平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について · 1 / 154 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について 令和2年3月10日(8:00)
平成 20 年(2008 年)岩手・宮城内陸地震において...平成20 年(2008...
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平成 20 年(2008 年)岩手・宮城内陸地震において 記録されたきわめて大きな強震動について
「平成 20 年(2008 年)岩手・宮城内陸地震」において、震源に最も近い KiK-net
観測点 IWTH25(一関西)の地表の上下(UD)成分において、きわめて大きな
加速度(上下動:3866 gal、三成分合成:4022 gal)が観測されました。 防災科研では昨年度末までに強震観測網(K-NET, KiK-net)のほぼ全観測点
において、地上設置型の加速度型強震計を測定可能範囲が 2000 gal のものから
4000 gal のものへ換装いたしました。4000 gal 対応の加速度計による大規模な
強震観測網は世界でも初めての試みであり、断層近傍で 4G(重力加速度の四倍)
を超えるきわめて大きな地震動が初めて記録されました。 図に示して IWTH25(一関西)で記録された記録の特徴的な点は、水平動に
比べ上下動が大きいことです注。この特徴は、表層地盤の増幅による影響を受け
やすい地表記録のみならず、地中においても現れております。さらに、長周期
成分が強調されやすい速度記録でも、短周期成分が強調されやすい加速度記録
においても見られます。この特徴は、逆断層上盤の直上における記録の特徴で
ある可能性があります。 今後、逆断層の直上における地震対策を検討する上できわめて重要なデータ
であると考えられます。 なお、地表地震計に設置した地震計は設置環境や地盤の影響を受けやすいた
め、地震計や計測機器および観測施設の現地調査等を実施する予定です。 注 一般には上下動成分に比べ水平動成分の方が大きいため、構造物の耐震性は主に水平動が考慮
されています。今回のような大きな上下動地震動がどのような被害に結びつくのか、また、その
ような対策が必要であるかを今後の検討する際の重要なデータであると考えられます。
IWTH25 2008/06/14 08:43:46
Time [s]0 10 20 30 40 50 60
Acceleration [gal]
Velocity [cm/s]
地中南北動 (GL-260m)
地中東西動
地中上下動
Max = 1036 Min = -837
0
1037
Max = 748 Min = -718
0
1037
Max = 640 Min = -681
0
1037
Max = 42.2 Min = -31.3
0
68.6
Max = 37.2 Min = -35.5
0
68.6
Max = 68.5 Min = -29.0
0
68.6
Time [s]0 10 20 30 40 50 60
Acceleration [gal]
Velocity [cm/s]
地表南北動
地表東西動
地表上下動
Max = 1143 Min = -1113
0
3867
Max = 1433 Min = -1105
0
3867
Max = 3866 Min = -1703
0
3867
Max = 71.0 Min = -56.4
0
84.8
Max = 61.5 Min = -48.8
0
84.8
Max = 84.7 Min = -52.7
0
84.8
最大(三成分合成)= 4022 最大(水平動合成)= 1434
最大(三成分合成)= 1078 最大(水平動合成)= 1039
最大(三成分合成)= 73.2 最大(水平動合成)= 45.9
最大(三成分合成)= 100.1 最大(水平動合成)= 71.2