ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS...

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2007年 12月制定 ビルサッシ委員会 ビル技術部会 ビル系建具用金物 ステンレス材の使用におけるガイドライン (社)日本サッシ協会 2010年 12月改訂

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Page 1: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

2007年 12月制定

ビルサッシ委員会 ビル技術部会

ビル系建具用金物

ステンレス材の使用におけるガイドライン

(社)日本サッシ協会

2010年 12月改訂

Page 2: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

平成19年12月6日 平成22年12月1日改定

(社)日本サッシ協会ビルサッシ委員会 ビル技術部会

1.作成目的及び改訂について  当ガイドラインは、国土交通省「公共建築工事標準仕様書」及び「建築工事監理指針」平成19年版<16章 建具工事 7節建具用金物> に用いるステンレス材について、下記3.に示す通り、その用途・目的によって適切に使用する為の ガイドラインとして平成19年12月に作成されたものであるが、「建築工事監理指針」平成22年版にて改訂された内容 に沿い平成22年12月版として改訂したものである。また、本ガイドラインは、その使用を規制するものではありません。 

  なお、「建築工事監理指針」の当該記載内容(抜粋)を下記に示すが、JIS規格品のSUS443J1は、「公共建築工事標準 仕様書」平成22年版の改訂後にJIS規格品に追加されたため、「公共建築工事標準仕様書」には 記載されていないが、 「建築工事監理指針」平成22年版<16章5節ステンレス製建具>16.5.3で解説されているので参照されたい。 

  「建築工事監理指針」平成22年版 掲載内容     16.7.2 材質、形状及び寸法     (a) 金物の材質       「なお、ステンレスとして使用されている材料には、SUS304やSUS430系でJIS規格品のSUS430J1Lのほか、        SUS304と同等の耐食性を有するJIS規格品のSUS443J1もある。」

2.用語と定義  本ガイドラインに用いる用語と定義は次による。

屋外側    :ウインドバリア(気密ライン)の外側をいう。屋内側    :ウインドバリア(気密ライン)の内側をいう。見えかかり :目視できる部位をいう。見えがくれ :目視できない部位をいう。孔食電位値 :電圧を連続的に上げて行き、強制的に不動態皮膜を破壊し、電流が所定値を

超えた時点の電圧値をいう。耐食性能の目安として用いられている。孔食指数 :各元素(Cr,Mo,N)の含有量によって求められる耐食性を評価する指数をいう。

耐食性能の目安として用いられている。

3.適用区分とステンレスの分類

使用箇所 使用部位 分類 該当JIS規格

屋外側 見えかかり SUS430J1L NSSC180(新日鉄住金) 丁番、引手NSS442M3(日新製鋼) 錠前、ストライクJFE430CuN(JFEスチール)

SUS443J1(※1) JFE443CT(JFEスチール)SUS304 SUS304 各社

見えがくれ SUS430J1L NSSC180(新日鉄住金) 戸車(ハウジング)NSS442M3(日新製鋼) フリクションステイJFE430CuN(JFEスチール)

SUS443J1(※1) JFE443CT(JFEスチール) フランス落し受け

 SUS430(※2)SUS430 各社

屋内側 見えかかり SUS430J1L NSSC180(新日鉄住金) クレセント、クレセント受け、引手NSS442M3(日新製鋼) ハンドル、カムラッチハンドル受けJFE430CuN(JFEスチール)

SUS443J1(※1) JFE443CT(JFEスチール) 開き系の調整器SUS304 SUS304 各社 ダンパーブラッケト、アームスットパー

見えがくれ SUS430J1L NSSC180(新日鉄住金)NSS442M3(日新製鋼)JFE430CuN(JFEスチール)

SUS443J1(※1) JFE443CT(JFEスチール)SUS430 SUS430 各社

  ◇注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた   21Crフェライト系鋼種を言う。※2 使用時は、部品交換が可能であること。

SUS430系

SUS430系

SUS430系

SUS430系

ビル系建具用金物/ステンレス材の使用におけるガイドライン

適用区分適用部品の代表例

適用材料商品名(メーカー名)

ステンレス鋼(分類と規格)

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4.鋼種の主な特徴   □SUS430系(フェライト系):SUS430J1L及びSUS443J1    ・耐食性はSUS304と同等の性能がある。    ・磁性がある。    ・SUS443J1とは、SUS430J1L成分系でCr含有量のみ21%程度まで増量添加した鋼種である。    

  □SUS304(オーステナイト系)    ・素材としては磁性がないが、加工によって磁性を持つようになる。    ・フェライト系に較べ、材料の伸び率が高い。

  □SUS430(フェライト系)    ・耐食性はSUS430系、SUS304よりも劣る。    ・磁性がある。

5.耐食性の評価方法  本ガイドラインの耐食性の評価は、下記試験結果及び孔食指数を用いた。その結果は、ステンレス各メーカーの  添付資料を参照ください。    ・大気暴露試験    ・促進腐食試験    ・孔食電位測定試験    ・孔食指数

6.採用にあたっての留意事項  1)室内で水掛かり部(浴室、厨房、便所等)に使用する場合は、屋外側と同仕様とする。  2)表面仕上げについて    表面があれているほど汚れがつきやすく、さびが出やすくなるので留意が必要となる。  3)具体的な金物で、溶接を伴うもの、異種金属と接合されるもの又は隙間形状のあるもの等は、実物にて    耐食性、耐候性、意匠性等の確認が必要である。  4)製作可能寸法(幅、板厚)は、ステンレス各メーカーにより異なるため確認が必要となる。  5)特殊な環境で使用する場合は、別途ステンレス各メーカーと協議することとする。  6)ステンレスのメンテナンスは、ステンレス協会又はステンレス各メーカーのホームページを参照ください。

7.添付資料  ①耐食性の評価に用いたステンレス各メーカーの添付資料とお問合せ先  ②本ガイドラインに関するQ&A

以上

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高純度フェライト系ステンレス鋼NSSC 180(*1)の特性

           (*1) 19Cr-0.4Cu-0.4Nb-LCN

               JIS 430J1L該当

新日鐵住金ステンレス㈱

商品技術部

本資料の著作権は、新日鐵住金ステンレス(株)に属します

平成19年11月

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SUS 304 NSSC 180 SUS 304 NSSC 180

SUS 304 NSSC 180 SUS 304 NSSC 180

SUS 304 NSSC 180 SUS 304 NSSC 180

特殊環境:温泉環境(大分県/別府市) 特殊環境:火山灰環境(鹿児島県/鹿児島市)

都市環境(東京/代々木) 太平洋側沿岸環境(千葉県/君津市)

日本海側沿岸環境(新潟市) 内海環境(山口県/光市)

NSSC 180の実環境暴露耐食性は、SUS304と同等です

*ただし、鹿児島の火山灰が表面に堆積する特殊な環境では、やや劣る外観となっています

(試験条件 : 研磨表面、南側 屋根面を模擬した傾斜設置,  H5~H10年実施)

NSSC180実環境暴露試験結果(5年間)

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【試験条件】

(1)人工海水噴霧35℃,4hr

→(2)乾燥60℃,2hr

→(3)湿潤50℃,95%RH,2hr

→(1)・・・

 を12サイクル

NSSC180人工海水CCT結果 比較

NSSC 180 SUS430

大気腐食模擬では、

NSSC 180はSUS304

と同等

(孔食電位の依存小)

SUS304

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・SUS304と比較しても、NSSC180の孔食電位範囲は重複しており、 一般の環境での発銹有意差はないと考えられる(CCT試験結果参照) ・NSSC180は、SUS430に比べ、孔食電位が高い.

・孔食電位試験とは、電圧を連続的に上げてゆき、強制的に不動態皮膜を 破壊し、電流が100μA/c㎡を超えた時点の電圧を示す. ・本試験は、強酸化性環境(過酸化水素水等)相当の評価であり、通常環境では存在しない条件

1.試験結果

SUS 304 NSSC 180 SUS 430

SUS 304 NSSC 180 SUS 430(SUS 430J1L)

Cr 18 19 16成 Ni 8 0.4 -

Mo - -分 Cu - 0.4 -

Ti - - -Nb - 添加 -

19 19.4 17  PI値=Cr+3.3Mo+16N(各鋼種の数値は、代表成分にて算定したもの)

2.孔食電位試験について 1)試験概略図 2)孔食電位試験チャート(例)

NSSC180孔食電位および孔食指数(pitting index)

孔食指数(PI値)

100

400

300

200

孔食

電位

(mV vs SCE)

JIS G0577(1981)

鋼種

対 不 ス極 動 テ

- 態 ン +皮 レ

水溶液 イオン 膜 ス

連続的に電圧を上げる

-0.2 -0.1 0.0 0.1 0.2 0.310

-9

10-8

10-7

10-6

10-5

10-4

10-3

10-2

電位 (V vs SCE)

NSSC 180 (#600研磨)

(JIS G 0577(1981))

-200 -100 0 100 200 300

電 位 (mV vs SCE)

104

103

102

10

1

10-1

10-2

10-3

電 流

密 度

 (μ

A/cm

2)

孔食電位

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(お問合せ先)

新日鐵住金ステンレス(株) 【本社】 〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目6番1号

      朝日生命大手町ビル2F

     (営業本部)   ℡03-3276-4821(代)

     (商品技術部)  ℡03-3276-4890  

【大阪支店】   〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4          朝日新聞ビル11F ℡06-4706-1180(代)

【名古屋支店】 〒450-0003 名古屋市中村区名駅南2-13-18          NSビル5F      ℡052-581-2012(代)

NSSC180の詳細は、当社HP http://ns-sc.co.jp より「商品紹介」をクリックください   

 (ご注意とお願い)

本資料に記載された技術情報は、製品の代表的な特性や性能を説明するための

ものであり、「規格」の規定事項として明記したもの以外は、保証を意味するもの

ではありません.本資料に記載されている情報の誤った使用または不適切な使用

等によって生じた損害につきましては責任を負いかねますのでご了承ください. 

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JFE443CT、JFE430CuNの耐食性

JFEスチール㈱ステンレスセクター部

2007年11月

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【試験条件】・ 沖縄地区暴露試験場:護岸から10m・ 仕上げ:湿式600研磨材 ・ 暴露期間: 1年間

SUS430 JFE430CuN SUS304 JFE443CT

 耐候性(大気暴露試験)

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【試験条件】・ 塩乾湿複合サイクル腐食試験:JASO M-609-91・ 仕上げ:湿式600研磨材 ・ 試験期間: 30サイクル・ 試験条件:1サイクル(8h)  Salt Spray (5%NaCl, 35℃, 2hr) Dry (60℃, 4hr)  Wet (50℃, 2hr)

SUS430 JFE430CuN SUS304 JFE443CT

 耐錆性(塩乾湿複合サイクル腐食試験)

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孔食

電位

 V

C.1

0

   m

V v

s. S

CE

耐食性優

耐食性劣

400

300

200

100

0

SUS430

Cr

Ni

Mo

Ti・Nb 

16 (wt%) 19 (wt%)

Ti添加

-

JFEスチール規格 SUS430 JFE430CuN JFE443CT

耐孔食性(孔食電位測定 JIS G 0577(1981))

SUS430J1L SUS304JIS規格

18 (wt%) 21 (wt%)

Cu

-

-

-

- -

Nb添加

-

0.5 (wt%) 0.4 (wt%)

8 (wt%)

-

-

-

-

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 孔食指数 (Pitting Index)

【各系統の孔食指数】*1  SUS430系(フェライト系)      : PI = Cr+3.3Mo*2  SUS304系(オーステナイト系)  : PI = Cr+3.3Mo+16N

*注 (孔食指数を用いた耐食性評価の留意点) 孔食指数は同じ系統のステンレス鋼の耐食性を簡便に相対評価する指標である。つまり、同じ系統、例えば成分の異なるフェライト系ステンレス鋼の耐食性相対評価指標として使用できるが、異なる系統、例えばフェライト系とオーステナイト系の相対評価を孔食指数の大小で比較することはできない。

SUS430 JFE430CuN SUS304 *注 JFE443CT

16 *1 19 *1 18 *2 21 *1

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【お問い合わせ先】 

〒100-0011東京都千代田区内幸町2丁目2番3号  (日比谷国際ビル)  

JFEスチール㈱ ステンレス鋼板室  ℡. 03-3597-4034 Fax. 03-3597-4035  

JFEスチール㈱ ステンレスセクター部  ℡. 03-3597-3473 Fax. 03-3597-4035  

 【お客様へのご注意とお願い】

  ○ 本技術資料に記載された特性値等の技術情報は、規格値を除き何ら保証を意味     するものではありません。  ○ 本技術資料記載の製品は使用目的・使用条件等によっては記載した内容と異なる   性能・性質を示すことがあります。  ○ 本技術資料記載の技術情報を誤って使用したこと等により発生した損害につきまし   ては、責任を負いかねますのでご了承ください。  ○ 本技術資料記載の単位においてN/mm2はMPaと等価です。

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日本金属工業資料

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NTK DNTK Dシリーズシリーズ鋼の耐食性鋼の耐食性

日本金属工業株式会社市場開拓部

2008年10月

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化学成分

Mo:0.75~1.50, N:0.025以下, Ti, Nb, Zr:8×(C+N)~0.8

-18.00

~20.008.00

~10.50≦0.030≦0.045≦2.00≦1.00≦0.08SUS304

-16.00

~19.00-≦0.030≦0.040≦1.00≦1.00≦0.025

SUS436L

2.00~3.00

17.00~18.00

4.50~6.00

≦0.030≦0.0453.00~5.00

≦1.00≦0.08NTK D-10S

1.50~3.50

17.00~18.00

3.50~5.50

≦0.015≦0.0455.50~7.50

≦1.00≦0.10NTK D-11(EN1.4372Modified)

1.50~3.50

17.00~18.00

2.00~4.00

≦0.030≦0.0455.00~7.00

≦1.00≦0.12NTK D-7S

CuCrNiSPMnSiC鋼種

(%)

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Dシリーズ鋼の屋外暴露試験結果

1.場所①

神奈川県相模原市(海岸より約 30km):2年後

2.場所②

弊社衣浦製造所の旧本事務所屋上(海岸より約 500m):1年半後

D-7S D-10S D-11 304

D-7S D-10S D-11 304

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SUS304NTK D-10S SUS436LNTK D-11NTK D-7S

1000

時間

500時間

試験前

塩水噴霧試験 5%NaCl連続噴霧

塩水噴霧試験 : JIS Z 2371中性塩水(5%NaCl)35℃連続噴霧

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SUS304 D-10S D-11 D-7S

図 : 間欠塩水噴霧試験後の外観写真

表 : 間欠塩水噴霧の条件

試験工程 噴霧→乾燥→保持

液組成 5%NaCl

雰囲気 湿潤大気

温度 35℃ 温度 35℃

噴霧条件

時間 2時間

保持条件

時間 19時間

雰囲気 大気開放 繰り返し回数 5サイクル

温度 室温

乾燥条件

時間 3時間

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0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

0.30

0.35

0.40

0 5 10 15 20 25 30

Cr+3.3Mo+30N-Mn

Pitting Potential V

c'100 (V vs SCE)

316

304

430

Dシリーズ鋼

15Cr-8Mn-4Ni

15Cr-9Mn-1Ni

測定方法: JIS G 0577条件 : 試験片サイズ 20mm × 30mm表面仕上: #800脱脂

不動態化処理:20~30%HNO3 50℃ 1時間

導線溶接 → 絶縁処理

露出部寸法 10mm×10mm試験溶液: 80℃, 1000ppm Cl-

表面仕上 : #600アノード分極曲線測定

10分浸漬・放置後、自然電位から掃

引速度20mV/minにてアノード電流

密度が 500μA/cm2になるまで行う。

孔食電位(Vc’ 100):電流密度100μA/cm2 における電位

孔食電位

孔食指数(PI値)

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お問合せ先

本社 東京都新宿区西新宿2-1-1(新宿三井ビル)市場開拓部 TEL:03-3345-5533

大阪支店 大阪市中央区南本町4-2-21(イヨビル)TEL:06-6251-5351

名古屋支店 名古屋市東区東桜1-9-26(一光パーク栄ビル)TEL:052-962-9334

九州営業所 北九州市小倉北区米町2-1-2(小倉第一生命ビル)TEL:093-521-0636

中国営業所 広島市中区立町1-20(広島長和ビル)TEL:082-248-2401

新潟営業所 新潟市中央区東大通1-3-8

(明治安田生命新潟駅前ビル)TEL:025-241-6681

071122

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NTK D NTK Dシリーズ シリーズ鋼の加工性 鋼の加工性

日本金属工業株式会社 市場開拓部

2008年10月

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機械的性質

常温機械的性質測定例 (2B、t=0.8mm)

割れなし 160 32 343 530 SUS436L

割れなし 170 59 314 618 SUS304

割れなし 202 45 404 727 NTK D-7S

割れなし 175 51 316 645 NTK D-10S

割れなし 180 47 360 691 NTK D-11

曲げ (R=t,180°)

硬さ (HV)

伸び (%)

耐力 (N/mm 2 )

引張強さ (N/mm 2 )

鋼種

Page 30: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

物理的性質 (焼鈍状態) 

1,430~1,510

10.4 11.4

0.45

0.46

60

7.70

200,000

SUS436L

1,400~1,450

1718

0.17 0.21

0.50

72

7.93

193,000

SUS304

1,400~1,450

1719

0.16 0.21

0.50

76

7.86

190,000

NTK D-10S

1,400~1,450 1,400~1,450 ℃ 融点範囲

1719

1719

×10 -6 /℃

平均熱膨張係数 (0~100℃) (0~500℃)

0.16 0.21

0.16 0.21

W/㎝・℃

熱伝導率 (100℃) (500℃)

0.50 0.50 J/g・℃ 比熱

(0~100℃)

74 74 μΩ・㎝ 体積抵抗率

(20℃)

7.84 7.84 kg/(mm・m 2 ) 基本質量

190,000 190,000 N/mm 2 弾性係数

NTK D-11 NTK D-7S

Page 31: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

冷間加工特性

39.5

2.2

9.3

SUS436L

38.0

2.1

13.2

SUS304

13.0 13.2 12.9 エリクセン値

(mm)

37.6

2.1

NTK D-10S

37.8 37.9 コニカルカップ値

(mm)

2.1 ( 2.1 ) 限界絞り比

(L.D.R.)

NTK D-11 NTK D-7S

SUS304 SUS436L NTK D-11 NTK D-10S NTK D-7S

エリクセン試験結果 (2B、t=0.8mm)

( )の意味:深い絞りにおいて時期割れの可能性あり 

Dシリーズ鋼は304と同等の加工性を示す。

Page 32: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

複合試験(コニカルカップ試験) 深絞り性試験 張出し性試験(エリクセン試験)

決められた大きさの板を完全に固定

して、球頭パンチを押し下げ、割れ

が発生したときのパンチの移動距離

をミリメートルで表わした数値をエリ

クセン値という。

この値が大きいほど、張出し成形性

が良い。

様々な径の板円盤(ブランク)を用

意して、プレス絞りを行い、割れが 発生することなく円筒形に絞ること の出来る、ブランク径(D max)とパ ンチ径dとの比(限界絞り比)。 LDR (Limited Drawing Ratio) 

=  D max / d 

この値が大きいほど1回に深く絞る

ことが出来る材料。

球頭パンチと円錐ダイスを用いて 直径doの板円盤(ブランク)を円錐 形状に成形し、破断時のカップ外 縁部直径Doをコニカルカップ値とい う。

この値が小さいほど絞り性、張出し 性がよい。

【全般】 304とほぼ同等の加工性を有する。

【D-7S】 深い絞りにおいて時期割れの可能性がある。

【D-10S, D-11】

304とほぼ同等の特性を示している。

Page 33: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

磁気特性

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

200 250 300 350 400 450 500 硬さ(HV)

比透

磁率

304

D-10S

D-11

D-7S

316

S-4

Page 34: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

溶接部組織(TIG溶接 板厚0.8mm 電流90A 溶接速度600mm/min Arシールド)

HAZ部

NTK D-10S

SUS304

NTK D-11

拡大図 ビード HAZ部

SUS436L

NTK D-7S

溶接特性

Page 35: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

Vノッチ入り ビード

溶接部の機械的性質

ノッチ

ノッチ

ノッチ

ノッチ

ノッチ

破断 位置

母材

母材

母材

母材

母材

破断 位置

8 366 511 35 300 588 NTK D-10S

8 340 475 45 266 566 SUS304

8 420 588 37 320 613 NTK D-11

5 408 483 27 326 447 SUS436L

8 462 622 43 319 606 NTK D-7S

伸び (%)

耐力 (N/mm 2 )

引張強さ (N/mm 2 )

伸び (%)

耐力 (N/mm 2 )

引張強さ (N/mm 2 )

Type

Test 2 Test 1 

Test 1  Test 2 

TIG溶接試験

Page 36: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

お問合せ先

l 本社 東京都新宿区西新宿2-1-1(新宿三井ビル) 市場開拓部 TEL:03-3345-5533

l 大阪支店 大阪市中央区南本町4-2-21(イヨビル) TEL:06-6251-5351

l 名古屋支店 名古屋市東区東桜1-9-26(一光パーク栄ビル) TEL:052-962-9334

l 九州営業所 北九州市小倉北区米町2-1-2(小倉第一生命ビル) TEL:093-521-0636

l 中国営業所 広島市中区立町1-20(広島長和ビル) TEL:082-248-2401

l 新潟営業所 新潟市中央区東大通1-3-8

(明治安田生命新潟駅前ビル) TEL:025-241-6681

071122

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平成19年12月6日作成

平成21年1月29日改訂

平成22年12月1日改訂

ビル系建具金物/ステンレス材の使用における Q & A

Q1:なぜ、SUS304 に代わるステンレス鋼が必要なのですか? A1:これまでSUS304は、耐食性、耐熱性に優れ、また、加工性、溶接性にも優れること

から最もよく使用されるステンレスとして認知されてきました。しかし、昨今、世

界的にレアメタル(希少金属)が激減し、特にSUS304に含まれるニッケルは深刻な

状況で材料の高騰や供給不安を招いています。建築業界では、これまで主流で使わ

れてきたSUS304がどのような部位に必要であるかを改めて見直し、SUS304に代わ

るステンレス鋼を積極的に使用していく必要に直面しています。日本サッシ協会で

は、ステンレスメーカーの協力を得て、材料の性能や加工性等を比較評価し、これ

までのSUS304と同様に安心して使用できるステンレス鋼をガイドラインとしてま

とめました。 Q2:SUS304に代わるステンレス鋼にはどのようなものがありますか?

A2:JIS規格(SUS430J1L)品として、NSSC180、NSS442M3、JFE430CuNがあります。その他

JIS規格品としてJFE443CTがあります。

Q3:SUS430 系は、新しい材料ですか?用途、実績はありますか? A3:SUS430 系は、1970年代後半にステンレス鋼に含有しているモリブデンの価格が

急騰したために、モリブデンを省いたステンレス鋼として開発されたものです。以

降、改良を重ねながら、30年弱に亘って、自動車、家電、厨房機器など幅広く採

用されている材料です。また、ステンレスメーカー各社が、類似成分鋼種を製品化

したことから、1991年に、SUS430J1L としてJISに規格化されました。さら

に2005年には、SUS430J1L のクロム含有量を高めたステンレス鋼(JFE443CT)が開発され、2010年 5 月、SUS443J1としてJIS規格化されました。

Q4:SUS430 系に磁性があることでのリスクはありますか? A4:SUS304 に比較して磁性がありますが、SUS430 系そのものは磁石ではないので鉄粉

を引寄せるわけではありません。耐食性は磁性の有無とは直接関係ありません。

Page 38: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

Q5:ステンレスの表面仕上げによる耐食性の差異はどの程度あるのでしょうか? A5:一般的に表面が平滑なほど条件が良くなり、表面が粗いほど汚れが付着し易く条件

が悪くなります。表面仕上げの条件の良いものから鏡面、BA、2B、HL、2D

となります。なお、バレル研摩は条件や種類、電解研磨は条件(溶液、温度、時間

など)により耐食性に多少の差異があります。 Q6:本ガイドラインにおける SUS430 系の耐食性の評価はどのようにしているのでしょ うか? A6:本ガイドラインでは表-1の4種の評価方法を用いて SUS304 と同様の試験を実施

して評価しています。採用に際しては総合的な判断が必要です。

評価方法 内容

大気暴露試験

材料の耐候性を評価する試験方法(JIS Z 2381)。実際の大気

環境下で行うため、現実に即した耐候性の評価ができる。

暴露試験場の選定は腐食要因の3因子「ぬれ時間」、「海塩粒

子」、「硫黄酸化物」による影響を考慮し決定することが望ま

しい。また、暴露試験期間は 1年以上を推奨する。

(参考資料:大気暴露試験ハンドブックより)

促進腐食試験

材料の耐食性を評価する試験方法。試験の種類として塩水噴

霧、キャス試験(JIS Z 2371)、無機被覆鋼板のサイクル腐食

促進試験(JIS G 0594)等がある。

孔食電位測定試験

材料の耐食性を評価する試験方法〔JIS G 0577(1981)〕。電圧

を連続的に上げ強制的に不動態皮膜を破壊し、電流密度が 10μA・㎠または 100μA・㎠に対応する電位のうち、それぞれ

の最も貴な値で表す。値が高いほど耐食性は良く、性能を判

断するひとつの目安として用いられる試験である。

孔食指数

ステンレス鋼の耐食性を評価する指数。耐食性はCr、Mo、

およびNの含有量から算出し、値が大きいほど耐食性は良く、

性能を判断するひとつの目安として用いられる。例として

SUS304(18Cr‐8Ni)の孔食指数は次式より算出できる。

(孔食指数:PRE=%Cr+3.3×%Mo+16×%N)より

PRE=18+3.3×0+16×0

=18

%Cr、%Mo、%N:%**は各々の元素の含有量を表す

表-1

Page 39: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

Q7:SUS430 は、SUS304 及び SUS430 系に比較して耐食性に差がありますか? A7:SUS430 は、促進試験結果から見ると SUS304 及び SUS430 系に比較して、耐食性

能は劣ります。しかし、腐食速度は、炭素鋼に比べてかなり小さいため、一般環境

下においては、一般のスチール(炭素鋼)で見られる「さび発生→進行→穴明き、崩壊」

のような腐食パターンの現出までには相当の時間が掛かります。 Q8:用語と定義にある見えかかり(見えがくれ)において、目視できる(できない)部 位とは具体的にはどのような意味ですか? A8:窓においては戸が閉まった状態で目視できる(できない)金物を言います。

また、通常、人の出入り口に供される扉等では開けて目視できる(できない)金物

を言います。 Q9:ステンレス製小ねじの材質はどのようになっていますか? A9:「公共建築工事標準仕様書」、「建築工事監理指針」、「JASS16」には、小ねじの材質

はステンレスと表記されており、サッシメーカー各社では SUS304、SUS305J1、SUSXM7等が使用されています。これらに代わる、小ねじ用線材として、フェライト系の

LAK51(大同特殊鋼)や NSSC160R(新日鉄住金)等が提案されています。なお、

採用にあたっては、小ねじメーカーに詳細をお問い合せ下さい。 Q10:SUS304にかわるステンレス鋼として、ガイドラインに示された鋼種は全て

フェライト系ですが、オーステナイト系でSUS304に代わる鋼種はありますか? A10:ニッケル含有量をSUS304の約半分に押え、マンガンを含有させたオーステ

ナイト系ステンレス鋼 NTK D シリーズ(D-7S,D-11,D-10S:日本金

属工業)が販売されています。オーステナイト系ステンレス鋼ですので、SUS30

4に近い加工性、溶接性を持っています。また、SUS304に比べ加工後の磁性が

少ない特長を有しています。耐食性、加工性の解説を添付しますのでご参照下さい。

なお、採用にあたっては、取扱いメーカーに詳細をお問い合わせ下さい。 改訂履歴:平成 21 年 1 月 29 日(Q10,A10追加) 改訂履歴:平成 22 年 12 月 1 日(A2,A3に一部追記)

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改訂:2010年12月

(社)日本サッシ協会

○ 高田 芳安  三協立山アルミ(株)

服部 誠治 昭和フロント(株)

半澤 寛 昭和リーフ(株)

尾原 剛 新日軽(株)

丸山 勝範 トステム(株)

○ 須田 宏 不二サッシ(株)

西  尊氏 豊和工業(株)

◎ 鹿野 裕市 YKK AP(株)

松本 實 事務局

※ ◎:部会長、 ○:副部会長

ビル系建具用金物/ステンレス材の使用におけるガイドライン編集(改訂)メンバー

ビルサッシ委員会  ビル技術部会

Page 41: ステンレス材の使用におけるガイドライン¼ˆ※1) JFE443CT(JFEスチール) SUS 430 SUS430 各社 注記 ※1 SUS443J1とは、「SUS304と同等の耐食性を有するもの」で、SUS430J1LのCr量を高めた

(制定)2007年12月 (社)日本サッシ協会

○ 加藤 博志  三協立山アルミ(株)

田中  收   三和シヤッター工業(株)

竹内 誠一 昭和鋼機(株)

◎ 寺尾 孝雄 新日軽(株)

笹山 雅生 田中サッシュ工業(株)

渋谷 良三 テクノ・ナミケン(株)

立石 広美 トステム(株)

木村 秀雄 不二サッシ(株)

伊藤 文男 豊和工業(株)

小山内 政美 YKK AP(株)

松本  實 事務局

※ ◎:部会長、 ○:副部会長

編集協力 國岡 信哉  新日鐵住金ステンレス株式会社

矢沢 好弘 JFEスチール株式会社

藤本 康人 日新製鋼(株)

長島 友孝 大同特殊鋼(株)

ビル系建具用金物/ステンレス材の使用におけるガイドライン編集メンバー

ビルサッシ委員会  ビル技術部会