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支援のこれから研究会議第 2 弾 報告要旨
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支援のこれから研究会議第 2弾 報告要旨
ケイパビリティ――本人が選ぶ理由のある生のかたまり――に基づく社会的選択 • 2012年 9月 30日
• 後藤玲子
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• 糧をとることで新たに気力をうることは、他なるものを<同>へと変容することであり、この変容が享受することをかたちづくる (Levinas , 1961=2005,上 p212、訳は一部改変 )。
• 生の内容とはつまり考えること、食べること、眠ること、読むこと、はたらくこと、日なたぼっこすることなのだ。( ibid.,p215)
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• “disability results from the interaction between persons with impairments and attitudinal and environmental barriers that hinders their full and effective participation in society on an equal basis with others” ( Convention on the Rights of Persons with Disabilities”, 2006) .
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• 本報告の目的は視覚障害者の「交通機能」の実現可能性(潜在能力)を主題として、アマルティア・センの提唱した「潜在能力アプローチ」を検討すること。
• 以下は、 2012年 7月 12日に立命館大学後藤研究室で実施した「協同調査( deliberative research)」にもとづく仮説的理論である。
• 協同調査参加者:青木慎太朗・中村雅也・安田真之• 小辻寿規・小林宗之• 後藤玲子
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• アマルティア・センによれば、ある個人の「潜在能力( capability)」とは、本人が利用できる資源(財・サービス、支援や介助、環境・制度など)を、本人の「利用能力( utilizing ability)」で変換させることにより、実現可能となる「諸機能 (functionings)」の集合をさす。
• ただし、ここでいう「機能」とは、移動する、読み書きするなどの行い( doings)、あるいは、安全でいる、病から逃れているなどの在りよう (beings)を広く指す概念である。
• 手持ちの資源のもとで、われわれは異なる機能を異なる水準で実現することができる。また、手持ちの資源の振り分け方、あるいはその使い方を変化させることにより、機能の実現の仕方を変化させることができる。
• だが、本人の選択によって変化させることのできる諸機能の範囲(選択の実質的な機会)には限界がある。その範囲を潜在能力という
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「交通機能」とその制限に着目するわけ
• ここでいう交通機能とは、人と人とが広く行き交うこと、そこに参加すること、狭義には公共交通機関を利用する機能を指す。
• 買物しに出向く、通院しに出向く、人と交流しに出向くなど。• <交通機能>は、他のさまざまな活動の実現可能性を高める。• 新奇な商品の求め、未知な場所を訪れたり、さほどポピュ
ラーではない治療技術を試すなど。• 交通機能の制限は、冒険することも含めた人の多様な活動、
幅広い生き方への自由なアクセスを制限するおそれがある。• そればかりではない。人と人とが広く行き交う、その空間に
身をおくこと自体が人に与える喜びから、特定の人々を排除することにもなりかねない。
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【考えたいこと】2人の個人 1さんと 2さんの間で、「交通機能」の実現の程度が明らかに違っているとして、それは、 本人が自分で選んでいるのか? だれかに選ばされているのか? 本人が選んでいると同時に、だれかに選ばされているのか? これまでの(経済学・倫理学の)常識は、個人の選択内⇒結果は本人の責任⇒社会的介入不可個人の選択外⇒結果は本人の非責任⇒社会的介入可 本稿はこの立場をとらない。いま、ここで困っているとしたら、とにもかくにも社会的介入をする。ただそのときに、考察すべき問題は、--無害で有効で必要で十分な介入であるかどうかに加えて--できるだけ本人の可能性を広げつつ、本人の好みを尊重するためにはどうしたらよいのか、である。それを考えるためには、尊重すべき本人の好みと、本人の客観的特性と、(変革できるはずの)社会的制約について、区別しながら分析的に見ていく必要がある。潜在能力アプローチをもって試みたい。
再度、確認するとある個人の「潜在能力( capability)」とは:・ 本人が利用できる資源(財・サービス、支援や介助、環境・制度など)を、本人の(資源)利用能力( utilizing ability)で変換させることにより、実現可能となる諸機能の集合。
• ただし、利用能力と機能との関係は、ひとのより本源的な能力( A)やより究極的な目的 (G)との関係で重層的。
• ( A)・・・=利用能力①→機能①=利用能力(サブ機能)②→機能②=・・・( G)
• ここでは、 (1)視覚障害者が「交通機能」を実現するうえで、最も基本的な利用能力①を析出する。これは普遍的性格をもつ。つづいて、 (2)現代日本社会でそれを具体化するものとして機能①を特定する。これは(歴史・社会)文脈依存的性格をもつ。機能①は、それ自体、(特定の社会で流通する)資源を利用して実現される行い、すなわち機能でありながら、「交通機能」②との関係では、(他の資源を利用して)それを実現するサブ機能として位置づけられる。
• そのうえで、本稿では、まず、機能①(「情報機器を利用する」と「コミュニケーションする」)の実現可能性(潜在能力)について検討する。
• つづいて、これらによって促進される機能②(「交通機能」と「自宅でくつろぐ」)の実現可能性(潜在能力)を検討する。
• 注記すると、ここでは、ひとのより本源的な能力( A)やより究極的な目的 (G)が何であるかという議論はしない。そもそも Aや Bを両端とするライン上に、利用能力や機能が整列されるかという議論もしない。さらに、ここでは、サブ(下位)という語に表されるように、機能間の構造化を行うが、その目的は、それぞれの機能の実現に必要な、そして現代日本社会の文脈で調達可能な諸資源の構造的連関を抽出することにあり、構造の一般化をすることにはない。本稿の関心は、現代日本社会において視覚障害者の交通機能を促進する上で、効果的な資源の動かし方にあるからである。 8
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【視覚障害者の交通機能における利用能力=サブ機能】
視覚障害者にとって交通機能を実現するうえで、最も基礎的な利用能力は、「空間的な定位感覚( orientation)」ならびに「(ものや人との)関係性の認識」( recognition)である。現代日本社会において、それらは「情報機器を利用する」ならびに「周囲にいる不特定の人々とコミュニケーションする」という、 2つのサブ機能によって捕捉される。
• これら 2つのサブ機能を用いて交通機能を実現するために、(社会が用意できる、社会的に移転可能な)資源としては、次のものが考えられる。
情報機器の利用⇒携帯電話、パソコン、白杖電子センサー、それに対応する駅構内や信号の安全装置など。
周囲にいる不特定の人々とのコミュニケーション⇒周囲の人の気遣い・コミュニケーション様式。
・これらの不足は、まさに社会が、視覚障害者の「交通機能」の実現の制約条件となっていることを示唆する一方で、
・(社会的に移転可能な)資源を通して、視覚障害者の交通機能を高める可能性を意味する。
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• ただし、資源が社会的に用意されたとして、それらの資源を用いながら、実際に 「情報機器を利用する」、あるいは、「コミュニケーションする」のは、本人である。
• 交通機能を一定程度、実現するために、どのくらい「情報機器を利用」して、どのくらい「コミュニケーションする」かは、本人の好み、あるいは、本人の得手・不得手に依存して、多様かもしれない。
• そもそも、「交通機能」をどのくらい実現したいかは、他のことがら(例えば、「自宅でくつろぐ」など)との関係で、個人の好みや関心によって異なる可能性がある。
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好みや関心、得手・不得手に関する個々人の多様性を尊重しながら、社会的に支援する方法を探るために、ここでは、次の 4つの分析手順をとる。
手順 1 .「情報機器を利用する」と、「コミュニケーションする」という 2つのサブ機能をもとに、「交通機能」を実現する変換の仕方を調べる。
• (仮説)視覚障害者(あるいはそのサブグループ)の間には共通のパターン(変換様式)のあることが想定される。
• →それを一種の「生産関数」(交通機能生産関数 f)としてとらえる(定義域は「サブ機能」、値域は「交通機能」、 fがわかれば、サブ機能(あるいは交通機能)の情報をもとに、交通機能(あるいはサブ機能)を導出することができる。
• 数理的定式化は次ページ
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交通機能を zとする。「情報利用機能」と「コミュニケーション機能」をそれぞれ x1, x2とする。このとき個人 iの交通機能生産関数 fiは次のように表される。 zi=fi(x1, x2) 個人 i が x1, x2 を利用する際にかかるコストをそれぞれ a1, b2とすると、総コストは
21 xbxaC iii
x2=-(i
i
ba ) x1+
i
i
bC
となる。つまり、傾きがi
i
baで切片が b
Cの一次関数のグラフが一定の費用 Ciを達
成するサブ機能の組み合わせの全体を表すことになる。いま、生産関数をコブダグラス型であると仮定する。すなわち、 z=x1αx21-α このとき、一定の総費用のもとで最大の生産を最大にする行動は、次の式で表される。 max zi=x1αx21-α s.t 21 xbxaC iii
情報機器を利用する(サブ機能)
コミュニケーションする(サブ機能)
0
2つのサブ機能のさまざまな組み合わせ、例えば、コミュニケーションスキル多、情報スキル少)でも、(コミュニケーションスキル少、情報スキル多)でも、同程度の交通機能を実現できる。
45°
(コミュニケーション多、情報少)
(コミュニケーション多、情報少)
より高い交通機能実現水準より低い交通機能
実現
交通機能生産関数
• いま、個人1さんと2さんは、同程度の交通機能を実現しているとしよう。
• その際に、個人1さんは、 「情報機器を利用する」をたくさん、 「コミュニケーションする」を少々であるのに対し、個人 2さんはその逆である(上図の 2つの点) としよう。はたして、この違いは何に由来するのだろうか。可能性としては次の原因が考えられる。
• ①本人の好みや関心の違い?• ②本人の得手・不得手(内的制約)?• ③ 外的な強制・資源上の制約?• ここでは、これらの原因を個別に追求することをしない。代わりに、サブ機能に関する個々人の潜在能力のあり様に分析の主眼をおく。すなわち、異なるサブ機能を実現している個々人の実現可能性(それぞれを、どれだけ実現することができるのか)に目を向ける。
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手順2. 2つのサブ機能の実現可能性 (潜在能力 )調べ• 観察される情報は、個々人が現に、 2つのサブ機能をそれ
ぞれどれだけ実現しているか(換言すれば、 2つのサブ機能をどのように組み合わせているか)である。
• 潜在能力をとらえるためには、自分がいま利用可能な資源の使い方や、資源の利用能力の発揮のしかたを工夫することによって、実現できるサブ機能の組み合わせ方を推定する必要がある。以下にその一つの方法を例示する。
• (推定方法例)• ①本人がいま、自由に使うことのできるお金や時間や、(精神的・身体的)労力を全部、情報機器の利用に費やすとしたら、「情報機器を利用する」サブ機能の水準はどこまで上がるか。
• ② 逆に、それらを全部、コミュニケーションすることに費やすとしたら、「コミュニケーションする」サブ機能の水準はどこまで上がるか。
• ①と②で捕捉される各サブ機能の最大値を両端として、 2つのサブ機能に関する潜在能力を次のように描く(次図)。
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23/04/24 17
コミュニケーションする
情報機器を利用する
個人 1
個人 2
23/04/24 18
コミュニケーションする
情報機器を利用する
個人 1
個人 2
2人の個人が、異なるサブ機能の組み合わせによって、同一水準の交通機能を達成しているケース。
• 個々人が利用可能な資源が変化するとしたら、 2人のサブ機能の実現可能性、すなわち潜在能力も変化する可能性がある。
• 例えば、いま、 2人がアクセスできる情報機器が充実され、さらに、 2人が暮らす社会で人々のコミュニケーション・気遣い・支援が高まるとしたら、個人 1と 2の潜在能力はともに広がる可能性がある。
• ただし、その際にも、潜在能力の拡大の仕方には個人差のあることが予想される(下図) 。例えば、それぞれのサブ機能の利用にともなうコストの相違(上述の数式では aiと biの比率などに応じて。
• この点を考慮しつつ、視覚障害者すべてに保障すべき「基本的潜在能力」を想定することができる(上述の式でいえばそれは、 C1 =C2=BCとなるような総コストの値を指す)。数では赤ライン。
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figure:
情報機器の資源が充実され、人々の気遣い・コミュニケーション様式が変化した結果、個人 1と 2の潜在能力が広がった。---形はいぜんして異なるが。
23/04/24 20
コミュニケーションする
情報機器を利用する
IT support
Moving support
No support
figure:
赤ライン: 2つのサブ機能の実現可能性がこれ以下だとしたら、社会的支援を要請してしかるべき:「基本的潜在能力」ライン
23/04/24 21
コミュニケーションする
情報機器を利用する
IT support
Moving support
No support
手順3.潜在能力の変化にともなう「交通機能」と、サブ機能の変化を調べる。
上図のように、社会的に移転可能な資源のあり様が変化した結果、個人 1と 2の潜在能力(サブ機能の実現可能性)が広がった。 あらたな潜在能力のもとで、個人 1さんと
2さんの実現している交通機能、そのために用いているサブ機能はどのように変化したか、その点は、(本人が実現しようと思えば実現することのできる)潜在能力の中のどの点なのか。
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コミュニケーションする
情報機器を利用する
個人 2さんが実現している交通機能
個人 1さんが実現している交通機能
個人 1さんが実現している 2つのサブ機能
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個人 2さんが実現している交通機能はずっと低い、なぜ?
個人 2さんが実現している 2つのサブ機能
コミュニケーションする
個人 2さんの潜在能力
個人 1さんの潜在能力
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1さんは 2つのサブ機能を最大限、使っているが、 2さんは、そうでない。なぜ?
情報機器を利用する
個人 2さんが実現している 2つのサブ機能
個人 1さんが実現している 2つのサブ機能
・個人2さんが、より高い「交通機能」を実現しようと思えばできる、でもしないのは、なぜだろうか。
→2さんにとって意義のある他のことがらを優先させている(つまりは、そちらにより多く、自分が自由に使うことのできるお金や時間、労力を振り分けている)可能性がある。
→それは本人の好みであるともに、本人には容易に変えがたい理由によるのかもしれない。
この点を確認するために、第四に、4 .「交通機能」と他の機能との関係を考察する。
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この点を考察するために、第四に、
手順 4 .「交通機能」と他の機能との関係をとらえることのできる空間を設定し、その空間における個々人の実現している点、評価、潜在能力をとらえる。
例えば、「自宅でくつろぐ」という機能を想定しよう。
「交通機能」と「自宅でくつろぐ」という 2つの機能空間を描く。
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個人 2さんは、交通機能の実現がより少ない代わりに、「自宅でくつろぐ」機能をより多く実現していた!
自宅でくつろぐ
交通機能
b1
b2
(made by author)
個人 1さんが実現している状態個人 2さんが実現している状態
個人 2さんは、交通機能がより少ない代わりに、「自宅でくつろぐ」機能をより多く実現している自分の状態を、高く評価している。
自宅でくつろぐ
交通機能
b1
b2
(made by author)
個人 1さんが実現している状態個人 2さんが実現している状態
「交通機能」と「自宅でくつろぐ機能」に関する 2人の潜在能力のかたちも異なっている。
自宅でくつろぐ
交通機能
b1
b2
(made by author)
個人 1さんが実現している状態個人 2さんが実現している状態
個人 2さんの潜在能力
個人 1さんの潜在能力
以上をまとめと:個人 2さんは、交通機能がより少ない代わりに、「自宅でくつろぐ」機能をより多く実現している。そのことを高く評価し、満足している。だが、潜在能力のかたちがそもそも大きく異なっている。
自宅でくつろぐ
交通機能
b1
b2
(made by author)
個人 1さんが実現している状態個人 2さんが実現している状態
個人 2さんの潜在能力
個人 1さんの潜在能力
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個人 2さんが、より多く「自宅でくつろぐ」機能の実現可能性をもつ一方で、より少ない「交通機能」の実現可能性しかもたない背後の事情を探る。
家族と同居することによる快適な衣食住の保障。 but 同居している家族の干渉、あるいは、護送。
独立した個人 1さんはちょうどその逆の状況にあった。
交通機能の実現を妨げられない。 but 自宅での生活がかなり不自由
• 快適な衣食住の保障 and 交通機能の実現を妨げられない
• それを可能とする支援政策がとられたとしたら、個人 1さんと個人 2さんの潜在能力は、ともに、現在の 2人の潜在能力のいずれをも包含する潜在能力へと広がりうる。
• 注意!たとえ潜在能力が似通ったものになったとしても、実際に実現される状態は、違っている可能性がある。
• 2つの機能のどちらをどれだけ実現したいかに関する 2人の好みが異なる可能性があるからである。それは自分の生き方( well-being)に関わる評価でもある。
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2つの機能に対する評価が異なるケース:たとえ潜在能力が似通ったものになったとしても、実際に、実現する状態は異なったものになる可能性がある。
自宅でくつろぐ
交通機能
b1
b2
b’1
b’2
(made by author)
個人 1さんが実現している状態個人 2さんが実現している状態
個人 2さんの潜在能力
個人 1さんの潜在能力
資源の変化により、拡張された潜在能力
拡大した潜在能力のもとで個人 2さんが実現する状態
拡大した潜在能力のもとで個人 1さんが実現する状態
諸機能の構造
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6 .結びにかえて
• 潜在能力アプローチを実践的に適用しようとしたら、規範的評価のための基礎概念を借定するという、それ自体規範的な議論を避けられない。
• 例えば、仕事をする、ディーセントに暮らす、などと並ぶ独立の機能として、交通機能を立てる背後には、少なくとも現代日本においては、これらを個々人が実現できているかどうかについて、社会が無関心であるわけにはいかないという判断があるからである。
• その判断は、さらに、人と人とが広く行き交うという、<交通>概念それ自体の規範性に基づいている可能性がある。
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• これが実証的科学を標榜する経済学の範疇を超えているのは確かである。けれども、経済システムの設計において、とりわけ資源の社会的分配に関わる場面において、個々人の保有する資源、あるいは、個々人の効用(個人内資源分配に関する)にとどまることができないこともまた確かである。
• 私有財産制度を所与とした市場システムのもとでは放置されがちな個々人の困難に、資源の社会的分配を通じて対処しようとするならば、個々人の福祉( well-being)に踏み込んだ経済システムの評価を回避することはできない。
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• Reference:• Arendt Hannah (2005) Jerome Kohn (ed.) The Promise of Politics, Random House • Arrow, K. J. (1951/1963) Social Choice and Individual Values, 2nd ed., New York:
Wiley.• Gotoh R. and P. Dumouchel (eds.) (2009) Against Injustice—A New Economics of
Amartya Sen, Cambridge: Cambridge University Press, 317.• Gotoh and Yoshihara (2012) “Securing Basic Capability for All,” mimeo.• Marx, K =F. Engels (1846) Die deutsche Ideologie,• Rawls, J. (1971) A Theory of Justice, Cambridge, Mass.: Harvard University Press.• Sen, A. K. (1985) Commodities and Capabilities, Amsterdam: North-Holland. • Sen, A. K. (1999) Development as Freedom, New York: Alefred A. Knopf. • Sen, A. K. (2009) The Idea of Justcie, Allein Lane, Penguin Books.• Sen, A. K. (2009b): “Economics, Ethics and Law,” Gotoh R. and P. Dumouchel (eds.)
Against Injustice: The New Economics of Amartya Sen, Cambridge University Press, 39-54.
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