を個別の技術ごとに10年間分の価格を定めた固定価格買取制度へと置き換える法案であり、発電設備がトルコ製であれば補助金を得ることもできる。

オーストラリアでは、屋上設置型太陽光発電の優遇制度を当初の予定よりも早く段階的に縮小するために、2010年の12月に連邦政府が同制度の調整を実施した。これは、電気料金への影響、産業の継続的な力強い成長への影響、そして太陽熱温水器といった他のクリーンエネルギー技術の需要が結果的に低下することへの影響を考慮した結果である 47。2011年の5月には、4カ所の系統連系型発電所の設置を目指している総額15億豪ドル規模の太

陽光発電フラッグシップ・プログラムのうち、2.2億豪ドルを削減した 48。ニューサウスウェールズ州では太陽光発電の固定価格買取制度における優遇価格を3分の1引き下げて、0.40豪ドル/kWhとした。また、この優遇制度は2009年の導入以来およそ19億豪ドルのコストを同州にもたらしたため、同州はこの制度への新規参入者数を削減した 49。これとは反対に、オーストラリア首都特別地域(ACT)では、屋上設置型太陽光発電に対する既存の固定価格買取制度を拡張したため、30kW~200kWの系統連系型発電設備に対しても固定価格買取制度が適用されるようになり、総設備容量の上限である240MWまでFITが適用されるようになった 50。

先進国における政策のほとんどは既存の固定価格買取制度の見直しに伴うものであるが、発展途上国では少なくとも3つの新たな固定価格買取制度が2010年および2011年始めに導入または実行されている。まず、マレーシアは2020年までに3000MWの自然エネルギーの導入を目標としており、そのうち3分の1を太陽光発電、別の3分の1をバイオマスエネルギーとするとした 51。また、エクアドルは2005年より実施している固定価格買取制度に続く新たな制度を2011年始めに実施した 52。そしてウガンダは2011年始めに11の異なる技術に対して固定価格買取制度を開始した 53。他にも多くの発展途上国で、過去に成立済の固定価格買取制度に基づく自然エネルギー容量の増加が見られた 54。

いくつかの地域、とりわけ米国やカナダ、インド、オーストラリアの州や省、および他の国々における地域のレベルで普及しているもう一つの政策は

「クォータ制」または「自然エネルギー割当基準(RPS)」である。クォータ制/RPSとは、設置容量、発電量または売電量のいずれかについてあらかじめ決定された最低割合の自然エネルギーを提供または利用することを、政府が電力事業者や電力事業者社の連合体、消費者に対して(自発的にではなく強制的に)義務付ける制度である 55。義務の不履行に対しては罰則が存在する場合と存在しない場合がある。

クォータ制/RPSは、地域によって「自然エネルギー基準」、「自然エネルギー義務付け」または「強制的市場割当」としても知られている。クォータ制/RPS政策は認証制度と結びついており、義務の主体

(電力事業者)が取引によって義務を充足させるこ

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とを可能とすることで制度に柔軟性を付加している。2011年始めまでに、クォータ制/RPS政策は国レベルでは10 ヶ国、州や他の地域レベルでは少なくとも50の行政区域に存在している(表R11参照)。

米国では、30の州(およびワシントンD.C.)がRPS政策を採用しており、さらに6つの州が拘束力のない政策目標を採用している 56。米国のRPS政策は活発な進展と拡大を毎年続けている。たとえば、ニューヨーク公共サービス委員会は、投資家が所有する電力事業に対するRPSの要求枠を、2013年までに24%とする目標から2015年までに29%とする目標まで拡大をすると2010年始めに決定した 57。カリフォルニア州の電力事業は、予定よりも4年早い2012年にRPSの目標である20%を達成する見込みである。数年の議論を経た上で、2011年早期にカリフォルニア州はRPSの目標を2020年までに電力の33%とすると新たに定めた 58。また、カリフォルニア公共事業委員会(CPUC)は、RPSを遵守するための取引可能な自然エネルギークレジット枠(TRECs)の利用を認可した 59。デラウェア州はRPSを2010年に修正し、州内で自治体が運営する電力事業に対しても、投資家が所有する主要な電力事業であるデラウェア州電力協同組合と同様に、2026年までに25%を州内の電力源から購入することを要請し、そのうち3.5%は太陽光発電設備から購入することとした 63。また、アイオワ州は新たな相互接続ルールを採用し、最大で10MWの分散型発電設備に対して自然エネルギーの割当を義務付けるとした 64。

他の地域においても、2010年にクォータ制/RPS政策の新規導入と進展が続いた。韓国では、現行の風力および太陽光発電に対する固定価格買取制度を2012年までにクォータ制に変更すると政府が発表した。このクォータ制は、14の電力事業者に対して2015年には電力の4%を、2020年には10%を自然エネルギーで発電することを義務付けている 65。この新政策は自然エネルギーの容量を2016年まで毎 年350MW追 加 し、 そ の 後2022年 ま で は 毎 年700MW追加することを義務付けている 66。また、この政策の一部として自然エネルギーのプロジェクトは5%の税額控除を受け、地方自治体は最大60%の資本補助金および低利での融資を受けられる。そして、カナダではブリティッシュ・コロンビア州で2007年に定められていた93%のクリーンエネルギーの要請が2010年のクリーンエネルギー法のもとで法制化された 67。

固定価格買取制度(FIT)およびクォータ制/RPSのさらなる政策的な展望に関して重要な部分を担っているのは発展途上国である。過去の本報告書でも言及した通り、近年多くの発展途上国が自然エネルギーについての包括的な法律およびフレームワークを制定している。2010年にはヨルダンが自然エネルギー支援基金を設立し、さらに、自然エネルギー促進とエネルギー効率化の両者を加速させるとともに投資家に対しては系統連系型の自然エネルギーへの投資であれば未認可でも投資提案を認めるという法律を成立させ、こうした途上国の仲間入りをした 68。マレーシアは太陽光発電およびバイオマス発電についての目標を採用し、一方でザンビアは水力および太陽光発電を含む自然エネルギー技術を指向して、電力設備への投資を促進するために鉱山業地帯における税制を緩和した 69。また、トリニダード・トバゴは自然エネルギーを促進するために、風力タービン、太陽光発電および太陽熱温水器に対して、様々な税額控除、課税免除および手当交付の制度を導入した 70。

各国の政策を展望すると、他にも多くの政策が自然エネルギーによる発電を促進している(表2参照)。少なくとも52の国が直接的な資本投資に対して何らかの補助金、助成金、リベートを提供している。また、投資税額控除、輸入関税の減額、その他の税制優遇措置が財政支援のために採られており、多くの国や米国、カナダ、オーストラリアの州において広く普及している。エネルギー生産量に応じた補助は時には「プレミアム」と呼ばれ、少数の国で採用されている。これらは通常、1kW時あたりの固定価格または電力料金の基本料金もしくは上乗せ料金の一部として支払われる。様々な国、州、省が自然エネルギーの特別基金を設立して直接的な財政投資や低利での融資に利用しており、また、調査、教育、品質・性能基準の策定といった方法によって市場の活性化を図っている。

各国は自然エネルギー発電容量を定めて様々な方式で公的な競争入札を実施し続けている。ネットメータリング法(「ネットビリング法」とも呼ばれる)は屋上設置型太陽光発電にとって重要な政策であり(他の自然エネルギーにとっても重要な政策である)、分散型電源から送配電網に余剰電力を売り戻すことを認めている。ネットメータリング法は現在では少なくとも14の国と米国内のほぼすべての州で採られている。そして、自然エネルギー

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の市場への浸透とともに、送配電網へ自然エネルギーを統合することを目的とする新たな電力事業管理政策および電力事業計画がようやく生まれつつある 71(補足欄7参照)。

グリーン電力購入と自然エネルギー電力証書EU、米国、オーストラリア、日本、カナダには、現在600万以上のグリーン電力の顧客が存在する 72。グリーン電力購入と電力会社のグリーン料金プログラムは、促進政策、民間のイニシアチブ、電力会社のプログラム、政府による購入などがあいまって成長を続けている。グリーン電力購入の柱は、電力会社のグリーン料金プログラム、電力規制緩和や自由化を通じて可能となった独立系電力事業者による小売り競争(「グリーンマーケティング」と呼ばれている)、自主的な自然エネルギー証書取引の3つである 73。

ドイツは世界のグリーン電力市場を先導しており、グリーン電力購入世帯は、2006年の80万から2009年には260万世帯に増加している 74。2009年、これらの購入者によって購入されたグリーン電力は7TWhにのぼり、これは国内の電力消費量の6%にあたる。世帯購入者だけでなく、15万の企業やその他の購入者を入れると、10TWh以上のグリーン電力が購入されており、これは2009年度の電力消費量の9.5%になる。他のヨーロッパの主要なグリーン電力発電国としては、グリーン電力の市場シェアは5%に満たないものの、オーストリア、フィンランド、イタリア、スウェーデン、スイス、イギリスなどがあげられる。

オーストラリアの90万世帯と3万4千の企業による

グリーン電力購入量は、2008年に総計で1.8TWhになった。日本では、グリーン電力証書の市場は2009年に227GWhにまで成長しており、証書の売り手は50以上になる 75。太陽熱向けのグリーン熱証書プログラムが2010年に開始しており、2011年にはバイオマスもその対象となった 76。南アフリカでは、少なくとも一つの企業が、小売り客に対して砂糖製造時のバガスを用いたグリーン電力を提供している。

政府によっては電力会社に対し、電気供給のさいにグリーン電力による電力を選択肢としてとりいれるように要求しているものもある。米国では、850社以上の電力会社がグリーン料金プログラムを提供しているが、いくつかの州では電力会社や電力供給者に対してグリーン電力商品を供給するように規制を制定した 77。米国では、2009年には140万以上のグリーン電力購入者が30TWhを購入しており、これは2007年の18TWhから増加している 78。米国環境保護庁による「グリーン・パワー・パートナーシップ」には1300以上の企業や機関が参加しており、2010年度末時点ではあわせて19TWh以上の電力を購入している 79。最大の購入者であるインテルは、2010年にはその購入量を約2倍に増やしており、2.5TWhとなった。他にも革新的なグリーン電力購入モデルとして、米国での例が挙げられる。たとえばいくつかの電力会社は消費者が自治体の太陽光利用促進プロジェクトの株を購入し、プロジェクトの売上高に対しての自らが持つ株価と同等の電力会社の株式のクレジットを得ることができるようにしている 80。

EU域内18カ国が、自然エネルギー証書(RECs)の発行、譲渡、買い戻しを扱う仕組みであるEUエネルギー証書システム(EECS)に参加している。EECSはRECsと連動した「原産地証明」の発行も始めている。これは自然エネルギー電力の発電者に電源の由来を明らかにさせるものである。2009年には、2006年の3倍となる合計209TWhの証書が発行された 81。EECS全体の62%の証書を発行したノルウェーは水力発電による電力利用の主要国でもあり、発行した証書の大多数は水力発電のものであった。ヨーロッパの域内でも国によっては、グリーン電力ラベルが顧客の信頼度を高めるために導入されており、ドイツでは「Grünerstorm」や

「Ok-power」、スイスでは「Naturemadestar」などがあげられる。

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近年、通常の電力料金とグリーン電力の価格差は縮小してきている 82。たとえば米国では、家庭と小売業者へのグリーン電力の小売価格上乗せ分は1セ

ント~3セント/ kWhが多いが、最近では1セント/ kWhを下回ることもある 83。イタリアや他の地域では、需要を喚起するために電力料金明細に自

補足7:系統統合と補完インフラ

世界中で電力系統における自然エネルギーの割合が増加するにつれて、変動型の自然エネルギーを安定的に管理する方法が発展してきている。すでにいくつかの国の電力系統では、水力発電をのぞく自然エネルギーが発電総量の大部分をしめている。たとえば、スペインでは電力需要のうち21%、ドイツでは14%が自然エネルギー由来の電力で占められている(本報告書の“世界市場の概要”部分を参照)。自然エネルギー、とくに風力や太陽エネルギーは不安定であるが、これらはデンマーク、ポルトガル、アイルランド、米国内の数州など多くの場所での利用が急増している。

従来の電力供給システムは、時間帯や季節によって大きく異なる様々な需要の変化に対応できる柔軟性があった。既存の発電所は各々の電力供給量に合わせて柔軟に対応してきた。たとえば、天然ガスや水力発電所(揚水発電を含む)では発電量が1分ごと、化石燃料発電所では1時間ごとに変化する。原子力発電所は、その中でも最も柔軟性が乏しいといえる。

現状の電力系統の柔軟性によって、変動する自然エネルギーをどの程度まで導入できるかが決まる。送電網の強度、系統の容量や程度、既存の蓄電池または揚水発電の容量、変動に対応できる発電量の度合いなどにより、この導入レベルは変化する。現状の電力系統で対応できる自然エネルギーの割合は、柔軟性に欠けるもので数%から、柔軟度の高い系統で30%程度まで幅があるだろう。

次の日の風速や日射量を予測する機能を伴う給電割当モデルが、変動型の自然エネルギーの管理システムとしての標準的なツールとなってきている。これらの標準ツール以外では、2007年にスペインにおいて先駆的な例として、分散型発電管理

センター(CECRE)が設立された。このセンターは自然エネルギーに特化しており、送電運用者であるRed Eléctricaに、リアルタイムでの国内の自然エネルギー由来の電力の監視と管理をまかせている。

スマートグリッドや高性能の負荷管理システム(いわゆる、デマンドレスポンスや負荷調整のこと)により、電力システムの柔軟性のレベルが強化され始めた。それは、あくまでも市場競争力のあるコストで、自然エネルギーの割合を増やすためである。従来の電力系統の柔軟性をある程度までしか高めることはできないが、とくに促進するための規制や政策がある場合、このような補足的な技術やスキルが自然エネルギーの発展を支えているといえる。

長期的にみると、(電池または他の形での)系統連系型蓄電池や、蓄電池としての役割を持つ「系統に繋がった」電気自動車などの先進技術や実践によって自然エネルギーの導入量が増える可能性がある。その一方で、専門家の中には、自ら高度な負荷調整システムを利用することで、先進的な蓄電技術がなくとも、十分に柔軟性を確保できると主張するものもいる。

自然エネルギー由来の発電所を、一カ所ではなく分散して設置し、エネルギー資源の多様性を増やすことで電力の安定供給が可能になるだろう。風力や太陽光発電の立地に影響を及ぼす政策は、系統グリッド計画及びその強化に対する政策同様にこうした多様性を確実に高めるだろう。さらに、様々な種類の自然エネルギー技術を利用することで相互にバランスを保たせ、水力やバイオマスといった発電量を調整できる自然エネルギーも活用することで、自然エネルギーの導入量を増やすことができるだろう。

出典:本章の巻末注71を参照

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然エネルギーの割合が示されている 84。一般的にグリーンラベルプログラムは、消費者に対してエネルギー商品についての情報を提供するものである。それらの商品は政府による義務付けであろうと自主的な保証であろうと、事前に定められている持続可能性の基準を満たす製品であり、特定の割合の自然エネルギー内訳も含むものである。ラベルをつけることで、グリーンエネルギー購入に対して自主的な決定を促すことができる。しかし、ラベルがいくつもあると電力購入者が混乱してしまう場合もある 85。

消費者による自主的なグリーンエネルギーの購入は、ほとんどが自然エネルギー由来の電力に集中しているが、自然エネルギー由来の熱や輸送燃料の購入も可能である。たとえばニュージーランドでは、ある輸送燃料会社が市場で他の主要な石油会社と差別化をはかるために、10%のエタノール混合燃料と5%のバイオディーゼル混合燃料を販売している 86。当初これらの燃料は、高めの“グリーン価格”をつけて販売されていたが、石油の価格高騰により現在では比較的安い選択肢となった。同国では、2009年のバイオディーゼル補助金政策や排出権取引政策によって、さらにグリーンエネルギーの購入が拡大した 87。

熱利用と冷房に関する政策自然エネルギーを利用した熱利用と冷房に関する政策は、電力または輸送燃料に関しての政策に比べ積極的に制定されているわけでも、急速に導入されているわけでもない。近年になり制定された熱利用と冷房に関する政策も多く、それらはバイオマス、地熱、太陽熱温水/暖房システムからの熱供給のポテンシャルの高さを反映している。これらの形態によるエネルギー供給は、最終エネルギーに換算すると水力発電以外の自然エネルギー由来のエネルギーの総量を上回る(表1参照) 89。

多くの国で地域熱供給システムを利用し熱が供給されているが、ほとんどの建物や企業ではさまざまな設備や燃料は施設内に設置され、エネルギーが供給されている 90。自然エネルギーを利用した熱利用と冷房に関する近年の政策は、エネルギーの割合や設備に関して規制を設けるものが多かったが、割当量に基づく政策手法も増えてきた。政府は従来、自然エネルギー由来の熱供給技術の購入や導入には助成金や免税といった制度を使ってき

たが、公共資金を中立的に提供するという政策も増えてきている 91。

とくに、新築建造物への太陽熱温水器の設置義務づけは、国レベルでも地域レベルでも大幅に増加している。長年にわたり、国レベルで設置を義務づけているのはイスラエルだけであったが、スペインも2006年に建築基準法を定め、新築と改装については太陽熱温水器を一定以上導入するように義務づけを行った。他の多くの国もそれに追随するかたちとなった。インドの国家省エネルギー法では、集中型温水器を備えた住宅、ホテルや病院に対し、少なくとも温水の20%を太陽熱により供給するよう義務づけている 92。2010年に韓国は、1000㎡以上の新しい公共建築物に対して、消費エネルギーの少なくとも5%を施設内に設置される自然エネルギー設備で供給するように定めている。ウルグアイは、ホテルやスポーツクラブなど大量の温水を必要とする商業施設に対して、太陽熱温水器の設置を義務づけている。2009年にハワイ州は米国の州としては初めて、戸建ての新築住宅に対し太陽熱温水器の設置を義務づけ、2010年にはその制定が施行された。

最近の新たな政策の例として、2010年に制定されたポルトガルの太陽熱温水器/暖房に関する国家戦略基準枠組み(QREN)が挙げられる 93。QRENはいくつかの商業銀行と共に設立された協定であり、太陽熱温水/暖房設備の一般家庭への導入や、小規模(45%助成金、返済不要)・中規模(40%助成金)企業の投資の促進を目指している。他の例としては、ブラジルの“Minha casa, minha vida(私の家、私の人生)”というプログラムがある。これは30万から40万の太陽熱温水器を公営住宅に導入することを目標としている 94。このブラジルのプログラムの目標値として、2015 年までに集熱パネル面積を1500万㎡にすることを定めており、これは2010年の600万㎡と比べて大幅に増えることとなる。スペイン政府は上述した太陽熱温水器の導入を義務づける政策だけでなく、“Biomcasa”という、ビルにおける暖房へのバイオマス利用を促進するためのプログラムを開始した。認定エネルギーサービス企業がバイオマス利用の代替案を提供し、さらにビルの利用者の熱利用料金が少なくとも10%減少するように500万ユーロの資金提供を行っている 95。

近年、政策の効率性とコストのバランスを保つこ

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とで、熱利用促進政策が再び評価されることとなった。たとえば、2010年当初、ドイツの財務省は太陽熱温水/暖房、バイオマス熱利用、地熱直接利用、効率的な地中熱ヒートポンプなどの支援のためのマーケット・インセンティブ・プログラム(MAP)への資金提供を継続するつもりはなかった 96。しかし数ヶ月におよぶ民間の働きかけにより、継続することが決定した 97。

2010年の始め以降、さまざまな新しい政策が導入された。イギリスで2011年6月に導入され、2014年~2015年まで継続予定の自然エネルギー熱インセンティブ(RHI)もその一つである。政府の大幅な予算削減の流れはあるものの、このプログラムの投資予算として8.5億ポンドが維持された 98。世帯主は自然エネルギー熱供給システムの導入のさいに助成金を受け、さらに2012年以降は、長期にわたる税支援も受けられる予定である。企業は20年以上にわたり四半期ごとに、まだ決まってはいないものの一定の規模での自然エネルギー熱価格の払い戻しを受けることができる。技術としては、熱利用のためにバイオメタンを天然ガスパイプラインに導入することも含まれている 99。イギリス政府は2020年までに国内の熱利用の12%を自然エネルギー由来のものとすることを目標にしているが、現状は2%となっている。イギリスの4ペンス/kWhのバイオメタン税は、他のヨーロッパの主なバイオメタン市場であるドイツやフランスに比べると、比較的低いものとなる 100。ドイツはイギリスのような形での熱利用義務づけは行っていないが、それは熱計測費用が比較的高いことが理由のひとつである 101。

新たな政策の他の例として、施行されたばかりのアイルランドの価格保証支援制度があり、採用した技術によって8.5ユーロセント/ kWhから15セント/ kWhと幅がある。その支援制度は、嫌気性処理による熱、熱電併給プラント(CHP)、バイオマスCHP、バイオマス熱利用、現在稼働中の3つの泥炭火力発電所におけるバイオマスの30%混焼などが含まれる 102。ハンガリーの自然エネルギー行動計画では、2020年までに熱利用や冷房における自然エネルギー利用の割合を4.4%にすることを目標としている 103。この中には、太陽熱システムと同様に、地熱やバイオマス熱利用を促進するための助成金の提供もふくまれている 104。南アフリカのエネルギー庁は、産業政策行動計画のもとで太陽熱利用

の大幅な拡大のために、20万件の個別助成金を提供することを2010年に発表した 105。インドでも太陽熱利用が促進されており、30%の助成金および利率5%のローンの利用が可能になっている 106。

交通政策輸送用燃料として使用するために液体バイオ燃料を生産したり混合したりすることが政策によって継続的に進められている。バイオ燃料の助成金や免税、混合燃料使用の義務化が一般的な政策である。世界では31の国と29の州で、輸送燃料にバイオ燃料を混合させることが義務づけられている(表R12参照)。EU内の10カ国と発展途上国4カ国を含む、少なくとも19の国では燃料税の免除や生産助成金が設けられている 107。しかし、近年支援政策が減ってきているためにバイオ燃料の生産工場が閉鎖してしまった国もいくつかある。さらに、近年ではバイオ燃料の持続可能性と環境基準への注目が高まっており、とくに自然エネルギーに関するEU指令(EU Renewable Energy Directive)の中ではその傾向が顕著である 108。

最近になり輸送燃料へのバイオ燃料混合義務を導入した国としては、韓国(2012年から2%のバイオディーゼルと燃料の減税政策)やジャマイカ(サトウキビとバイオディーゼルから製造されるバイオエタノールの推進と拡大を促す政策)が挙げられる 109。2010年にはバイオ燃料政策の改正を行う国もいくつかあった。フィンランドは現在義務化されている混合バイオ燃料中のエタノール比率をE4(4%)から2011年~2014年に、E6、2020年にはE20と段階的に増やしていくことを決定した 110。エチオピアでは2011年3月にE5からE10へと急増させた 111。タイで

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は小売価格を1リットル30バーツ以下で維持するために、B3とB5のディーゼル燃料に対する助成金を増加させた 112。さらにスペインでは2011年のバイオ燃料の最低混合比率を上げることや、2011年にはB3.9~B6だったバイオディーゼルの混合比率を2012年にはB7へと増加させるといった政策を採用した 113。

燃料混合を義務づけることに加え、将来におけるバイオ燃料の使用レベルを定めるバイオ燃料計画や目標も一部で見られた。EUでは2020年まで輸送燃料における自然エネルギーの割合を10%にすることを目標として掲げており、その中には持続可能なバイオ燃料や電気自動車も含まれている。米国の 自 然 エ ネ ル ギ ー 燃 料 基 準(Renewable Fuel Standard)では、燃料供給業者に対して2022年までに年間の混合バイオ燃料の量を360億ガロン

(1360億リットル)に増加させることを要求している 114。中国では2020年までに、年間で130億リットルのエタノールと23億リットルのバイオディーゼルの使用を目標値として設定した。南アフリカでは、輸送燃料のうち2%をバイオ燃料とする目標計画を立てた。

米国では、2010年末に制定された減税法が、2011年にはエタノールとバイオ燃料を含む混合燃料の税額控除へと拡大した。米国政府はこのような控除策によって、エタノール混合燃料1ガロンあたり45セント(1リットルあたり13セント)、バイオディーゼル1ガロンあたり1ドル(1リットルあたり28セント)を助成金として支給した。この政策によって、大規模のバイオ燃料生産施設の新設費用の最大30%が、現金による助成金として支給されるようにもなった。米国におけるその他の進展としては、2011年までに空軍がすべての航空機の飛行燃料をバイオ燃料とする目標を持っていることや、2020年までに海軍がすべての船艦の燃料としてバイオ燃料混合50%のガソリンを利用することを義務づけたことなどが挙げられる 115。

電気自動車の普及を促す政策も制定され始めたが、これらの政策は、かならずしも使用される電力が自然エネルギーによって発電されたものに限ると明記しているわけではない。いくつかの国では2020年までに2000万台以上の電気自動車の使用目標値を掲げたが、これは普通乗用車の在庫の2%に匹敵する 116。電気自動車は、未来型スマートグリッ

ドの一部となる可能性がある。それは、使用する電力における自然エネルギーの割合を増やすことができるような、統合された蓄電システムを備えたスマートグリッドである(補足7参照) 117。

国または州の財政的支援によって公共の充電設備が導入されたために、(二輪または四輪車、プラグインハイブリッド車含むすべての)電気自動車の拡大を見込んでいた国も複数見られた 118。いくつかの都市では、グリーン電力購入を通してこれらの充電所の設置が義務づけられており、これが自然エネルギー由来の電力と電気自動車を関連づける手がかりとなった。

ロンドン市ではロンドン交通局の支援により、路上や路地に充電所を設置した 119。電気自動車の所有者はロンドンの渋滞税を免除されており、2011年1月以降の電気自動車購入者はイギリス政府から助成金として5000ポンドが支給されることもある 120。イギリス政府は、全国の電気自動車のための充電ネットワーク構築を担っており、自動車技術のさらなる発展のために研究開発活動の支援も行っている 121。パリではすでに110以上の充電所が設置されている 122。

イスラエルは積極的に電気自動車の普及を進めており、2020年までに石油依存をなくすよう計画している 123。同国は充電グリッドやバッテリー交換所への投資を行っており、従来の自動車の購入税が90%であることから、車両保有者を含め早期に電気自動車を導入した人に対する購入税を10%にまで引き下げることを予定している 124。アイルランド、ポルトガルやデンマークの政府は同様の政策を進行中である 125。

都市や自治体による政策世界中の都市や自治体政府が温室効果ガス排出量を削減し、自然エネルギーを促進するための政策を次々と制定している。その動機は様々であり、気候変動対策、大気汚染の改善、エネルギー安全保障、持続可能な地域開発などである。そのような推進活動において、自治体政府は多様な役割を担うことができる。その役割とは、政策決定者、計画管理者、公共のインフラ管理者であり、市民と企業の模範となることである。国の政府としては、様々な地方自治体レベルでの活動が現段階では小規模にすぎないものの、国のエネルギーセキュ

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リティー確保に繋がっていることにますます注目している 126。

自治体間での大規模な取り組みにしろ、各自治体の決定にしろ、自然エネルギーを利用した発電量を増やすために政策目標を設定する地方自治体の数は日ごとに増えていっている。とくに移行への道筋が比較的限られている小規模な自治体では、自然エネルギーの利用割合を100%にすることへの関心が高まっている。こういった傾向は不安定なエネルギー資源価格、安心安全なエネルギーへの需要、自治体の指導者が、自らの自治体のグリーンディベロップメントへの可能性に気づいたこと、などを反映している。さらに近年では、世界の気候変動対策における自治体の役割の重要性が高まっている。2010年は自治体政府が気候変動対策の交渉の場において、“政府の利害関係者”として初めて公認された年となった。

2010年、自治体政府はそういった活動にますます関わりを深めている。たとえば、2010年11月に開始したメキシコシティ協定には、総人口3億人を擁する180の自治体が続々と署名した 127。署名した自治体は、低炭素プログラムの実施に向けて自発的に10の重点アクションプランに取り組み、測定可能、報告可能、証明可能なやり方での炭素排出リストを登録した。この協定には、世界的な気候変動対策における自治体の役割や、自治体間での協力の重要性の高まりが反映されている。協定のなかのある項目では、2010年に新たに制定され、中心的なデータ収集場所となる“カーボン都市気候レジストリ”をとおして、署名した自治体が気候変動への関与、活動、それらの実績を定期的に報告するように構成されている 128。

ヨーロッパでは、「市長誓約」(the Covenant of Mayors)への参加者が著しく増加しており、2020年までにCO2排出量を20%削減することや、自治体のエネルギー全体に占める自然エネルギーの割合を最低でも20%に引き上げるというEUの政策目標を上回る努力をすることに、2000以上の自治体が賛成し調印している 129。署名した市や街などは、その削減を実現するための行動計画を作成し導入することに賛同している。このイニシアチブは、国のエネルギー機関、地方自治体政府や都市のネットワークなどから市や街が実際的支援を受けられるように、参加や報告の方法などの実践的フレームワークを提供している。「市長誓約」は欧州委員会が、エネルギーや気候変動が地方自治体レベルで実質的な方法で取り組まれていることに強い関心を示している。

REN21が2010年に発行した、「地方自治体の自然エネルギー政策に関す世界報告書」は、自然エネルギーを推進するための自治体の政策と活動についての概要を示しており、EU、米国、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、日本の210の都市と自治体を調査した報告である。その中では自治体政策を大きく5つに分類している。目標設定、法的責任に基づく規制、地方自治体によるインフラの管理、模範としての自主的取り組みと公共調達、情報提供と普及啓発である。これらの5つの分類のうちで主要な発見のいくつかについて下記に要約する。報告書にはこれらの政策の事例が数多く掲載されており、そのいくつかは表R13にまとめられている。

地域レベルで自然エネルギーを推進しているほぼすべての都市は、なんらかの自然エネルギー目標や二酸化炭素(CO2)排出削減の目標を設定している。調査を行った210の自治体のうち、少なくとも140は自然エネルギーと二酸化炭素のいずれか、あるいは双方についての将来目標を定めている。典型的なCO2排出削減目標は基準レベル(通常は1990年レベル)から2010年~2012年までに10%~20%削減という、京都議定書の目標に合わせたものである。2020年やそれ以降のCO2目標値が近年定められており、典型的には2020年までに20%~40%の削減だが、2050年までの目標を定めているところもある。一方、将来のある時点で全面的あるいは部分的に「カーボンニュートラル」(正味の排出量ゼロ)とする目標値を持つ都市もある。新しい

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形のCO2目標値として一人当たりの排出量があり、いくつかの都市は将来の削減をこの指標で示している。

自然エネルギーに特化した目標値にもいくつかの種類がある。一つは電気使用量に占める自然エネルギーの割合であり、10%~30%に設定している自治体がある。自治体の中には、自治体の建築物、車両、業務などで自治体が使用する電力に占める割合を目標に設定しているところもある。こうした「自らの利用」についての目標は10%から100%まで幅広く設定されている。他の種類の目標として、エネルギー全体に占める自然エネルギーの割合(たとえば、電力だけでなく輸送や熱も含めたもの)、建築部門のように特定の部門でのエネルギーに占める割合を定めたものがある。目標値の中には導入される自然エネルギーの総量を定めたものがあり、太陽光発電や風力発電のMW数、太陽熱温水器の総面積などがある。

自治体の責任と権限に基づく規制には多くの種類がある。広く採用されている要素の一つとして、自然エネルギーを組み込んだ都市計画がある。ほとんどの計画は都市開発に自然エネルギーを体系的、長期的に統合することを要請している。計画の中には5年程度の比較的短期間のものもあるが、多くは2020年や2030年におよび、2050年のものもある。調査対象となった210の自治体のうち少なくとも半数が自然エネルギーを組み込んだ何らかの都市計画を持っている。

最近導入されるようになったもう一つの形式の規制的手法は、自然エネルギーを建築基準や建築許

可に組み込むものである。いくつかの規制では、太陽熱温水器を一定規模以上の新規建築物に義務付けている。他にも太陽エネルギーを建物の設計に採り入れる機会を持たせるため、建築前に設計の検査をするものがある。また、建築の設計に自然エネルギーを将来的に容易に設置できるような取り付け口や機能を組み込ませることもある。210の自治体の中で、少なくとも35の自治体は、自然エネルギーを組み込んだ何らかの建築基準や許認可政策を持っている。

他にも、自然エネルギーのための規制的措置が次々と採用されている。税制に関する権限を持つ自治体では、自治体レベルで自然エネルギーへの税還付や免除が可能であるが、これらは一般的ではない。210の自治体のうち12だけがこうした制度を持っていることが確認されている。住宅への導入に対する固定資産税還付や減税が最も一般的である。独自の規制措置の事例としては、米国のオレゴン州にあるポートランドが挙げられる。同市では、市域内で販売されるすべてのガソリンやディーゼル燃料にバイオ燃料を混合しなければならない。他の例として、ブラジルのベティムですべてのタクシーにバイオ燃料利用を義務づけていること、米国のフロリダ州ゲインズビル市で太陽光発電に固定価格買取制度を導入していること、東京都が都内の大規模事業者への炭素排出の総量規制と取引制度を定めている事例などがある。

自然エネルギーを地方自治体のインフラと業務に取り入れるためには多くの方法がある。自治体のインフラや業務にグリーン電力を購入することを決定している都市もある。他には、自治体用の車

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両や公共交通車両にバイオ燃料を購入している都市もある。多くの都市では、自治体の建物、学校、病院、娯楽施設、その他の公共施設に自然エネルギーを設置するように投資している。コミュニティまたは地区規模の熱供給システムを有する都市も、バイオマス・コジェネレーション設備などの自然エネルギー由来の熱利用インフラに投資している。

こうした公的な規制的役割を越えて、多くの都市では、自然エネルギー推進の自主的な取り組みを行っており、民間セクターやその他の団体の模範となっている。デモンストレーション・プロジェクトは非常に一般的である。エンドユーザーが自然エネルギーを設置するための補助金や助成金、貸し付けは特定の国や地域では広く普及している。210の自治体の中の少なくとも50がこうした制度を実施している。その他の自発的な行動として、政府投資ファンドや、民間およびコミュニティのイニシアチブを支援、または促進するための様々な手法が存在する。

国、地域または世界レベルでの多くのイニシアチブが、自然エネルギーを促進するための自治体間連携を支援してきた。たとえば700以上の米国の都市が加盟している全米市長気候保全協会、気候変動に関する世界市長・首長協議会、欧州ソーラーシティ・イニシアチブ、オーストラリア・ソーラーシティ・プログラム、インド・ソーラーシティ・プログラム、全米ソーラー・アメリカ・コミュニティ・プログラム、中国低炭素都市プログラム、日本環境モデル都市プロジェクト、イクレイ自治体自然エネルギーモデル・コミュニティ・イニシアティヴ、イクレイ気候変動防止都市キャンペーンなどである 130。 これらのうちの多くのイニシアチブや連盟で、参加自治体の数は年々増加し続けている。たとえば、インド・ソーラーシティ・プロジェクトは2008年の開始時点での参加都市は20だったが、2011年始めには48の都市が参加しており、2012年までに60都市の参加を目標としている 131。

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どんな遠隔地であっても、自然エネルギーはエネルギーサービスへのアクセスをもたらし、経済発展を促している。

自然エネルギーは伝統的なエネルギー源に頼っている何十億人もの人々に近代的なエネルギーサービスを提供することができる。これは自然エネルギーがもつ重要な役割といえる。地球規模では約15億人もの人々がいまだ電気へアクセスできず、照明は灯油ランプやロウソクに頼り、通信用ラジオを作動させるために高価な乾電池に頼っている1。およそ30億人もの人々、つまり世界の人口の3分の1以上に当たる人々が、木材やわら、石炭、炭、排泄物の直接燃焼により調理をしたり、暖を取ったりしているが、これは非常に非効率的で健康を害する方法である2。

発展途上国における多くの農村地域では、電力系統への接続は経済的にほぼ不可能であるか、または実現までに何十年もかかるだろう。しかしながら、今日では実現可能でコスト競争力をもつ選択肢が多数存在する。これらは伝統的なバイオマスエネルギーや系統からの電力、もしくは炭素燃料に取って代わるもので、確実で持続的なエネルギーサービスを提供することができる。自然エネルギーシステムは遠隔地域や農村地域において、近代エネルギーサービスへの変革を促進するかつてない機会をもたらしている。

農村地域における新しい自然エネルギーシステムへの変革多くの発展途上国では、家庭やコミュニティ、そして小規模産業において、伝統的なエネルギーから近代的なエネルギーへの地域変革が可能である。「伝統的」または「近代的」とは、燃料の種類と共に燃料の利用方法をも含めた言い方である。たとえば、薪を「伝統的」な手法である直接燃焼をさせた場合、非常に効率が悪く高レベルの汚染物質を排出するが、木材チップであればガス化して燃焼する「近代的」な調理用燃料であるため、燃焼効率は高く汚染も少ない。ロウソクや灯油は伝統的な照明方法であるが、暗く効率も悪い。一方電気ランプ(太陽光発電やその他の供給源による照明)は100倍もの明るさを放つことができる3。

どんな遠隔地域であっても、家庭用太陽光発電システム、小型水力発電による小規模系統、バイオマス

ベースシステム、またソーラーポンプ等の自然エネルギー技術を利用すれば、質の高い照明、通信、熱利用、冷蔵などの生活に必要なサービスから、経済成長を促す動力にいたるまで、持続可能なエネルギーサービスを提供することができる4。表3では自然エネルギーを利用した近代的な方法で提供されうる農村地域でのサービスについてまとめた。

残念ながら、発展途上国の農村地域における自然エネルギー利用に関する統計は体系的に収集されていない。何年もの間、公共的プログラムは農村地域の電化に責任を負う主要なステークホルダーであった。しかしながら今日では個人プロジェクト推進者や民間企業が多くのイニシアチブを推進しており、その活動を普及させつつある。さらに、遠隔地域でさえ、小規模の自然エネルギーシステムに対する市場の大部分は現金でやり取りされている。

その結果、発展途上国の系統のない地域での自然エネルギーの進展を詳述するのは難しい。しかしながら、多くの個別のプログラムや国に関する統計は存在する。この章では、いくつかの重要なエネルギーサービス分野の傾向を解説する。

家庭用の照明と通信家庭用照明は農村地域の電化による最も重要な恩恵の一つである5。小規模で手頃な自然エネルギー技術の多くが、系統電力へのアクセスのない家庭に高品質の照明をもたらしている。これらの技術は、発展途上国のエンドユーザーにより適し、より小さく、より安く、そしてより効率的なシステムを目指して展開しつつある。このような進展は、ある程度、

「ライトニング・アフリカ(Lightning Africa)」のようなプログラムのお陰であるが、この分野における民間セクターの努力の成果でもある。

家庭用照明に必要な電力はもともとわずかであるが、とくに発光ダイオード(LEDs)のような新しい照明技術を使えばより電力を節約できる。しかしながら、ドイツ国際協力公社 (GIZ)が発表した最近の現地調査によれば、明らかに発達の兆しはあるものの、市場で入手できたり、何らかのプログラムで提供される太陽光ランプシステムの多くが十分な照明レベルを供給していないか、農村家庭で照明として使うための頑丈さが不足している6。

 第 5章 農村地域(独立型)の自然エネルギー

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農村のエネルギーサービス 現在の独立型農村エネルギー源 新しい自然エネルギー技術の例

表3. 農村地域(独立型)における自然エネルギーへの変革

照明とその他の小規模電力需要(家庭、学校、街灯、電話充電、手工具、ワクチン保存、冷蔵および冷凍)

ロウソク、灯油、バッテリー、小規模ディーゼル発電機、系統にバッテリーを持ち運んでの充電

•水力発電(数kW~数百kW)•家庭用発酵槽からのバイオガス•ガスエンジン併設の小規模バイオマスガス化発電•村落規模小規模系統と太陽光/風力/水力のハイブリッドシステム•ソーラーホームシステム•ソーラー照明を含む超小型太陽光システム

通信(テレビ、ラジオ、携帯電話)

乾電池、小規模ディーゼル発電機、系統にバッテリーを持ち運んでの充電

•水力発電(数kW~数百kW)•家庭用発酵槽からのバイオガス•ガスエンジン併設の小規模バイオマスガス化発電•村落規模小規模系統と太陽光/風力/水力のハイブリッドシステム•ソーラーホームシステム•ソーラー照明を含む超小型太陽光システム

暖房および冷房(穀物乾燥およびその他の農業関連処理、給湯)

ほとんどが薪、家畜排泄物、わらの直接燃焼

•改良型暖房ストーブ•小規模および中規模発酵槽•太陽熱農作物乾燥機•太陽熱暖房/冷房•自然エネルギー小規模系統システムによる送風機

動力(小規模産業)

ディーゼルエンジンおよび発電機 •小規模および大規模ソーラーホームシステム•小規模風力発電•小規模系統とハイブリッドシステム(たとえば、小規模水力、ガス化発電、直接燃焼、大規模バイオマス発酵槽、その他の自然エネルギー)

揚水(農業と飲料水)

ディーゼルポンプおよび発電機 •風力メカニカルポンプ•太陽光発電ポンプ•小規模系統とハイブリッドシステム

調理(屋内、商業用ストーブおよびオーブン)

約15パーセントの効率の薪、家畜排泄物の燃焼、わらの直接燃焼

•約25%の効率の改良型調理ストーブ(薪、穀物残さを利用)•家庭用発酵槽からのバイオガスとバイオガスストーブ•ソーラークッカー

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家庭用照明の改善に最も直接的に関係している自然エネルギー技術は、ソーラーホームシステムや太陽光ランプを含む太陽光発電である。世界での実績を見積もるのは難しいが、それでも特筆すべき成果がいくつかみられる。

アフリカでは、2007年には50万台以上の太陽光発電システムが使用されていた。そのうちの半分以上が南アフリカやケニアである8。2005年の時点でケニアでは25W規模の中規模太陽光発電システムが15万台以上導入されていたが、30万世帯にまで普及したと報告された9。この2カ国以外では、アフリカにおけるソーラーホームシステム(SHS)または数kW規模の太陽光発電システムに関するプロジェクトの多くは、開発が進められているものの比較的小さな規模にすぎない。

タンザニアにおいては、近年世界銀行が、とくに小型水力発電、バイオマス・コジェネ、太陽エネルギーを利用した独立型自然エネルギーソリューションの推進に力をいれている。世界銀行は、2007年に設立された農村地域エネルギー機関への支援とし

て、2250万ドルを投資した。この機関は将来的に拡大していくと予想されている独立型電化アプローチの試験を行う10。

アフリカの農村地域電化プログラムのいくつかは2000年代始めに着手され、とくにアフリカ西部(マリ、セネガルやモーリタニア)においてソーラーホームシステムの普及に大きく関わっている。サービス料金プログラムにしても、家庭規模のスキーム

(マイクロファイナンスや現金)にしても、アフリカにおけるソーラーホームシステム市場は拡大しつづけるだろう11。

アジアにおける進展もまた注目に値する。2008年半ばに終了した中国の再生可能エネルギー開発プロジェクトでは、40万台以上ものソーラーホームシステムが中国北西部で販売された。販売先の多くが遊牧民で、新しい牧草地へ移動するたびに家畜の背中にシステムを乗せて運んでいる12。インドにおいては、新・再生可能エネルギー省の試算によると、2010年時点で約60万台のソーラーホームシステムと、80万台の太陽光ランプが全国で販売された13。

補足8.ライトニング・アフリカ:市場や技術革新から得る教訓

「ライトニング・アフリカ(Lighting Africa)」プログラムは国際ファイナンスコーポレーション

(IFC)と世界銀行が合同で実施しており、民間セクターの革新と新照明技術を促進させる目的で小額の技術支援助成金を提供している。アフリカ中にある独立型農村地域のために、環境にやさしく手頃な価格で入手できる高品質な照明の商品化促進を目標としている。このプログラムは、購入補助金を与えるのではなく、環境整備や市場インフラの整備によって、ソーラー充電型蓄電池で作動する発光ダイオード(LED)や蛍光灯照明を普及させている。

Lighting Africaプログラムが取り組んでいる問題と、改良型または新型バイオマスストーブの開発販売を手がける他の試みが直面する問題の間には著しい類似点が存在する。照明産業のリーダーの交流から、たとえばLighting Africaプログラムでは、大手メーカーにはアフリカ市場に関する情報が欠落していたこと、環境整備が重要であるこ

とが明らかになった。このような環境を改善するため、プログラムは企業間交流ウェブサイトでビジネス連携をはかったり、国際会議、国内会議、見本市、ワークショップなどを開催したりすることで、業界に「情報」を提供している。

ドイツ技術協力公社(GIZ)と共に、Lighting Africaプログラムは照明装置に対する初期試験方法や基準確立を支援してきたが、現在は一般向けの認証ラベルの開発段階にある。さらに、このプログラムはさまざまな国で消費者意識向上の普及啓発キャンペーンを実施してきた。また、技術開発、マーケティング、導入戦略の革新に対して助成金も提供してきた。

財源の重要性を認識しているため、Lighting Africaプログラムは市場に見合った解決策や金融商品の開発を支援することで、資金ニーズに応えようとしている。一例としては、貿易金融を提供したり、独立型照明商品を扱う中小規模の販売業者に運転資金を提供したりしている。

出典:本章の巻末注7

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これは、年間およそ3万7000台の新規家庭照明システム、3500台以上の太陽光ランプ、約1500台のソーラー街灯システムの増加を意味している14。スリランカでは、2007年時点で6万台のソーラーホームシステムが販売されたが、そのほとんどが最近10年に販売されたものであった。2010年までにその数は12万5000件以上にまで増加した15。

バングラデシュでは、国中で毎月およそ3万台のソーラーホームシステムが販売されている。2000年代前半、バングラデシュ政府と国際銀行、双方の資金援助提供者は、インフラストラクチャー・ディベロップメント・カンパニー(IDCOL)によって運営される農村地域エネルギーファンドを立ち上げた。販売サービス会社30社からなるグループは、このファンドのおかげで約75万台のソーラーホームシステム

(その多くが50〜75W規模である)を設置することができた16。これらのシステムの3分の1が2010年に設置されたものであり、近年では参加組織の数が倍増している。

プログラム成功の鍵は、販売後のサービスと連動した高い品質システム基準と保証、販売促進とシステム保証を担うGrameen ShaktiやBRACなどのマイクロファイナンス機関の積極的な参加にある。2002年の発足以来、プログラムは全国バイオガスイチニアチブ、太陽光マイクロ系統、太陽光ポンプ灌漑、バイオマス発電へと拡張してきた。このプログラムは、農村地域において自然エネルギー拡張を調整する専任組織(IDCOL)をおく利点を示している。

カンボジアやラオスなどの他のアジア諸国は、ソーラーホームシステム営業権を設けて、意欲的な農村地域電化プログラムを展開している。このプログラムは、ハイブリッドシステムや水力発電プラントを利用するコミュニティ電化スキームを包括している17。

スリランカの「農村地域の経済発展のための再生可能エネルギー(RERED)プロジェクト」は、消費者クレジットや、マイクロファイナンス機関、太陽光関連会社のネットワークを頼りにしている。販売網を通じて太陽光関連会社はソーラーホームシステムを販売し、保守管理と補修サービスを提供する。マイクロファイナンス機関と太陽光関連会社間で覚書を交わしており、両者間の買い戻し制度と消費者・サービス責任について定めている。このモデルを利用しているのがREREDのソーラーホームシステム

の融資上のパートナーであるサルボダヤ経済事業開発サービス(Sarvodaya Economic Enterprises Development Services)である。2010年までにおよそ13万台のシステムに貸付を行ってきており2002年以来10万台以上の増加を示している18。このマルチステークホルダーのアプローチは、計画的な官民パートナーシップをもとに地球環境ファシリティ

(GEF)からの助成金援助をうけ、さらに小規模水力発電プラントを使用した村落ミニ系統ネットワークを発達させてきた19。

家庭用の照明と同様に通信技術にかかる電力はわずかであり、家庭用または個人用ソーラーシステムで対応できる。これまでは、コスト的に非効率であり限りのある自動車バッテリーを村落の発電機や国有の系統に直接つなげて充電をすることで対応

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していた。グローバルな通信ネットワークが拡張するにつれ、携帯電話の充電もまた発展途上国においてきわめて重要なニーズ(かつ、新興ビジネス)となりつつある。このニーズは、多くの太陽光発電システム、なかには携帯充電機能を持ったシステムを購入する推進力となってきた。

調理と熱利用発展途上国の農村地域では、調理に使用されるエネルギーのほとんどは、木材、わら、排泄物などであり、多くの場合簡素で燃焼効率の悪いストーブで燃やされる。そのような調理方法からの排出物は深刻な健康問題を引き起こし、燃料の収集がバイオマスを枯渇させるような採取となってしまうことも多い。

改良型調理ストーブ(煙突付密閉式ストーブあるいは排気フード付燃焼設備を示す)の普及についての見積もりはさまざまである。世界保健機関と国際連合開発計画(2009年)は、140カ国で調査を行い、30億人が調理時に木材、わら、排泄物、石炭などの固形燃料に依存していると推計している20。調査によると、およそ8億3000万人の人々は改良型調理ストーブを使用している。その数は世帯数でいうと1億6600万世帯にのぼり、内訳は中国が1億1600万世帯、残りの東アジアが1300万世帯、南アジアが2000万世帯、サハラ以南のアフリカが700万世帯、ラテンアメリカでは800万世帯を超えている21。

この数字は、現在改良され工場で生産されている最新のストーブの数は含まれていない。ときには、国際的な大企業の後ろ盾がついていることもある22。このような新しいストーブは、調理時のエネルギー効率を高め、室内の空気汚染を減少させ、世界の最貧層に対して労働や現金負担を軽減させるようデザインされている。通常、これらのストーブは5年〜 10年以上の耐久性のある材料によって作られており、多くが保証付きで手頃な価格で販売されている23。発展途上国におけるバイオマスストーブの将来性は高い。

発展途上国における改良型ストーブの普及は目覚しい発展を遂げた。2010年に国連財団は、発展途上国におけるバイオマス調理ストーブの改良実施プログラムを支援する、クリーンな調理用ストーブの た め の 世 界 同 盟(GACC) を 立 ち 上 げ た24。GACCは基準や試験方法などの問題に取り組み、設置を奨励し、初期投資を分散させるファイナンス技

術を発展させ、普及啓発をはかっている。2020年までに1億台以上のストーブを普及させることを目的としている25。

GACCは、エネルギー開発プログラムのような既存の活動を補完してくれるだろう。このプログラムはドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)とオランダ外務省国際協力総局(DGIS)に支援されており、エネルギー効率の良い調理ストーブに対する持続可能な市場確立に尽力している。ストーブ自体の購入のために補助金を与えることよりも、第一に技術を発展させるため、よりよいストーブに対する市場構築のために助成金を提供することに重点的に取り組んでいる。世界中で12カ国、主としてアフリカで活動している。このプログラムを通じて、2010年末までにおよそ720万人もの人々が近代的な調理技術へのアクセスが得られた26。

2010年にインドは、新たなバイオマス調理ストーブの大々的な促進を発表した。これは現在伝統的なバイオマス調理方法を利用している何百万人もの人々に行き渡る可能性を秘めている27。このプログラムは5つの重要分野に焦点をあてている。試験方法や基準に関する研究開発を含む技術的課題、製品調達の手順、燃料加工と供給に対する実行可能なプログラム、次世代型調理ストーブの開発コンテスト、共同調理ストーブによる成果に関する調査である。

工場で生産される改良型ストーブの利用は現地生産のストーブの利用に比べるとかなり遅れをとっており、こうした企業の多くが過去5年間にビジネスを立ち上げている。工場生産のストーブは現地生産のストーブよりも燃焼効率に優れ、耐久年数も長い。工場生産のストーブが市場に出回り始めたのはつい最近のことだが、大規模なプログラムを通じてインドや南アフリカ、ウガンダ、ホンジュラス、グアテマラにおいて、これまでにおよそ50万台のストーブが販売された28。

1994年 以 来、Groupe Energies Renouvelables, Environnement et Solidarités(GERES)はカンボジアにおいて、環境保護と生活水準向上のため、エネルギー効率の良いソリューションを発達させようと働きかけている。2003年から2010年の間に、New Lao stoveの販売台数は100万台を突破し、2010年には約20万台が販売された29。

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新しい種類のストーブに加え、バイオガスシステムやソーラークッカー(太陽熱調理器)といった、より小規模でニッチな調理技術もまた調理方法を改善する上で重要な役割を果たしている30。調理用バイオガスの導入は発展途上国において着実に進められているが、ペースは遅い。原材料が堆肥であるため、家庭用バイオガスシステム市場が家畜所有者に限られてしまうことが一因である。しかしながら、技術そのものはおよそ25年間ものデザイン変更などを経て進化しつつある。

農業省の再三にわたる努力の結果、中国では2006年から2010年の間に約2200万台のバイオガスシステムを導入し、2011年前半にその総数はおよそ4000万台に達した31。インドでは約400万台、ベトナムでは近年、年間約2万台のシステムを導入しており2010年までには10万台以上に達する32。カンボジア、ラオス、インドネシアにはより小規模のプログラムがあり、2010年にはそれぞれ約1000台のシステムを導入している33。

ネパールのバイオガス支援プログラムは民間セクター、マイクロファイナンス機関、コミュニティグループ、NGOが参加し、過去10年間でバイオガスシステムが着実に増加している。2010年には約2万5000台のシステムが導入されたが、全国の総数はおよそ22万5000台に上る34。

動力・灌漑・村落規模のシステム動力や村落電化のような大規模な運用のためには、家庭用や小規模独立システムよりもはるかに大量に発電するオーダーメードの電力システムが必要になる。より大きなシステムの一例が小規模電力系統であるが、電力は通常、蓄電池やバックアップのディーゼル発電機と共に、太陽光、風力、水力、時としてバイオマスを使用した複合発電システムから供給される35。太陽光発電、小規模風力発電、小規模水力発電、バイオマスを使用した大規模な独立システムも、動力、揚水、脱塩用に電力供給をしている。

そのようなシステムは、ビジネス目的だろうとコミュニティ供給目的であろうと、小規模システムとは異なった資金調達の問題があり、特殊なビジネスモデルやバンキングモデルを必要とする36。それでも運用期間全体でのシステムコストは一般的に、系統の拡張やディーゼル発電機などの伝統的な選択肢よ

りもまだ廉価であり、ビジネス用途(ホテル、通信基地、漁業等)の場合には、すぐに元が取れる。主要な金銭的な課題といえば、初期投資コストである。

ネパールの村落マイクロ水力プログラムは、30年以上にもわたる低価格化に向けた技術開発と、コミュニティ運営の管理システムの革新による恩恵を受けている。このプログラムは順調に拡大し、今では同様の発電が実現可能であると認められた51地区のうち40地区、約4万1000世帯を網羅している37。このようなシステム普及に際して最も大きな障害となるのが、相対的に高いコストと、コミュニティレベルでのサポートの必要性である。ネパールのプログラムは、これらの障害を克服するためにコミュニティと連携し、資金調達メカニズムを通じて初期投資コストに対処するよう住民を支援している。

ブラジルでは農村地域電化政策の「最終段階」ともいうべき段階に達した。現在、国内電力系統は95%以上の世帯に接続されたが、「すべての国民に灯りを(Luz Para Todos)」プログラムは継続され、系統を拡張したり、独立型コミュニティシステム、家庭用システムを使用することで農村地域へのアクセス拡張を目指している。このプログラムは2010年までに、約1300万人もの人々(260万世帯以上)に様々なタイプの独立型系統システムを提供したが、その多くがブラジル北東部である38。

独立型自然エネルギーへの融資傾向多くの場合、自然エネルギーシステムに対する初期投資コストは世帯収入と比較して高額なため、独立型農村地域における自然エネルギー導入は遅々として進んでいない。これまでのところ、そのようなプロジェクトの資金調達問題は主にプロジェクトの規模が小さいことにあり、金融機関のローン提供を妨げてきた。問題の多い法的枠組み、粗悪な税金や助成金制度、ローカル市場を開拓しようとする地域グループや小売業者の不足などが民間投資家をも遠ざけていた。系統規模の電力システムは一般的にそのような障壁に直面することはない。なぜなら、融資規模が大きい傾向にあり、担当電力会社に直接融資が行われるためである。

多くの政府が、系統の拡張について単なる助成金提供とは違った方法でも課題に取り組むことができることに気づきはじめている。系統の拡張と独立型自然エネルギーを同一プロジェクトに統合する傾

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向が徐々に広まりつつある。

独立型または小規模系統電力プロジェクトへの融資に関しては、過去10年間の傾向として、農村地域の自然エネルギープロジェクト支援で提携している(またはサポート訓練を受けている)地元の民間または公的金融機関に、より大きな融資がされてきている。通常このような銀行やファンドは、実行可能なプロジェクトのポートフォリオを作成し、プロジェクト提案を見直すことで新規融資の要求にも対応することが可能である。世帯への直接貸付けは行なわず、民間企業、営業許可取得者、NGO、マイクロファイナンスグループへの融資を行なう。プロジェクト融資を受けるためには、エネルギーサービス需要を整理し、農村地域の消費者のための健全なビジネスプランをまとめた上で申請をしなければならない。

このモデルはバングラデシュ、マリ、セネガル、スリランカを含む多くの国々で実施され、成功している。その結果、自然エネルギーの家庭用システム、改良型バイオマスストーブ、村落またはコミュニティの小規模系統システムがすべて同一の機関から融資を受けていることもある。実際にはこれらのファンドの多くが、当初はソーラーホームシステムなどの単一技術への融資に特化していたのだが、次第に他の自然エネルギーシステムから枯渇性エネルギーへのアクセスにいたるまで融資対象を広げている。

新たな選択肢として、ソーラーホームシステムへの電力会社の融資がある。ペルーでは政府からの支援を受け、電力小売会社が新規プログラムを始動させた。その内容は、遠隔地に暮らす住民に初期コストなしでソーラーホームシステムを供給するというもので、世帯はその対価として月額使用料を支払う39。サービス料金の仕組みは、アフリカの広範にわたる地域を含む他の多くの国々で採用されている40。

一方、アルゼンチンは特定区域の太陽光発電システムに対して国による固定価格買取制度を導入したが、これはラテンアメリカ初の導入である。

政府の推定によると、30万もの農村世帯が系統から離れていて電力系統の拡張では対応できず、自然エネルギーを必要としている41。プロジェクト支援を得て、独立型太陽光発電システムを所有している

電力小売会社は、国内で最も遠隔地に住む消費者にさえも電力サービスを提供し、消費者はこのサービスに対して料金を支払う。ラテンアメリカの他の国では、類似した融資モデルの導入を考えている。

カーボンクレジットはプロジェクトファイナンスのなかでも増大しつつある分野のひとつである。2008年末に中国で始動したあるプロジェクトは、バイオガス発酵槽の促進に取り組んでいる。このバイオガス発酵槽は動物の排泄物を使用して、家庭での熱利用、照明、調理のためにエネルギーを作り出す42。低所得農村地域における3万3000以上の世帯(およそ16万5000人の人々)が家庭用発酵槽の導入の恩恵をうけ、石炭やコークス等、炭素集約型の燃料に取って代わりつつある43。

助成金交付や技術支援などの形で、農村地域のソーラーホームシステム市場や他の近代的エネルギーサービスへの持続的なアクセスを支援することが一般的な方法になってきている44。様々な助成金のお陰で、公共機関や民間企業がトレーニングや販売ネットワーク、ビジネスモデル開発、製品開発、パイロット・プロジェクトなどに取り組むことができる45。社会やコミュニティなど地域一帯に付与される形の助成金は、コミュニティ全体が独立型自然エネルギーサービスへより公平で社会的に適切なアプローチを取れるよう支援している。マイクロファイナンス機関からの資金は、このようなアプローチを促進していることが多い。

要約すると、独立型かつ農村地域向けの自然エネルギー市場において、いくつかの重要な傾向が顕著になってきた。第一に、独立型自然エネルギーソリューションは農村地域にとって最も経済的で持続可能な選択肢であるという認知が徐々に広まりつつある。このことは長期的にみて、とくに情報へのアクセスや融資商品に対する障害に対処する場合、市場開発に影響を及ぼすだろう。第二に、エネルギーアクセスに対する注目度が高まっている。エネルギーアクセスには、最も基本的な電力需要を超えたターゲットへの「増強」アクセスとディーゼル供給の安全問題に取り組む「持続可能な」アクセスが含まれている。第三に、サポートプログラムの多様性が増していることは明白であり、より幅広くなったことで将来的にはこれらの経験のモニタリング、文書化、学習のプロセスは複雑化するかもしれない。

─ 71 ─

表参照

注:数字は概数;より正確なデータは「世界市場の概要」の章および巻末注を参照。出典:表R2~R6の出典および「世界市場の概要」の章の巻末注を参照。

表R2. 新規および既存の風力発電容量 上位10カ国(2010年)

国名 2009年末累積(GW) 2010年新規(GW) 2010年末累積(GW)

中国 1 17/25.8 + 14/18.9 31/44.7米国 35.1 + 5.1 40.2ドイツ 25.7 + 1.5 27.2スペイン 18.9 + 1.8 20.7インド 10.9 + 2.3 13.2イタリア 4.8 + 0.9 5.8フランス 4.6 + 1.1 5.7英国 4.4 + 0.9 5.3カナダ 3.3 + 0.7 4.0デンマーク 3.5 + 0.3 3.8

世界計 159 + 39 198

表R1. 自然エネルギーの新規および既存の設備容量(2010年)

2010年新規 2010年末累積

発電 (GW)

風力発電 + 39 198バイオマス発電 + 2‒4 62太陽光発電 + 17 40地熱発電 + 0.2 11集光型太陽熱発電 (CSP) + 0.5 1.1水力発電 + 30 1,010海洋発電 + > 0 0.3

温水/暖房 (GWth)

バイオマス熱利用(近代的) n/a 280太陽熱温水/暖房 + 30 185地中熱利用 n/a ~51

輸送燃料(10億リットル/年)

エタノール生産 + 12 86バイオディーゼル生産 + 1.5 19

注:国のデータでは0.1GW未満を四捨五入し、世界全体のデータでは1GW未満を四捨五入した。四捨五入したのは入手したデータの不明点や不整合を説明するためである。合計は表上の数値を加算したものではないため、この四捨五入によってこれらの数値を加算しても合計と異なってくる。数字には各出典のさまざまな数字が反映されており、計算法や方法論が違うため、細かい程度の違いがでることもある。1 中国については、2010年末までに稼動していた設備容量(低い方の数字)と総設置容量(高い方の数字)に分けた。この分類に関する詳細は「世界市場の概要」の章と巻末注を参照のこと。出 典:GWEC, WWEA, CREIA, CWEA, EWEA, AWEA, BMU, IDAE, MNRE, GSE, DECC, IWEA, Bridge to India, BTM Consult-Navigant Consultingの1部署詳細とデータに関する注釈は、「世界市場の概要」の巻末注を参照のこと。

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表R3. 新規および既存の太陽光発電容量(2006年~2010年)

ドイツ

スペイン

日本

イタリア

米国

チェコ共和国

フランス

中国

ベルギー

韓国

その他のEU

その他の世界計

新規分合計

世界計

既存新規2006 2007 2008 2009 2010 2006 2007 2008 2009 2010

MW GW

845

90

290

10

145

10

10

2

25

20

130

1,580

1,270

560

210

70

205

3

10

20

20

45

35

80

2,510

1,950

2,600

230

340

340

60

45

40

70

275

100

145

6,170

3,795

145

480

715

475

400

220

160

285

170

180

285

7,260

7,405

370

990

2,320 1

880

1,490

720

550

425

130

515

865

16,630

2.9

0.2

1.7

0.05

0.6

0.03

0.08

0.03

0.2

1.2

7

4.2

0.7

1.9

0.1

0.8

0.04

0.1

0.02

0.08

0.2

1.3

9.5

6.1

3.3

2.1

0.5

1.2

0.07

0.09

0.2

0.09

0.4

0.3

1.4

16

9.9

3.4

2.6

1.2

1.6

0.5

0.3

0.3

0.4

0.5

0.5

1.7

23

17.3

3.8

3.6

3.5 1

2.5

2

1

0.9

0.8

0.7

1

2.6

40

注:新規設備容量の数値は5MW未満を四捨五入した(合計が小さい数字を除く)。既存容量の数値は0.1GW未満を四捨五入し、2008年から2010年までの世界計については1GWを四捨五入した。四捨五入したのは入手したデータの不明点や不整合を説明するためである(報告された統計のより詳細なデータと相違については「世界市場の概要」の章と巻末注を参照)。新規、既存の数値はこの四捨五入及び各年の報告書での差異により若干の不整合がありうる。合計は表上の数値を加算したものではないため、この四捨五入によって、これらの数値を加算しても合計と異なってくる。GSRはこの最新版から、系統連系型と独立型を含む太陽光発電容量のデータを使った。そのため、上記の列はすべて2006年から2009年のデータの遡及的変更などを反映した。そのため以前の報告書のデータとは異なる。詳細は、「設備容量の報告と計算法」の注釈を参照。1 イタリアについては2010年の実際の導入量と2010年末時点の設備容量が当表の数値より高くなりうる。詳細は「世界市場の概要」および巻末注を参照のこと。出典:全てのデータはEPIAによる。但し、ドイツ(BMU)、スペイン(IDAE)、イタリア2010(GSE)、中国(CREIA)を除く。データに関する具体的な情報源と注釈については「世界市場の概要」の巻末注を参照のこと。

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表R4. 自然エネルギー発電設備容量 (2010年末時点での既存容量)

世界総計 途上国 EU-27 米国 中国 ドイツ スペイン インド

技術 GW

風力発電 198 61 84 40 45 27 21 13

バイオマス発電 62 27 20 10 4 5 0.5 3

太陽光発電 40 n/a 29 2.5 0.9 17.3 3.8 ~0

地熱発電 11 5 1 3.1 ~0 0 0 0

集光型太陽熱発電(CSP) 1.1 0 0.6 0.5 0 0 0.6 0

海洋(潮力)発電 0.3 0 0.3 0 0 0 0 0

自然エネルギー発電容量合計(水力発電を除く)

312 94 135 56 50 49 26 16

水力発電 1,010 1 n/a 130 78 2 213 5 2 16 40 2

自然エネルギー発電容量合計(水力発電を含む)

1,320 1 n/a 265 134 263 54 42 56

注:数MW程度の小さな数値は“~0”と表示。各数値は、実際の容量の変更ではなく数値が改善により修正されているため、毎年の増加を把握するために前報告書の表と比較することは適当ではない。「世界総計」には当表に記載の無い他の国々を含む。当表に明記されているのは、世界の自然エネルギー発電設備容量(水力発電を除く)の上位5カ国となっている。バイオマス発電の数値には、廃棄物発電の容量(MSW)は含まない。これについての説明は「設備容量の計算法と報告」を参照のこと。バイオマス発電の数値は、本報告書にデータを提出する国によるバイオガスおよび固形バイオマス発電の統計に関するIEAの最新データを反映するため2009年から修正している。水力発電の2010年の新規導入量は、BNEFによると27GW(大規模水力のみ)で、IHAによると29~ 35GWだった。当表の総計は2009年総計の980GWと2010年の新規導入量約30GWを反映している。世界の水力発電容量の総量といくつかの国のデータは揚水発電容量を多少含む。それは水力発電総計に揚水水力が総計に含まれているかどうかが国によって異なるためである。IHAによると、2010年の揚水発電容量は推定136GWあった。揚水発電容量には、揚水発電を含む従来型の水力施設の容量として算出しているものもあれば、独立型の揚水発電容量として算出しているものもあるため、この数値は明確ではない。次回の報告書では、より詳しい調査を行う計画をしている。IPCCのSpecial Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation (2011)では2009年の従来型の水力発電容量は926GWと報告した。IPCCの報告書では、International Journal on Hydropower and Dams, World Atlas & Industry Guide(Wallington, Surrey,英国:2010)のデータを採用している。推定30GWを加算すれば、2010年の世界の従来型の水力発電容量はおよそ956GWとなる。よって本報告書の推計より55GW少なくなる。この55GWという数値は、2009年と2010年のIHAのデータに基づいており、IHAにより推計された2010年の容量の幅(970~ 1060 GW)の中の数値を反映している。揚水発電容量はこの差異の大半を占めることになりうる。

1 データは10GW未満を四捨五入。2 米国、ドイツ、インドのデータは従来型の水力発電容量のみ反映している。出典:出典は表R2~ R3及び「世界市場の概要」の章で引用された;IEA, Renewables Information 2010(OECDのバイオマス発電容量)及びElectricity Information 2010; WEC, Survey of Energy Resources 2009; 寄稿者からの報告;エリック・マーティノーによる2005年報告書にさかのぼる歴史的なデータベース。

─ 74 ─

表R5. 太陽熱温水器設備容量 上位12カ国 EUと世界総計(2009年)

注:各数値は、温水プール用途(非ガラス管式集熱器)を除く。世界の新規導入量は全体での追加分;既存値は撤去済み設備の推計値を含む。中国と世界のデータはGWthで四捨五入。WeissとMauthnerは、彼らの調査が世界市場の85~90%は含んでいると見積もっている。上記の世界総計や各数値はこの点を考慮に入れ、その結果世界総容量は控えめに見て5%を加えている。ブラジルの設置容量は、2009年末に3.7GWthに達している。このデータは、Renata Grisoli、CENBIO,BrazilとREN21関係者との2011年2月の情報交換による。しかし、全ての数字において一貫性を保証するため、 WeissとMauthnerのデータをこの表に使用している。国際的に認められている100万㎡=0.7GWthを用いる。

1 中国の数値は2010年に下方修正されている。従来の報告書では近年設置されたが稼働していない大量の設備数も計算に含めていたためである。以前の報告書では、新規設置の累積容量のみ中国のデータに反映され、稼働しなくなる設備に対しては反映されていない。(これは、他国での老化による設備の撤去とは異なる;中国では、比較的最近導入された設備が、寿命が尽きる以前に使用できなくなっている)さらに、過去には、中国で製造および輸出した設備と中国に設置された設備とでは差が開いていた。このような差異および訂正は、世界の太陽熱温水器に関する以前の報告書に大幅に影響を与えている。また、本報告書は以前の報告書と比較してはならないということを意味する。

報告書の他のところにも使用されている世界総容量の2010年推計値に注意(e.g 世界市場の概要;表R1):2010年の太陽熱パネル容量である185GWthはWeissとMauthnerによる推計であり、すべてのパネル容量は2010年末には総計196GWthとなる。約10%~11%の市場占有率を見せる非ガラス集熱器を差し引くと総計は176GWthになるが、WeissとMauthnerの調査に含まれていない国々を反映させることにより5%上昇し、185GWthに調整される。2010年の全体の新規導入量は30GWthであり、WeissとMauthnerの調査の既存の非ガラス管式集熱器における2009年と2010年の相違(25GWth)や2010年に全世界的に5GWth減少したという前提に基づいて推定したものである(中国以外での設備の年次撤去率は5%であり、2010年に中国では2GWthほど稼働しなくなっている)。

出 典:Werner Weiss お よ び Frantz Mauthner, Solar Heat Worldwide: Markets and Contributions to Energy Supply 2009(Paris: IEA Solar Heating and Cooling Programme, 2011年5月)

2009年新規 2009年既存

GWth

+ 29

+ 0.7

+ 1.1

+ 0.1

+ 0.1

+ 0.2

+ 0.3

+ 0.3

+ 0.4

+ 0.1

+ 0.4

+ 0.3

+ ~3.0

+ 37

+ 2.9

102

8.4

8.4

4.0

2.9

2.8

2.8

2.6

2.2

1.9

1.8

1.4

~19

160

21.2

国/EU

中国 1

トルコ

ドイツ

日本

ギリシャ

イスラエル

ブラジル

オーストリア

インド

米国

オーストラリア

イタリア

その他の国

世界総計

EU-27

─ 75 ─

表R6. バイオ燃料生産 上位15カ国プラスEU(2010年)

燃料用エタノール バイオディーゼル 総計国名

1. 米国

2. ブラジル

3. ドイツ

4. フランス

5. 中国

6. アルゼンチン

7. スペイン

8. カナダ

9. タイ

10. イタリア

11. インドネシア

12. ベルギー

13. ポーランド

14. 英国

15. コロンビア

世界総計

EU総計

49

28

1.5

1.1

2.1

0.1

0.6

1.4

0.4

0.1

0.1

0.3

0.2

0.3

0.4

86

4.5

1.2

2.3

2.9

2.0

0.2

2.1

1.1

0.2

0.6

0.8

0.7

0.4

0.5

0.4

0.3

19

10

50.2

30.3

4.4

3.1

2.3

2.3

1.7

1.6

1.0

0.9

0.8

0.7

0.7

0.7

0.7

105

14.5

10億リットル

注:全ての数値は1億リットル未満四捨五入、ただし世界総計、米国、ブラジルのエタノール数値のみ10億リットル未満で四捨五入。エタノールの数値は燃料用エタノールのみ。表の順位はバイオ燃料の総量による。数値は容量であり、エネルギー値換算ではない。トン単位でのデータは、1260リットル/トン(エタノール)と1130リットル/トン(バイオディーゼル)で換算;立方メートル(㎥)の場合、エタノールのデータは1000リットル/㎥で換算。出典:F.O. Licht, 2011年3月;IEA, Medium Term Oil and Gas Markets 2011(パリ: 2011年6月)。ブラジルのエタノールのデータはRenewable Fuels Department, Brazilian Ministry of Mines and Energyに よ るBrazilian Ministry of Agriculture, Livestock, and Supply (MAPA), 2011年4月28日時点のREN21関係者との情報交換による。ドイツのエタノールとバイオディーゼルのデータはBMU, Renewable Energy Sources 2010(2010年3月23日時点の臨時資料)による。F.O.LichtとIEAの報告によると、ブラジルは260億リットルのエタノールを生産し、ドイツは9億リットルのエタノールと27億(F.O.Licht)/ 29億(IEA)リットルのバイオディーゼルを生産。2010年の報告書では、上記の表はIEAに拠っていたが、本報告書ではF.O.Lichtのデータを主な出典としている。1億リットル以下の相違は、二つの出典の間に表れているが、IEAのデータ上の例外は次のようである:米国(501億リットル、エタノール;10億リットル、バイオディーゼル);フランス(7億リットル、エタノール;26億リットル、バイオディーゼル);中国(23億リットル、エタノール;4億リットル、バイオディーゼル);スペイン(4億リットル、エタノール);ポーランド(3億リットル、バイオディーゼル);インドネシア(0.4億リットル、バイオディーゼル)。IEAは、ベルギー、ポーランド、英国、コロンビアについでインドネシアを位置づけている。総エタノール生産に関して、F.O.Lichtは865億リットル、IEAは863億リットルと報告;総バイオディーゼル生産に関しては、F.O.Lichtは187億リットルを、IEAは193億リットルと報告している。

─ 76 ─

表R7. 自然エネルギーの一次および最終エネルギーにおける割合(2008年、2009年、目標値)

既存の割合(2008/2009) 1

将来の目標 既存の割合(2009)

将来の目標 2

8.2%

29%3.0%

5.1%

2.1%5.3%

18%

11%

25%7.5%

8.9%

5.1%

5.8%

5.0%3.8%

12%30%6.0%

35%

10%3.6%

0.5%

→ 2020年までに18%

→ 2020年までに14%

→ 2025年までに17%

→ 2030年までに20%→ 2020年までに10%→ 2015年までに7%→ 2020年までに10%

→ 2025年までに20%

→ 2020年までに7%→ 2020年までに15%

11.6%

29%3.8%

12%

9.1% 3.8%8.5%

20%

23%

30%12%

9.7%

7.9%

9.5%

5.1%

7.8%

37%

17%2.8%

0.7%

→ 2020年までに20%

→ 2020年までに34%→ 2020年までに13%→ 2016年までに1%→ 2020年までに16%→ 2020年までに2.1%→ 2020年までに15%→ 2020年までに13%→ 2020年までに13%→ 2020年までに30%→ 2011年までに20%

→ 2020年までに25%→ 2013年までに100%→ 2020年までに38%→ 2020年までに23%→ 2020年までに80%→ 2020年までに18%→ 2030年までに30%→ 2040年までに45%→ 2050年までに60%→ 2020年までに18%→ 2020年までに14.7%→ 2020年までに13%

→ 2020年までに16%→ 2020年までに50%→ 2020年までに17%

→ 2020年までに40%→ 2020年までに12%→ 2020年までに23%→ 2020年までに11%→ 2020年までに54%

→ 2020年までに10%

国/地域

EU-27アルバニアオーストリアベルギーボツワナブルガリアブルンジ中国 3

キプロスチェコ共和国

デンマーク 2

エジプトエストニアフィジーフィンランドフランスガボン

ドイツ 2

ギリシャ

ハンガリー 2

インドネシアアイルランドイスラエルイタリアジャマイカ日本

ヨルダン

ラトビアレバノンリトアニアルクセンブルグマダガスカルマラウイマリマルタ

一次エネルギー 最終エネルギー

─ 77 ─

表R7. 自然エネルギーの一次および最終エネルギーにおける割合、2008年/2009年の既存および目標値(続き)

18%2.7%

3.4%

5.7%20%14%

5.2%12%2.5%

9.3%32%16%

6.4%

3.1%

→ 2025年までに35%→ 2020年までに20%→ 2012年までに8%

→ 2020年までに10%

→ 2020年までに14%

→ 2025年までに15%

→ 2015年までに4.3%→ 2020年までに6.1%→ 2030年までに11%

→ 2020年までに24%→ 2011年までに4.3%→ 2022年までに20%

→ 2017年までに61%

→ 2020年までに5%→ 2025年までに8%→ 2050年までに11%

4.2%

9.4%25%22%

10%18%

13%50%17%

2.9%

→ 2012年までに10%→ 2020年までに14%

→ 2012年までに20%→ 2020年までに15%→ 2020年までに31%→ 2020年までに24%

→ 2020年までに14%→ 2020年までに25%

→ 2020年までに20%→ 2020年までに50%

→ 2013年までに100%

→ 2020年までに15%

モーリシャスモルドバモロッコオランダニジェールパレスチナ占領地ポーランドポルトガルルーマニアセネガルスロバキアスロベニア韓国

スペインスウェーデンスイスシリアタイトンガウガンダ英国ベトナム

既存の割合(2008/2009) 1

将来の目標 既存の割合(2009)

将来の目標 2

国/地域

一次エネルギー 最終エネルギー

注:パーセンテージは10%を超えるものについては少数第二位で四捨五入。多くの場合既存の割合及び目標値は伝統的バイオマスを除いてある。既存の割合は概ね表示されているとおりであるが、完全に信頼のおける参照値として用いられることを意図しているわけではない。一次エネルギーに占める割合は異なった方法によっても計算されている可能性がある。詳細は2007年版報告書の補足1を参照。とりわけ“physical energy content”手法および “substitution/equivalent primary”手法は自然エネルギーの種類により異なった結果になる。計算手法を明記していない報告もあるので、当表の一次エネルギーに占める割合は異なった手法が混在している可能性がある。そのため、各国間のデータの比較や整合性については必ずしも適当ではない。IEA のRenewables Information(2010)では“physical energy content”手法で算出した全OECD 加盟国の一次エネルギーに占める割合を掲載している。そのデータは当報告書の数値と概ね合致している。ただし差異もあり、例えばIEA ではオーストリアの数値は26.9% であるが、REN21 のデータベースでは29% である。この違いは用いる手法の違い(どちらも正当であるが)によるものである。

1 一次エネルギーの数値は2009年末時点。割合については以下の国が2008年末時点の数値。EU-27、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、中国、キプロス、デンマーク、フィンランド、フランス、ギリシャ、インドネシア、アイルランド、日本、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、モーリシャス、オランダ、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、スイス、タイ。2 EU-27カ国の最終エネルギー目標はEU指令2009/28/ECに基づいて設定されている。デンマークとハンガリー政府はEU目標を上回る追加的な国家目標を設定している。ドイツの2030年、2040年、2050年目標もドイツ政府により設定された追加目標で、法的義務はない。3 中国の目標は2007年に「一次エネルギーに占める自然エネルギーの割合を15%に引き上げる」から、「最終エネルギーに占める自然エネルギーと原子力の割合を15%に引き上げる」に変更した。目標が最終エネルギーの割合か一次エネルギーの割合のどちらを意味しているのかについて疑問がいくつか残る。2010年の実際の最終エネルギーに占める割合は9.1%であった。出典:REN21のデータベース、寄稿者からの報告。さまざまな産業報告書、EurObserv'ER, The State of Renewable Energies in Europe, 10th EurObserv'ER Report(パリ:2011)オンライン情報として、www.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照のこと。

─ 78 ─

既存割合(2009)国

表R7 附属. 自然エネルギーの一次エネルギーにおける割合(一次および最終エネルギーの目標値を除く)

アルゼンチンオーストラリアバルバドス

ベラルーシボリビアボスニア・ヘルツェゴビナブラジル

カナダチリ

コロンビアコスタリカクロアチアキューバ

ドミニカ共和国エクアドルエルサルバドルグラナダグアテマラガイアナハイチ

ホンジュラスアイスランドマケドニア 1

メキシコ

モンテネグロ 2

ニュージーランドニカラグア

ノルウェーパナマパラグアイペルーセルビア 2

スリナム

トリニダード・トバゴトルコ米国ウルグアイベネズエラ

9.1%5.1%66%

9.3%23%9.5%47%

17%81%

23%86%9.3%11%

30%14%73%100%95%100%100%

97%83% 11%

8.3%

10%37% 63%

46% 100%100% 22%10% 27%

0.1% 11%11% 43%8.2%

注:前ページの注を参照1 一次エネルギー生産の割合についての数値はすべて2009年末時点。ただし、マケドニアについては、2009年末時点の最終エネルギー消費。2 セルビアとモンテネグロを含む出典:REN21のデータベース、寄稿者からの報告。さまざまな産業報告書、EurObserv'ER, The State of Renewable Energies in Europe, 10th EurObserv'ER Report(パリ:2011)オンライン情報として、www.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照のこと。

─ 79 ─

表R8. 自然エネルギーによる電力の割合、2009年値および将来の目標値

ポルトガル

ルーマニア

ロシア 2

ルワンダ

南アフリカ

スペイン

スリランカ 2

タイ

トンガ

チュニジア

トルコ英国

スコットランドベトナム

→ 2020年までに55~60% → 2015時点で35%→ 2020年までに38% → 2015年までに2.5%→ 2020年までに4.5% → 2012年までに90% → 2013年までに4.0%→ 2020年までに13%→ 2050年までに14% → 2020年までに40% → 2017年までに10%→ 2022年までに14% → 2011年までに11%→ 2022年までに14% → 2012年までに50% → 2016年までに11%→ 2030年までに25%

→ 2023年までに30%→ 2010/2011年までに10%→ 2015/2016年までに15%→ 2020年までに100% → 2020年までに5.0%

44%

27%

0.1%

1.7%

26%

0.1%

8.1%

1.0%

20%7.0%

既存割合(2009末)

既存割合(2009末)

18%

20%

0.8%

29%7.2%‒

6.0%‒6.0%0.8%6.3%10%

12%2.6%16%

‒14%

0.1%

21%3.0%2.2%‒

0%

64%37% 3.0%

16%

73%29%~0%~0%‒33%

将来の目標

→ 2010年までに21%

→ 2017年までに5.0%→ 2030年までに20%→ 2015年までに40%→ 2020年までに20%→ 2015年までに5.0%→ 2020年までに10%→ 2020年までに16%→ 2020年までに50%→ 2020年までに8.0%→ 2020年までに3.0%→ 2030年までに16~17%→ 2015年までに10%→ 2020年までに25%→ 2020年までに20%→ 2015年までに8.0%→ 2020年までに35%→ 2030年までに50%→ 2040年までに65%→ 2050年までに80%→ 2020年までに10%→ 2012年までに10%→ 2016年までに5.0%→ 2020年までに7.0%→ 2020年までに26%→ 2020年までに15%→ 2014年までに1.6%→ 2020年までに5.0%→ 2020年までに10%→ 2030年までに30%→ 2020年までに75%→ 2028年までに65%→ 2020年までに20~25%→ 2020年までに20%→ 2020年までに42%→ 2025年までに90%→ 2011年までに38%→ 2025年までに7.0%→ 2012年までに10%→ 2020年までに10%→ 2020年までに40%

国/地域

世界 1

EU-27 1

アルジェリア

アルゼンチン 3

オーストラリア

バングラデシュ

ブラジル 2

ケープベルデチリ 2

中国 2

チェコ共和国

ドミニカ共和国 1

エジプト

エストニア

ドイツ

ガーナインド 4

イスラエル

イタリアジャマイカ 1

日本 2

クウェート

リビア

マダガスカルモーリシャス モンゴル

モロッコ 5

ニュージーランド 6

ニカラグアナイジェリア 2

パキスタン 2

パレスチナ占領地

フィリピン

国/地域 将来の目標

注:パーセンテージは10%を超えるものについては少数第二位で四捨五入。米国及びカナダでは現行のRPS 制度に沿った事実上の州・地方レベルの目標値があるが、国家レベルの目標は無い(表R11を参照)。この表とは別の目標値を有する国もある(表R7およびR9を参照)。准国家レベルの目標値については「政策の展望」の章を参照。既存の割合は概ね表示されているとおりであるが、完全に信頼のおける参照値として用いられることを意図しているわけではない。電力に占める割合は異なった方法によっても計算できる。計算手法を明記していない報告もあるので、当表の一次エネルギーに占める割合は異なった手法が混在している可能性がある。そのため各国間のデータの比較や整合性については必ずしも適当ではない。とりわけ、Observ'ERによる情報にある割合は、Bariloche FoundationからREN21に提出された数値とは違っている(例えば、Observ'ERはアルゼンチンの割合が29%、キューバ3%と記載している。一方Bariloche Foundationはアルゼンチン36%、キューバ9%としている)。この違いは用いる手法の違い(どちらも正当である)によるものである。

1 世界の割合は2008年末時点。EU-27の2009年の割合は暫定的な数字(EC Joint Research Centre, Renewable Energy Snapshotsでは19.9%〔ブリュッセル:2010年5月〕)。ドミニカ共和国(DR)とジャマイカの割合はBariloche Foundationからの推計で、前年のデータに基づく推定値を使用しているものもある。DRは2015年目標を達成していることになっているが、これは目標値の設定あるいは割合の計算で異なる手法を用いた結果の可能性がある。2 既存割合から大型水力分を除いている国が数カ国ある。対応する目標値は大型水力を除いているためである。大型水力を含めた場合の割合は、ブラジル89%、チリ50%、中国16%、日本10%、ナイジェリア28%、パキスタン31%、ロシア17%、スリランカ42%となる。水力発電を除いた場合の割合はObserv'ERが発表したデータを使った(出典は下記)。3 アルゼンチンの2016年までに大型水力を除いて電力の8%の目標を持っている。オンライン情報として、www.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照のこと。4 インドはこの表の目標値をすでに達成している。5 モロッコの2020年までに42%という2番目の目標は設備容量としている。6 ニュージーランドの目標に法的義務はない。政府政策の指針としている。出典:REN21のデータベース、寄稿者からの報告。さまざまな産業報告書、Observ'ER, Worldwide Electricity Production from Renewable Energy Sources: Stats and Figures Series. Twelfth Inventory ‒ Edition 2010 (パリ:2010)オンライン情報として、www.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照のこと。

─ 80 ─

表R8 附属. 自然エネルギーによる電力の割合(目標は除く)

国/地域 既存割合 国/地域 国/地域(2009末)

既存割合(2009末)

既存割合(2009末)

オーストリア 73% ハイチ 1 46% パナマ 1 59%ベラルーシ 0.2% ホンジュラス 1 63% パプアニューギニア 35%

ベルギー 7.1% ハンガリー 8.0% パラグアイ 1 100%ボリビア 1 29% アイスランド 100% ペルー 62%ボスニア・ヘルツェゴビナ 35% インドネシア 12% ポーランド 6.0%ブルガリア 9.2% イラン 3.6% セネガル 11%カナダ 61% イラク 0.8% セルビア 2 29%チリ 50% アイルランド 16% スロバキア 20%コロンビア 68% ヨルダン 0.5% スロベニア 31%コスタリカ 95% カザフスタン 7.0% 韓国 1.1%コートジボアール 36% ケニア 58% スーダン 62%クロアチア 55% ラトビア 64% スリナム 1 55%キューバ 3.1% リトアニア 8.9% スウェーデン 60%キプロス 0.3% ルクセンブルグ 26% スイス 57%デンマーク 27% マラウイ 94% 台湾 4.1%エクアドル 1 54% マルタ 0.1% トリニダード・トバゴ 1 0.0%エルサルバドル 60% メキシコ 13% ウクライナ 7.0%エチオピア 81% モルドバ 2.0% 米国 10%フィンランド 31% モンテネグロ 2 27% ウルグアイ 66%フランス 14% モザンビーク 3 100% ウズベキスタン 10%ガボン 38% ナミビア 3 97% ベネズエラ 69%ギリシャ 15% ネパール 4 71% ザンビア 100%グアテマラ 62% オランダ 9.6%ガイアナ 1 36% ノルウェイ 97%

注:前ページの注を参照。

1 ボリビア、エクアドル、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、パナマ、パラグアイ、スリナム、トリニダード・トバゴはBariloche Foundationによる概算で、前年のデータに基づく推定値を使用しているものもある。2 数値にはモンテネグロとセルビアを含む。3 モザンビークとナミビアの電力における自然エネルギーの割合はすべて大型水力による。4 ネパールの割合は2010年末時点。出典:REN21のデータベース、寄稿者からの報告。さまざまな産業報告書、Observ'ER, Worldwide Electricity Production from Renewable Energy Sources: Stats and Figures Series, Twelfth Inventory ‒ Edition 2010(パ リ:2010)オ ン ラ イ ン 情 報 と し て、www.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照のこと。

─ 81 ─

表R9 その他の自然エネルギー目標値

国 目標値

EU-27 交通分野 EU全加盟国27カ国は自然エネルギーの割合を、2020年までに10%とすることが義務づけられている。

アルジェリア 風力発電集光型太陽熱発電太陽光発電コジェネレーション

2015年までに100MW2015年までに170MW2015年までに5.1MW2015年までに450MW

アルゼンチン 自然エネルギー容量 2012年までに1000MW、これは風力発電500MW、バイオ燃料150MW、廃棄物エネルギー120MW、バイオマス100MW、小水力発電60MW、地熱発電30MW、太陽光発電20MW、バイオガス20MWを含む。2016年までに自然エネルギー容量2500MW

オーストラリア 自然エネルギー発電量 大規模発電所において2020年まで毎年45TWhを追加的に増加させる(自然エネルギー容量20%に相当)

オーストリア 自然エネルギー発電量 2015年までに水力発電から年間12.6PJ(3500GWh)を生産、2020年までに風力発電の年間発電量を2倍に増加させる(10PJつまり2778GWh)。

バングラデシュ 独立型太陽光発電 2015年までに農村地帯における250万戸カンボジア 自然エネルギー発電量 2015年までにとくに太陽光と小水力発電による農村地帯への電力供給を15%カナダ 風力発電 2020年までに4600MW(オンタリオ州)、2016年までに4000MW(ケベック州)、

2015年までに1200MW(沿岸州)、2016年までに1000MW(マニトバ州)、2016年までに400MW(ニューブランズウィック州)

中国 1 自然エネルギー容量

太陽熱温水器

2020年までに362MW、これは水力発電300GW、風力発電30GW、バイオマス発電30GW、太陽光/太陽熱発電1.8GWを含む2010年までに1.5億㎡(105GWth)、2020年までに3億㎡(210GWth)

クロアチア 風力発電 2030年までに400MWデンマーク 洋上発電

海洋エネルギー発電2012年までに1020MW2020年までに500MW

ドミニカ共和国 風力発電 2015年までに500MWエジプト 風力発電

水力発電その他自然エネルギー

2020年までに12%(7200MW以上)2020年までに6%2020年までに2%

エチオピア 風力発電水力発電地熱発電

2013年までに760MW新設2015年までに5.6GW新設2018年までに450MW新設

フィンランド 交通分野 交通機関における自然エネルギーの割合を2020年までに20%フランス 海洋エネルギー発電

風力発電太陽光発電

2020年までに800MW2020年までに25GW(洋上風力発電6GWを含む)2020年までに4.9GW

ドイツ 自然エネルギー熱利用 2020年までに14%インド 自然エネルギー容量

風力発電小水力発電(25MW未満)バイオマスコジェネレーション廃棄物エネルギー太陽熱温水器太陽光発電農村地域の照明システム

2007~2012年で78.7GW追加2007~2012年で10.5GW追加2007~2012年で1400MW追加2007~2012年で1700MW追加2007~2012年で0.4GW追加2017年までに1500万㎡(10.5GWth)、2022年までに2000万㎡(14GWth)2022年までに12GW、系統連系型で10GW/独立型で2000MWを含む2022年までに2000万戸に

インドネシア 風力発電地熱発電バイオマス発電太陽光発電水力発電

2025年までに255MW2025年までに9500MW2025年までに810MW2025年までに870MW2025年までに500MW

─ 82 ─

国 目標値

イラン 風力発電 2013年までに1500MWアイルランド 海洋エネルギー発電 2020年までに500MWイタリア 太陽光発電

自然エネルギー熱利用2016年までに23GW2020年までに16%

日本 太陽光発電 2010年まで4.8GW、2020年までに14GWと530万戸への導入、2030年までに53GWヨルダン 風力発電

太陽光発電廃棄物エネルギー

2015年までに600MW、追加的に2020年までに600MW2015年までに300MW、追加的に2020年までに300MW30-50MW

ケニア 自然エネルギー容量地熱発電

2012年までに倍に2030年までに4GW

リビア 風力発電 2015年までに1000MW

リトアニア バイオマス 2020年までに集中暖房の70%

マレーシア 自然エネルギー容量 2020年までに新・自然エネルギーを3000MW、太陽光発電1250MWとバイオマス1065MWを含む

メキシコ 新設容量の割合 2012年までに7.6%、風力4.34%、小水力0.77%、地熱1.65%、バイオマス/バイオガス0.85%を含む

モロッコ 小水力発電太陽光/集光型太陽熱発電風力発電太陽熱温水器

2015年までに400MW2020年までに2000MW(電気供給の20%)2015年までに1440MW、2020年までに2000MW2012年までに40万㎡(0.28GWth)、2020年までに170万㎡(1.2GWth)

モザンビーク 自然エネルギー容量農村地帯

風力・太陽光・水力から各2000MW太陽光発電による照明(5万件)、冷蔵庫(5000件)、テレビ(2000件)、揚水施設(5000件)、地域サービス(2万件)。また大型バイオ醗酵槽を1000件、風力揚水施設を3000件、自然エネルギーベースの生産システムを5000件、太陽熱ヒーターを10万件導入。これらの目標値に達成期日は設定されていない。

ナミビア 2011年までに40MW水力以外の自然エネルギー容量ネパール 農村地帯

太陽光発電風力発電

ナイジェリア 自然エネルギー容量 2015年までに16GWノルウェー 自然エネルギー発電量

バイオマス2016年までに2001年比で年間30TWh増加2020年までに年間発電量14TWh

パキスタン 自然エネルギー容量 2030年までに5%ペルー 2013年までに5%自然エネルギーの

発電量に占める割合フィリピン 自然エネルギー容量

バイオディーゼル輸送燃料バイオマス発電

2030年までに10.6GW(2003-2013年の期間に4.5GWを追加)2030年までに年間18億8500万リットル2010年までに76MW、2015年までに94MW、2030年までに267MW

ポルトガル 水力発電自然エネルギー容量海洋エネルギー発電風力発電太陽光発電バイオマス発電地熱発電省エネ

2020年までに9548MW2020年までに19.2GW2020年までに250MW2020年までに6875MW、洋上風力発電75MWを含む2020年までに1500MW2020年までに952MW2020年までに75MW2020年までに20%のエネルギー使用量削減

表R9 その他の自然エネルギー目標値(続き)

2012/2013年までに自然エネルギーによる電力の割合7%、15MWの小水力を利用して15万戸の電化、150のソーラー飲料水と局所灌漑プロジェクトを導入、太陽光乾燥機とソーラークッカーを2000件、国内のバイオガス工場を9万件、地域内のバイオガス工場を50件、組織保有のバイオガス工場を75件、水車4500件の導入または改修、30万件の改良調理ストーブとその他のバイオマス設備を特定の地域に導入。すべて2012-13年までに。2012/2013年までに3MW2012/2013年までに1MW

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ルワンダ 小水力発電 2015年までに42MWセルビア 自然エネルギー発電容量 2012年までに2007年比で7.4%(735GWh)増加

シンガポール 太陽熱温水器 2012年までに5万㎡(0.035GWh)南アフリカ 自然エネルギー発電量

集光型太陽熱発電太陽光発電

2013年までに1万GWh、3100MW、風力発電500MWと集光型太陽光発電50MWを含む2030年までに年間発電量43TWh2050年までに発電量に占める割合を14%

韓国 陸上風力発電洋上風力発電風力発電太陽光発電

2012年に2390MW新設予定2013年までに100MW、2015年までに1GW、2019年までに2.5GW2022年までに累積容量15.7GW2012年までに1300MW

スペイン 海洋エネルギー発電風力発電太陽光発電

2016年までに10MW、2020年までに100MW2020年までに38GW、陸上風力35GWと洋上風力3GWを含む2020年までに10GW

スリランカ 農村地帯における独立型自然エネルギー発電の供給世帯の割合 2010年までに6%、2016年までに10%

スウェーデン 自然エネルギー発電量 2020年までに年間で25TWh追加(2002年比)タイ 風力発電

太陽光発電水力発電バイオマス

2011年までに115MW、2016年までに375MW、2022年までに800MW2011年までに55MW、2016年までに95MW、2022年までに500MW2011年までに185MW、2016年までに281MW、2022年までに324MW2011年までに2800MW、2016年までに3220MW、2022年までに3700MW

チュニジア 自然エネルギー容量風力発電太陽光発電太陽熱温水器

2016年までに1000MW、2030年までに4700MW2011年までに330MW2011年までに15MW2011年までに75万㎡(0.5GWth)

トルコ 風力発電 2023年までに20GWウガンダ 小水力、バイオマス、

地熱太陽熱温水器バイオマス醗酵槽

2017年までに188MW2017年までに3万台2017年までに10万台

ウルグアイ 自然エネルギー容量 2015年までに500MW

国 目標値

表R9 その他の自然エネルギー目標値(続き)

注:これらの国は、一次エネルギーもしくは電力に関する目標も有している可能性がある。表R7およびR8も参照。1 中国は150GWの風力発電と2GWの太陽光発電の追加の目標値が草稿か非公式の目標として存在している。出典:REN21のデータベース。このデータベースは利用可能な政策情報と寄稿者の報告を元に編纂されている。オンラインで更新された情報はwww.ren21.netの“Renewables Interactive Map”を参照。

─ 84 ─

表R10 固定価格買取制度(FIT)を採用している国/州/地域の累計数

年 累計数 該当年数に新規導入した国/州/地域

1978 1 米国

1990 2 ドイツ

1991 3 スイス

1992 4 イタリア

1993 6 デンマーク、インド

1994 9 ルクセンブルグ、スペイン、ギリシャ

1997 10 スリランカ

1998 11 スウェーデン

1999 14 ポルトガル、ノルウェー、スロベニア

2000 14

2001 17 アルメニア、フランス、ラトビア

2002 23 アルジェリア、オーストリア、ブラジル、チェコ、インドネシア、リトアニア

2003 29 キプロス、エストニア、ハンガリー、韓国、スロバキア、マハーラーシュトラ州(インド)

2004 34 イスラエル、ニカラグア、プリンスエドワード島(カナダ)、アーンドラ・プラデーシュ州(インド)、マッディヤ・プラデーシュ州(インド)

2005 41 カルナータカ州、ウッタラーカンド州、ウッタル・プラデーシュ州(インド)、中国、トルコ、エクアドル、アイルランド

2006 46 オンタリオ州(カナダ)、ケーララ州(インド)、アルゼンチン、パキスタン、タイ

2007 56 サウス・オーストラリア州(オーストラリア)アルバニア、ブルガリア、クロアチア、ドミニカ共和国、フィンランド、マケドニア、モルドバ共和国、モンゴル、ウガンダ

2008 69 クイーンズランド州(オーストラリア)、カルフォルニア州(米国)、チャッティースガル州、グジャラート州、ハリヤーナー州、パンジャーブ州、ラージャスターン州、タミル・ナードゥ州、西ベンガル州(インド)、ケニア、フィリピン、タンザニア、ウクライナ

2009 80 オーストラリア首都特別地域、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州(オーストラリア)、ハワイ州、オレゴン州、ベルモント州(米国)、日本、カザフスタン、セルビア、南アフリカ、台湾

2010 84 ボスニア・ヘルツェゴビナ、マレーシア、マルタ、英国

2011(初期) 85 ルイジアナ州(米国)

合計 87 下記の注を参照

注:累計数はその年に固定価格買取制度(FIT)が法的に導入された数を示している。“合計”には、後日政策が減退した3カ国(ブラジル、韓国、米国)が差し引かれ、固定価格買取制度が導入されていることは明らかだが施行年度が不明な5カ国(コスタリカ、ホンジュラス、モーリシャス、ペルー、パナマ)が含まれている。詳細については自然エネルギー世界白書2010の巻末注236を参照。当初の政策がその後に修正されたり再導入されたところも多い。例えばインドでは、1993年に導入された固定買取価格制度はその後実質的には廃止されたが、新しい制度が2008年に法制化された。

出典:IEAオンラインGlobal Renewable Energy Policies and Measures データベース、本レポート第4章“政策の展望”の巻末の注、寄稿者からの情報

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表 R11. RPS制度を採用している国/州/地域の累計数

年 累計数 新規導入している国/州/地域

1983 1 アイオワ州(米国)

1994 2 ミネソタ州(米国)

1996 3 アリゾナ州(米国)

1997 6 メイン州、マサチューセッツ州、ネバダ州(米国)

1998 9 コネチカット州、ペンシルバニア州、ウィスコンシン州(米国)

1999 12 ニュージャージー州、テキサス州(米国)、イタリア

2000 13 ニューメキシコ州(米国)

2001 15 フランダース地方(ベルギー)、オーストラリア

2002 18 カリフォルニア州(米国)、 ワロン州(ベルギー)、 英国

2003 19 日本、スウェーデン、 マハラシュトラ州(インド) 2004 34 コロラド州、ハワイ州、メリーランド州、ニューヨーク州、

ロードアイランド州(米国)、ノバスコシア州、オンタリオ州、プリンスエドワード島(カナダ)アーンドラ・プラデーシュ州、カルナタカ州、マディカ・プラデーシュ州、オリッサ州(インド)、ポーランド

2005 38 コロンビア特別区、デラウエア州、モンタナ州(米国)グジャラート州(インド)

2006 39 ワシントン州(米国)

2007 44 イリノイ州、ニューハンプシャー州、ノースカロライナ州、オレゴン州(以上米国)、中国

2008 50 ミシガン州、ミズーリ州、オハイオ州(米国)、チリ、インド、フィリピン

2009 51 カンザス州(米国)

2010 53 ブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)、韓国

合計 63 下記の注を参照

注:累計数はその年までにRPS制度を導入した数を示している。政策が施行された年順で示されているが、多くの政策が施行年以降に見直されており、廃止された制度もある。合計数にはRPS制度を施行していると思われるものの、制定年度が不明な10の区域(キルギスタン、ポルトガル、ルーマニア、ウルグアイ、およびインドの6つの州である、ハリャナ州、ケララ州、ラジャスタン州、タミルナダ州、ウタープラデッシュ州、西ベンガル州)が含まれている。米国においては、RPS制度として法的に拘束力があるものではないものの、達成目標を設定している州が6つ(アラスカ州、ノースダコタ州、ユタ州、ベルモント州、バージニア州、ウェストバージニア州)ある。同様にカナダにも3つの州(アルバータ州、マニトバ州、ケベック州)がある。さらに詳しいことに関しては自然エネルギー白書2010年度版の巻末の注241を参照。オランダはこの表に記載されていないが、それは電力会社が自主的に目標を設定しているものの、国としての制度が存在しないためである。

出典:IEAオンラインGlobal Renewable Energy Policies and Measure データベース、このレポートの第4章「政策の展望」、寄稿者からの情報

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表R12 バイオ燃料混合規制

国 規制内容

アルゼンチン E5およびB5オーストラリア ニューサウスウェールズ州にE6ベルギー 2009年中頃のように、国内で登録済みの燃料会社は4%の混合バイオ燃料を国内市場で

販売することボリビア 2007年までにB2.5、2015年までにB20、E10ブラジル 2013年までにB5、E20-E25を実施中カナダ 国レベルでは2010年までにE5、2012年までにB2

州レベルではブリティッシュコロンビア州でE5とB3を実施中、2012年までにB5、アルバータ州でE5とB2、サスカチュワン州でE7.5、マニトバ州でE8.5とB2、オンタリオ州でE5を実施

中国 9つの省でE10を実施コロンビア B7、2012年までにB20、2010年までにE8コスタリカ 2012年までにB10チェコ共和国 B3.5ドミニカ共和国 2015年までにE15とB2エチオピア E10

フィンランド 5.75%の混合規制割合ドイツ 2010年までにバイオ燃料割合を6.75%、2012年までに7.25%、バイオディーゼルを4.4%、

2015年までにエタノールを2.8%から3.6%インド 2008年までにB10とE10、2017年までにB20とE20イタリア 2011年に4%、2012年に4.5%、2014年までに5%マレーシア 2008年までにB5オランダ 自然エネルギー燃料の割合4%ノルウェー B3.5パキスタン 2015年までにB5、2025年までにB10パナマ 2013年4月までにE2、2014年4月までにE5、2015年4月までにE7、2016年4月までにE10パラグアイ E18~E24、B5ペルー 2011年までにB5、北部で2010年までにE7.8、全国で2011年までにE7.8

(人口密度の低い5つの地区を除く)フィリピン 2011年までにB10、2011年8月までにE10ポルトガル 2011年から2020年までにバイオ燃料割合を(エネルギー値換算で)10%、

2015年から2020年までに代替ガソリンにおけるバイオ燃料割合を2.5%(最小割合)、2010年までにB7

韓国 2012年までにB2スペイン バイオ燃料割合を6.2%実施中、2012年までに6.5%、バイオディーゼル6%を実施中、

2012年までに7%タイ B3とE10ウルグアイ 2011年までにB2、2012年からB5、2014年末までにE5英国 B3.25米国 2011年に139.5億ガロン(530億リットル)、2022年までに年間で360億ガロン(1360億リットル)

州レベルではオレゴン州でB5、アイオワ州、ハワイ州、ミズーリ州、モンタナ州でE10、ミネソタ州でE20、ニューメキシコ州でB5、ルイジアナ州とワシントン州でE2とB2を実施、ペンシルバニア州で2017年までにバイオ燃料を年間9億ガロン(34億リットル)

注:Eはエタノール、Bはバイオディーゼルを意味する。例えばE5は5%のエタノールと95%のレギュラーガソリンの混合燃料を示す。目標期日が示されていないものに関しては、規制がすでに実施されている。表は燃料供給業者への拘束力のある義務を示している。個々に示されていない国で将来的な数値目標を有しているところもある。:政策の展望の輸送燃料政策および表2のバイオ燃料規制/義務づけを参照。オーストラリアのビクトリア州では、バイオディーゼルを含むバイオ燃料を2010年までに5%とする熱心な目標を掲げた。チリはE5およびB5の自主目標ガイドラインがある。ボリビアでは2005年のバイオディーゼル法によって直接的な規制が制定された。エクアドルではグアダラハラ州におけるE5の実験プログラムを開始した。南アフリカは2013年までにB2およびE8を義務づけた。モザンビークは規制を設けているが、その規制は明示されていない。以前示された項目の一部は、研究内容が更新されたために取り除かれており、その中にはインドの13州を含む。出典:IEAオンラインGlobal Renewable Energy Policies and Measuresデータベースと政策の展望の章の巻末注、寄稿者からの情報を含むすべての参考文献

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表R13 都市および地域の自然エネルギー政策、主な事例

CO2排出削減目標

オースチン、テキサス州、米国 2020年までに排出量ゼロ(カーボンニュートラル)

バルセロナ、スペイン 2010年までに一人当たりの排出量を3.15トン(CO2換算)に削減

コペンハーゲン、デンマーク 2015年までに20%削減、2025年までに排出量ゼロ

ハンブルグ、ドイツ 2020年までに40%削減、2050年までに80%(1990年基準で)

オスロ、ノルウェー 2030年までに50%削減(1991年基準で)サンフランシスコ、カルフォルニア州、米国 2012年までに20%削減(1990年基準で)ソウル、韓国 2020年までに25%削減(1990年基準で)

ストックホルム、スウェーデン 2015年までに一人当たりの排出量を3トン(CO2換算)に削減(1990年の5.5トンを基準で)

シドニー、オーストラリア 2030年までに70%削減(2006年基準で)東京、日本 2020年までに25%削減(2000年基準で)

自然エネルギー導入割合目標

北京、中国 2010年までに発電容量の4%および暖房の6%

カルガリー、アルバータ州、カナダ 2036年までに総エネルギーの30%

マドリッド、スペイン 2020年までに化石燃料を20%削減

ミュンスター、ドイツ 2020年までに総エネルギーの20%

ラージコット、インド 2013年までに従来のエネルギー利用を10%削減

サムソ、デンマーク 全エネルギーの100%

ストックホルム、スウェーデン 自然エネルギーによる地域暖房を80%

東京、日本 2020年までに総エネルギーの20%

ベクショー、スウェーデン 全エネルギーの100%

自然エネルギーによる電力導入割合目標

オースチン、テキサス州、米国 2020年までに30%

アデレード、オーストラリア 2014年までに15%

アンアーバー、ミシガン州、米国 2015年までに20%

ケープタウン、南アフリカ 2020年までに10%

フライブルク、ドイツ 2010年までに10%台北、台湾 2020年までに12%

シドニー、オーストラリア 2020年までに25%

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表R13 都市および地域の自然エネルギー政策、主な事例(続き)

自然エネルギー導入容量の目標

アデレード、オーストラリア 住宅用および商業用の建物に2MWの太陽光発電

バルセロナ、スペイン 2010年までに10万㎡(0.07GWth)の太陽熱温水器

昆明、中国 太陽光発電および太陽熱温水器で600万㎡、少なくとも太陽光発電で100MWレスター、英国 2010年までに太陽熱温水器を1000カ所の建物に設置

ロサンゼルス、カルフォルニア州、米国 2020年までに住宅用、業務用および市所有の建物に1.3GWの太陽光発電サンフランシスコ、カリフォルニア州、米国 2012年までに自然エネルギー50MW、太陽光発電31MWを含む

上海、中国 2010年までに風力発電200~300MW、太陽光発電10MW

東京、日本 2010年までに太陽光発電を1GW

自治体による自然エネルギーの購入目標

オースチン、テキサス州、米国 2012年までに市が使う電力の100%

ブバネスワー、インド 2012年までに従来型エネルギーを15%削減

ブリストル、英国 市が使う電力の15%(現在は14%)

カルガリー、アルバータ州、カナダ 2012年までに市が使う電力の100%

ヘップバーンシャー、オーストラリア 公共建築物において市が使う電力の100%、公共照明の8%

ヒューストン、テキサス州、米国 市が使う電力の50%(現在)

ポートランド、オレゴン州、米国 2010年までに市が使う電力の100%

シドニー、オーストラリア 市が使う電力の100%、街灯照明は20%

トロント、オンタリオ州、カナダ 2012年までに市が使う電力の25%

自然エネルギーを使う建物の割合

ケープタウン、南アフリカ 2010年までに太陽熱温水器を全世帯の10%に

徳州、中国 2010年までに太陽熱温水器を全建物の50%

飯田市、日本 2010年までに太陽光発電を全世帯の30%

昆明、中国 2010年までに太陽熱温水器または太陽熱発電を全建物の50%、新築建物は90%

オックスフォード、英国 2010年までに太陽熱温水器または太陽熱発電を全世帯の10%

税額控除および課税免除

ベロ・ホリゾンテ、ブラジル 住宅用太陽光設備に税額控除

ボルダー、コロラド州、米国 太陽光設備に売上税および使用税の割戻し

カレドン、オンタリオ州、米国 自然エネルギーを含むプロジェクトについて土地開発課金を5%割引

ナーグプル、インド 新築の住宅用建物の太陽熱温水器に対し10%の資産税の税額控除

ニューヨーク、ニューヨーク州、米国 太陽光発電にたいし資産税の軽減

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表R13 都市および地域の自然エネルギー政策、主な事例(続き)

都市計画

アデレード、オーストラリア “Adelaide City Development Plan”として建物のグリーン化と自然エネルギー利用を義務づけ

ベルリン、ドイツ “Berlin Energy Action Plan”

ヨーテボリ、スウェーデン “Göteborg 2050”で化石燃料ゼロを構想

ハンブルグ、ドイツ ウィルムヘルムブルグで自然エネルギー利用のモデル地区

ポルトアレグレ、ブラジル “Program for Solar Energy in Buildings”上海、中国 “Regulations of Renewable Energy Development in Shanghai”東京、日本 「東京都再生可能エネルギー戦略」(2006)

トロント、オンタリオ州、カナダ “Sustainable Energy Action Plan”

ベクショー、スウェーデン “Fossil Fuel Free Växjö”として一人当たりのCO2排出量目標を設定横浜、日本 「横浜エネルギービジョン」で、電気自動車、太陽光発電、グリーン電力について目標設定

建築物の規制、許可条件

バルセロナ、スペイン 新築建造物および大規模な改築をする建物に対し、給湯の60%を太陽熱でまかなうように義務づけ

連運港、中国 12階までの新設住宅ビル、ホテルと商業ビルの新築および改築にたいして太陽熱温水設備を義務づけ

ラージコット、インド 150㎡以上の新設住宅、病院および公共建築物に太陽熱温水器の設置を義務づけ

リオデジャネイロ、ブラジル 全ての公共建築物に太陽熱温水器の設置を義務づけ、給湯の40%をまかなう

サンフランシスコ、カルフォルニア州、米国 10万ft²(9290㎡)以上の全ての新設建物にエネルギーの5%を太陽エネルギーでまかなうように義務づけ

東京、日本 建築業者に太陽熱温水器の利用および他の自然エネルギー利用の検討、および建物の所有者に検討報告をすることを義務づけ

交通インフラと燃料に対する規制、運用、投資、および補助金

アデレード、オーストラリア 100%太陽光で充電する公共電気バスを運用

アンアーバー、ミソネタ州、米国 一般市民が利用出来るバイオ燃料ステーションに対して補助金

ベチム、ブラジル 公共交通とタクシーに対して、バイオ燃料使用を義務づけ(2017年まで)、自治体の車両購入についてフレックス燃料車の購入を配慮

カルガリー、アルバータ州、カナダ 自治体の車両にB5およびB20の使用を義務づけ

ポートランド、オレゴン州、米国 市内で販売される全てのディーゼルおよびガソリンに対してB5およびE10のバイオ燃料を混合することを義務づけ、バイオ燃料の生産、備蓄、運送を拡大するための投資ファンド、バイオ燃料インフラに対する助成金、市の車両でバイオ燃料を使用

ストックホルム、スウェーデン 2011年までに公共交通のバスについてバイオガスまたはエタノールの利用を50%とする、同様に2025年までに100%、地下鉄および通勤電車の電力をグリーン電力とする、バイオ燃料ステーションを増設する

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表R13 都市および地域の自然エネルギー政策、主な事例(続き)

都市の電力政策

オースチン、テキサス州、米国 2020年までにRPS目標を30%

ボルダー、コロラド州、米国 化石燃料による電力購入に炭素税を課税

ゲインズビル、フロリダ州、米国 太陽光発電に対する固定価格買取制度(20年間にわたり32セント/kWh)

メキシコシティー、メキシコ 太陽光発電のネットメータリング法ミネアポリス、ミネソタ州、米国 2020年までにRPS目標を30%(エクセルエネルギーに対して)ニューヨーク、ニューヨーク州、米国 2MWまでの容量についてネットメータリング

オークビル、オンタリオ州、カナダ 地域の電力会社による自主的グリーン電力販売サクラメント、カルフォルニア州、米国 2010年1月より固定価格買取制度(SMUDによる)

補助金、助成金、貸付

アデレード、オーストラリア 太陽光発電に対する補助金(1kWを超える設備に対して1W(いちワット)あたり1豪ドル)

アスペン、コロラド州、米国 太陽光発電に対する補助金(2kWを超える設備に対して、1kWあたり1500USドル)バークレー、カルフォルニア州、米国 固定資産税の払い戻しを受ける世帯に対する貸付(3万7500USドルが上限)

ベルリン、ドイツ 集合住宅の太陽光発電(40%)、太陽熱温水器(30%)に対する補助金

ボルダー、コロラド州、米国 小規模貸付(3000~5000USドル)

クライストチャーチ、ニュージーランド 太陽熱温水器に対して低額の助成金川崎、日本 家庭用太陽光発電に対する補助金(3.5kWまでの設備に対しkWあたり7万円)

ポルトアレグレ、ブラジル 建物の太陽光発電に対して助成金

ローマ、イタリア 太陽熱温水器(30%)および太陽光発電(60%)に対する補助金トロント、オンタリオ州、カナダ 持続可能なエネルギーファンドおよび低金利ローン

自治体ファンドおよび自治体による投資

北京、中国 4%のエネルギー目標を達成するために130億中国元(20億USドル)の投資ファンドエジンバラ、スコットランド、英国 総計1880万ポンドの気候変動ファンド昆明、中国 太陽光発電産業および太陽光発電プロジェクトに対するファンド

モントリオール、ケベック州、カナダ 6年間にわたる2400万カナダドルのファンド

サンフランシスコ、カルフォルニア州、米国 1億USドルの太陽エネルギー債券トロント、オンタリオ州、カナダ 自然エネルギー投資を支援するための2000万カナダドルのグリーンエネルギーファンド

出典:REN21、環境エネルギー政策研究所、イクレイー持続可能性をめざす自治体協議会共著「地方自治体の自然エネルギー政策に関する世界白書」(パリ:2011年)

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バイオディーゼルディーゼル駆動の自動車、トラック、バス等、車両用の燃料。定置型の熱生産と発電用途にも使われる。バイオディーゼルは、大豆、アブラナ(キャノーラ)、からし菜などの油料種子作物や、廃食用油他の植物油源、動物性脂肪を原料として製造される。

バイオ燃料バイオマスを原料とした液体そして気体燃料を幅広く指す。エタノール、バイオディーゼル、バイオガスを含むバイオ燃料は車輌のエンジンの燃料や、熱電併給のための定置型エンジン、そして家庭の暖房や調理に使用される(たとえば、エタノールゲルやジメチルエーテルなど)。

バイオガス醗酵槽動物性廃棄物や植物性廃棄物を、大部分がメタンガスから成るバイオガス(気体)に変換する装置。バイオガスは照明、調理、暖房、発電、輸送用の燃料となる。またバイオガスはバイオメタンにもなりうる。

バイオマスエネルギー/バイオエネルギーバイオマスは生物起源の物質であり、地層に埋め込まれているものを除く。バイオマスエネルギー

(またはバイオエネルギー)はさまざまな形態を取り、バイオ燃料、バイオガス、バイオメタン(天然ガスに似ており、バイオガスから二酸化炭素、シロキサン、硫化水素などの不純物を取り除いたもの)、専用の栽培地からの固形バイオマス、森林残さ、農業残さ、産業プロセスからの廃棄物、固体または湿った都市廃棄物を含む。

資本補助金と消費者補助金、払い戻し政府や電力事業者等による一回限りの補助金で、投資の資本コストの一部を賄うものである。太陽熱温水器や屋上太陽光発電システム等が対象となる。

熱電併給設備(CHP)コージェネレーション熱エネルギーを生み出す発電プロセスから排気される“廃熱”を回収する施設。バイオマス、地熱、そして太陽熱は、そのような設備で使用することができる。

エタノールバイオマス(主にトウモロコシ、サトウキビ、穀物)

を原料として製造される液体燃料で、火花点火エンジン(定置用または車両用)では、少量の割合で通常のガソリンに代替できる。また、エタノール燃料に対応した車両では、純度が高い状態で使用できる(大抵は85%以上、ブラジルでは100%)。このように若干改良されたエンジンを持つ“フレックス燃料車”は様々な燃料の混合でも、100%ガソリンでも走行することができる。

固定価格買取制度(FIT)一定期間において、固定された保証価格を設定し、小規模または大規模な発電を行う者が、自然エネルギーを電力網に販売する。通常、自然エネルギー発電者の送電線への接続が保証される。全額の買取価格を定めるか、もしくは市場や費用に基づいた価格に固定の上乗せ額を定めるかは、政策によって異なり、他の方式も存在し、固定価格買取制度への期待は高まっている。

財政的インセンティブ所得税等を介して、または税の還付や補助金の形で公共財政からの直接支払いにより関係者(個人、世帯、企業)が財政への支払を削減できる経済的なインセンティブ。

地熱地殻から大抵は熱水や蒸気の形で放出される熱エネルギーは、発電のため、または建物、工場、農業における暖房のために直接利用される。さらに、地中熱ヒートポンプは、地面に近い熱(およそ20メートル程度の深さまでで、太陽熱も貯蔵されているとされる)により水と空気を温めたり冷やしたりすることができる。

ギガジュール、ペタジュールギガジュールは10億(10の9乗)ジュールに等しいエネルギーの単位。化石燃料である石油を1バレル燃焼させたときに発生するエネルギー量は、おおよそ6ギガジュールである。ペタジュールは10の15乗ジュールを示す。

グリーンエネルギー購入一般家庭、企業、政府、産業の顧客による自然エネルギー(通常は電気)の自主的な購入。方法としては、電力会社から直接、または第三者である自然エネルギーの発電事業者から、さらには自然

 用語集

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エネルギー証書(RECs)の取引を通じての購入がある。

水力発電水が高い位置から低い位置へ流れる際のエネルギーを利用した発電方法。河川の流れ込み式のもの、大規模な貯水池を利用するもの、そして低落差の流水式発電技術(最も開発が遅れている)がある。揚水発電は余剰電力を使用して、低位の貯水池から高位の貯水池に水を汲み上げ、必要なときに再度流すことで電力を発電する。揚水発電はエネルギー源ではなく、エネルギー貯蔵の手段である。水力発電は大規模から小規模まである。通常、発電容量が10MWを超えるものを大型水力と呼ぶが、国によって定義は異なる。小規模設備は、それぞれ「小」、「ミニ」、「マイクロ」、「ピコ」といった接頭語が、規模に応じてつけられる。

投資このレポートでは、総投資はベンチャーキャピタル、企業や政府の研究開発、プライベートエクイティ、株式市場への上場、資本の再投資、アセットファイナンス、および小規模分散型の投資を含む。過去に投資した資金が還流する合併や買収を除く。また、新しい金融投資には、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ投資(VC/ PE)、公共市場への投資、および公共事業のアセットファイナンスが含まれる。これらのカテゴリは、四半期毎のBNEFのデータベースの詳細なデータが入手できるため、最も明確になっている。

投資税額控除自然エネルギーへの投資に対する、全額もしくは部分的な税額控除であり、納税者やプロジェクト開発者、産業、ビル所有者などの収入から控除される。

義務化対象となる集団(消費者、供給者、エネルギー生産者)に最低限の、またはしばしば後に増加するような自然エネルギーに関する目標を要求する手法。目標値には、全体の供給量のうちの一定割合を満たすことや定められた容量を持つことなどがある。コストは一般に消費者が負担する。自然エネルギー割当基準/クォータ制度による義務に加えて、建築規準や自然エネルギーの熱生産や発電技術の導入を求める義務化制度もある。(しばしば

エネルギー効率化のための投資と組み合わされる。)自然エネルギー熱利用義務や輸送燃料へのバイオ燃料混合規定などがある。

近代的バイオマスエネルギー熱、電気、または輸送用燃料など、“伝統的バイオマス”と異なるバイオマス燃料技術より生成されたエネルギー。燃焼、ガス化、熱分解、バイオマス・コジェネレーションによる発電と熱利用、バイオガスを作るための嫌気性発酵、埋立地ガスがある。液体バイオ燃料は近代的バイオマスの一形態である。

ネットメータリング送電網と、発電設備を持つ消費者間で双方向の電気のやり取りを可能にする電力供給制度。消費者は、電力会社から送電される正味の電力量のみ(総消費量—自家発電)の料金を支払う。買電メーターと売電メーターの二つを設置する場合には、「ネットビリング」とも言われる。

生産税額控除特定施設の出資者や所有者に対する、その施設からのエネルギー生産量(発電、熱利用、バイオ燃料生産)に応じた年次の税額控除。

競争入札制度公共機関が一定の自然エネルギー供給や設備に対し入札をかけ、一般的な市場価格を超える価格で応札する仕組み。

規制政策対象の行為を、誘導し制御するためのルール。自然エネルギーにおいては、たとえば、自然エネルギー利用割合基準(RPS)、固定価格買取制度(FIT)、バイオ燃料混合の義務化、および自然エネルギー熱の義務化などの義務や割り当て。

自然エネルギー目標政府(地域、州、国または地域レベル)による、将来のある時点までに達成を目指す自然エネルギーの公約や計画、目標値。法制化によるか、規制機関や省庁によって規制されるかは国によって異なる。

自然エネルギー割当基準(RPS)自然エネルギー義務付け、クォータ制、固定枠制

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とも呼ばれる。売電量や熱販売量、設置容量のうち、自然エネルギーによる供給の最低限の割合を義務付ける。これを義務付けられた電力事業者等は、その割合を満たさなければならない。もし義務を達成できなかった場合には、通常罰金が科される。

ソーラーホームシステム(SHS)小型太陽光発電パネル、バッテリー、充電制御器などからなり、家庭に少量の電気を供給できるシステム。大抵の場合、農村地域や送電網に接続していない遠隔地域に用いられる。

太陽熱温水器大抵は屋根の上に設置され、大規模なものは地上に設置される太陽集熱器により水を熱しタンクに貯め、後に温水として使用するか、循環させて暖房やプロセス加熱に用いる。

太陽光発電(PV)太陽光発電セルは、太陽光を電気に変換するための基礎となる基本的な製品である。セルは単体で独立して腕時計や庭園の街灯のために使用されたり、建物に簡易に据え付けられるように結合してモジュールまたはパネルに組み込まれる。薄膜太陽光発電の素材は、既存の外壁にフィルムのように貼付けたり、屋根瓦のような建築部材に結合させたりして使用できる。建物一体型太陽光発電

(BIPV)として、従来の建物の屋根や外壁の一部を取り替えることにより設置できるものもある。ピコ太陽光発電(Pico-PV)システムは、小型家庭用太陽光発電であり、ソーラーランタンや情報通信技術(ICT)装置などを、1W ~ 10Wの出力で稼働させる。

自然エネルギー証書(REC)自然エネルギーによる一単位(通常は1MWhの電力だが、熱でもありうる)分の発電を証明する証明書。この証明書により、自然エネルギー使用量の義務を達成することを目的とした消費者と発電者との間の取引を可能とする。また、自主的なグリーン電力購入の手段としても用いられる。

伝統的バイオマス未加工の固形バイオマス(農作物残さ、動物の排泄物、林産物および収集された燃料となる薪)で、ストーブや炉、暖炉において燃焼されることで、とくに発展途上国の農村地域において、料理のた

めの燃料や暖房、そして小規模の農業や工業加工に用いられる。

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自然エネルギーの設備容量の説明および報告については多くの問題が発生する。以下に5つの問題点を詳述するとともに、本報告書で選択されたアプローチの根拠を述べる。

1. 設備容量 vs. エネルギー生産量世界市場の概要の章には、可能であればエネルギー生産量のデータ(例.GWh)を含めているが、大部分は容量のデータ(例.GW)に着目している。これは以下の3つの理由による。第一に、容量のデータは一般的に容易に入手可能であり、また、年次で更新データが入手できない国については、エネルギーの生産量よりも容量の拡大の方が前年比での変化を推定しやすい。第二に、季節や年度による変動は多くの自然エネルギーに共通する点であるが、容量はこれらの変動に左右されにくい。第三に、容量のデータは一定期間の投資の傾向に比例しやすい(潜在的なエネルギー生産量についての詳細は、表1の容量データを参照のこと)。熱生産については、データが入手できる場合はジュール量で提示している。データが入手できない場合は、容量のデータをワット熱(Wth)で提示している。バイオ燃料のデータについては、一貫して一年間の生産量(10億リットル/年)を提示している。

2. 建設済容量 vs. 連系済容量および稼働中容量2009年および2010年において、太陽光発電および風力発電市場では、建設済ではあるが系統への連系がされていない容量や、連系済であるが正式な稼働に至っていない容量の増加が多く見られた。この現象は中国の風力発電でとくに顕著であるが、太陽光発電に関しても2010年にはイタリアでもとりわけ明白に現れた(本文参照)。建設済容量、連系済容量、稼働中容量との間で差異が生じるのは、公的機関、電力事業者およびその他の機関が、建設のペースに対応するための策を講じていないためである。例として、技術的な相互接続、試験、承認、契約締結、認証といった面での策が講じられていない。この状況は、設置率が高いままならば将来においても引き続き起こりうる。本報告書においては、可能である限り建設済容量に着目している。これは、年間の資本投資の実際の流れと最も相互の関連性が強いためである。

3. バイオマスエネルギーの複雑性バイオマスエネルギーは、林業、農業、産業から

の残留物、有機廃棄物や、燃料用として特別に栽培される作物から抽出される有機物を資源とする。バイオマスの利用範囲は、食料、農業、林業、産業廃棄物といった分野のみならず、発電、熱生産、輸送用といった最終的なエネルギー利用の分野にも及ぶ。原料用から最終的なエネルギー利用に至るまで、バイオマスには膨大な「使い道」または処理経路が存在する。バイオマスは直接燃焼してエネルギーに変換することも可能であるが、エタノール、メタノール、バイオガス、バイオメタン(天然ガス代替)、合成ガスといった可燃性液体または気体燃料の生産にも利用できる。多くのバイオマス処理施設が、発電、熱生産、さらには(処理経路にもよるが)燃料の製造までを統合しつつある。世界中で利用されている多くのバイオエネルギーが、とくに熱生産については非常に分散化されており、総合的に把握をすることは困難である。その結果として、多くの国で統計数字が存在しないか不完全で分散した状態にあり、これを入手して統合することは困難である。本報告書では、こうした複雑性および制約事項を前提として、バイオマスエネルギーについて入手可能な最良のデータの提供を心がけている。なお、都市固形廃棄物(MSW)の中に部分的に含まれる有機物から生じるエネルギーは、本文および本文中の表には含まれていない(ただし、公式なデータが特定できるものについては巻末注に含めている)。なぜなら、有機廃棄物と非有機廃棄物との割合に関する明確なデータは多くの国で入手できず、世界規模での容量や産出量の計測が不可能だからである。また、有機原料の割合がわかる場合であっても、有機廃棄物を資源とするエネルギーの産出量(これは廃棄物の組成により変動する)を計算するための明確で幅広く受け入れられた方法は存在しない。バイオガスと埋立地ガスについては、有機廃棄物のみを資源として産出されるため、これらのエネルギー業者および産出されたエネルギーを可能な限り本報告書の統計に含めている。

4. すべての太陽光発電 vs. 系統連系型および独立型太陽光発電過去の報告書では系統連系型の容量に着目していたため、系統連系型太陽光発電と独立型とを別々に報告していた。当初の目的は、2005年以降に起こった独立型から系統連系型へのダイナミックな変動を強調するという点にあった。しかし、2005年ま

 設備容量の説明および報告に関する注釈

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で独立型は世界市場の大部分を占めていたが、2010年までに系統連系型太陽光発電の市場シェアが推定で90%〜95%まで上昇した。よって、本年の報告書からすべての太陽光発電を合計したデータのみを各表に報告する。なお、独立型太陽光発電の設置に関するデータは、入手可能であれば潜在的な関心に合わせて引き続き本文内で提示する。この変更の理由は次の二点である。(1)小水力発電と同様に(後述箇所を参照のこと)、世界の独立型太陽光発電の発展を計測するのはより困難になりつつある、(2)一つの区分(最も重要ではあるが単一の区分)について報告するよりも、それを含む太陽光発電市場全体の統計を報告する方がより理に適っていると言える。なお、この変更はすでに報告済の太陽光発電市場の成長率にも影響を与えるという点で重要である。なぜなら、図2に見られるように、過去五年間において太陽光発電全体の市場は系統連系型の市場ほど急速には成長していないからである。また、この変更は2010年以前のデータにも遡って影響し、とくに表R3のデータに影響を与える。

5. すべての水力発電 vs. 小水力発電および大型水力発電過去の報告書では以下に挙げる様々な理由から小水力発電のデータを水力発電全体のデータとは別々に各図表の中で報告していた。(1)相対的に大規模である大型水力発電は他のすべての自然エネルギーを合計した規模を著しく上回るため、す

この2011年版報告書は、2005、2006、2007、2009、2010年の過去の報告書に続くものである。本報告書を作成するために使用した情報源となる知識のベースは広がり続けており、本報告書のもととなる過去の詳細や詳述はこれまでの報告書で参照できる。

本報告書において示されている世界の容量、成長、投資の数字の大部分は厳密ではないが上位2桁の数字はほぼ正確である。必要に応じて、仮定や成長の傾向をもとに、対立的あるいは部分的な情報、過去の情報からの推計が行われた。過去の各報告書は、出版済の数百の文献、多様な電子ニュースレター、寄稿者からの未出版の多くの提案書、個人的なコミュニケーション、ウェブサイト等をも

べてを合算して計測してしまうと、小水力発電および他の自然エネルギーのダイナミックな成長を覆い隠してしまうおそれがある、(2)多くの国の報告でも小水力発電は別々に報告されており、各国の計画および援助方針の面で異なる取り扱いを受けている、(3)技術的、経済的、社会的そして環境の面での課題は通常は規模により異なる。結果として、自然エネルギーの発展をできるだけ十分に把握するために、小水力発電は別々に報告することとしていた。しかし、2005年以来、小水力発電に関する統計は不足しており、その定義は国によって異なるため(各国における「小」の定義は、たとえばスウェーデンでは1.5MW以下、ノルウェーでは10MW以下、インドでは25MW以下、ブラジルおよび米国では30MW未満、カナダおよび中国では50MW以下となっている)、世界規模の信頼できるデータを得る事は困難である。このため、本報告書では小水力発電について個別の報告はしない。ただし、入手可能であれば各国のデータを本文に含めている。水力発電のデータをすべて提示するかどうかに関わらず、水力以外の自然エネルギーのダイナミックな成長は明らかである。その場合、小水力と大型水力を区別する動きおよび政策の枠組みがあるのであれば、我々はこの成長を引き続き適切な範囲で強調する。なお、水力発電の種類別(流込み式、貯水池式)の統計は、データが不足しているため提示しない。

とに執筆された。一般的に、世界規模の情報・データを把握している単独の情報源は存在しない。風力、太陽光、太陽熱、バイオ燃料などの分野においての世界的な情報源は近年形成されつつあるが、ほとんどの既存の情報は、ヨーロッパや米国といった先進国(OECD)の地域・国家レベルのみに関するものである。世界の総計は、個々の国の情報を積み上げ、追加し、合計して算出されなければならない。また、発展途上国を全体としてカバーする資料はほとんど存在しない。発展途上国の数値は先進国のものよりも数年古いことが多く、現在の数値は仮定および歴史的な成長率に基づいて過去のものから推定して作成しなければならい。より正確な容量の年間増加量は、風力、太陽光、太陽熱温水器についてのみ入手可能である。

 追加情報および情報源に関する注釈

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1.POLICY LANDSCAPE1 BP, Statistical Review of World Energy, June 2011.2 Figure 1 shows shares of final energy consumption, which is different

than shares of primary energy consumption. For an explanation of the differences, see Sidebar 1 on page 21 of REN21, Renewables 2007 Global Status Report (Paris: 2007). Figure 1 is based on the following data for 2009: (a) global final energy consumption of 8,340 Mtoe including traditional biomass, which is derived from the 8,428 Mtoe for 2008 from International Energy Agency (IEA), Key World Energy Statistics 2010 (Paris: IEA/OECD, 2010), and then adjusted (downward) for 2009 using the -1.1% growth rate in global primary energy for 2009 found in BP, Statistical Review of World Energy 2010 (London: June 2010); (b) traditional biomass final consumption of 800 Mtoe, which is based on the 746 Mtoe (2008) in the residential sector of developing countries per IEA, World Energy Outlook 2010 (Paris, 2010), p. 342, which likely undercounts traditional biomass because much of this use is in the informal or non-commerical sector, adjusted upward for final consumption of charcoal in the informal sector as given in Chapter 8 of IPCC, Special Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation (2011); this 800 Mtoe of traditional biomass final consumption is less than previously estimated in previous editions of the Renewables Global Status Report from other sources;; (c) hydropower of 3,272 TWh and 282 Mtoe for 2009 from BP, op. cit. this note; (d) nuclear of 2,698 TWh and 233 Mtoe from BP, op. cit. this note; (e) non-hydro renewables for 2009 from BP Statistical Review of World Energy 2011 for non-hydro power generation (607 TWh) and for biofuels (52 Mtoe); and from REN21 Renewables 2007 Global Status Report figures using capacity increases and additional industry data.

Figures estimated for 2009 are: biomass power 190 TWh, wind power 370 TWh, geothermal power 70 TWh, solar and other power 40 TWh, solar hot water 390 petajoules (PJ), geothermal heat 330 PJ, biomass heat 4,600 PJ, ethanol 1,660 PJ, and biodiesel 460 PJ. So total non-hydro renewable power generation for 2009 is calculated as 670 TWh (an estimate which is slightly higher than the BP figure of 607 TWh, but which makes no difference in terms of final shares), and total final energy from non-hydro renewables is calculated as 236 Mtoe. All traditional biomass supply is considered final energy consumption for purposes of this analysis. For heat from modern biomass, there is some ambiguity as to what constitutes “final energy consumption.” Typically, it includes the heat content of steam and hot water produced from central biomass boilers and heat-and-power plants, but analyses can vary depending on how building-level heating boilers are counted. Few global estimates exist for modern biomass heat consumption, including district heating supply and direct industry use. The IEA gives 4,000 PJ heat from modern bioenergy, per IEA, Renewables for Heating and Cooling (Paris: IEA/OECD, 2007), and Johansson and Turkemburg give 730 TWh(th), or 2,600 PJ final heat in 2001, per T. Johansson and W. Turkemburg, “Policies for Renewable Energy in the European Union and Its Member States: An Overview,” Energy for Sustainable Development, vol. 8, no. 1 (2004), pp. 5–24. Figures from the IEA and other sources suggest that biomass for final heat consumption in industry is substantial (although there are few published studies on this topic), and therefore renewable heating/hot water could be higher than shown in Figure 1. Further discussion of the different methods for calculating share of energy from renewables can be found in Eric Martinot et al., “Renewable Energy Futures: Targets, Scenarios and Pathways,” Annual Review of Environment and Resources, vol. 32 (2007), pp. 205–39.

3 Growth rates and Figure 2 based on the following sources: historical PV data from Paul Maycoc k, PV News, various editions, and from REN21, Renewables 2005 Global Status Report (Washington, DC: Worldwatch Institute, 2005) current data from European Photovoltaic Industry Association (EPIA), Global Market Outlook for Photovoltaics Until 2015 (Brussels: 2011); Global Wind Energy Council (GWEC), Global Wind Report: Annual Market Update 2010 (Brussels: 2011); BTM Consult – A part of Navigant Consulting, World Market Update 2010 (Ringkøbing, Denmark: March 2011); World Wind Energy Association (WWEA), World Wind Energy Report 2010 (Bonn: April 2011); Ma Lingjuan, Chinese Renewable Energy Industries Association (CREIA), Beijing, personal communications with REN21, May and June 2011; Indian Ministry of New and Renewable Energy (MNRE), Annual Report 2010–11 (Delhi: 2011); Morse Associates, provided by Fred Morse and Kurt Klunder, personal communications with REN21, March, April, and May 2011; Ruggero Bertani, Enel Green Power, S .p .A, personal communicat ion with REN21, 21 Apri l 2011; International Journal on Hydropower and Dams (Wallington, Surrey, U.K.: various editions); Bloomberg New Energy Finance (BNEF),

“Clean Energy - Analyst Reaction, Investment in Large-hydro - How Large?” Table 1, 12 January 2011; Lau Saili, International Hydropower Association (IHA), London, personal communication with REN21,

March 2011; Werner Weiss, Irene Bergmann, and Gerhard Faninger, Solar Heat Worldwide 2007: Markets and Contribution to the Energy Supply 2005 (Gleisdorf, Austria: IEA Solar Heating and Cooling Programme, May 2007); Werner Weiss and Franz Mauthner, Solar Heat Worldwide: Markets and Contribution to the Energy Supply 2009 (Gleisdorf, Austria: IEA Solar Heating and Cooling Programme, March 2011); F.O.Licht, 2011; IEA, Medium Term Oil and Gas Markets 2011 (Paris: June 2011).

4 The low end of this range is for hydropower and geothermal power, although it should be noted that hydropower is growing from a relatively large base; the high end is for geothermal direct heat. Fossil fuel consumption growth rates are for period 2005 through 2010, with average annual growth rates over this period for oil at 0.8%, natural gas 2.6% and coal 3.4%, based on data from BP, op. cit. note 1. Note that single-year growth rates in 2010 were higher, with oil at 3.1%, natural gas 7.4%, and coal 7.6%.

5 Half and 194 GW based on 92 GW of fossil capacity added, and 5 GW of nuclear capacity added from UNEP, Global Trends in Renewable Energy Investment (Nairobi: 2011), p. 25, and on renewable energy data noted in this report. See Table R4; data based on the following: sources provided in note 3; IEA, Renewables Information 2010 (Paris: 2010) (for OECD biomass power capacity); IEA, Electricity Information 2010 (Paris: OECD, 2010); WEC, Survey of Energy Resources 2009 (London: 2009); submissions from report contributors; historical databases going back to 2005 report edition as maintained by Eric Martinot.

6 Figure 3 from BP 2011, op. cit. note 1, Excel supplementary data tables. Global electricity production according to BP was 21,325 TWh in 2010; hydro was 3,428 TWh; nuclear was 2,767 TWh; and other (non-hydro) renewables were 701 TWh. Global power capacity estimate of 4,950 GW is based on IEA’s 4,500 GW installed in 2007, adjusted for an average growth rate of 3% for 2008–2010, per IEA, World Energy Outlook 2009 (Paris: IEA/ OECD, 2009), p. 102. World electricity generation estimated at 20,700 TWh in 2009, based on 2008 generation of 20,269 TWh from IEA, Electricity Information 2010 , op. cit. note 5, adjusted by 2.1% growth for 2009 (assuming same growth rate as 2008).

Hydropower accounts for an estimated 16% of global electricity generation (and other renewables 2%), from IHA, Advancing Sustainable Hydropower, 2011 Activity Report (London: 2011).

7 See Table R4 for 2010 data; increase over 2009 based on data for total renewable electric capacity including small hydropower in 2009, less the small-scale hydro total, from REN21, Renewables 2010 Global Status Report (Paris: 2010), Table R4, with adjustments for restated solar PV and biomass data for 2009.

8 Figure 4 based on data in Table R4; see sources for Figure 2, op. cit. note 3; also based on IEA, Renewables Information 2010 (for OECD biomass power capacity) and Electricity Information 2010, both op. cit. note 5; WEC, op. cit. note 5; submissions from report contributors; historical databases going back to 2005 report edition as maintained by Martinot.

9 Capacity shares based on 2009 nameplate capacity from U.S. Energy Information Administration (EIA), “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Exist” tab, EIA Form 860, www.eia.doe.gov/cneaf/electricity/page/eia860.html, viewed 13 June 2011; proposed additions (total, biomass without MSW and hydro without pumped storage) for 2010 from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Proposed” tab, EIA Form 860, 2010; 2010 geothermal additions from Geothermal Energy Association (GEA), Annual U.S. Geothermal Power Production and Development Report (Washington, DC: April 2011); wind additions from American Wind Energy Association (AWEA), “U.S. Wind Energy Industry Finishes 2010 with Half theInstallations of 2009, Activity Up in 2011, Now Cost-competitive with Natural Gas,” press release (Washington, DC: 24 January 2011); solar PV additions from EPIA, op. cit. note 3, and from U.S. Solar Energy Industries Association (SEIA), U.S. Solar Market Insight: 2010 Year in Review, Executive Summary (Washington, DC: 9 March 2011); CSP additions from Morse Associates, op. cit. note 3, and from SEIA, op. cit. this note. Note that wind and solar accounted for an estimated 96% of renewable capacity added in 2010; hydro accounted for almost 59% of total existing renewable capacity at the end of 2010. Share of generation based on data from EIA, Monthly Energy Review, March 2011, pp. 15, 105. In absolute numbers, renewable energy output increased from 7.751 quad Btu in 2009 to 8.182 quad Btu in 2010.

10 Based on data from U.S. EIA, Monthly Energy Review, March 2011,pp. 15, 105. In absolute numbers, renewables increased from 7.751 quadrillion Btu in 2009 to 8.182 quadrillion Btu in 2010.

11 Ma Lingjuan, CREIA, Beijing, personal communication with REN21, 21 June 2011.

 巻末注

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12 Ibid.13 Figure of 41% from European Wind Energy Association (EWEA),

“Offshore and Eastern Europe New Growth Drivers for Wind Power in Europe,” www.ewea.org; and from EWEA, Wind in Power: 2010 European Statistics (Brussels: February 2011). This was the fifth consecutive year in which renewable share of EU annual power capacity additions exceeded 40%; wind accounted for nearly 17% of new electric capacity and solar PV for 21.7%, from EWEA, Wind in Power…, op. cit. this note; PV accounted for 21% according to EPIA, cited in Jackie Jones, “Italy Overhauls its PV Incentives .” RenewableEnergyWorld.com, 19 May 2011.

14 EWEA, “Offshore and Eastern Europe…,” op. cit. note 13; EWEA, Wind in Power, op. cit. note 13.

15 Share of electricity generation in 2009 from Hans Bloem et al., Renewable Energy Snapshots 2010 (Ispra, Italy: European Commission, DG Joint Research Centre, Institute for Energy, June 2010); 1999 and 2009 share of gross inland consumption from “Renewable Energy Contribution to the EU27 Energy Supply Almost Doubled Over the Last Decade,”Newsletter EnergyMarketPrice.com, 12 April 2011.

16 Renewables’ share of total final energy consumption is up from 10.4% in 2009. Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation and Nuclear Safety (BMU)/ Arbeitsgruppe Erneuerbare Energien-Statistik (AGEE-Stat), Renewable Energy Sources 2010, provisional data as of 23 March 2011,www.erneuerbare-energien.de/files/english/pdf/application/ pdf/ee_in_zahlen_2010_en_bf.pdf.

17 Biomass (33%, including solid and liquid biomass, biogas, landfill and sewage gas, biogenic share of waste), hydropower (19%), and PV (12%); renewables’ share of electricity generation increased in 2010 despite a decline in wind output relative to 2009, from 38.6 billion kWh (2009) to 37.5 billion kWh (2010); PV output was up 82% relative to 2009; all from Ibid. Renewables accounted for 55.7 GW of capacity at the end of 2010: 4.8 GW hydro; 27.2 GW wind; 4.9 GW biomass; 1.5 GW biogenenic share of waste; 17.3 PV GW; 7.5 MW geothermal. According to the Bundesverband der Energie- und Wasserwirtschaft e.V., renewables represented 32.9% of Germany’s electric capacity in 2010. Data provided by the off ice of Hans-Josef Fel l , Berl in , personal communication with REN21, June 2011.

18 Spain’s 2010 primary energy and electricity shares from Alfonso Beltrán García-Echániz, Director General of Instituto para la Diversificacion y Ahorro de la Energía (IDAE), “Balance energético 2010 y Perspectivas 2011: Energías Renovables y Eficiencia Energética,” presentation in Madrid, 28 March 2011. Note that wind provided 15.4% of Spain’s 2010 electricity and solar PV 2.5%, per Ibid; 2009 share of final energy from Eurostat, “Share of Renewable in the EU27 Energy Supply Almost Doubled between 1999 and 2009,” press release (Luxembourg: 11 April 2011); 2009 share of electricity from Observ’ER, Worldwide Electricity Production from Renewable Energy Sources: Stats and Figures Series, Twelfth Inventory - Edition 2010 (Paris: 2010), at www.energies-renouvelables.org/observ-er/html/inventaire/ Eng/sommaire.asp#chapitre3.

19 This was up from 3.5 GW of renewable capacity (not including large hydropower) installed in April 2002, per MNRE, op. cit. note 3. Actual additions in 2010 may have been greater; India’s wind capacity additions provided in this report are higher than those in the MNRE report.

20 Ibid. 142 MW of off-grid capacity (about half from non-bagasse biomass CHP, and 23% from PV) were installed by 31 March 2011, per MNRE, www.mnre.gov.in/achievements.htm.

21 MNRE, op. cit. note 3. Note that large hydro came to 37.4 GW and other renewable energy grid-connected capacity came to 18.8 GW; total power capacity was 172.3 GW.

22 Figure of 39 GW based on 37.6 GW from WWEA, op. cit. note 3; 38.3 GW from GWEC, CREIA and CWEA, “China Adds 18.9 GW of New Wind Power Capacity in 2010,” press release (Beijing/ Brussels: 6 April 2011); 39.4 GW from BTM Consult – A part of Navigant Consulting, op. cit. note 3; 11.5 GW in 2005 from GWEC, op. cit. note 3. Figure 5 based on sources in this note and on data from previous editions of this report.

23 There are a range of estimates of added wind capacity and total installations, based on when data are collected, what new capacity is included (e.g., capacity once it begins feeding into the grid or once it is officially ‘operational’), and other possible factors and assumptions. Data here are based on 196.6 GW from WWEA, op. cit. note 3, and from GWEC, provided by Steve Sawyer, GWEC, Brussels, review comment, May 2011; on 199.5 GW from BTM Consult – A part of Navigant Consulting, op. cit. note 3; and on national data from sources provided elsewhere in this section.

24 Estimates of 52 and 83 from WWEA, op. cit. note 3.25 Based on 59 GW at end of 2005, per GWEC, op. cit. note 3.26 U.S. from GWEC, “Global Wind Capacity Increases by 22% in 2010–

Asia Leads Growth,” press release (Brussels: 2 February 2011), and from Jesse Gilbert and John Catillaz, “SNL Energy Analysis: Wind

Industry Q3’10 Update,” RenewableEnergyWorld.com, 23 November 2010; Spain from “Wind Power Installed Capacity in Spain Increased by 1,516 MW in 2010, Slowest Rhythm in Seven Years,” 3 February 2011, www.aeeolica.es/en; causes of depressed demand from GWEC,

“op. cit. note 26; Gilbert and Catillaz, op. cit. note 26; GWEC, op. cit. note 3; IEA, Clean Energy Progress Report (Paris: OECD, 2011).

27 GWEC, op. cit. note 3; WWEA, op. cit. note 3.28 Figure of 4.4% based on REN21 and Worldwatch Institute, Renewables

2006 Global Status Report (Paris and Washington, DC: 2006). Note that the 2004 share was 2% based on just below 200 MW added that year, per Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, May 2010. Figure 6 based on multiple sources cited in these notes.

29 Additions and total from Li Junfeng, CREIA, communication with REN21, June 2011; Shi Pengfei, CWEA, communication with REN21, 17 March 2011, and from GWEC, CREIA and CWEA, “China Adds 18.9 GW of New Wind Power Capacity in 2010,” press release (Beijing/Brussels: 6 April 2011); percent increase based on 13.8 GW added in 2009 from Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, May 2010.

30 Ma Lingjuan, CREIA, personal communication with REN21, May 2011. Note that China had 25.8 GW installed at the end of 2009, but only 17 GW were then considered officially operational; 44.7 GW were installed and 31.1 GW of capacity were officially operational the end of 2010, according to China Electricity Council, data provided by Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, 17 March 2011; and also State Grid Corporation of China, white paper, cited in “China Grids to Connect 90 m kW of Wind Power by 2015,” China Daily, 16 April 2011. The difference is explained by the fact that there are three prevailing statistics in China: installed capacity (turbines installed according to commercial contracts); construction capacity (constructed and connected to grid for testing); and operational capacity (connected, tested, and receiving tariff for electricity produced). At the end of 2010, operational capacity was 31 GW, construction capacity was 40 GW, and installed capacity was 44.7 GW according to Li Junfeng, CREIA, personal communication with REN21, 3 June 2011.

31 China Electricity Council, data provided by Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, 17 March 2011.

32 Based on 5,115 MW added in 2010, per AWEA, op. cit. note 9.33 Amount of generation from Debra Preikis-Jones, AWEA, Washington,

DC, personal communication with REN21, 8 June 2011; number of homes from AWEA, “The Report is Out: US Wind Industry Continues Growth, Despite Slow Economy and Unpredictable Policies,” Wind Energy Weekly, 8 April 2011.

34 AWEA, op. cit. note 9.35 Estimate of 15% based on Canada additions of 690 MW in 2010, for a

total of just over 4,000 MW from WWEA, op. cit. note 3, and from GWEC, op. cit. note 3.

36 Data based on the following sources: 9,259 MW added and 84,074 MW total from EWEA, Wind in Power.., op. cit. note 13, and from GWEC, op. cit. note 3; 9,970 added for a total of 85,983 MW from WWEA, op. cit. note 3; 10,980 MW added in 2010 from BTM Consult – A part of Navigant Consulting, op. cit. note 3. WWEA and BTM both cover Europe more broadly (e.g., they include Turkey, which added an estimated 528 MW during 2010 according to BTM). The reduction relative to 2009 varies from negligible from BTM Consult to 5% from WWEA, to 8% from EWEA.

37 EWEA, “Offshore and Eastern Europe …,” op. cit. note 13; natural gas accounted for 51% of added capacity in 2010, followed by solar PV (21.7%) and wind (16.7%), per EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13.

38 Germany added 1.49 GW net in 2010 for a total of 27,204 MW, per BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; 2009 data in Table R2 from idem. G e rmany 2010 t o t a l a l s o f r om J . P . Mo l l y , “S t a t u s d e r Windenergienutzung in Deutschland – Stand 31.12.2010,” DEWI, www.dewi.de; generation data from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16.

39 BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16.40 Spain added 1,752 MW in 2010, ending the year with 20,744 MW, per

Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18. Note that Spain added 1,516 MW in 2010, for a total approaching 20.7 GW, according to GWEC,

“Global Installed Wind Power Capacity (MW) – Regional Distribution” (Brussels: February 2011), and EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13. Capacity added was 1,094 MW according to Red Eléctrica de España, cited in AE Eolica, “Spain Becomes the First European Wind Energy Producer after Overcoming Germany for the First Time,” 25 April 2011, www.aeeolica.es/en. The 2009 data in Table R2 are based on 2010 additions and total capacity.

41 AE Eolica, op. cit. note 40. Government target set in the 2005–2010 Renewable Energies Plan was 20,155 MW, whereas estimated capacity at year-end 2010 was 20,676 MW.

42 Generation from the Spanish Wind Energy Association (Asociación Empresarial Eólica, AEE), per John Blau, “Spanish Wind Generated More Power than German Wind in 2010,” RenewableEnergyWorld.com, 15 April 2011.

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43 France added 1,108 MW in 2010 for a total of 5,729 MW by February 2011, per Miriam Sperlich, Bureau de coordination énergies renouvelables/Koordinierungsstelle Erneuerbare Energien e.V., “Wind Energy in France after Grenelle II –Future Developments and Regional Planning Rules,” presentation in Hannover, 6 April 2011, slide 3, www.enr-ee.com/fileadmin/user_upload/Downloads/Messen/Praesentation_Hannover_Messe_2011.pdf. Note that France added 1,086 MW, for a total of 5,660 MW, per EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13, GWEC, op. cit. note 3, and WWEA, op. cit. note 3. Italy added an estimated 948 MW, per Gestore Servizi Energetici (GSE),

“Incentivazione delle fonti rinnovabili: Certificati Verdi e Tariffe Onnicomprensive.

Bollettino aggiornato al 31 dicembre 2010” (Rome: April 2011); the year-end total was 5,797 MW per EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13 (GWEC and WWEA provided the same data). Note that cumulative, incentivized GW at end 2010 was 4.7 GW, per GSE, at www.gse. it/att ivita/Incentivazioni%20Fonti%20Rinnovabil i/ Pubblicazioni%20informative/Bollettino%20energia%20da%20 fonti%20rinnovabili%20-%20anno%202010.pdf. The U.K. added 400 MW offshore and 476 MW onshore, for a total of 5,300 MW, per Energy Statistics Team, U.K. Department of Energy and Climate Change (DECC), London, personal communication with REN21, 6 June 2011. Note that additions were 1,192 MW per Nick Medic, BWEA/RenewableUK, London, personal communication with REN21, 6 June 2011. Both DECC and RenewableUK estimated almost the same existing capacity at year-end, so the difference in additions is likely due to when a site is classified as operational, per Energy Statistics Team, DECC, personal communication with REN21, 8 June 2011. In addition, Denmark, which is included in Table R2, added 323 MW net for a total of 3,805 MW from Energinet.dk, from Danish Energy Agency, and BTM Consult – A part of Navigant Consulting, all provided by Birger Madsen, Ringkøbing, Denmark, personal communication with REN21, 7 June 2011.

44 Bulgaria more than doubled its capacity to 375 MW; total capacity increased more than 50% in Lithuania (154 MW) and Poland (1,107 MW); Romania increased installations 33-fold (to 462 MW) or 40-fold to 591 MW, depending on the source. All from EWEA, Wind in Power.., op. cit. note 13 except for Romania 40-fold increase, which is from WWEA, op. cit. note 3. Belgium also increased capacity more than 50%, to 911 MW, per EWEA, Wind in Power.., op. cit. note 13, or to 886 MW per WWEA, op. cit. note 3.

45 Based on end 2009 capacity of 10,925 MW and estimated end 2010 capacity of 13,183 MW from Indian Wind Energy Association (IWEA) and Bridge to India, per Bridge to India, communications with REN21, July 2011. India added 1,377 MW in 2010 for total installed capacity of 13,184 MW (by end January 2011) from MNRE, “Wind Energy Programme,” in Annual Report 2010-2011, op. cit. note 3; added 1,259 MW, for total of 13.1 GW, per WWEA, op. cit. note 3; and added 2,139 MW for total of 13,065 MW per GWEC, op. cit. note 3.

46 Latin America and Caribbean from GWEC, op. cit. note 40; Brazil added 325 MW per ANEEL - National Electric Energy Agency of Brazil (ANEEL), Generation Data Bank, January 2011, at www.aneel.gov.br/aplicacoes/capacidadebrasil/capacidadebrasil. asp; 326 MW per GWEC, op. cit. note 40; and 320 MW per WWEA, op. cit. note 3. Mexico from Secretaría de Energía, Prospectiva del Sector Eléctrico 2010-2025, Dirección General de Planeación Energética, Editor (Mexico DF: 2011), p. 227. Note that Mexico added 316 MW per GWEC, op. cit. note 3; and added 104 MW per WWEA, op. cit. note 3.

47 GWEC, op. cit. note 40.48 Egypt from WWEA, op. cit. note 3; Morocco from Sahara Wind

Project, “Current Wind Farms Operating in North Africa,” www. saharawind.com/index.php?Itemid=55&id=38&option=com_content&task=view&lang=en, viewed 15 June 2011, and from Gamesa,

“Inauguration of a 140 MW Wind Farm Equipped with Gamesa Turbines,” press release (Vizcaya, Spain: 28 June 2010). Note that Morocco added only 33 MW for a total of 286 MW in 2010, per WWEA, op. cit. note 3 and GWEC, op. cit. note 3. The total appears to be consistent with other data found.

49 GWEC, op. cit. note 3.50 Offshore capacity increased by 1,162 MW to a total of 3,118 MW, from

WWEA, op. cit. note 3, and from Stefan Gsänger, “World Wind Outlook: Down But Not Out,” RenewableEnergyWorld.com, 25 May 2011. Note that Japan’s year-end total installed wind capacity was 2.3 GW, per GWEC, op. cit. note 3.

51 Figure of 2,978 MW from WWEA, op. cit. note 3; the total was more than 2.9 GW according to EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13; 3.05 GW from EurObserv’ER, Wind Barometer (Paris: February 2011).

52 U.K. additions from Nick Medic, BWEA/RenewableUK, London, communication with REN21, 6 June 2011 (additions were 652.8 MW for total of 1,192.3 MW); existing totals from “Europe Close to 3 GW Offshore Wind Power,” RenewableEnergyFocus.com, 20 January 2011.

53 Donghai Bridge from Ivan Tong and Ben Warren,“Quick Look: Renewable Energy Development in China,” RenewableEnergyWorld.com, 14 December 2010; four projects from “China’s Goldwind Plans to Invest More in Offshore Turbine Production,” Xinghua, 17 April 2011.

54 AWEA, “EPA Permit in Hand, Cape Wind Turns to Financing,” Wind Energy Weekly, 14 January 2011.

55 “The Big List: 2010’s Biggest Renewable Energy Projects,” RenewableEnergyWorld.com, 28 December 2010; Franz Alt, “World’s Largest Wind Project Is Underway,” sonnenseite.com, 6 August 2010.

56 Community wind projects from Stefan Gsänger, WWEA, Bonn, personal communication with REN21, May 2011; Canada from WWEA, op. cit. note 3; small-scale turbines from Andrew Kruse, Southwest Windpower Inc., personal communication with REN21, 21 May 2011.

57 About 24 MW were added in the U.S. from AWEA data provided by Kruse, op. cit. note 56; 8.6 MW were added in the U.K., from RenewableUK, “Summarized Statistics,” in Small Wind Systems UK Market Report 2011 (London: April 2011).

58 Katie Christensen, Catalogue of Small Wind Turbines 2010 (Hurup Thy, Denmark and Beijing: Nordic Folkecenter for Renewable Energy and CWEA, May 2010). Small-scale wind turbines are also being used in many countries for water pumping, as in India, where there were 1,351 installed at the end of January 2011, per MNRE, op. cit. note 3, Table 5.6, 2011. Note that there exists only limited data available for small-scale wind turbine markets and other developments, so it is not possible to provide global statistics here.

59 Estimate of 1.92% from BTM Consult – A Part of Navigant Consulting, provided by Birger Madsen, personal communication with REN21, May 2011; 2.5% from WWEA, op. cit. note 3.

60 EWEA, “Offshore and Eastern Europe…,” op. cit. note 13.61 Denmark from energinet.dk and Danish Energy Agency, provided by

Birger Madsen, communication with REN21, 7 June 2011. Note that 2010 was an 84% wind year; in a normal wind year, the coverage would have been 26%. Portugal from Luísa Silvério, Directorate General for Energy and Geology (DGEG), personal communication with REN21, April 2011; Spain from Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18; 16.4% in Spain from AE Eolica, op. cit. note 40. Note that wind power covered 43% of Spain’s national electricity demand on 9 November 2011, per Red Eléctrica de España (REE), The Spanish Electricity System: Preliminary Report 2010 (Madrid: December 2010); Ireland from EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13; Germany from BMUAGEEStat, op. cit. note 16. EWEA says wind’s share in Germany was 9.3%.

62 J.P. Molly, “Status der Windenergienutzung in Deutschland – Stand 31.12.2010,” DEWI, www.dewi.de.

63 Iowa leads the U.S. with 15.4% of all electricity generated from wind (8,799 MWh of 57,135 MWh total) in 2010, based on EIA, Monthly Energy Review, March 2011, at www.eia.doe.gov/pub/electricity/epm0311.zip. Note that wind’s share is up to 20% according to George C. Ford, “Iowa Wind Energy Industry Expected to See Slow Recovery,” Eastern Iowa Business, 30 January 2011; Texas from

“About ERCOT,” www.ercot.com/about/; AWEA, U.S. Wind Industry Year-End 2010 Market Report (Washington, DC: January 2011).

64 Figure of 1% from IEA, op. cit. note 26, p. 44; nearly twice the production is based on 27.6 TWh generated in 2009 and 50.1 TWh in 2010, from China Electricity Council, data provided by Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, 17 March 2011; provincial data from Shi Pengfei, CWEA, personal communication with REN21, May 2011. According to another source, in 2010 China’ s wind turbines operated for 2,097 hours on average and constituted 21.1% of local power consumption in the eastern part of Inner Mongolia, 8.7% in the western part of Inner Mongolia, 5.6% in Jilin Province, and 4.6% in Heilongjiang Province, per State Grid Corporation of China, as cited in

“China Grids to Connect 90 m kW of Wind Power by 2015,” China Daily, 16 April 2011.

65 China from Shi Pengfei, CWEA, China country report, in WWEA, Wind Energy International 2011/2012 (Bonn: May 2011); United States from AWEA, “U.S. Wind Industry Continues Growth, Despite Slow Economy and Unpredictable Policies,” press release (Washington, DC: 7 April 2011); the UK also had 3.3 GW with consent and awaiting construction, but there is no guarantee this will be built, per Energy Statistics Team, U.K. Department of Energy and Climate Change (DECC), London, 6 June 2011.

66 Energy & Enviro Finland, “Bosnia to Kick Off Hydro, Wind Projects,” w w w . e n e r g y - e n v i r o . f i / i n d e x . p h p ? P A G E =3& N O D E _ ID=5&LANG=1&ID=3456, 31 December 2010; Romania from Andrew Lee, “Country Profile: Romania Opens Up to Green Energy,” RenewableEnergyWorld.com, 5 October 2010.

67 “Greenpeace celebra inauguración de parque eólico en La Rioja y reclama que sea el inicio de una verdadera revolución energética,” Greenpeace Argentina, 20 May 2011; Greenpeace International and European Renewable Energy Council (EREC), Energy [R]evolution. A

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sustainable energy future for Argentina (Buenos Aires and Brussels: July 2009); Brazil and Mexico from GWEC, “Global Wind Capacity Increases by 22% in 2010 – Asia Leads Growth,” 2 February 2011, at www.gwec.net; Chile and Uruguay from WWEA, op. cit. note 3; Costa Rica and Nicaragua from Gonzalo Bravo, Bariloche Foundation, Argentina, personal communication with REN21, May 2010; Egypt from WWEA, op. cit. note 3; Ethiopia from Steve Sawyer, GWEC, Brussels, communication with REN21, May 2011; Tunisia from Franz Alt, “Solar Plans Lit Up by $5bn Fund,” www.sonnenseite.com, 26 August 2010; Tanzania from Fumbuka Ng’wanakilala, “Tanzania Plans $120 Million 50 MW Wind Power Project,” Reuters, 29 December 2010; Nigeria from Franz Alt, “First Wind Park Project in Nigeria,” sonnenseite.com, 12 October 2010; Kenya from http://laketurkanawindpower.com/default.asp. The project is expected to add about 30% to Kenya’s total installed electric capacity and is the first wind project in Kenya registered with the Clean Development Mechanism. Morocco from “Renewable Energy in Morocco: Interview with HE Amina Benkhadra, Minister of Energy, Mines, Water, and Environment,” Marcopolis.net, 21 January 2011.

68 Biomass power figures do not include waste-to-energy capacity (MSW) – see Note on Accounting and Report of Installed Capacities for explanation. Biomass power figures are adjusted from 2009 to reflect updated IEA data for biogas and solid biomass power statistics from individual country submissions to this report.

69 IEA, op. cit. note 26, p. 52. Due to lack of available data it is not possible to rank countries according to newly installed capacity.

70 Additions in 2010 from U.S. Federal Energy Regulatory Commission (FERC), Energy Infrastructure Update, December 2010; 2010 additions and existing capacity also based on 212 MW planned additions for 2010 (excluding 5.5 MW of MSW), from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Proposed” tab, EIA Form 860, 2010, and on total 2009 nameplate capacity of 10,153 MW (excluding 2,676 MW of MSW) from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Exist” tab, EIA Form 860, www.eia.doe.gov/cneaf/electricity/page/eia860.html, viewed 13 June 2011; generation based on total (including MSW) of 56.5 TWh less generation from MSW (8.2 TWh), EIA, “2010 December EIA-923 Monthly Time Series,” Forms EIA-923 and EIA-860, 2011, www.eia.gov/cneaf/electricity/page/eia906_920. htm, viewed 10 June 2011.

71 This includes the pulp and paper industry, from U.S. Department of Energy, Energy Efficiency and Renewable Energy, 2009 Renewable Energy Data Book (Washington, DC: August 2010), and from EIA ,

“2010 December EIA-923 Monthly Time Series,” op. cit. note 70.72 Generation from EIA, “2010 December EIA-923 Monthly Time Series,”

op. cit. note 70; 2010 data from EPA, Landfill Methane Outreach Program, “National and State lists of landfills and energy projects,” www.epa.gov/lmop/projects-candidates/index.html#map-area, updated 12 April 2011; 2008 data from EIA, “Table 1.12 U.S. Electric Net Summer Capacity, 2004–2008,” in Renewable Energy Trends in Consumption and Electricity 2008 (Washington, DC: 2009), at www.eia.doe.gov/cneaf/solar. renewables/page/trends/trends.pdf.

73 Not including municipal organic waste. EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer (Paris: November 2010), pp. 125, 127; EurObserv’ER, Biogas Barometer (Paris: November 2010), p. 108.

74 Further, about 63% of solid biomass power was from CHP, whereas the vast majority (81%) of biogas-derived power was from electric-only plants. Ibid.

75 Solid biomass generated 62.2 TWh, biogas 25.2 TWh and the renewable share of MSW 15.4 TWh in 2009, Ibid and EurObserv’ER, Renewable Municipal Waste Barometer (Paris: November 2010), p. 94.

76 Production increased from 20.8 TWh in 2001 to more than 62 TWh in 2009, per EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer, op. cit. note 73; 800 plants from Ecoprog and Fraunhofer Umsicht survey reports, cited in idem.

77 EurObserv’ER, ibid and EurObserv’ER, Biogas Barometer, op. cit. note 73, p. 107.

78 Data exclude MSW, per EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer, op. cit. note 73, p. 125, and EurObserv’ER, Biogas Barometer, op. cit. note 73, p. 108. Germany is also the top biogas producer in Europe, both in total and in per capita production, per EurObserv’ER, idem, p. 111.

79 Data exclude MSW. Future growth and new markets from EurObserv’ER, Biogas Barometer, op. cit. note 73, p. 115.

80 Danish Energy Agency, Energistatistik 2009 (Copenhagen: September 2010).

81 Figure of 28.7 TWh provided by Thomas Nieder, Centre for Solar Energy and Hydrogen Research Baden-Württenberg (Zentrum für Sonnenenergie- und Wasserstoff-Forschung Baden-Württemberg ZSW), affiliated with BMU/AGEE-Stat, personal communication with REN21, 6 April 2011; 22% annually from IEA, op. cit. note 26, p. 52; Germany 2010 data exclude organic domestic waste and green waste, per BMU/AGEE-Stat, Zeitreihen zur Entwicklung der erneuerbaren

Energien in Deutschland (Berin: March 2011). Of this 4.9 GW total, 2.1 GW was solid biomass, 330 MW was liquid, 2.1 GW was biogas, 200 MW sewage gas, and 160 MW landfill gas. (Including power output of biogenic share of waste, biomass power capacity was 6.4 GW, generating 33.5 TWh or 5.5% of total electricity consumption, per BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16.

82 Includes all biogenic energy sources, including biogenic share of waste, per BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16.

83 Figure of 4.3 million and 20% based on data from Rita Ramanauskaite, Policy Adviser, European Biogas Association (EBA), Brussels, personal communication with REN21, 26 April 2011. According to EBA, German biogas capacity in 2010 was 2,279 GW and it generated 12.8 TWh of electricity in 2010, per BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16. Biogas represented almost 53% of Germany’s biomass power production in 2009, based on data from EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer, op. cit. note 73, p. 125, and from EurObserv’ER, Biogas Barometer, op. cit. note 73, p. 108.

84 Ramanauskaite, op. cit. note 83.85 Capacity from IEA, op. cit. note 26, p. 52; generation from Issao Hirata,

Brazilian Ministry of Mines and Energy, personal communication with REN21, May 2011; 7.8 from Renata Grisoli , CENBIO, personal communication with REN21, February 2011.

86 Figures of 18.5 TWh and 8.8 TWh from Renewable Fuels Department, Brazilian Ministry of Mines and Energy, personal communication with REN21, 28 April 2011. Another source says that during the 2009/2010 harvesting season the sugar mills produced 20.03 TWh of electricity with bagasse, and 7.3 TWh of this total was fed into the grid, per CONAB – Nat iona l Company o f Food Supply . A Geração Termoelétrica com a Queima do Bagaço de Cana-de-Açúcar no Brasil, 2 0 1 1 , w w w . c o n a b . g o v . b r / O l a l a C M S / u p l o a d s /arquivos/11_05_05_15_45_40_geracao_termo_baixa_res. . pdf (in Portuguese).

87 Costa Rica from Economic Commission for Latin America and the Caribbean (ECLAC), Istmo Centroamericano: Estadísticas Del Subsector Eléctrico, April 2010; Mexico from La Comisión Reguladora de Energía (CRE), “Permisos para la Generación Privada 2009,” 10 March 2010, at www.cre.gob.mx/articulo. aspx?id=171; Uruguay from Gonzalo Bravo, Bari loche Foundation , Argentina , personal communication with REN21, May 2010.

88 Based on a 3% growth rate and on generation for April 2009– March 2010 of an estimated 9.8 TWh (excluding municipal waste), per Japan Renewable Energy Policy Platform and Institute for Sustainable Energy Policy (ISEP), Renewables Japan Status Report 2010, E x e c u t i v e S u m m a r y , 2 011 , w w w . r e - p o l i c y . j p / j r e p p /JSR2010SMR20101004E.pdf.

89 Capacity up from 3.2 GW in 2009, per Ma Lingjuan, CREIA, personal communication with REN21, May 2011. Another source says capacity totaled 5.5 GW in 2010 (4.0 GW biomass; 1 GW biogas; 0.5 GW landfill gas, plus more than 0.8 GW from bagasse, ‘saisonaler Betrieb’), per Dewey & LeBeouf LLP, China’s Promotion of the Renewable Electric Power Equipment Industry, March 2010, pp. 11, 30; GTZ, Energy-Policy Framework Conditions for Electricity Markets and Renewable Energies, Chapter on China, 2007, p. 12; and Green Gas, Power Tariff and Power Connection for Biogas Power Generation in China, 2010, all cited in GIZ, “Regenerative Energietechnologien zur Stromerzeugung mit Fokus auf Entwicklungs- und Schwellenländern: Überblick,” in cooperation with Institut für Angewandtes Stoffstrommanagement, 2011, p. 61. Biomass feedstock based on 2009 data from Li Junfeng and Ma Lingjuan, “Renewable Energy Development in China,” CREIA, China RE Entrepreneurs Club (CREEC), provided to REN21 March 2011; and on 2010 data from Ma Lingjuan, CREIA, personal communication with REN21, 2 April 2011.

90 D.S. Arora et al., Indian Renewable Energy Status Report: Background Report for DIREC 2010, NREL/TP-6A20-48948 (Golden, CO: NREL, October 2010).

91 MNRE, Renewable Energy in India – Progress, Vision & Strategy, Annex II, circulated at the Delhi Sustainable Development Summit, February 2011.

92 Thailand year-end total from Chris Greacen, Palang Thai, personal communication with REN21, February 2010; biogas data from EPPO (2010), “Electricity purchased from SPP by fuel type as of October, 2010,” www.eppo.go.th/power/data/STATUS_SPP_Oct 2010.xls; and from EPPO (2010), “Electricity purchased from VSPP by fuel type as of October, 2010,” www.eppo.go.th/power/data/STATUS_VSPP_Oct 2010.xls, viewed 28 February 2011.

93 Malaysia from Hanim Adnan, “Felda Tapping Biomass Waste to the Max,” The Star, 22 February 2010.

94 “Cameroon Ties up with Forbes Energy for Supply of Renewable Energy,” Cameroon-Today.com, January 2011; 26 MW of CHP capacity in Kenya, including 1 MW added in 2010, from Mark Hankins, African Solar Designs, Kenya, personal communication with REN21, 14 March 2011; Tanzania from Mark Hankins, African Solar Designs, Kenya,

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personal communication with REN21, May 2010; Uganda has 26 MW of CHP capacity, all fueled with bagasse, and 17 MW of this is grid connected, per Republic of Uganda, National Development Plan (2010/2011-2014/2015), April 2010.

95 South Africa from Siseko Njobeni, “South Africa: Landfill Gas Gaining in Popularity,” Business Day, 5 October 2010, and from “Africa’s First Landfill Gas Clean Development Mechanism Project Earns Commendation,” Civil Engineering, November/December 2007, pp. 8–10; Egypt, Tunisia, and Jordan from Agnes Biscaglia, Carbon Finance Unit, World Bank, “Lessons Learned from Developing CDM Projects in the MENA Region: CDM Carbon Projects in the Mediterranean Area: Today and Tomorrow,” CDC Side Event, Carbon Expo Cologne, 27 May 2010, at www. cdcclimat.com.

96 Ron Pernick et al., Clean Energy Trends 2010 (San Francisco/Portland: Clean Edge, March 2010), p. 12.

97 According to IEA, cited in Elisa Wood, “Hybrid Technology: How Mix and Match Is Boosting Renewable Load Factors,” Renewable Energy World, September-October 2010, pp. 102.

98 Japan Renewable Energy Policy Platform and ISEP, op. cit. note 88.99 Germany and U.K. from Uwe Fritsche, Öko-Institut, Germany,

personal communication with REN21, March 2010; 100 plants from European Biomass Industry Association, cited in Wood, op. cit. note 97.

100 More than 100 countries from Solarbuzz, “Solarbuzz Report World Solar Photovoltaic Market Grew to 18.2 Gigawatts in 2010, Up 139% Y/Y,” Solarbuzz.com, 15 March 2011.

101 Based on figure of 16,630 MW and global total from EPIA, op. cit. note 3. Other estimates for 2010 additions include 17.5 GW according to IMS Research, per “Solar PV Installations Reached 17.5 GW in 2010,” RenewableEnergyFocus.com, 18 January 2011; 17.5 GW from Shyam Mehta, “27th Annual Data Collection Results,” PV News, May 2011; 18.2 GW according to Solarbuzz, op. cit. note 100; 2009 additions from Shyam Mehta, op. cit. this note; five years earlier based on 5.4 GW installed at the end of 2005 per EPIA, op. cit. note 3; and on 5.5 GW (3.5 GW gridconnected and 2 GW off-grid) per Paul Maycock, PV News, various editions. Figure 7 based on Paul Maycock, PV News, various editions, and on EPIA, op. cit. note 3.

102 Mehta, op. cit. note 101.103 EPIA, cited in Isabella Kaminski, “Solar PV Leads Renewable Growth

in Europe,” RenewableEnergyFocus.com, 24 February 2011.104 Figure of 80% of world and EU added capacity based on data from

EPIA, op. cit. note 3; 10 million based on 30 GW of capacity generating 35 TWh of electricity, and on average household consumption of 3500 KWh per year, per Ibid and provided by Gaëtan Masson, Senior Economist, EPIA, personal communication with REN21, 10 June 2011. Note that Solarbuzz puts EU total added at 14.7 GW, per Solarbuzz, op. cit. note 100. Figure 8 from EPIA, op. cit. note 3; GSE, “Rapporto Statistico 2010: Solare Fotovoltaico” (Rome: April 2011), p. 10, at www.gse.it; Korea Photovoltaic Industry Association (KOPIA), “Analysis on 2011’s Korean PV industry,” www.kopia.asia/inc/fileDownBoard.jsp?sBoardSeq=269&sFile=1, viewed 27 January 2011; BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18. Note that Italy’s total could be higher, and thus its share of the global total could be higher than noted here. See text in this section for further details.

105 More PV than wind from EWEA, Wind in Power…, op. cit. note 13.106 Germany from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; world in 2009 from

EPIA, op. cit. note 3. For Germany in Table R3, all total data and 2010 additions from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; 2006–09 additions derived from annual totals. See Table R3 for additional data. Note that BMU data differ from EPIA data by only a few MW, with the exception of 2008 (EPIA reports 1,809 MW added; 5,979 MW total), 2009 (EPIA reports 3,806 MW added; 9,785 MW total), and 2010 (EPIA reports 17,193 MW total).

107“Germany Hits New Solar Power Record in Q1 2011,” Newsletter, EnergyMarketPrice.com, 4 May 2011.

108 EPIA, op. cit. note 3; GSE, op. cit. note 104, p. 10. Data for 2006–09 in Table R3 are from EPIA. Note that a total of 9.4 MW in 2006; 87 MW in 2007; 431 MW in 2008; 1,144 MW in 2009; and 3,470 MW in 2010 were reported (2006 data) in GSE, “Totale dei Risultati del Conto Energia,” provided by Salvatore Vinci, IRENA, Abu Dhabi, personal communications with REN21, May 2011 (2006 data), and (2007–10 data) in GSE, op. cit. note 104. EPIA data are 25–30 MW higher than GSE, with the exception of 2007 (+40 MW), probably because GSE tracks only grid-connected projects that qualify under the FIT.

109 GSE, Atlasole Web site, http://atlasole.gse.it/atlasole, viewed 2 June 2011. Note that approximately 13 MW of PV were being connected daily under Italy’s FIT as of early June 2011. This is because many installments readied in 2010 or earlier were re-considered and determined to qualify under the FIT by law 129-2010, and were connected in early 2011, together with new systems, per GSE, www.gse.it/attivita/ContoEnergiaF/servizi/Pagine/Legge129-2010.aspx.

110 Amount of 1,490 MW added in 2010 for total of 1,953 MW, and all data

in Table R3, from EPIA, op. cit. note 3.111 France and Belgium data in Table R3; all data sourced from Ibid.112 Figure of 369 MW added and 3,787 MW total from Beltrán García-

Echániz, op. cit. note 18. An estimated 371 MW of PV capacity was installed in 2010, per Asociación Empresarial Fotovoltaica, cited in www.europapress.es/castilla-lamancha/noticia-energia-fotovoltaica-produjo-57-mas-2010-siendo-lmmayor-potencia-853-mw-20110407161241.html. Spain data in Table R3 from the following: 2009 additions from IDAE, La industria fotovoltaica española en el contexto europeo (Madrid: 2010); 2009 existing from Ministerio de Industria Turismo y Comercio, “La Energía en España 2009,” Table 8.5, p. 207, at www.mityc.es/energia/balances/Balances/LibrosEnergia/Energia_2009. pdf; 2008 from Ministerio de Industria Turismo y Comercio, “La Energía en España 2008,” Table 8.6, p. 198, at www.mityc.es/energia/balances/Balances/LibrosEnergia/ENERGIA_2008. pdf; 2005–07 data from past editions of this report. See Table R3 for additional data. Note that EPIA data vary from IDAE data by only a few MW, with the exception of 2006 (EPIA reports 102 MW added; 148 MW total), 2007 (EPIA reports 542 MW added); 2008 (EPIA reports 2,708 MW added; 3,398 MW total), and 2009 (EPIA reports only 17 MW added).

113 Japan and U.S. from EPIA, op. cit. note 3; U.S. also from SEIA, op. cit. note 9. Another source put the U.S. total at 937 MW, per Henning Wicht, “Photovoltaic Market in Europe to Account for 70 Percent of World Total in 2011,” isuppli.com, 14 March 2011; 550 MW for China (includes additions of 525 MW grid-connected and 25 MW off-grid, making a total of 861 MW PV) from Ma Lingjuan, CREIA, communication with REN21, May 2011. Note that other sources say 0.4 GW for China, per Greentech Media (Greentech Solar), PV News, Vol. 30, No. 2 (2011); and 520 MW added for total of 893 MW from EPIA, op. cit. note 3. China added 9 MW off-grid in 2006; 18 MW off-grid in 2007; 19 MW off- and 20 MW on-grid in 2008; 18 MW off- and 140 MW on-grid in 2009; and 25 MW off- and 525 MW on-grid in 2010. Cumulative capacity was 60 MW in 2006, 114 MW in 2007, 153 MW in 2008, 311 MW in 2009, and 861 MW in 2010. Data differ from EPIA by no more than a few MW, with the exception of 2008 (EPIA reports 145 MW total), 2009 (EPIA reports 228 MW added; 373 MW total), and 2010 (EPIA reports 520 MW added).

114 Japan total here and in Table R3 from EPIA, op. cit. note 3. U.S. existing capacity of 2,528 MW, and data in Table R3, from idem. Note that the U.S. 2010 total was 2.1 GW (grid-connected only) per SEIA, op. cit. note 9; SEIA reported that the 2009 total was 1.2 GW, excluding about 40 MW of off-grid, per SEIA, U.S. Solar Industry Year in Review 2009 (Washington, DC: 15 April 2010).

115 Utility-scale projects from Eric Wesoff, “U.S. Solar Market Insight: 2010 Year in Review,” GreentechMedia.com, 10 March 2011; future growth from “Current U.S. Utility PV Contracts Exceed 5 GW,” GreentechMedia.com, 30 November 2010.

116 United States from “The Future of the Utility Scale PV in the U.S.,” GreentechMedia.com, 1 December 2010. As of 15 April 2011, just shy of 7.5 GW of utility scale PV were under contract, per “Utility-scale project pipeline (as of April 15, 2011),” PV News, May 2011.

117 Figure of 80% from SEIA, op. cit. note 9. Also of note, 16 states installed at least 10 MW each during 2010, per Wesoff, op. cit. note 115; Lindsay Morris, “Solar Market Heats Up,” RenewableEnergyWorld.com, 12 October 2010. In the first full year of its solar FIT, the municipality of Gainesville, Florida, added nearly 4 MW, per Alliance for Renewable Energy, “Little Interest in Hawaii Feed-in Tariff Program Says Report,” www.allianceforrenewableenergy.org, January 2011.

118 EPIA, op. cit. note 3. Note that EPIA data only very slightly from 2009 and 2010 data from KOPIA, op. cit. note 104.

119 Data for 2009 and 2010 from Denis Lenardic, pvresources.com, personal communications with REN21, 31 March 2011 and April and May 2010. Note that it is not possible to estimate the exact number of power plants because many of the large-scale PV power plants consist of several small (very often MW-ranged) PV power plants.

120 Denis Lenardic, pvresources.com, personal communication with REN21, 26 February 2011 and May 2011; GSE, Atlasole, at http://atlasole.gsel.it/atlasole/, viewed May 2011; share based on data from Lenardic and from EPIA, op. cit. note 3.

121 Lenardic, 26 February 2011, op. cit. note 120.122 Data from Denis Lenardic, internal data and www. pvresources.com/

en/top50pv.php; Denis Lenardic and Rolf Hug, “Große Photovoltaik-Kraftwerke: 2010 mehr als 3 GW neu an das Netz angeschlossen,” Solarserver.de/Solar Magazin, 16 February 2011, www.solarserver.de; and Italy from GSE, “Atlasole,” online database, http://atlasole.gsel.it/atlasole/, viewed 21 January 2011.

123 Bulgaria and China from Greentech Media (Greentech Solar), PV News, February 2011; Egypt from Maged Mahmoud, Regional Center for Renewable Energy and Efficiency (RCREEE), Egypt, personal communication with REN21, May 2011. Note that the first grid-connected PV facility of 600 kW was commissioned in Egypt in 2010.

─ 101 ─

India from “Trina Solar Completes 5 MW Indian Solar Power Plant,” RenewableEnergyFocus.com, 5 January 2011; Israel from Ari Rabinovitch, “Israeli Firm Inaugurates 2 MW Solar Project,” Reuters, 30 December 2010, and from “Israel Signs Unprecedented Deal to Buy Solar Energy,” The Jerusalem Post, 21 November 2010; Mali from Robert Heine, “First Grid-connected Solar Power Plant in Mali: An Example of a Successful PPP in Ouéléssébougou/Mali,” Energypedia.com, 11 March 2011; Thailand from Greentech Media, PV News, December 2010; UAE from “SunPower Constructs 1 MW Solar System at Masdar City,” RenewableEnergyFocus.com, 6 December 2010, and from Franz Alt, “Solar Plans Lit Up by $5bn Fund,”sonnenseite.com, 26 August 2010; at least 30 countries from Denis Lenardic, personal communication with REN21, April 2011.

124 The other six were completed in 2008 and 2009. Denis Lenardic and Rolf Hug, “Große Photovoltaik-Kraftwerke: 2010 mehr als 3 GW neu an das Netz angeschlossen,” www.solarserver.de, 16 February 2011.

125 AC power capacity (off icial ) from Denis Lenardic, personal communication with REN21, April 2011, and from www.pvresources.com/en/top50pv.php. 97 MW is DC power; 80 MW, world’s largest, and 12,800 homes from “World’s Biggest Solar Project Powers Up in Canada,” Reuters, 4 October 2010.

126“Solar CPV Reaches Commercialization,” RenewableEnergyFocus.com, 25 November 2010; “EPIA Releases CPV Figures,” Solar: A PV Management Magazine, 11 November 2010; California from Brett Prior, “The Year of CPV PPAs (or the End of CPV),” PV News, January 2011, p. 6, and from SolFocus, “Installations,” www.solfocus.com/en/installations/, viewed 16 June 2011; other projects or demonstrations from David Appleyard, “San Diego’s New CPV Solar Giant,” RenewableEnergyWorld.com, 7 June 2011, and from SolFocus, op. cit. this note.

127 Prior, op. cit. note 126. In March 2011, California-based utility San Diego Gas and Electric signed a PPA for a 150 MW CPV project scheduled for completion in 2015, per “Concentrating Photovoltaics: Soitec Announces 150 MW Solar Power Project in Southern California,” Solar Magazine, 10 March 2011.

128 BIPV project of 6.7 MW from GTM Research, cited in “BIPV on the Upswing,” RenewableEnergyFocus.com, 3 August 2010.

129 The off-grid sector accounted for approximately 6% of demand in 2008, falling to 5% in 2009 and an estimated 3% in 2010, per Paula Mints,

“Solar PV Market Analysis: Unstable Boom Times Continue for PV Market,” Renewable Energy World International Magazine, July-August 2010.

130 Figure of 70% from Jackie Jones, “Country Profile: Australia,” RenewableEnergyWorld.com, 20 December 2010. Largest tracker system is 0.5 MW in Western Australia, per idem.

131 Ruggero Bertani, “Geothermal Power Generation in the World 2005-2010 Update Report,” Proceedings World Geothermal Congress 2010, Bali, Indonesia, 25–29 April 2010; more than 20% based on data for 2005 (55.7 GWh) and 2010 from Bertani, op. cit. note 3.

132 El Salvador’s capacity increased from 151 MW in 2005 to 204 MW in 2010, Guatemala from 33 MW to 52 MW, Papua New Guinea from 6 MW to 56 MW, and Portugal from 16 MW to 29 MW, from Bertani, op. cit. note 3.

133 Figure of 240 MW derived from estimate of 340 MW global additions from Bertani, op. cit. note 131, minus 100 MW for Iceland that were not added during 2010. This compares with at least 405 MW added in 2009, 456 MW in 2008, and 315 MW in 2007, per Bertani.

134 Stephen Lacey, “U.S. Installs Only One Geothermal Plant in 2010,” RenewableEnergyWorld.com, 3 February 2011.

135 Projection made by Islandsbanki. All information from Stephen Lacey, “Ea s t A f r i c a S e e s a F l u r r y o f G e o t h e rma l A c t i v i t y ,” RenewableEnergyWorld.com, 1 February 2011.

136 New Zealand (134 MW), Italy, and Kenya from Bertani, op. cit. note 131; New Zealand additions of 132 MW (and same data for Italy and Kenya) from Lacey, op. cit. note 134; “The Big List…,” op. cit. note 155.

137“The Big List…,”op. cit. note 155; more than 250 MW from Lacey, op. cit. note 135. Kenya total was an estimated 202 MW per Bertani, op. cit. note 131.

138 Figure of 15 MW from Geothermal Energy Association, Annual U.S. Geothermal Power Production and Development Report (Washington, DC: April 2011).

139 An estimated 9 MW were added in Turkey, 7 MW in Mexico, 3 MW in Costa Rica, and 3 MW in Guatemala, per Bertani, op. cit. note 131. Note that Costa Rica and Guatemala are not in the text because additions could not be confirmed and were not included in ECLAC,

“Centroamér ica : Mercados Mayor is tas De Electr ic idad Y Transacciones En El Mercado Eléctrico Regional,” May 2011, www.eclac.org.

140 Twenty-four countries, United States (3,098 MW), Philippines, Italy, New Zealand, and Japan from Bertani, op. cit. note 131. Indonesia based on 1,189 MW from “Indonesia to Lure More Geothermal investments: Firm,” Jakarta Post, 9 February 2011; on Directorate

General of New, Renewable Energy and Energy Conservation, MEMR “Geothermal Development in Indonesia,” 18 November 2010; on 1,197 MW according to Íslandsbanki, “Geothermal Power: Top 10 Countries, Installed Capacity in MW, 1990-2010,” http://datamarket.com/data/set/1c7w/#ds=1c7 w|qy2&display=table, viewed March 2011; and on Bertani, op. cit. note 131. Mexico from Íslandsbanki, op. cit. this note; from Organización Latinoamericana de Energía, http://siee.olade.org/siee/default.asp, provided by Gonzalo Bravo, Bariloche Foundation, Argentina, communication with REN21, May 2011; and from United Nations –Mexico, per Anne Elliot, “Mexico Leads in Geothermal Energy,” Latin Daily Financial News, 24 April 2011. Note that other U.S. estimates include 3.1 from Geothermal Energy Association (GEA), Annual U.S. Geothermal Power Production and Development Report (Washington, DC: April 2011), and 3.3 GW derived from Ventyx Global LLC, Velocity Suite, cited in FERC, “Office and Energy Projects, Energy Infrastructure Update for December 2010,” www.ferc.gov/legal/staff-reports/01-19-11-energy-infrastructure.pdf, viewed March 2011. Note that Mexico’s total was 965 MW per Bertani, op. cit. note 131; Italy’s total was 863 MW per Íslandsbanki, op. cit. this note; Iceland from Orkustefna fyrir Ísland, Drög Til Umsagnar, Reykjavik, 12 January 2011, p. 5. Japan’s total was 536 MW per Íslandsbanki, op. cit. this note.

141 Iceland data is estimated for 2009, from Orkustofnun, Ársskýrsla Orkustofnunar 2010, Reykjavik, March 2011; Philippines from Alison Holm et al., Geothermal Energy: International Market Update (Washington, DC: GEA, May 2010).

142 Holm et al., op. cit. note 141.143 Expected resources from confirmed projects ranges from 1,377 to

1,393 MW; when accounting for unconfirmed projects the range of planned capacity additions in development is 1,613–1,664 MW, per GEA, op. cit. note 140.

144 An estimated 90 MW (2x45MW) will be added to the Hellisheidi power plant, per Árni Ragnarsson, Iceland GeoSurvey, Reykjavik, personal communication with REN21, April 2011; and Friðrik Ómarsson, “133 MW Geothermal Energy Plant Commissioned,” RenewableEnergyWorld.com, 12 February 2011. Pipeline includes projects in the initial development phase, per “US Geothermal Industry Grew 26% in 2009,” RenewableEnergyWorld.com, 14 April 2010. Note that other, less recent sources estimated up to 6.4 GW under development in the United States, per “Geothermal Industry E x p e c t s t o T r e b l e i n U S A o v e r C o m i n g Y e a r s , ” RenewableEnergyFocus.com, 26 January 2010, and “US Geothermal Industry Hits 3-GW in 2009,” RenewableEnergyWorld.com, 29 January 2010. Forecast for 2015 from Bertani, op. cit. note 131. Does not include India, which is planning to install capacity (projected date of operation unknown), per “India’s First Geothermal Power Plant to Come Up in AP,” http://ibnlive.in.com, 31 August 2010.

145 Germany and U.K. (with 10 MW) from “Drilling to Begin for Cornwall Geothermal Power Plant in 2011,” The Guardian, 16 August 2010; and f rom “Bavar i a Bu i lds 10 MW Geotherma l Power P lant ,” RenewableEnergyFocus.com, 23 November 2010; Chile and U.K. from Bertani, op. cit. note 131; Costa Rica from Istmo Centroamericano: Estadísticas Del Subsector Eléctrico, ECLAC, April 2010; India from

“India’s First Geothermal Power Plant…,” op. cit. note 144. Note that a 30 MW plant is also under development in Argentina (per Bertani), but while a company has won the public bidding for developing the project, it is at a standstill due to legal claims by future potential neighbors, according to Gonzalo Bravo, Bariloche Foundation, Argentina, personal communication with REN21, May 2011.

146 During this period, Spain installed 582 MW, the United States 154 MW, Australia 3 MW (plus another 1 MW in 2004), per Morse Associates, op. cit. note 3. Note that another 5 MW may have come online in 2010 with the 5 MW Archimedes prototype plant in Sicily, per U.S. National Renewable Energy Laboratory (NREL), www.nrel.gov/csp/solarpaces/project_detail.cfm/projectID= 19, updated 20 January 2011; in addition, France added a 1 MW prototype plant (La Seyne-sur-Mer), per EurObserv’ER, Solar Thermal and Concentrated Solar Power Barometer (Paris: May 2011).

147 Additions in 2010 based on 78 MW added in U.S. and 400 MW in Spain, per Morse Associates, op. cit. note 3, and Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18. Global year-end total based on 739 MW added between end-2005 and end-2010, plus 356 MW installed earlier (including 354 MW of SEGs plants installed in the U.S. during 1985–1991; 1 MW installed in Arizona, U.S., during 2006; 1 MW installed in Australia, during 2004). Data from Morse Associates, op. cit. note 3.

148 Based on data from Morse Associates, op. cit. note 3.149 Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18; 632 MW also from IEA, op. cit.

note 26, p. 46.150 Morse Associates, op. cit. note 3; 78 MW and Florida also from SEIA,

op. cit. note 9.151 Extresol-2 from NREL, www.nrel.gov/csp/solarpaces/project_ detail.

cfm/projectID=11, updated 30 March 2011; Morocco based on data

─ 102 ─

from Morse Associates, op. cit. note 3. El Kuraymat is a total of 140 MW Integrated Solar Combined Cycle, with 20 MW of solar. Partial operation from Egyptian New and Renewable Energy Authority (NREA), provided by Maged Mahmoud, RCREEE, personal communication with REN21, May 2011.

152 Based on 996 MW under construction and 1,839 MW expected to come on line by end of 2013, per Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18, and subtracting 50 MW that began operating in March 2011, per NREL, op. cit. note 151.

153 Capacity under construction and signed contracts from Morse Associates, op. cit. note 3. See also “Feds Surge Forward on Solar Projects in the Southwest,” PoliticsDaily.com, 17 January 2011, and Sarah McBride, “Big Push Could Be Over For California Solar,” Reuters, 29 December 2010. Note that at the end of 2010 there were 6.5 GW under contract in the United States; that had declined to 6.238 GW as projects shifted from CSP to PV. The main hurdles remaining for these projects are permitting and financing, per Morse Associates, op. cit . note 3. There are 10,918 MW of CSP projects under construction or development (“in the pipeline”) in the United States, per GTM Research, “Concentrating Solar Power 2011: Technology, Costs and Markets,” www.gtmresearch.com, 12 January 2011.

154 In the pipeline and Algeria, Egypt, Jordan, Morocco, and Tunisia from Chandrasekar Govindarajalu (World Bank) , “Manufacturing Opportunities in MENA along the Concentrated Solar Power (CSP) Value Chain,” slide 5, presentation for Third Saudi Solar Energy Forum, Riyadh, 3 April 2011, at http://ssef3. apricum-group.com/wp-content/uploads/2011/04/2-World- Bank-Govindarajalu-2011-04-03.pdf. Egypt and Algeria also from Morse Associates, op. cit. note 3. Algeria plant (ISCC Argelia) to be 150 MW, originally due to begin operation in 2010, from NREL, “Concentrating Solar Power Projects,” www.nrel.gov/csp/solarpaces/project_detail.cfm/projectID=44, updated 27 May 2009. UAE is 100 MW Shams-1 plant under construction; from Fred Morse, Morse Associates, personal communication with REN21, April 2011; from Ucilia Wang, “Abu Dhabi: Rise of a Renewable Energy Titan?” RenewableEnergyWorld.com, 25 January 2011; and from Stephen Lacey, “Abu Dhabi To Build 100 MW CSP Plant,” RenewableEnergyWorld.com, 25 August 2010; Moroccan Solar Plan from “Renewable Energy in Morocco: Interview with HE Amina Benkhadra, Minister of Energy, Mines, Water, and Environment,” Marcopolis.net, 21 January 2011, www.marcopolis.net/renewable-energy-in-morocco.htm, and from Moroccan Agency for Solar Energy, “Moroccan Solar Plan,” www.masen.org.ma/, viewed 13 June 2011.

155 Morse Associates, op. cit. note 3; CHP in China from “Israeli Solar Combined Heat and Power Provider Signs Landmark Agreement with Chinese Government,” RenewableEnergyWorld.com, 22 February 2011.

156 Morse Associates, op. cit. note 3.157 Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18; United States (1,536 MW) and

others from Morse Associates, op. cit. note 3.158 These projects amounted to about 1 GW, per Kurt Klunder, Klunder

Consulting, personal communication with REN21, 29 April 2011.159 Decrease from GTM Research, Concentrating Solar Power 2011:

Technology, Costs and Markets, cited in “CSP Market Threatened by Rise of Solar PV,” RenewableEnergyFocus.com, 18 January 2011; o thers f rom Kurt Klunder , Klunder Consu l t ing , persona l communication with REN21, May 2011.

160 Figure of 150 from International Hydropower Association (IHA), 2010 International Hydropower Association Activity Report (London: 2010).

161 Increase in 2010 from BP, op. cit. note 1; 16% from IHA, Advancing Sustainable Hydropower, 2011 Activity Report (London: 2011).

162 Additions of 30 GW based on 27.1 GW large hydro estimate, based on research on nearly 90 projects of more than 50 MW each, from Bloomberg New Energy Finance (BNEF), “Clean Energy– Analyst Reaction. Investment in Large-hydro – How Large?” Table 1, 12 January 2011; and on 29–35 GW from Lau Saili, IHA, London, personal communication with REN21, March 2011. Existing capacity estimate based on IHA data for 2009 and 2010, and reflects the middle of the range of 2010 capacity (970– 1,060 GW) estimated by the IHA. The IHA global data may include pumped storage as well. The IPCC Special Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation (2011) reported 926 GW of conventional hydropower in 2009, citing the International Journal on Hydropower and Dams, World Atlas & Industry Guide (Wallington, Surrey, U.K.: 2010). If the estimated 30 GW is added to this, the global total for conventional hydropower for 2010 becomes about 956 GW. The range of added and total existing capacity is quite wide because there remains a significant gap in data on hydropower at the global level. Note that exact figures are difficult to calculate in part because many projects are constructed over a period of several years, with incremental capacity added each year, and because those concerned do not always provide regular progress updates. BNEF, op. cit. this note. In addition,

according to IHA: “As to current installed capacity and generation of hydropower, up-to-date information is lacking and/or inconsistent. Compared with other energy sectors, there is a substantial data gap on hydropower deployment.” IHA, op. cit. note 161. Hydropower data for Table R4 not noted elsewhere in this section include Germany (4.8 GW conventional hydro) from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; and other data based on EIA, “International Energy Statistics – Electricity Capacity, Online Database, www.eia.gov/cfapps/ipdbproject/IEDIndex3.cfm?tid=2&pid=2&aid=7, viewed June 2011; submissions from report contributors; historical databases going back to 2005 report edition as maintained by Eric Martinot.

163 Ranking based on 2008 data, Richard Taylor, “Hydropower,” Chapter 7 in World Energy Council, 2010 Survey of Energy Resources (London: 2010), pp. 287–336; 52% from IEA, Key World Energy Statistics (Paris: 2010), and International Journal on Hydropower and Dams, op. cit. note 3. (These countries together account for 55% of global hydropower generation.)

164 Ranking from IEA, Key World Energy Statistics, op. cit. note 2, and from International Journal on Hydropower and Dams, op. cit. note 3. Baseload vs. following based on 2008 data in Taylor, op. cit. note 163, and on EIA, “Canada: Country Analysis Brief,” www.eia.doe.gov/countries/cab.cfm?fips=CA, updated April 2011.

165 Based on 2008 data in Taylor, op. cit. note 163.166 Data of 16 GW and 213.4 GW are official data, provided by Ma

Lingjuan, CREIA, personal communication with REN21, May and June 2011; 2005 data from IEA, op. cit. note 26, p. 48.

167 National Electric Energy Agency of Brazil (ANEEL), Generation Data Bank, www.aneel.gov.br/aplicacoes/capacidadebrasil/capacidadebrasil.asp, January 2011.

168 Canadian Hydropower Association, Ottawa, personal communication with REN21, 27 April 2011.

169 Ibid.170 Development slowed from IHA, op. cit. note 161; conventional

hydropower and pumped storage capacity based on proposed 2010 additions of 20.5 MW conventional hydro and zero pumped storage from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File,

“Proposed” tab, EIA Form 860, 2010, and on total 2009 nameplate capacity of 77,910 MW conventional hydro and 20,538 MW pumped storage from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Exist” tab, EIA Form 860, viewed 13 June 2011, at www.eia.doe.gov/cneaf/electricity/page/eia860.html; 257 TWh from EIA, Electric Power Monthly, Table 1.13.B. “Net Generation from Hydroelectric (Conventional) Power by State by Sector, Year-to-Date through December 2010 and 2009,” 14 April 2011, at www.eia.doe.gov/cneaf/solar.renewables/page/hydroelec/hydroelec.html.

171 Figures of 55 GW and 20% from Frost and Sullivan, “Changing the Future of Energy – Hydrovision Russia 2011,” www.frost.com, 18 February 2011.

172 The share depends on weather conditions in any given year. Brazil from IEA, op. cit. note 26, p. 49; Canada from Canadian Hydropower Association, op. cit. note 168.

173 For example, the Democratic Republic of the Congo, Ethiopia, and Zambia, per Mark Hankins, African Solar Designs, Kenya, personal communication with REN21, March and April 2011; Lesotho, Malawi, and Mozambique, per Renewable Energy and Energy Efficiency Partnership (REEEP), country data reports (2009), provided to REN21, 1 March 2011. Norway from Arun Kumar, IIT Roorkee India, personal communication with REN21, 6 June 2011.

174 Saili, op. cit. note 162. In 2010, Iceland generated 73% of its electricity with 1,883 MW of hydropower capacity (and 22.3% with geothermal), per Stýrihópur um mótun heildstæðrar orkustefnu (Steering Committee for formulation of a comprehensive energy policy), Orkustefna fyrir Ísland, Drög Til Umsagnar (Energy Policy for Iceland, Drafts for Review), Reykjavik, 12 January 2011, p. 5.

175“Laos Inaugurates 1,070-MW Nam Theun 2 Hydro Project ,” HydroWorld.com, 9 December 2010; China from BNEF, op. cit. note 162; Brazil and Ethiopia from “The Big List…,” op. cit. note 155; “One Unit of Beles Hydropower Project in Ethiopia Begins Generating Power,” HydroWorld.com, 10 May 2010; also Tana Beles plant (460 MW), per IHA, op. cit. note 161.

176“2,400-MW Son La Hydro Project Starts Generating Power in Vietnam,” HydroWorld.com, 21 December 2010.

177 See, for example, International Small Hydro Atlas at www.small-hydro.com; Kizito Sikuka, “Africa Aims to Harness its Huge Hydropower Potential,” AllAfrica.com, 20 August 2009; “Consultative Committee on Power Meets to Discuss Nations’ Hydro Power Development,” TheIndian.com, 17 February 2010; “International Small-Hydro Atlas: Nepal,” at www.small-hydro.com/index.cfm?Fuseaction=countries.country&Country_ID=54.178 “Ecuador Inaugurates 160-MW Mazar Hydroelectric Power Plant,” HydroWorld.com, 6 January 2011; Turkey from “Damlapinar Hydropower Project in Turkey Begins Commercial Operations,” HydroWorld.com, 8 September 2010; Uzbekistan from

─ 103 ─

“Gissarak Hydropower Plant Begins Operation in Uzbekistan,” HydroWorld.com, 24 August 2010.

179 The plant is 4.5 MW, per “First Wastewater Hydropower Project in Australia Begins Operations,” HydroWorld.com, 3 May 2010; capacity from Sonal Patel, “Australia Gets Hydropower from Wastewater,” Power Magazine, 1 July 2010.

180 Large-scale hydropower from MNRE, op. cit. note 3. There were 2,954 MW of small-scale hydro installed as of the end of January 2011, per MNRE, “Small Hydro Power Programme,” www.mnre.gov.in/prog-smallhydro.htm, viewed 27 April 2011.

181 Agência Nacional de Energia Elétrica of Brazil (ANEEL), Ministério de Minas e Energia, “Capacidade de Geração do Brasil,” 2011 (viewed January 2011 and information provided by CENBIO to REN21), at www.aneel.gov.br/aplicacoes/capacidadebrasil/capacidadebrasil.asp (in Portuguese).

182 Data as of end-2008 for Canada (1,784 MW), Kazakhstan (1,643 MW), Switzerland (354 MW), and Iran (304 MW) from Taylor, op. cit. note 163.

183 Engineering News, cited in “Rwanda Looks to Small Hydropower,” RenewableEnergyWorld.com, 19 August 2010.

184 Taylor, op. cit. note 163.185 Announcement by National Energy Administration, per David

Stanway, “China to Develop Controversial Nu River Hydro Projects,” Reuters, 2 February 2011,.

186“Iran, China Planning World’s Tallest Dam, Hydro Project,” HydroWorld.com, 3 March 2011. This is the Bakhtiari Arch dam, at 315 meters , per Arun Kumar, IIT Roorkee India , personal communication with REN21, 6 June 2011.

187“3,150-MW Santo Antonio Hydro Project in Brazil to Launch in December 2011,” HydroWorld.com, 16 August 2010. The other project, at 11 GW, is due to start generating electricity in 2015, per Elzio Barreto and Carolina Marcondes, “Brazil Approves Building of $17 Billion Amazon Power Dam,” Reuters, 28 January 2011, and “11,200-MW Belo Monte Hydro Project Gets Green Light for Construction,” HydroWorld.com, 27 January 2011.

188 For example, Portugal plans 4.4 GW of new capacity and upgrades; new hydro capacity is under construction or planned in Austria (480 MW to come on line 2011), Switzerland (1 GW by 2015), and the U.K.; and Norway plans significant extensions of existing plants. Portugal from Luísa Silvério, Directorate General for Energy and Geology (DGEG), personal communication with REN21, April 2011; Austria, Norway, and Switzerland from David Appleyard, “Roundup of Hydro Activity in Europe,” Renewable EnergyWorld.com, 26 January 2011; U.K. from “EA: Hydropower on the increase in the UK,” HydroWorld.com, 18 January 2011; main centers from Saili, op. cit. note 162.

189 Taylor, op. cit. note 163.190 Ranking from EIA, “International Energy Statistics - Hydroelectric

Pumped Storage Electricity Installed Capacity (Million Kilowatts),” online database, www.eia.gov, viewed June 2011. In 2010, the United States had an estimated 20.5 GW based on 2010 planned additions, per EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File,

“Proposed” tab, EIA Form 860, 2010, and on total 2009 nameplate capacity from EIA, “Annual Electric Generator Report,” Generator Y09 File, “Exist” tab, EIA Form 860, www.eia.doe.gov/cneaf/electricity/page/eia860.html, viewed 13 June 2011; Japan had 26.1 GW of pumped storage capacity at the end of 2010, per Hironao Matsubara and Yuka Ueno, Institute for Sustainable Energy Policy (ISEP), Tokyo, and Mika Ohbayaski, IRENA, Abu Dhabi, Japan Country Contribution, personal communication with REN21, May 2011.

191 GW added and total from Saili, op. cit. note 162; China from “Jixi Pumped-storage Hydro Plant Begins Operat ion in China ,” HydroWorld.com, 14 July 2010; Germany from “Waldeck 1 Pumped-storage Hydro Plant in Germany Begins Operation,” HydroWorld.com, 1 June 2010; Slovenia from “Slovenia’s First Pumped-storage Hydropower Project Begins Operation,” HydroWorld.com, 5 April 2010; Ukraine from “Ukraine Launches First Unit of Dnister Pumped-storage Hydroelectric Plant,” HydroWorld.com, 7 January 2010; 2005 total from EIA, “International Energy Statistics - Hydroelectric Pumped Storage Electricity Installed Capacity (Million Kilowatts),” w w w . e i a . g o v / c f a p p s / i p d b p r o j e c t / i e d i n d e x 3 .cfm?tid=2&pid=82&aid=7&cid=r egions&syid=2004&eyid=2009&unit=MK.

192 Taylor, op. cit. note 163; Appleyard, op. cit. note 188.193 Sidebar 1 is based on the following sources: IHS Emerging Energy

Research, Global Ocean Energy Markets and Strategies: 2010–2030 (Cambridge, MA: October 2010); IEA, op. cit. note 196; Aquamarine Power , “Pro jec t s : B i l i a Croo (Oys ter 1) ,” 2009, a t www.aquamarinepower.com/projects/billia-croo-orkneyoyster- 1; Carnegie Corporation, Development Timeline, 2011, at www.carnegiecorp.com.au/index.php?url=/ceto/developmenttimeline; Ocean Power Technologies, “Projects: Kaneohe Bay, Oahu, Hawaii – Project at M a r i n e C o r p s B a s e H a w a i i ( M C B H ) , 2 0 1 0 , a t w w w .

oceanpowertechnologies.com/projects.htm; Pelamis Wave Power, “Latest News: Pelamis Completes Launch of Second P2 Machine,” press release (Edinburgh: 14 April 2011); Wave Dragon, “Projects: Wave Dragon Projects,” at www.wavedragon.net; Ocean Energy,

“Technology: Platform,” at www.oceanenergy.ie/oe-technology/platform.html; Alok Jha, “Environment: Wave Tidal and Hydropower: First Tidal Power Turbine Gets Plugged In,” The Guardian (U.K.), 17 July 2008; Open Hydro, “News: Open Hydro Successfully Deploys 1 MW commercial tidal turbine in the Bay of Fundy,” press release (Dublin: 17 November 2009); Atlantis Resources Corporation, “Giant Tidal Turbine Successfully Installed on the Seabed at the EMEC Facility,” press release (Orkney, U.K.: 24 August 2010); Hydra Tidal,

“Press Room: Norwegian Minister of Oil and Energy Kicks Off for Morild II Tidal Power Plant and the Test Period,” press release (Harstad, Norway: 25 November 2011); RER, “Turbines: Test Project Details,” 2010, at www.rerhydro.com/turbinesProject.php; Hammerfest Strøm, “Research and Development: Testing: Kvalsund,” 2011, at www.hammerfeststrom. com/research-and-development/testing/kvalsund/; Tidal Generation Web site, www.tidalgeneration.co.uk; Verdant Power, “Free Flow System,” 2010, at http://verdantpower.com/whatsystemsint; Pulse Tidal, “Proven in the Ocean,” 2009, at www.pulsetidal.com/40.html; Ponte di Archimede International S.p.A.,

“Projects: Kobold,” 2006, at www.pontediarchimede.it; Neptune Renewable Energy, “Latest News: Neptune Renewable Energy ready for commercial deployment after full-scale testing of Proteus Tidal Stream Generator,” press release (North Ferriby, East Yorkshire, U.K.: 2 November 2010); “An Overview of Ocean Renewable Energy Technologies,” Oceanography, Vol. 23, No. 2 (2010).

194 European Commission, “Ocean Energy – Technical Background,” http://ec.europa.eu/research/energy/eu/research/ocean/background/index_en.htm, viewed 13 May 2011.

195 These included La Rance (France), Annapolis (Canada, 18 MW, 1984), Kislaya Guba (USSR, 0.4 MW, 1968), and Jiangxia (China, 3.9 MW, 1985), per A.M. Gorlov, “Tidal Energy,” in Tidal Energy, 2001, pp. 2955–60, at www.gcktechnology.com/GCK/Images/ms0032%20final.pdf. Canada (at 20 MW) also from “Nova Scotia Joins Tidal Power Boom (Canada),” Offshorewind.biz, 16 March 2011. Note that another 0.5 MW went online in Russia around 2005 according to “Tidal Energy – Latest Development in Renewable Energy Sector,” 10 May 2010, at http://hydropowerstation.com/?tag=tidal-energy.

196 IEA, Annual Report: Implementing Agreement on Ocean Energy Systems (Paris: 2010).

197 Ibid; Bedard et al., “An Overview of Ocean Renewable Technologies,” Oceanography, June 2010; Susi Global Research Centre, www.susiresearch.com/research.html, viewed April 2011; Department of Ocean Engineering, Indian Institute of Technology, Madra, www.oec.iitm.ac.in/Research.html, viewed April 2011; Non-Carbon Energy Research Center, GuangZhou Institute of Energy Conversion, Chinese Academy of Sciences, http://english.giec.cas.cn/rh/rd/200907/t20090715_23439.html, viewed April 2011; AW Energy, Vantaa, Finland, www.aw-energy.com, viewed April 2011; European Marine Energy Centre, Ltd. (EMEC), Orkney, Scotland, www.emec.org.uk/wave_energy_developers. asp, viewed April 2011.

198 As of December 2010, 18 countries were members of the OES- IA. In order of joining the Agreement, they are: Portugal, Denmark, United Kingdom, Japan, Ireland, Canada, United States, Belgium, Germany, Norway, Mexico, Spain, Italy, New Zealand, Sweden, Australia, South Korea, and South Africa, per IEA, op. cit. note 196.

199 Portugal had 4.2 MW of installed capacity by the end of 2010, per “Renováveis – Estatísticas Rápidas,” November 2010, DGEG 2011. As of March 2011, the U.K. had 3.4 MW of installed ocean energy capacity, 50% of which was added during 2010; this included 1.31 MW of wave energy capacity and 2.05 MW of tidal stream capacity, per RenewableUK, Wave and Tidal Energy in the UK, State of the industry Report (London: March 2011), p. 8.

200 This was the Voith Hydro Wavegen’s LIMPET. Figure of 60,000 and 98% from IHA, London, personal communication with REN21, April 2011; from “Limpet Wave Power Plant Celebrates 10 Year Anniversary,” HydroWorld.com, 29 November 2010; and from RenewableUK, op. cit. note 199, p. 4. The LIMPET had over 70,000 successful operating hours by the date of publication, per RenewableUK.

201 The Marine Current Turbines’ SeaGen. “Tidal Turbine Passes 2 GWh Milestone,” RenewableEnergyFocus.com, 17 August 2010. Generation exceeded 2.5 GWh to the U.K. grid by date of publication of RenewableUK, op. cit. note 199.

202 IEA, op. cit. note 196.203“Floating Tidal Power Plant Opened in Norway,” Renewable

EnergyFocus.com, 24 November 2010; www.hydratidal.com/#!news/vstc2=plant-opened; www.hydratidal.com/#!technology.

204 Stephen Lacey, “When Will Unconventional Hydro Compete?” RenewableEnergyWorld.com, 2 December 2010.

─ 104 ─

205 Utility was Pacific Gas & Electric Company, per Lacey, ibid.206 Hawaii from Virginia Bueno, “Navy Connects Buoy to Power Grid at

Hawaii Marine Corps Base,” Navy.mil, 27 September 2010, and from Lacey, op. cit. note 204; “Ocean Power Technologies

Begins Wave Power Farm Development Off Oregon Coast,” HydroWorld.com, 22 February 2010; “OPT Begins Ocean Trials of

Wave Energy Generator,” Power Magazine, 9 May 2011.207 RenewableUK, op. cit. note 199.208 Langlee Wave Power AS and Turksih Ünmaksan have agreed to build

five wave power systems totaling 600 kW in Turkey. This will be a test park that will be built over two years, and the plan is to build two parks with a total capacity of 52 MW; see “Langlee Wave Power Builds Wave Energy Plants in Turkey,” RenewableEnergyFocus.com, 17 November 2010. Indonesia and Italy from IEA, op. cit. note 196. A prototype of 120–150 kW is being built to be placed in the Lomboc Island, Indonesia; and a 100 kW prototype is likely to be installed by the end of 2011 near Venice, Italy. A three-stage project in La Reunion has a total of 15 MW planned, per www.carnegiecorp.com.au/index.php?url=/projects/lareunionproject.

209“India to Build Asia’s First Commercial Tidal Power Plant,” RenewableEnergyFocus.com, 14 January 2011; “State of Gujarat to Install Asia’s First Commercial Scale Tidal Current Power Plant in the Gulf of Kutch in India at Vibrant Gujarat 2011 Summit,” www.renewable-energy-sources.com.

210 IEA, op. cit. note 196.211 Australia, France, Ireland, Portugal, and South Korea from IHS

Emerging Energy Research, cited in “Energy from the Ocean and Tides Starting To Look Promising,” RenewableEnergyWorld.com, 1 November 2010; South Korea also from Jennifer Kho, “Renewables Hit the Big Time,” RenewableEnergyWorld.com, 25 May 2010; Canada and United States from “Wave and Tidal Energy Spending to Hit US$1.2bn by 2015,” RenewableEnergy Focus.com, 25 January 2011; Japan, New Zealand, and Spain from IEA, op. cit. note 196.

212 Based on 278 million tons of oil equivalent (mtoe) from IEA, op. cit. note 26, p. 52. Biomass heat data in Table R1 based on individual country submissions to this report and on historical databases going back to 2005 report edition as maintained by Eric Martinot.

213 EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer (Paris: December 2009), p. 9.214 Based on 2009 data from EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer

(Paris: November 2010), and on EurObserv’ER, Biogas Barometer (Paris: November 2010).

215 Finland produces 1.2 toe per person, and is followed by Sweden, Latvia, Estonia, and Austria; Germany ranks 14th. EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer (Paris: November 2010).

216 Ibid, pp. 126, 127, 129; EurObserv’ER, Biogas Barometer (Paris: November 2010), p. 110.

217 ”B i o m a s s G e n e r a t e s 32% o f A l l E n e r g y i n S w e d e n ,” RenewableEnergyWorld.com, 2 June 2010.

218 Ten percent of electricity from Danish Energy Agency, cited in Ron Pernick et al., Clean Energy Trends 2010 (San Francisco/Portland: Clean Edge, March 2010), p. 12. Regarding heat, 60% of Danish consumers receive heat through district heating systems, which in 2007 obtained more than 41% of their heat from biomass (19.3% of this was from waste, but the source does not specify the kind of waste). Danish Energy Agency, “Basic Facts on Heat Supply in Denmark,” www.ens.dk/en-US/supply/Heat/Basic_facts/Sider/Forside.aspx, viewed 15 June 2011.

219 Deutsche Energie-Agentur (DENA), Biogas Partner, “Biomethane Feed-in Project,” www.biogaspartner.de/index.php?id=10210&L=0&fs=%2Ftrackback&L=1, viewed 14 May 2011; DENA, Biogas Partner,

“Market Development in Europe,” www.biogaspartner.de/index.php?id=11872&L=1&fs=0%5C%27, viewed 14 May 2011.

220 Rita Ramanauskaite, Policy Adviser, European Biogas Association (EBA), Brussels, personal communication with REN21, 26 April 2011.

221 Deutsche Energie-Agentur (DENA), Biogas Partner, “Biomethane Injection Projects in Germany,” www.biogaspartner.de/index.php?id=10074&L=1&fs=%2Ftrackback, viewed 14 May 2011; DENA,Biogas Partner, “The German Market Development,” www.biogaspartner.de/index.php?id=11871&L=1&fs=0%5C%27,viewed 14 May 2011; DENA, Biogas Partner, “Biomethane Feed-in Project,” www.biogaspartner.de/index.php?id=10210&L=0&fs=%2Ftrackback&L=1, viewed 14 May 2011.

222 Anna Austin, “Report: North American Wood Pellet Exports Double,” Biomass Magazine, 8 March 2011. Note that about 7.5 million tonnes were consumed in Europe in 2008, up 25% since 2005, based on data from EurObserv’ER, Solid Biomass Barometer (Paris: December 2009), p. 9, and from REN21, op. cit. note 2. Another source says that EU imports of wood pellets were up 42% in 2010, per Gerard Wynn,

“Analysis: Wood Fuel Poised to Be Next Global Commodity,” Reuters, 20 May 2011.

223“European Wood Pellet Markets: Current Status and Prospects for 2020,” cited in Lisa Gibson, “Report Analyzes European Pellet

Markets,” Biomass Magazine, 21 April 2011.224 North American Wood Fiber Review, cited in “2010 Wood Pellet

Exports from North America to EU Reach 1.6m Tonnes,” Bioenergy Insight, 15 March 2011, and from Anna Austin, “Report: North American Wood Pellet Exports Double,” Biomass Magazine, 8 March 2011.

225 In some states, such as Connecticut, Massachusetts, Michigan, New Jersey, Ohio, and Wisconsin, the number of Americans heating with wood rose 50–80% between 2000 and 2010, per Alliance for Green Heat, Residential Wood Heat Report Card: How States Balance Heating Needs with Health Concerns (Takoma Park, MD: 15 February 2011).

226 REN21, op. cit. note 2.227 Australia, Brazil, China, Colombia, Cuba, India, and Philippines from

REN21, op. cit. note 2; Guatemala and Argentina from Gonzalo Bravo, Bariloche Foundation, Argentina, personal communication with REN21, May 2010; Mauritius from Stephen Karekezi et al., “Scaling up Bio-energy in Africa,” presentation for International Conference on Renewable Energy in Africa, Dakar, Senegal, 16–18 April 2008; Kenya, Tanzania, and Uganda from Godefroy Hakizimana et al., Renewable Energies in East Africa Regional Report on Potentials and Markets – 5 Country Analyses, prepared for GTZ on behalf of Federal Ministry for Economic Cooperation and Development (BMZ) (Eschborn Germany: 2009).

228 EPPO, “Electricity Purchased from SPP by Fuel Type as of October, 2010, www.eppo.go.th/power/data/STATUS_SPP_Oct 2010.xls, and

“Electricity Purchased from VSPP by Fuel Type as of October, 2010,” www.eppo.go.th/power/data/STATUS_VSPP_Oct 2010.xls, both viewed 28 February 2011.

229 Warren Weisman, “Gas from the Past: Biogas 101,” Renewable EnergyWorld.com, 4 January 2011. The number of household digesters for individual use reached 40 million in 2010, per B. Raninger‚ GIZ China, personal communication with REN21 (via Dunja Hoffmann), 18 May 2011.

230 Figure of 60,000 from MNRE, cited in Panchabhutha, “Key Highlights and Achievements of Renewable Energy in India –2010,” 1 January 2011, at http://panchabuta.com /2011/01/01/key-highlights-and-achievements-of-renewable-energy-inindia-2010/. Note that as of end-January 2011, India had added 73,281 family-type biogas plants during 2010–11, for a total of 4.3 million, per MNRE, op. cit. note 3.

231 Enterprises from MNRE, op. cit. note 3; Panchabhutha, op. cit. note 230.

232 Rankings and data in figures 9 and 10 based on Weiss and Mauthner, op. cit. note 3.

233 Solar collector capacity of 185 GWth for 2010 is estimated from Weiss and Mauthner, op. cit. note 3, which provides a 2010 yearend total of 196 GWth for all collectors. Subtracting an estimated 10–11% market share for unglazed collectors brings the total to 176 GWth, adjusted upwards by 5% to 185 GWth to account for those countries not included in the Weiss and Mauthner survey. The gross added capacity during 2010 of 30 GWth is estimated based on the difference between 2009 and 2010 existing unglazed totals in the Weiss and Mauthner survey (25 GWth), and the assumption that 5 GWth were retired globally during 2010 (5% annual retirement rate for systems outside of China, and 2 GWth becoming non-operational in China during 2010). Weiss and Mauthner, op. cit. note 3, and Werner Weiss, AEE – Institute for Sustainable Technologies, Gleisdorf, Austria, personal communication with REN21, 6 April 2011. Note that Weiss and Mauthner report includes 53 countries representing 4.1 billion people, or about 61% of world’s population. Installed capacity represents an estimated 85–90% of installed solar thermal capacity worldwide; the GSR estimates an additional conservative 5% to make up for this unrepresented share. Growth rate based on 2009 data from Weiss and Mauthner, op. cit. note 3.

234 Figure of 25 million ㎡ added and total of 168 million ㎡ from Ma Lingjuan, CREIA, personal communication with REN21, 2 April and 21 June 2011. Note that an estimated 2 million㎡ were considered non-operational, so net additions were closer to 23 million ㎡. Numbers were revised downward for China for 2010 relative to those reported in previous report editions due to past accounting for a large number of systems installed in recent years that are no longer operational. In previous editions of this report, data for China accounted only for cumulative added capacity and did not account for systems becoming non-operational. (Note that this is different than system retirements in other countries due to aging; in China relatively new systems are becoming non-operational well before their design lifetimes.) In addition, there were some past discrepancies in terms of systems manufactured in China and exported vs. those installed in China. These discrepancies and corrections significantly affect the global solar hot water picture for past report editions, and mean that the figures in this edition should not be compared with figures in previous editions. However, there is no explanation for why China’s added

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capacity is so much lower than markets in 2008 (22 GWth) or 2009 (29 GWth); data will be adjusted in the next edition of this report.

235 Decline from Bärbel Epp, Solrico, “Can Europe Compete in the Global Solar Thermal Market?” RenewableEnergyWorld.com, 21 March 2011; from Bärbel Epp, “Greece Mandates Solar for New and Refurbished Buildings,” SolarThermalWorld.org, 15 December 2010; and from Isabella Kaminski, “European Solar Heating and Cooling Market in Decline,” RenewableEnergyFocus.com, 10 June 2011. Greek and Italian markets from Kaminski, idem; Spain added 0.24 GWth (348,000 m2) in 2010 for a total of 1.65 GWth (2.4 million m2), per Beltrán García-Echániz, op. cit. note 18; Spain’s 2009 growth rate from IDAE, La energía en España, 2009,” Spanish Ministry of Industry, Trade and Tourism, 2010, www.mityc.gob.es/energia/balances/Balances/LibrosEnergia/Energia_2009.pdf.

236 EurObserv’ER, op. cit. note 146.237 Bärbel Epp, “Germany: Steep Decline in Collector Sales in 2010,”

SolarThermalWorld.org, 2 February 2011; Ole Langniss, Fichtner, personal communication with REN21, May 2011; one- third based on 31% from EurObserv’ER, op. cit. note 146. Note that EurObserv’ER puts the decline at nearly 28% relative to 2009, per idem.

238 Germany added about 0.8 GWth in 2010 (compared with about1.1 GWth in 2009) for an existing capacity of 9.8 GWth by year’s end, according to BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16; German Solar Industry Association (BSW-Solar), “Fact Sheet 01/2011,” www.bsw-solar.de. Note that this is not consistent with the 2009 total of 8.4 GWth in Table R5 from Weiss and Mauthner, op. cit. note 3.

239 Epp, “Germany: Steep Decline in Collector Sales in 2010,” op. cit. note 237.

240 EurObserv’ER, op. cit. note 146.241 Based on 0.56 GWth (800,000 m2) added in 2010 from Renata Grisoli,

CENBIO, communication with REN21, February 2011; and on 0.7 GWth added from Bärbel Epp, “Can Europe Compete in the Global Solar Thermal Market?” op. cit. note 235; Brazil had an estimated 3.6 GWth (5.2 million m2) in place by the end of 2009, per Grisoli, op. cit. this note.

242 In the four states of São Paulo, Minas Gerais, Rio de Janeiro, and Espirito Santo, all located in the southeast of the country, per DASOL, the Solar Heating Department of the association ABRAVA in Brazil, cited in Bärbel Epp, “Brazil: South-east Dominates Solar Thermal Market,” SolarThermalWorld.org, 3 August 2010.

243 Weiss and Mauthner, op. cit. note 3; Werner Weiss and Franz Mauthner, Solar Heat Worldwide: Markets and Contribution to the Energy Supply 2008, prepared for IEA Solar Heating and Cooling Programme (Gleisdorf, Austria: May 2010).

244 MNRE, op. cit. note 91.245 SEIA, op. cit. note 9. Note that data for Hawaii (and thus the state

rankings) are uncertain for 2010. This is because 2010 was the first year that solar thermal systems were required on new homes; the rebate, which provided the ability to track new systems, was thus eliminated. Bärbel Epp, “Hawaii: Is the Strongest Solar Thermal Market in the US in Trouble?” SolarThermalWorld.org, 20 January 2011.

246 Number of systems added, capacity added, and market growth rate from SEIA, op. cit. note 9; 2.3 GWth based on 2.1 GWth at the end of 2009 from SEIA, op. cit. note 114.

247 SEIA, op. cit. note 9.248 Egypt from New and Renewable Energy Authority (NREA), Annual

Report 2010, Ministry of Electricity and Energy, Egypt, January, 2011, cited in GSR country report from Maged K. Mahmoud, RCREEE; South Africa from Bärbel Epp, “South Africa: Eskom’s Incentive Programme Shows a Steep Ramp Up,” SolarThermalWorld.org, 8 February 2011; Ethiopia and Kenya from Mark Hankins, African Solar Designs, Kenya, personal communication with REN21, May 2010; Tunisia and Zimbabwe from Weiss and Mauthner, op. cit. note 243; Namibia from Weiss and Mauthner, op. cit. note 3.

249 Egypt from NREA, op. cit. note 248; Morocco from Bärbel Epp, “Morocco: The National Market Offers Huge, But Insufficiently Exploited Potential,” SolarThermalWorld.org , 23 March 2011.

250 Weiss and Mauthner, op. cit. note 3.251 Ibid.252 Ibid.253 Ibid.254 Ibid. Saudi Arabia also from Bärbel Epp, “Saudi Arabia: Largest Solar

Thermal Plant in the World with 36,305 m2,” SolarThermalWorld.org, 2 July 2010.

255 Weiss and Mauthner, op. cit. note 3; 3,900 m2 from Bärbel Epp, “Singapore: Austria Delivers and Finances Biggest Solar Cooling Installation Worldwide,” SolarThermalWorld.org, 31 August 2010.

256 H. Schweiger et al., POSHIP: Potential of Solar Heat in Industrial Processes, www.solarpaces.org/library/docs/poship_final_report. pdf; Stefan Hess et al.. “SO-PRO Solar Process Heat Generation: Guide to Solar Thermal System Design for Selected Industrial Processes,“

2011, www.solar-process-heat.eu; T. Müller et al. , “PROMISE: Produzieren mit Solarenergie,” 2004, www.nachhaltigwirtschaften. at/nw_pdf/0401_promise.pdf. See also, e.g., “Frito-Lay Solar System Puts the Sun in SunChips,” redOrbit.com, 4 April 2008.

257 Andreas Häberle, “A Snapshot on Solar Heat for Industrial Processes,” PSE AG, Freiburg, Germany.

258 Ibid.259 Hangzhou from Weiss and Mauthner, op. cit. note 3; other plants in

China include a Himin Solar Corporation food drying application in Qingdao and a sludge processing application in Jinan, per Lian Jiang, Himin Solar Corporation, personal communication with REN21, 9 June 2011. As of early 2011, SAB-Miller (South African brewery) intended to install a 1.5–2 MWth system in Polokwane, and Heineken (one of the leading brewing companies) planned to install solar thermal systems for three breweries (total capacity 5–6 MWth), per Werner Weiss, AEE – Institute for Sustainable Technologies, Gleisdorf, Austria, personal communication with REN21, 6 April 2011.

260 John W. Lund, Derek H. Freeston, and Tonya L. Boyd, “Direct Utilization of Geothermal Energy: 2010 Worldwide Review,” in Proceedings of the World Geothermal Congress 2010, Bali, Indonesia, 25–29 April 2010; updates from John Lund, Geo-Heat Center, Oregon Institute of Technology, personal communication with REN21, March, April, and 7 June 2011.

261 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; updates from Lund, op. cit. note 260.

262 Ibid.263 Ibid.264 Ibid.265 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260.266 Ibid; updates from Lund, op. cit. note 260. China (8.9 GWth) also from

Li Junfeng and Ma Lingjuan, “Renewable Energy Development in China,” CREIA, China RE Entrepreneurs Club (CREEC), provided to REN21, March 2011.

267 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; updates from Lund, op. cit. note 260.

268 Note that U.S. production is lower than China’s despite the higher capacity in the United States due to the high share of heat pumps that provided 95% of geothermal direct use energy in 2010. EIA, Monthly Energy Review, February 2011, www.eia.doe.gov/emeu/mer/overview.html, viewed 29 March 2011. Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; updates from Lund, op. cit. note 260.

269 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260 updates from Lund, op. cit. note 260.

270 Holm et al., op. cit. note 141.271 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; updates from Lund, op. cit.

note 260.272 Figure of 2.9 million from Robert Crowe, “Demand for Geothermal

Heat Pumps to Grow 14% by 2015,” RenewableEnergyWorld. com, 14 January 2011; most from Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; China also from Li and Ma, op. cit. note 266.

273 Lund, Freeston, and Boyd, op. cit. note 260; updates from Lund, op. cit. note 260.

274 Figure of 130 MWth added and expected total capacity from Orkuveita Reykjavíkur, “Hellisheiði Geothermal Plant,” www.or.is/English/Projects/HellisheidiGeothermalPlant, viewed 28 April 2011. Eventually it will be one of the world‘s largest, with 300 MW electric and 400 MW of thermal capacity, per Friðrik Ómarsson, “133 MW Geothermal Energy Plant Commissioned,” RenewableEnergyWorld.com, 12 February 2011.

275“Drilling to Begin for Cornwall Geothermal Power Plant in 2011,” The Guardian (U.K.), 16 August 2010; “Bavaria Builds 10 MW Geothermal Power Plant,” RenewableEnergyFocus.com, 23 November 2010.

276 See, for example, Nicolaj Stenkjaer, “Biogas for Transport,” Nordic Folkecenter for Renewable Energy, November 2008, at www.folkecenter.net/gb/rd/transport/biogas_for_transport; Switzerland from Dunja Hoffmann, GIZ, personal communication with REN21, 29 April 2011.

277 Natural and Bio Gas Vehicle Association (NVGA Europe), www.ngvaeurope.eu, viewed March 2011. Sweden also from Stenkjaer op. cit. note 276; Switzerland also from Hoffmann, op. cit. note 276. See also Stephan Kabasci, “Boosting Biogas with Heat Bonus: How Combined Heat and Power Optimizes Biogas Utilization,” Renewable Energy World, September/October 2009.

278 Swedish Energy Agency, Transportsektorns energianvändning 2010, (Energy Use in the Transport Sector 2010) (Eskilstuna, Sweden, 2011).

279 IEA, op. cit. note 26, p. 55.280 U.S. and EU from Ibid; Brazil data from Datagro’s Bulletin, “Year

2011 – Number 02E 03/15/2011,” at www.datagro.com. br/section/1/informativo. These data include fuels used by light vehicles, including ethanol, gasoline, and natural gas.

281 F.O. Licht, April 2011; IEA, op. cit. note 3.282 Figure 11 based on F.O. Licht, op. cit. note 281; IEA, op. cit. note 3.

─ 106 ─

283 Camelina-based biofuel has been used successfully in test flights of U.S. military aircraft, and jatropha-based biofuel blends have fueled a variety of other aircraft including commercial airliners. See “Camelina-Based Biofuel Breaks Sound Barrier on U.S. Air Force F-22 Raptor Test Flight,” Business Wire, 21 March 2011, and Jim Lane, “Lufthansa to Commence 6-month Aviation Biofuel Trial on Commercial Routes,” Biofuels Digest, 29 November 2010.

284 Figure of 86 billion liters based on 85,600 m3 from F.O. Licht, op. cit. note 281, and on 86.3 billion liters from IEA, op. cit. note 3; 2009 data from IEA, op. cit. note 3. Note that biofuels data are expressed in volumetric terms, not in terms of energy content. Where reported in tonnes, figures were converted to liters using factors 1,260 liters/tonne ethanol and 1,130 liters/ton biodiesel; where reported in cubic meters, ethanol data were converted to liters using 1,000 liters/㎥.

285 Based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281, and on IEA, op. cit. note 3.

286 F.O. Licht, op. cit. note 281; 49.2 billion liters based on 13 billion gallons (converted at 1 US gallon = 3.78541178 liters) from Renewable Fuels Association (RFA), Building Bridges to a More Sustainable Future: 2011 Ethanol Industry Outlook (Washington, DC: February 2011). Note that the United States produced 50.1 billion liters per IEA, op. cit. note 3.

287 RFA, op. cit. note 286.288 Ibid; 3% from U.S. Department of Agriculture and RFA, cited in RFA,

ibid.289 Net exporter and 1.3 billion based on 350 million gallons from RFA, op.

cit. note 286; Canada et al. from “U.S. Ethanol Enters Global Market Place,” Energy Tribune, 18 October 2010.

290 Brazilian Supply Company (CONAB), Brazilian Ministry of Agriculture Livestock and Supply, December 2009, data provided by Renata Grisoli, CENBIO, personal communication with REN21, May 2010; U.S. from Inae Riveras, “US 2011 Ethanol Exports Seen at 500 Mln Gal – CHS,” Reuters, 30 March 2011.

291 Marcos Jank, President and CEO of UNICA, the Brazilian Sugarcane Industry Association, 2011, http://english.unica.com.br/opiniao/show.asp?msgCode=37DE2608-81F3-4EC4-8383- F67E685C29EF.

292 Cheaper from Riveras, op. cit. note 290.293 Brazilian Ministry of Agriculture, Livestock and Supply (MAPA),

provided by Renewable Fuels Department, Brazilian Ministry of Mines and Energy, personal communication with REN21, 28 April 2011. Note that Brazil’s production in 2010 was 26.1 billion liters according to IEA, op. cit. note 3, and 26.2 billion liters according to F.O. Licht, op. cit. note 281. Share of global total based on data from idem and from IEA, op. cit. note 3.

294 Based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281. China produced 2.3 billion liters, India 0.2 billion liters, and Thailand 0.4 billion liters, per IEA, op. cit. note 3.

295 Based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281. Note that U.K. production was an estimated 0.35 billion liters per IEA, op. cit. note 3.

296 Based on data for France (1.05 billion liters) from F.O. Licht, op. cit. note 281, and Germany (1.5 billion, based on 1.16 million tonnes) from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16, and Federal Office of Economics and Export Control (BAFA) “Official Petroleum Data,” www.bafa.bund.de. Note that F.O. Licht puts France slightly ahead of Germany, whereas Germany’s production (0.94 billion liters) exceeded that of France (0.7 billion liters), per IEA, op. cit. note 3.

297 Based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281, and from IEA, op. cit. note 3.

298 Based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281.299 Ibid.300 Ibid.301 Ibid; 2005 growth rate from European Biodiesel Board, “2008- 2009: EU

Biodiesel Industry Shows Resilience Amid Unfair International Competition and Degraded Market Conditions,” press release (Brussels: 15 July 2009). Note that the change in EU shares and jump in total production relative to 2009 are due in part to the difference between IEA (2009) and F.O. Licht (2010) datasets.

302 Sybille de la Hamaide, “Diester Sees No Respite for EU Biodiesel Industry,” Reuters, 13 March 2011; Thomas Saidak, “Four Irish Biodiesel Plants Mothballed Due to Cheap Imports,” Biofuels Digest, 22 April 2011; domestic production requirements and punitive tariffs from Jim Lane, “Argentina Protests New Spanish Regs on Local Biodiesel Content,” Biofuels Digest, 10 May 2011, and from Meghan Sapp, “US Biodiesel Producers Lash Out at EU Punitive Tariffs,” Biofuels Digest, 7 April 2011; blending mandates from “Spanish Biofuels Producers Eye Mothballs,” ArgusMedia.com, 23 March 2011.

303 F.O. Licht, op. cit. note 281; Spain’s production increased 80% according to F.O. Licht but declined 3% in 2010 according to “La capacidad de producción de biodiesel en España supera los 4,2 millones de toneladas,” Europe Press, undated, at www.labolsa.com.

304 Germany (2.6 million tonnes or 2.9 billion liters) from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16. Note that Germany’s production was 2.7 billion liters

per F.O. Licht, op. cit. note 281, and 2.8 per IEA, op. cit. note 3. Ranking from F.O. Licht, op. cit. note 281. Note that the IEA puts France ahead of Brazil and Argentina.

305 Jim Lane, “Annual Report on German Biodiesel Published,” Biofuels Digest, 5 November 2010; “German Biodiesel Consumption Falls in September,” ArgusMedia.com, 15 December 2010; production increase from BMU/AGEE-Stat, op. cit. note 16.

306 Brazil and Argentina from F.O. Licht, op. cit. note 281; Argentina and amount exported also from INDEC, in El Crònista, provided by Gonzalo Bravo, Bariloche Foundation, personal communication with REN21, May 2011. Note that the IEA puts Brazil at 2.4 billion liters, with an increase of 47% over 2009, per IEA, op. cit. note 3.

307 More than 40% based on data from F.O. Licht, op. cit. note 281; second year from “U.S. Census Releases 2010 Biodiesel Production Estimates,” www.biodieselmagazine.com, 9 March 2011, and from IEA, op. cit. note 3.

308 F.O. Licht, op. cit. note 281.

3.INDUSTRY TRENDS1 Following the new policies of 2009–10, the industry grew markedly

beyond traditional markets in the United States, the EU, and China to new markets such as Sudan, Kenya, Ukraine, Argentina, and Saudi Arabia.

2 Steve Sawyer, Global Wind Energy Council (GWEC), personal communication with REN21, 19 April 2011.

3 Rikki Stancich, “2010 in Review: Peaks and Troughs for the International Wind Energy Sector,” WindEnergyUpdate.com, 6 December 2010.

4 Note that Suzlon Energy (IND) and Repower (GE) are listed as a Suzlon Group for the first time in BTM Consult’s World Market Update. Rankings and data in Figure 13 from BTM Consult – A Part of Navigant Consulting, World Market Update 2010 (Ringkøbing, Denmark: 2011), provided by Birger Madsen, BTM Consult, personal communication with REN21, March and June 2011. Note that the total quantity of capacity supplied exceeds 100% of the global market because some capacity was in transit or under construction and not yet commissioned at year-end. Data were adjusted for Figure 13 such that the sum of shares supplied totals 100%.

5 Sinovel, “SL5000,” www.sinovel.com/en/procducts.aspx?ID=148, viewed 19 April 2011.

6 Shi Pengfei, Chinese Wind Energy Association and GWEC, personal communication with REN21, April 2011.

7 Repower Corporation, “REpower: 295 MW Contract Signed for Thornton Bank Offshore Wind Farm,” press release (Hamburg/Antwerp: 25 November 2010).

8 Vanya Drogomanovich, “Can Wind Turn Ukraine’s Orange Revolution Green?” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, October 2010, p. 12.

9 American Wind Energy Association (AWEA), Wind Energy Weekly, 8 April 2011.

10 Emerging Energy Research, North America Wind Plant Ownership Rankings 2010: Trends and Review (Cambridge, MA: 31 March 2011).

11 Chris Red, “Wind Turbine Blades: Getting Bigger and Bigger,” CompositesWorld.com, viewed 20 June 2011.

12 BTM Consult – A Part of Navigant Consulting, Wind Market Update 2010, Executive Summary (Ringkøbing, Denmark: March 2011).

13 Katie Kristensen, Catalog of Small Wind Turbines 2011 (Hrup Thy, Denmark: Nordic Folkecenter for Renewable Energy, 2011).

14 AWEA, U.S. Wind Industry Annual Market Report 2010 (Washington, DC: 2011).

15 Andrew Kruse, Southwest Windpower, personal communication with REN21, May 2011.

16 RenewableUK, Small Wind Systems: UK Market Report (London: April 2010).

17 Richard Sikkema et al., “The European Wood Pellet Markets: Current Status and Prospects for 2020,“ Biofuels, Bioproducts and Biorefining, May/June 2011, pp. 250–78.

18 Rohan Boyle, “Sector Round-up: Q4 2010 Development in Wind, Solar, Biofuels and Biomass,” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, December 2010, p. 8.

19 Point Bio Energy, “Point Bio Energy LLC, Signs 4,000,000 mt 10 Year Contract,” press release (New York: 13 July 2009).

20 EurObserv’ER, “Biogas Barometer,” November 2010, pp. 105– 19.21 Ibid.22 Ibid, p. 116.23 Ron Pernick et al., Clean Energy Trends 2011 (San Francisco: Clean

Edge, March 2011), p. 3.24 Globally, more than 300 firms manufacture cells.25 PV News, Greentech Media, May 2011, p. 4.26 PV News, Greentech Media, April 201127 Solarbuzz, “Marketbuzz” annual report, Solarbuzz.com, March 2011.

─ 107 ─

28 Ibid.29 European Photovoltaic Industry Association (EPIA), Global Market

Outlook for Photovoltaics Until 2015 (Brussels: 2011).30 Solar Energy Industries Association (SEIA), U.S. Solar Market Insight:

2010 Year in Review, Executive Summary (Washington, DC: 2010), p. 3. U.S. firms include: First Solar, Suntech, Evergreen Solar, Global Solar, United Solar Systems, Abound Solar, Ascent Solar, DayStar Technologies, EPV Solar, Miasole, Nanosolar, Power Films, Signet Solar, Solo Power Inc, Solyndra, Suniva, and Xunlight Corporation.

31 SEIA, op. cit. note 30, p. 11.32 SolarWorld, “SolarWorld Concludes Joint Venture with Qatar

Foundation,” press release (Bonn, Germany and Doha, Qatar: 1 March 2010).

33 Suntech Corporation, “Suntech Begins Manufacturing in the United States,” press release (Goodyear, AZ and San Francisco: 8 October 2010). Increased imports of Chinese modules resulted in the United Steelworkers filing complaint to the U.S. Trade Representative in September 2010 for reputedly illegal practices utilized by the Chinese to develop their green sector. Chinese solar and wind manufacturers received $27 billion in 2010 from the China Development Bank at discounted interest rates, but Chinese manufacturers typically buy manufacturing equipment from U.S. and European suppliers, with the U.S. net exports of $723 million of solar energy products, led by $1.1 billion in polysilicon exports in 2009.

34 “Solar Frontier Opens Largest Thin-film Plant in the World,” RenewableEnergyWorld.com, 28 April 2011.

35 “Clean Energy in the GCC States – What’s in the Pipeline?” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, December 2010, p. 15.

36 “First Solar PV Company in India to Achieve 100 MW of Installations Globally Under Its Own Brand,” SolarThermalMagazine.com, viewed 23 March 2011.

37 Sidebar 3 based on the following sources: U.S. Department of Energy, Critical Materials Strategy (Washington, DC: December 2010); Knowledge @ Wharton, “Finance and Investment: China’s Rare Earth Dominance: Another Global Resource Scramble in the Making?” 5 April 2011, at http://knowledge.wharton.upenn.edu/arabic/article.cfm?articleid=2646&language_id=1; Rare Earth Industry and Technology Association Web site, www.reitausa.org; Clean Edge, Clean Energy Trends 2011 (San Francisco: March 2011); “China Caps Emissions for Rare Earth Miners,” Agence France Presse, 28 February 2011; “China Cuts Rare Earth Export Quotas, U.S. Concerned,” Reuters, 29 December 2010; EPIA and PV Cycle, “More than 200 International Experts Pave the Way for Photovoltaic Module Recycling,” press release (Berlin: 26 January 2010); Silicon Valley Toxics Coalition, Solar Scorecard 2010 (San Jose: 2010); PV Cycle,

“Summary Activities Report PV Cycle for 2010,” at www.pvcycle.org.38 Luis Crespo , Asoc iac ión Protermoso lar , Madr id , persona l

communication with REN21, June 2011.39 Ibid.40 Ibid.41 Asociación Protermosolar Web site, www.protermosolar.com, viewed

26 March 2011.42 Fred Morse, Morse Associates Inc., personal communication with

REN21, February–June 2011.43 Abhishek Shah, “List of Top Solar Thermal/Concentrated Solar

Power(CSP) Companies,” www.greenworldinvestor.com, 1 March 2011.44 Pike Research, Geothermal Power - Renewable Energy Generation

from Conventional, Enhanced Geothermal Systems, and Co-Produced Resources: Market Analysis and Forecasts (Boulder, CO: 2011), p. 83.

45 Stephan Nielsen, “Small Hydro in Brazil: Struggling to Compete with Cheaper Wind Power,” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, August 2010, p. 11.

46 Mike Scott, “Small Hydro in Europe: Hobbled by Regulation,” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, September 2010, p. 13.

47 Government of India, Ministry of New and Renewable Energy, “Small Hydro Power Programme, www.mnre.gov.in/progsmallhydro.htm, and

“List of Equipment Manufacturers of Small Hydro Turbines,” www.mnre.gov.in/manufacurers-sht.htm, both viewed 5 April 2011.

48 International Hydropower Association (IHA), with contributions from the Hydro Equipment Association (HEA), communications with REN21, February–March 2011.

49 International Energy Agency (IEA), Ocean Energy Systems, “Ocean Energy: Opportunity, Present Status and Challenges,” www.iea.oceans.org, viewed 23 March 2011.

50 The Washington, D.C.-based Ocean Renewable Energy Coalition counted 58 industry firms as members in 2010, per OREC Web site, www.oceanrenewable.com, viewed 26 March 2011.

51 “Energy from the Ocean and Tides Starts to Look Promising,” HydroWorld.com, 3 March 2010.

52 IEA, op. cit. note 49.

53 2008–2010 Study Report on Solar Thermal Industry, China, provided by Lian Jiang, Himin Solar, personal communication with REN21, April 2011.

54 Werner Weiss, Arbeitsgemeinschaft Erneuerbare Energie – Institut für Nachhaltige Technologien (AEE INTEC), personal communication with REN21, April 2010; Matthias Fewer and Magyar Balzas, Solar Industry: The First Green Shoots of Recovery (Basel: Bank Sarasin, November 2009). A thermo-siphon hot water circulating system relies on the principle that hot water rises, and does not require a pump. In such a system, the water heater must be below system fixtures in order to work.

55 Baerbel Epp, “Germany: Solar Thermal Sector Layoffs,” www.solarthermalworld.org/node/1608, 16 February 2011.

56 Ibid.57 Baerbel Epp, “Can Europe Compete in the Global Solar Thermal

Market?” RenewableEnergyWorld.com, 21 March 2011.58 Ibid.59 Renata Grisoli, CENBIO, Brazil, personal communication with REN21,

19 April 2011; Departamento Nacional de Aquecimento Solar da ABRAVA, www.dasolabrava.org.br/quem-somos/.

60 Baerbel Epp, “South Africa: Eskom’s Incentive Programme Shows Steep Ramp Up,” www.solarthermalworld.org/node/1599, viewed 5 June 2011.

61 See, for example, Roberto Samora,”Cosan: Biofuels JV Deal with Shell to Close Soon,” Reuters, 16 August 2010, and Laura MacInnis, “Oil Majors Invest in Ethanol, Expect 2011 Recovery,” Reuters, 4 November 2010.

62 Renewable Fuels Association (RFA), Building Bridges to a More Sustainable Future: 2011 Ethanol Industry Outlook (Washington, DC: February 2011); RFA, “Statistics,” www.ethanolrfa.org/pages/statistics, viewed 19 March 2011.

63 Rohan Boyle, “Latest Developments in Solar, Wind, Biofuels and Marine,” Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, March 2010, p. 6.

64 POET, “POET Opens 27th Ethanol Plant,” press release (Sioux Falls, SD: 15 March 2011).

65 Boyle, op. cit. note 63, p. 7.66 Ibid.67 Katia Cortes, “Brazil to Need $550 Billion Energy Investment by

2019,” Businessweek.com, 29 November 2010.68 Based on 21.9 million tonnes production capacity in 2009, per

European Biodiesel Board (EBB), “Statistics: The EU Biofuel Industry,” www.ebb-eu.org/stats.php, viewed 19 March 2011; production data for 2010 from F.O. Licht, 2011.

69 EBB, “European Commission Initiates Probe into US Biodiesel Circumvention,” press release (Brussels: 12 August 2010).

70 Sybille de La Hamaide, “Diester Sees No Respite for EU Biodiesel Industry,” Reuters, 14 March 2011.

71 Renata Grisoli, CENBIO, personal communication with REN21, 11 May 2011.

72 Marlon Arraes and Issao Hirata, Brazilian Ministry of Mines and Energy, personal communication with REN21, 28 April 2011.

73 “Neste Oil Opens Giant Renewable Diesel Plant in Singapore,” BioFuelsDigest.com, viewed 11 March 2010.

74 Bariloche Foundation, communication with REN21, 31 May 2011.75 The other six firms were LDC Argentina (Dreyfus), Terminal 6

Industrial (partnership between Bunge and AGD), Explora, Unitec Bio (Eurnekián), Molinos, and Viluco. Julieta Camandone, “Gracias a la Soja se Duplicará este Año la Producción de Biodiesel en la Argentina (Thanks to the Soybean, Biodiesel Production Will Double this Year in Argentina),” El Cronista, 11 November 2010, at www.cronista.com/contenidos/2010/11/11/noticia_0014.html.

76 Airbus and Brazilian carrier TAM Airlines have joined with a group of specialist companies to establish a bio-kerosene jet fuel processing plant in Brazil. The group is led by Curcas, which specializes in renewable energy project development, and biofuel producer Brasil Ecodiesel. In parallel, Airbus and AirBP (the jet fuel distribution unit of BP) are providing support to the project, with Airbus also sponsoring sustainability studies. The plant is expected to start operations in 2013 with an initial processing capacity of 80,000 tonnes (around 26.4 million U.S. gallons) of jet biofuel per year. In Brazil in November 2010, TAM performed a jatropha-based biofuel flight using an Airbus A320 aircraft, the first in Latin America, per “Airbus and TAM Airlines to Support Jatropha-based Bio-kerosene Jet Fuel Processing Plant Project in Brazil,” www.greenaironline.com, 10 December 2010.

77 Pernick et al., op. cit. note 23, p. 12. Clean Edge notes that IATA estimates 15% of jet fuel to be bio-derived by 2020, and 50% by 2040.

78 Will Thurmond, “Top 11 Algae Biofuel and Biochemical Trends From 2011-2020,” RenewableEnergyWorld.com, 30 May 2011.

79 Pernick et al., op. cit. note 23, p. 12.80 Harry Boyle, “Algal Biofuel: Investors Take the Long View,”

─ 108 ─

Bloomberg New Energy Finance Monthly Briefing, April 2010. pp. 13–14.

81 Ibid.82 Sidebar 4 is based on the following sources: GWEC/Greenpeace 2010,

GWEC 2010, WWEA 2009, EPIA 2010, BSW 2010, Solar Paces 2010, BMU 2010, CREIA 2010, Martinot and Li 2007; Navigant 2009; Nieto 2007; REN21 2005 and 2008; Suzlon 2007; UNEP 2008; U.S. Geothermal Industry Association 2009; SEIA 2009. Data adjusted based on submissions from report contributors and other sources, along with estimates for biofuels and solar hot water by Eric Martinot. Earlier estimates were made by UNEP in 2008 (1.7 million global total) and by Sven Teske and Greenpeace International in 2009 (1.9 million global total), not including biofuels and solar hot water. Brazil ethanol estimate from Labor Market Research and Extension Group (GEMT, ESALQ/USP). Solar hot water employment estimate uses the figure of 150,000 for China in 2007 cited in Martinot and Li 2007, adjusted for growth in 2008–2009, and assuming employment in other countries is in proportion to China’s global market share.

4.POLICY LANDSCAPE1 This section is intended only to be indicative of the overall landscape

of policy activity and is not a definitive reference. Policies listed are generally those that have been enacted by legislative bodies. Some of the policies listed may not yet be implemented, or are awaiting detailed implementing regulations. It is obviously difficult to capture every policy, so some policies may be unintentionally omitted or incorrectly listed. Some policies may also be discontinued or very recently enacted. This report does not cover policies and activities related to technology transfer, capacity building, carbon finance, and Clean Development Mechanism projects, nor does it highlight broader framework and strategic policies – all of which are still important to renewable energy progress. For the most part, this report also does not cover policies that are still under discussion or formulation, except to highlight overall trends. Information on policies comes from a wide variety of sources, including the International Energy Agency (IEA) Renewable Energy Policies and Measures Database, the U.S. DSIRE database, RenewableEnergyWorld.com, press reports, submissions from country-specific contributors to this report, and a wide range of unpublished data. Much of the information presented here and further details on specific countries appear on the “Renewables Interactive Map” at www.ren21.net. It is unrealistic to be able to provide detailed references to all sources here.

2 Policy statistics in this section are the result of considerable and careful analysis based on many sources of published and unpublished information, in an attempt to ensure that the statistics and comparative data are as accurate as possible. However, the evaluation of renewable energy policies is a complex process. Accounting methods used to assess primary and final consumer energy vary but are poorly understood and often confused or ignored in the literature. Definitions of specific renewable energy policies differ widely, and this can be exacerbated by the varying interpretations used when presenting information in the databases and literature upon which this section is based. As one simple example, 30 U.S. states are listed by the U.S. Department of Energy as having a “Renewable Portfolio Standard,” a quota imposed on their electricity utilities. However, a further six states have voluntary standards that are not strictly within the normally accepted definition of a quota policy. In addition, the definition of “renewable energy” varies among these states with, for example, most but not all excluding new large hydropower projects and only around half including biogas produced from anaerobic digestion plants.

3 Policy impacts and lessons learned have been discussed in Chapter 11 of the IPCC Special Report on Renewable Energy Sources and also in a forthcoming IEA report Deploying Renewables: Worldwide Prospects and Challenges.

4 Database of State Incentives for Renewable Energy (DSIRE), www.dsire.org; D. Gold, “Renewable Energy Standards, Savvy or Silly?” RenewableEnergyWorld.com, 22 March 2011.

5 In December 2010, France suspended solar PV projects of less than 3 kW for three months to evaluate subsidy cuts and measures to limit industry growth following a boom. The PV capacity installed at the end of 2010 will cost EUR 560 million a year for 20 years in subsidies paid for through a tax to electricity consumers. France is targeting 5,400 MW of solar PV capacity by 2020, per “French Government Plans Solar Energy Tender, Modifiable Rates, Besson Says,” http://budurl.com/mercomftmr; J. Jones, “Italy Overhauls Its PV Incentives,” RenewableEnergyWorld.com, 20 May 2011; E. Hughes, “Cuts Conundrum – Investigating Likely Feed-in Tariffs Worldwide,” PV Tech, 25 August 2010.

6 The term “target” is used rather loosely in this section and encompasses many different types of policy processes, such as

legislative mandates, executive or ministerial statements and programs, other types of announced goals and plans, and pledges made as part of international action programs (from Bonn Renewables 2004, Beijing International Renewable Energy Conference 2005, Washington International Renewable Energy Conference 2008 (WIREC), and the Delhi International Renewable Energy Conference 2010 (DIREC)). Targets counted in this section include such ministerial statements and announced plans, not necessarily backed by specific legislation. It is very difficult to conclusively separate and categorize targets by type or source of authority across all countries.

7 Actual country primary energy shares from renewable energy in recent years are listed in the annual IEA report Renewables Information, www.iea.org/publications/free_new_Desc.asp?PU BS_ID=2037, viewed 15 March 2011. A detailed description and comparison of the different methods of calculating the share of primary energy is contained in the IPCC Special Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation (May 2011) which, after detailed deliberations, chose to use the direct equivalent method commonly used in IPCC long-term scenarios rather than the physical accounting method as used by the IEA or the substitution method as used by BP in their Energy Outlook and the U.S. Energy Information Administration; see also Sidebar 7 of the Renewables 2007 Global Status Report.

8 European Commission (EC), “Energy for the Future: Renewable Sources of Energy” (Brussels: 26 November 1997).

9 Global Wind Energy Council (GWEC), “Global Installed Wind Power Capacity,” at www.gwec.net; Franz Alt, “2010 Renewables Exceed EU Targets,” www.sonnenseite.com, 5 October 2010.

10 “Europe Tops Its Renewables Targets,” RenewableEnergyWorld.com, 3 September 2010. Figure 15 based on the following sources: EurObserv’ER, The State of Renewable Energies in Europe, 10th EurObserv’ER Report (Paris: 2010); European Commission (EC),

“Energy: Renewable Energy: Targets,” http://ec.europa.eu/energy/renewables/targets_en.htm.

11 EC, “Renewable Energy – Progressing Towards the 2020 Target,” Communication from the Commission to the European Parliament and the Council (Brussels: 31 January 2011).

12 The Scottish Government, “Target for Renewable Energy Now 80 Percent,” press release (Edinburgh: 23 September 2010).

13 “German So lar PV Degress ion Cou ld Reach 13 Percent ,” RenewableEnergyFocus.com, 5 October 2010.

14 Deutsche Bank Group, “The German Feed-in Tariff for PV,” 23 May 2011, www.dbcca.com/dbcca/EN/_media/German_FIT_for_PV.pdf; M. Osborne, “Agreement Reached on New German Feed-in tariff Maximum 12 Percent Degression,” PV-Tech.org, 14 January 2011. Starting in January 2011, feed-in tariffs will be adjusted downward every year if the installation capacity goes over the fixed cap of 3.5 GW/year. Tariffs will decrease 3% for each GW of additional installed capacity and increase 2.5% if the fixed limit is not reached.

15 J. Jones, “Country Profile: Australia,” RenewableEnergyWorld.com, 20 December 2010.

16 Chinese Wind Energy Association (CWEA), 2010 China Wind Power Installed Capacity Statistics (Beijing: 2011).

17 CWEA Web site, www.cwea.org.cn; GWEC, op. cit. note 9; China Electricity Council, www.cec.org.cn, as quoted in China Country report of the Wind Energy International 2011/2012 yearbook, May 2011.

18 It should be noted that China’s previous targets for wind set in the 2007 Medium and Long Term Renewable Energy Development plan needed to be revised as wind power capacity has developed much more rapidly than expected in recent years. Existing formal documents covering new targets for wind power for 2020 have not yet been officially released, but an unofficial target is now considered at least 150 GW by 2020, and possibly 200 GW.

19 Data from the Chinese Renewable Energy Industries Association (CREIA). Also see “Wind Power Industry Facing Big Challenges,” People’s Daily, 20 January 2011.

20 S. Chakrabati , S . Das, and J . Khatrani , “Renewable Energy Development in India. Ernst and Young Country Attractiveness Industries,” RenewableEnergyWorld.com, 20 December 2010.

21 J. Lane, “Is Brazil the Big Winner?” RenewableEnergyWorld.com, 1 December 2010.

22 C.F. De Saravia, A.D. Rosell, and J. Siemer, “Coup de Grâce: A New Royal Decree Slashes Tariffs and Opens the Door to Retroactive Changes for Spanish PV,” Photon International, January 2011, pp. 66–68.

23 EnviroFinland, “Finland Takes Concrete Steps to Promote Renewable Energy,” 15 January 2011, at www.energy-enviro.fi.

24 Meghan Sapp, “Spain Sets 6.2% Biofuels Target for 2011, Higher for 2012,” Biofuels Digest.com, 12 April 2011.

25 German Federal Ministry of Economics and Technology, “Concept for an Environmentally Sound, Reliable and Affordable Energy Supply,”

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28 September 2010; P. Gipe, “Germany Ups Renewable Energy Target Again,” Alliance for Renewable Energy, 4 August 2010.

26 Y. Sun, “Taiwan Increases Its Renewable-Energy Target to 16 Percent After Law Spurs Demand,” Bloomberg.com, 29 September 2010.

27 Regional Centre for Renewable Energy and Energy Efficiency, RCREEE Newsletter, August 2010.

28 B. Khumali, “Department of Energy Offers 200,000 Subsidies for Solar Water Heating Programme,” press release (Pretoria: Department of Energy, Republic of South Africa, 29 July 2010).

29 S. Grainger, “Central America Taps Volcanoes for Electricity,” Reuters, 22 September 2010.

30 “Government Approves 1000 MW Grid-connected Solar Power Projects,” The Hindu, 30 August 2010. See also “India Mandates Use of Local Components in New Solar Policy,” Bloomberg.com, 25 July 2010.

31 American Council On Renewable Energy (ACORE), “Renewable Energy in Oklahoma,” February 2011, www.acore.org/files/pdfs/states/Oklahoma.pdf.

32 D. Hemlock, “Big Wind Project Could Spur Renewable Energy Revolution in Puerto Rico,” RenewableEnergyWorld.com, 6 December, 2010. Corrected to 12% for years 2015–19, 15% for years 2020–27, a yet-to-be-determined target for years 2028–34, and 20% by 2035.

33 B. Clark, “Cook Islands Moves Towards 100 Percent Renewable Electricity,” Aus/NZ/Oceania Affairs, Suite101.com, 7 April 2011.

34 Directorate of Energy and Climate Change, Ministry of Foreign Affairs, United Arab Emirates, personal communication with REN21, July 2011; and “Dubai Energy Forum Gets Underway: Emirate Targets 5% of Energy Needs to Be Met Through Renewable Sources by 2030,” emirates247.com, 18 April 2011.

35 In that scheme, if applications exceed 150 MW total capacity, the incentives will be awarded to projects that offer the highest discount on the proposed tariff. Already, competitive bidding has reduced the original tariffs by 32% for solar PV and 38% for CSP.

36 Resources and Logistics, Identification Mission for the Mediterranean Solar Plan, Final report, January 2010, http://ec.europa.eu/energy/international/international_cooperation/doc/2010_01_solar_plan_report.pdf.

37 Table 2 from sources listed in Endnote 1 for this section.38 Some question the inclusion of the United States (1978) in Table R10.

The U.S. national feed-in law was the Public Utility Regulatory Policy Act (PURPA) of 1978, although some analysts do not consider PURPA to have been a true national feed-in law. Several states actively implemented PURPA but most discontinued implementation in the 1990s. Some jurisdictions are not listed in Table R10 due to the limited scope of their policies – for example, the U.S. state of Washington, which has enacted limited FITs for solar PV but restricts the amount of capacity that can be installed and is capped at $5,000/year per project. Other policies are listed even though they are limited also: California’s FIT is limited to 750 MW; Oregon and Vermont’s FITs are limited to 25 MW and 50 MW, respectively, and are considered pilot programs. In addition, some utilities in the U.S. states of Michigan and Wisconsin offer limited FITs but there is no state-level policy. The Australian Northern Territory had a limited FIT for a small number of systems in Alice Springs.

39 There remain significant differences of opinion among experts as to what constitutes a feed-in tariff. For Table 2, the Netherlands MEP policy is considered a premium and is classified as an energy production payment, rather than a feed-in policy. Costa Rica, Panama, Peru, and Iran may be the same, although some claim these countries have FITs. FITs shown for some other countries might better be classified as energy production payments as well. Indonesia’s 2002 FIT covers generators less than 10 MW (revised from 1 MW in 2006) but at low tariff levels and is thus not considered by some to be a true FIT. India’s national FIT from 1993 was substantially discontinued but new national FITs were enacted in 2008.

40 P. Gipe, “Louisiana PUC Orders Limited Feed-in Tariff,” 2010, www.wind-works.org/FeedLaws/USA/LouisianaPUCOrders LimitedFeed-inTariff.html. The tariff is offered only for a limited five-year term, which is considerably shorter than most FIT terms.

41 By building three renewable energy projects, one at least 5 MW and the others up to 300 kW each, a utility can avoid offering any standard offer contracts.

42 Mercom Market Intelligence Report, 20 September 2010.43 “Italy Changes Solar FITs,” RenewablesInternational.net, 9 May 2011.44 This was done to reduce the total cost of the mechanism and also to

avoid old solar PV plants being repowered using much cheaper PV modules.

45 P. Gipe, “Britain to Abandon RPS & Move to Feed-in Tariffs,” December 2010, www.wind-works.org/FeedLaws. Any existing projects contracted under the Obligation can be constructed up till 2017. The fledgling marine energy industry is lobbying for further

support policies for wave and tidal projects; see RenewableUK, Wave and Tidal Energy in the UK – State of Industry Report (London: March 2011). (Note: RenewableUK was known previously as the British Wind Energy Association.)

46 “Bulgaria’s New Renewable Energy Act Cools Down Investors’ Hopes,” www.novinte.com, 21 April 2011. Geothermal and biomass received 20 year contracts and wind 12 years.

47 “Solar Credits Scheme Reduced,” ecogeneration.com, 5 May 2011.48 “New Renewable Energy Hotspots Occur as Incentive Roll Backs

Continue,” Bloomberg New Energy Finance Newsletter, 17 May 2011.49 Ibid.50 “Australian Capital Territory (ACT) Expands Solar Feed In Tariff

Program,” EnergyMatters.com, 14 September 2010.51 Malaysian Renewable Energy Bill 2010 was adopted on 9 April 2011

and was to be enacted in May 2011 along with the creation of the Sustainable Energy Development Authority. See Renewable Energy Bil l 2010, at www.parlimen.gov.my/fi les/bil l index/pdf/2010/DR472010E.pdf.

52 P. Gipe, “Ecuador Adopts Feed-in Tariff,” 6 May 2011, www.windworks.org/FeedLaws/Ecuador/EcuadorAdoptsFeed-inTariffs.html. The FIT also applies for the Galápagos Islands, and applies to several technologies and differentiates biogas and hydro by size.

53 See Electricity Regulatory Authority of Uganda, www.era.or.ug/FeedInTariffs.php.

54 For example, following the introduction of a FIT (with tariffs out to 2035 declining over time), the Indian state of Gujarat has seen growing interest in solar PV electricity generation.

55 Gold, op. cit. note 4.56 Federal Energy Regulatory Commission (FERC), “Renewable Power &

Energy Efficiency Market: Renewable Portfolio Standards,” www.ferc.gov/market-oversight/othr-mkts/renew/othr-rnw-rps.pdf. For states with non-binding policy goals, see references for Table R11.

57 “New York RPS Expanded to 30 Percent by 2015,” IREC State & Stakeholder Newsletter, 27 January 2010. The assumption is that an additional 1% will take place outside of the standard from voluntary green power purchasing programs. Compared to the original projections made in 2004 for a 25% standard, this should require only a modest increase in renewable energy generation because the revised projections incorporate a 15% reduction in energy use by 2015 under the state’s Energy Efficiency Portfolio Standard (EEPS).

58 “California Legislature Passes 33% RPS Bill,” Platts.com, 29 March 2011.

59 Until 31 December, 2013, utilities may use TRECs to satisfy no more than 25% of their requirement. The price of a TREC is capped at $50 but this will be removed in 2014 as will the limit on the number of TRECs that may be used for RPS compliance. DSIRE, “California: Incentives/Policy for Solar,” www.dsireusa.org. In addition to the RPS and FIT policies, California has a competitive bidding mechanism, the Renewable Auction Mechanism (RAM) program, which requires the state’s three investor-owned utilities (IOUs) to purchase electricity from renewable energy systems up to 20 MW in size within their service territories. Each utility is authorized to acquire a portion of the 1 GW cap. Competitive auctions are then to be held twice a year for two years, for 250 MW each. Also see ACORE, “Renewable Energy in California,” February 2011, www.acore.org/files/pdfs/states/California.pdf.

60 Deleted in proof.61 Deleted in proof.62 Deleted in proof.63 ACORE, “Renewable Energy in Delaware,” February 2011, www.

acore.org/files/pdfs/states/Delaware.pdf. For eligible renewable energy resources, the cost threshold is 3% of total retail electricity costs during the same year and 1% for PV, per DSIRE, “Delaware: Renewables Portfolio Standard,” www.dsireusa.org; Delaware also expanded its Net Metering and Interconnection policy in July 2010 by allowing a customer to aggregate individual meters and to participate in net metering via a community-owned system, per DSIRE,

“Delaware: New Metering,” www.dsireusa.org.64 The new rules apply to all facilities not subject to FERC regulation.

For facilities larger than 10 MW, the standards are used as a starting point, per ACORE, “Renewable Energy in Iowa,” www.acore.org/files/pdfs/states/Iowa.pdf.

65 “South Korea Boosts Support for Renewable Energy,” 7 January 2011, w w w . e n e r g y - e n v i r o . f i / i n d e x . p h p ? P A G E =3& N O D E _ID=5&LANG=1&ID=3465.

66 An estimated $34 billion will be invested by 2015 under the new policy, including $19 billion by 2013 from the nation’s largest industrial groups.

67 As of late 2010, all 2.3 GW of new electricity investment in the province has been in renewable energy capacity acquired at the lowest possible cost because of the confidential, closed-envelope bidding system and the freedom of the utility, BC Hydro, to pick the

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lowest bids.68 RCREEE, op. cit. note 27.69 Malaysia from P. Gipe, Malaysia Adopts Sophisticated System of Feed-

in Tariffs,” RenewableEnergyWorld.com, 28 April 2011; “Zambia Cuts Tax on Power Plants to Boost Output,” Reuters, 17 March 2011.

70 Trinidad and Tobago Ministry of Energy & Energy Affairs, Facing the Issues: Turning the Economy Around, National Budget Statement 2010/2011 (Port of Spain: 8 September 2010).

71 Sidebar 7 based on IEA, Harnessing Variable Renewables: A Guide to the Balancing Challenge (Paris: OECD, 2011). See also www.kombikraftwerk.de/.

72 There are no published sources of green energy consumers so this information is compiled country-by-country based on submissions from country contributors.

73 Renewable energy certificates in some countries may also enable utilities and other firms that are subject to quotas to meet their obligations; this is a role distinct from voluntary trading.

74 Bundesnetzagentur für Elektrizität, Gas, Telekommunikation, Post und Eisenbahnen, Monitoringbericht 2010 (Berlin: 20 November 2010).

75 Green Energy Certification Center, Japan, http://eneken.ieej.or.jp/greenpower/eng/index.htm.

76 Ibid.77 L. Bird and J. Sumner, Green Power Marketing in the United States: A

Status Report (2009 data) (Golden, CO: National Renewable Energy Laboratory, September 2010).

78 Ibid.79 U.S. Environmental Protection Agency (EPA), “EPA Partners

Continue Large Green Power Purchases: One Corporation Nearly Doubles its Green Power Usage,” press release (Washington, DC: 1 February 2011).

80 Unpublished examples cited by GSR contributors.81 Association of Issuing Bodies, Annual Report 2010 (Brussels: 2010).82 Bird and Sumner, op. cit. note 77.83 EPA, op. cit. note 79.84 GSE, “Mix fonti energetich,” www.gse.it/attivita/MIX/Pagine/default

.aspx. This is the result of an EU 2003 Directive on disclosures, also supported by initiatives on reliability (www.reliable-disclosure.org/) and standards (www.eped.eu/portal/page/portal/EPED_HOME).

85 “Öko -S t rom – wen ig ge f rag t i n deut schen Hausha l t en ,” UmweltJournal.de, 21 February 2009.

86 Gull New Zealand is a subsidiary of Gull, Australia. See www.gull.co.nz, www.environfuels.com/news.html#gull, and www.gull.co.nz/assets/Press-Releases/110207-Bio-Fuel.pdf, viewed 7 February 2011.

87 Biodiesel grants scheme description, strategy and policy, May 2009, www.eeca.govt.nz/node/3055 and www.eeca.govt.nz/sites/all/files/biodiesel-scheme-description-july10.pdf. The New Zealand Emissions Trading Scheme requires the transport sector to surrender NZ units for emissions that occur from 1 July 2010 till 31 December 2012 for NZD 12.50 per unit which relates to around NZD 0.03/liter of gasoline or diesel with biofuels exempt. See www.climatechnage.govt.nz/emissions-trading-scheme.

88 Deleted in proof.89 IEA, Renewables for Heating and Cooling – Untapped Potential (Paris:

OECD/IEA, 2007).90 P. Connor et al., Overview of RES-H/RES-C support options, Section

D4 of Working Party 2 report on the EU RES-H policy, 2009, www.res-h-policy.eu/downlaods/RES-H_Policy-Options_ (D4)_final.pdf.

91 See Chapter 11 of IPCC, Special Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation (2011), http://srren.ipcc-wg3.de/report.

92 India’s national codes are initially voluntary but will later become mandatory.

93 Unpublished data from L. Ferreira, EC Directorate General for Energy and Geology (DGEG), Brussels, personal communication with REN21, 2010.

94 B. Epp, “Brazil: How the My Home, My Life Programme Can Help the Solar Water Heater Sector,” www.solarthermalworld.org, 15 December 2009.

95 Biomcasa, Informes técnicos IDAE Programa Biomcasa, at www.idae.es.

96 German Federal Agency for the Environment, Nature Conservation and Nuclear Safety (BMU), “Röttgen begrüßt MAP-Entsperrung” (Berlin: 7 July 2010).

97 L. Hermwille, Germanwatch, personal communication with REN21, spring 2011. See also, BMU, “Röttgen begrüßt MAP-Entsperrung,” press release nr. 105/10 (Berlin: 7 June 2010), http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/46203.php” www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/46203.php

98 G. Wynn, “UK First to Green Ignored Heating Sector,” Reuters, 29 October 2010; U.K. Department of Energy and Climate Change,

“Renewable Heat Incentive (RHI) Scheme,” www.decc.gov.uk.99 P. Gipe, “Britain Proposes Feed-in Tariffs for Renewable Heat, Solar

Domestic Hot Water and Pipeline Injection of Biogas Included,” 2010, www.wind-works.org.

100 Biogas Partner, “Overview – Acts and Regulations,” www.biogaspartner.de.

101 V. Bürger et al., “Policies to Support Renewable Energies in the Heat Market,” Energy Policy, vol. 36 (2008), pp. 3150–59. For more on the German Renewable Energies Heat Act, see BMU, “Heat from Renewable Energies: What Will the New Heat Act Achieve?” (Berlin: July 2008).

102 Irish Department of Communications, Energy and Natural Resources, “Minister Ryan Announces New Government Support Price for Bioenergy,” press release (Dublin: 24 May 2010).

103 Ministry for National Economy, Hungary, New Széchenyi Plan, 2010, www.ngm.govhu and http://solarthermalworld.org/files/New_Szechenyi_Plan.pdf?download.

104 B. Epp, “Hungary: New Solar Thermal Association and New Incentive Programs,” www.solarthermalworld.org, 29 March 2011.

105 Khumali, op. cit. note 110; L. Buthelezi, “Ipap2 Will Yield 129,000 Jobs,” Pretoria News, 11 April 2011.

106“Solar Applications in Rural India Get MNRE Support,” March 2011, http://pib.nic.in/newsite/erelease.aspx?relid=70687.

107 Specific data on countries with production subsidies and/or fuel tax exemptions was not updated from the 2010 edition of this report. The 2010 edition shows production subsidies in Argentina, Bolivia, Canada (including five provincial-level subsidy policies), Colombia, Paraguay, and Portugal, and fuel tax exemptions in Argentina, Belgium, Bolivia, Colombia, France, Greece, Ireland, Italy, Lithuania, Slovenia, South Africa, Spain, Sweden, the United Kingdom, and the United States (including subsidy policies at the state level in several states).

108 In June 2010, the European Commission adopted a new certification scheme for sustainable biofuels, per EC, “Commission Sets Up System for Certifying Sustainable Biofuels,” press release (Brussels: 10 June 2010). From 2017 onward, the greenhouse gas emission savings of biofuels produced in existing production plants must be at least 50% compared to fossil fuels. The greenhouse gas emissions of biofuels produced in new installations will have to be at least 60% lower than those from fossil fuels.

109 Unpublished data from K. Yeom and S. Lee, Friends of the Earth Korea, 2011; Ministry of Energy and Mining, Jamaica, “Jamaica Aims to Cut Oil Imports to 30 Percent by 2030,” www.gov.jm/News_Stories/oil_bill_reduction.htm, viewed 2 April 2011.

110“Finland Takes Concrete Steps to Promote Renewable Energy,” www.e n e r g y - e n v i r o . f i / i n d e x . p h p ? P A G E = 3 & N O D E _ID=5&LANG=1&ID=3475.

111 H. Alemayehu, “Ethiopia: E10 petroleum Coming in Weeks,” 2011, www.newsdire.com/news/1569-e10-petroleum-coming- inweeks.html.

112“50 Satang Prop for B3, B5 Approved,” Bangkok Post, 1 June 2011.113“Spanish Government Announces Increase in Biofuel Quota,” F.O.

Licht’s World Ethanol and Biofuels Report, 25 March 2011; “Spanish Biodiesel Producers Eye Mothballs,” ArgusMedia.com, March 2011.

114 Targets also exist for 2011, see U.S. Department of Energy, “EPA Proposes Percentages for 2011 Renewable Fuel Standards,” http://apps.eere.energy.gov/news/news_detail.cfm/news_id=16157, viewed 1 April 2011.

115 E. Rosenthal, “U.S. Military Orders Less Dependence on Fossil Fuels,” New York Times, 5 October 2010; R. Pernick and C. Wilder, Clean Edge Trends 2011 (San Francisco: March 2011).

116 IEA, Clean Energy Progress Report (Paris: IEA/OECD, March 2011).117“Chapter 8, Integration,” in IPCC Special Report on Renewable

Energy Sources (2011).118 A. Wiederer and R. Philip, Policy Options for Electric Vehicle

Charging Infrastructure in C40 Cities, 2010, www.innovations.harvard.edu/cache/documents/11089/1108934.pdf.

119 Electric vehicle permits have been made available by Camden Council, London, U.K. for local vehicle owners to utilise the public recharging points, per Camden, “Electric Vehicle Permits,” www.camden.gov.uk/ccm/content/transport-and-streets/parking/where-to-park/-parking-electric-vehicles-in-camden.en.

120 City of London, “Electric Vehicles for London,” www.london.gov.uk/priorities/transport/green-transport/electric-vehicles, and “Electric Vehicle Delivery Plan for London,” www.london.gov.uk/sites/default/files/uploads/electric-vehicle-plan.pdf.

121 U.K. Parl iament , Hansard report , 15 November 2010, www.publications.parliament.uk/pa/cm201011/cmhansrd/cm101115/text/101115w0002.htm.

122 Paris, “Bornes de recharge électrique,” www.paris.fr/pratique/voitures-deux-roues-motorises/bornes-de-recharge-pourvehicules-electriques/p5775.

123 Institution of Mechanical Engineers, U.K., “Electric Vehicles, Transport Policy Statement,” www.imeche.org/Libraries/Position_Statements-Transport/ElectricVehiclesIMechEPolicy.sflb.ashx, viewed 1 April 2011.

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124 M. Yoshai, “Better Place to Begin Electric Car Sales in August,”www.globes.co.il/serveen/globes/DocView asp?did=1000428168&fid=

1725, viewed 1 April 2011.125 Institution of Mechanical Engineers, op. cit. note 123.126 Most of the information in this section comes from REN21, Institute

for Sustainable Energy Policies, and ICLEI Local Governments for Sustainability, Global Status Report on Local Renewable Energy Policies (Paris: 2011). The report provides preliminary policy information, some of which remains unverified. Subsequent versions are expected. A good general source of information about local policies is the Local Renewables Web Portal, http://local-renewables.org. For further examples and in-depth discussion see IEA, Cities, Towns and Renewable Energy (Paris: OECD, 2009).

127 See www.worldmayorscouncil.org/the-mexico-city-pact.128 See www.citiesclimateregistry.org.129 See www.eumayors.eu.130 The World Mayors and Local Governments Climate Protection

Agreement builds on the existing commitments of local governments and their associations, including the ICLEI Cities for Climate Protection Campaign, World Mayors Council on Climate Change, U.S. Mayors’ Climate Protection Agreement, C40 Climate Leadership Group, and United Cities and Local Government (UCLG) Jeju Declaration. See www.iclei.org/climateagreement. The C40 Large Cities Climate Summit in the United States is not mentioned in the text because it is primarily aimed at helping cities finance energy efficiency improvements. The Australian Solar Cities program has now selected four cities: Adelaide, Blacktown, Townsville, and Alice Springs. ICLEI’s Local Renewables Initiative began in 2005 and aims to create a network of model cities, with initial activities in Europe, India, and Brazil.

131 See “Development of Solar Cities–A Ministry of New and Renewable Energy (MNRE) Govt. of India Programme,” www.iclei.org/?id=11672, viewed 25 June 2011.

5.RURAL RENEWABLE ENERGY1 World Health Organization (WHO) and United Nations Development

Programme (UNDP), The Energy Access Situation in Developing Countries: A Review Focusing on the Least Developed Countries and Sub-Saharan Africa (New York and Geneva: 2009).

2 Ibid.3 See Kyran O’Sullivan and Douglas F. Barnes, Energy Policies and

Multitopic Household Surveys: Guidelines for Questionnaire Design in Living Standards Measurement Studies, World Bank Working Paper No. 90 (Washington, DC: World Bank, 2006). The original source for much of this work on l ighting is the background study F. Nieuwenhout, P. Van de Rijt, and E. Wiggelinkhuizen, “Rural Lighting Services,” paper prepared for the World Bank (Petten: Netherlands Energy Research Foundation, 1998).

4 For more information about the different rural electricity applications see, for example , All iance for Rural Electri f ication, “Rural Electrification with Renewable Energy: Technologies, Quality Standards and Business Models” (Brussels: 2011).

5 World Bank, Rural Electrification and Development in the Philippines: Valuing the Social and Economic Benefits , ESMAP Report (Washington, DC: World Bank, 2002).

6 Kilian Reiche, iiDevelopment GmbH, personal communication with REN21, April 2011.

7 Sidebar 8 from Lighting Africa Web site, www.LightingAfrica.org; World Bank and Internatonal Finance Corporation, Lighting Africa: Catylizing Markets for Modern Lighting (Washington, DC: 2008).

8 Mark Hankins, African Solar Designs, Kenya, personal communication with REN21, May 2010.

9 Kenya Bureau of Statistics, Kenya Integrated Household Budget Survey 2004/05 (Nairobi: 2005).

10 World Bank, Energy Development and Access Expansion Project (TEDAP), “Additional Financing,” Project Information Document (Washington, DC: 2011); Rural Energy Agency, Tanzania, “About Us,” www.rea.go.tz/ABOUTREA/Aboutus/tabid/56/Default.aspx.

11 Simon Rolland, Alliance for Rural Electrification, Brussels, personal communication with REN21, 16 June 2011.

12 World Bank, Renewable Energy and Development Implementation Completion Report (Washington DC: World Bank, 2009).

13 Ministry of New and Renewable Energy (MNRE), Government of India, Renewable Energy in India: Progress, Vision and Strategy (New Delhi: 2010).

14 MNRE, Annual Report 2009–10 (New Delhi: 2010).15 DFCC Bank, Renewable Energy for Rural Economic Development

Project (RERED) Web site, www.energyservices.lk/statistics/esd_rered.htm.

16 International Development Company Limited (IDCOL) Website, www.

idcol.org.17 Rolland, op. cit. note 11.18 Chandra Govindarajalu, Raihan Elahi, and Jayantha Nagendran,

Electricity Beyond the Grid: Innovative Programs in Bangladesh and Sri Lanka, ESMAP Knowledge Exchange Series No. 10 (Washington, DC: 2008); Renewable Energy for Rural Economic Development Project (RERED), “Statistics,” 2010, www.energyservices.lk/statistics/esd_rered.htm.

19 Rolland, op. cit. note 11.20 WHO and UNDP, op. cit. note 1.21 Ibid.22 New types of stoves being manufactured in factories and workshops

include Stovetec, Envirofit, Protos, Onil, and World stoves. See World Bank Environment Department, Household Biomass Cookstoves, Environment, Health, and Climate Change: A New Look at an Old Problem (Washington, DC: 2011).

23 Estimate of 5–10 years from Ibid. Environment, Health, and Climate Change: A New Look at an Old Problem (Washington, DC: 2011).

24 Global Alliance for Clean Cookstoves Website, http://cleancookstoves.org.

25 Ibid.26 Rober t He ine , Deut sche Gese l l s cha f t fü r In te rna t i ona l e

Zusammenarbeit (GIZ), personal communication with REN21, April 2011.

27 Indian Institute of Technology and The Energy and Resources Institute, New Initiative for Development and Deployment of Improved Cookstoves: Recommended Action Plan, prepared for MNRE (New Delhi: 2010).

28 Stove numbers from the following manufacturer websites: www.envirofit.org, www.stovetec.net/us, www.onilstove.com, and www.treeswaterpeople.org/stoves/programs/honduras.htm.

29 Groupe Energies Renouvelables, Environnement et Solidarités (GERES), “Dissemination of Improved Domestic Cooking Stoves [Cambodia],” www.geres.eu/en/household-energy/34- activnrjmenages-cambg-foyers; World Bank, op. cit. note 22.

30 Worldwide experiences with solar cookers are summarized in GTZ, Here Comes the Sun: Options for Using Solar Cookers in Developing Countries (Eshborn, Germany: 2007). The use of solar cookers depends on the purpose and cultural habits of those cooking, and the cooking must generally be done during daytime hours. It is quite relevant for foods that require slow cooking.

31 “Rural Biogas Develops Rapidly,” TheBioenergySite.com, 5 January 2011. The Ministry of Agriculture calculates 40 million as the number of cumulative installations minus those that are no longer functional as of end-2010. It is not clear how the data were collected and processed from a technical point of view.

32 India from MNRE, Renewable Energy in India: Progress, Vision and Strategy (New Delhi : 2010) ; Vietnam from SNV Netherlands Development Organization (SNV), Domestic Biogas Newsletter, Issue 3, August 2010.

33 SNV, op. cit. note 32.34 Nepal Biogas Sector Partnership, “Biogas Support Programme

Achievements,” 2010, at www.bspnepal.org.np/achievements.35 See, for example, Alliance for Rural Electrification, op. cit. note 4 and

Alliance for Rural Electrification and USAID, Hybrid Mini-Grids for Rural Electrification: Lessons Learned (Washington, DC: 2010).

36 Alliance for Rural Electrification and USAID, op. cit. note 35.37 Sudeshna Banerjee Avjeet Singh Hussain Samad, Power and People:

Measuring the Benefits of Renewable Energy In Nepal (Washington, DC: World Bank, South Asia Energy, 2010).

38 Ministry of Mines and Energy (MME), Newsletter, No. 27, at www.mme.gov.br/luzparatodos/asp/.

39 World Bank, “Light and Hope: Rural Electrification in Peru,” World Bank IBRD Results Note (Washington DC: 2010).

40 Rolland, op. cit. note 11.41 World Bank, op. cit. note 39.42 United Nations Framework Convention on Climate Change,

“Factsheet for Hubei Eco Farming Biomgas Project,” 2010, http://cdm.unfccc.int/about/ccb/CDM_Cobenefits_Hubei_China.pdf.

43 Ibid.44 The Dutch-German Partnership “Energising Development,” or EnDev,

is an initiative to provide 6.1 million people in developing countries access to modern energy services by 2012.

45 See, for example, the following sources: U.K. Department for International Development (DFID) Web site, www.dfid.gov.uk; Global Village Energy Partnership (GVEP) Web site, www.gvepinternational.org: World Bank Energy Strategy Management Assistance Program Biomass Energy Initiative in Africa, Washington, DC.

─ 112 ─

略語一覧(英語参考用)

BNEF Bloomberg New Energy Finance

CHP combined heat and power

CO2 carbon dioxide

CSP concentrating solar (thermal) power

EU European Union (speci�ically the EU-27)

EV electric vehicle

FIT feed-in tariff

GACC Global Alliance for Clean Cookstoves

GIZ Deutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit (formerly GTZ)

GJ gigajoule

GSR Renewables Global Status Report

GW/GWh gigawatt / gigawatt-hour

IEA International Energy Agency

IPCC UN Intergovernmental Panel on Climate Change

kW/ kWh kilowatt / kilowatt-hour

m2 square meters

mtoe million tons of oil equivalent

MW/ MWh megawatt/ megawatt-hour

MSW municipal solid waste

NGO non-governmental organization

OECD Organisation for Economic Co-operation and Development

PJ petajoule

PV solar photovoltaics

REN21 Renewable Energy Policy Network for the 21st Century

RPS renewable portfolio standard

SHS solar home system

TWh terawatt-hour

UNEP United Nations Environment Programme

版権 ・ コピーライト

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Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit (GIZ) GmbHDag-Hammarskjöld-Weg 1-565726 Eschborn, Germany

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Page 41, bottom right: Geothermal Plant, pictures courtesy of NREL

Page 43: Ethanol Plant, pictures courtesy of NREL

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Page 61: Mexico City, © Bob Thomas

Page 62, upper left: Solar water heaters in Africa

Page 62, upper right: Façade-integrated photovoltaics in a gymnasium in Burgweinting, © Fraunhofer ISE

Page 67, middle left: Mongolian Family Uses Solar Energy to Power Home

Page 67, bottom left: Solar Cooker in Kenya

 日本語版作成にあたって(Global Status Report 2011)

本報告書は21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク(REN21)の委託を受けて、世界の研究者の協力を得て作成された「Renewables 2011 Global Status Report 」(主筆:ジャネット・L・サウィン、エリック・マーティノー)を環境エネルギー政策研究所の責任で、日本語翻訳したものです。

REN21は2004年にボンで開催された自然エネルギー国際会議(以下RE)2004を契機として発足したネットワークです。初版のGlobal Status Report 2005は、RE2004のフォローアップ会議として、2005年11月に開催された北京自然エネルギー国際会議で発表され高い評価を受けました。自然エネルギーに関する草の根の視点からの包括的な国際レポートが存在しなかったことから、その続編が待ち望まれ、2006年改訂版、2007年版、2009年改訂版、2010年版、そして2011年版へと発展しています。

環境エネルギー政策研究所は、自然エネルギーが初めて国際交渉のメインテーマとして取り上げられたRE2004のフォローアップに積極的に取り組んでおり、この報告書にも執筆者として貢献しています。また、当研究所所長飯田哲也がREN21の運営委員を務め、2007年からは事務局運営にも携わっています。当研究所研究部長であるエリック・マーティノーも主筆の一人として本報告書作成に貢献しています。

REN21(英語)http://www.ren21.net/Global Status Report2011(英語)http://www.ren21.net/REN21Activities/Publications/GlobalStatusReport/GSR2011/tabid/56142/Default.aspx

本報告書の日本語版作成にあたっては、下記のインターン、ボランティアの皆様にご協力を頂きました。この場を借りて、皆さまに厚くお礼申し上げます。小豆畑諒子さん、井田瑞さん、植田敦さん、倉本太一さん、小島恵さん、佐々木知子さん、高橋優人さん、道満治彦さん、原和也さん、春増知さん、曲村一輝さん、松本尚士さん、宮下和子さん、文成賢さん、山中祥子さん、渡辺きりはさん(五十音順)

発行日:日本語訳2011年12月発行所:特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)日本語版翻訳 :山下紀明、金田千里日本語版編集 :山下紀明、金田千里、堀内恵美特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)〒164-0011 東京都中野区中央4-54-11Tel: +81 (0) 3 6382-6061 Fax: +81 (0) 3 6382-6062URL: http://www.isep.or.jp印刷:株式会社アールムーン〒105-0004 東京都港区新橋3-3-13Tel: +81 (0) 3 5532-8856 Fax: +81 (0) 3 5532-8857URL: http://www.rmoon.jp

本報告書は独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の活動助成により作成されています。

RENEWABLES 2011 GLOBAL STATUS REPORT

REN21c/o UNEP15, Rue de MilanF-75441 Paris CEDEX 09France

www.ren21.net