Post on 19-Jul-2020
JA全農あきたでは農作物栽培技術や農業生産資材等に関する情報を中心として、これまで「F
NETあきた」として各JA等に向けて情報発信してきました。生産現場での栽培技術や生産資材
等に特化した情報として一定の役割を果たしてきましたが、この度、栽培技術・生産資材等の情報
に加え、生産現場からの情報等、タイムリーな内容も掲載する情報誌「Za・あぐりふぉーむ」を
発刊することになりました。
皆様のお役に立てるよう情報誌の充実に努めてまいりますので、ご一読くださいますようお願い
いたします。
発刊にあたって ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1
タイトルに込めた想い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1
生産現場情報:農事組合法人館合ファームで実証した「水稲高密度播種苗移植栽培」 ・・P2
営農支援情報:水稲種子予措のポイント ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3~4
県外情報:「第37回京浜秋田会通常総会」と「京浜秋田会との合同会議」を開催 ・・・・P4~5
ご紹介:JA秋田やまもと「まごころ豆板醤」6次化アワードで入賞 ・・・・・・・・P5
お知らせ:第33代秋田県産青果物キャンペーンガール募集 ・・・・・・・・・・・・・・P6
「Za・あぐりふぉーむ」 新たな情報誌は、農業を改め変えていくという気持ちを込めて、全農あきた(Zennoh akita)
の頭文字、「農業」(agriculture:アグリカルチャー)と「改革する」(reform:リフォーム)
を合わせて、「Za・あぐりふぉーむ」としました。
よ そ
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農事組合法人 館合ファームで実証した「水稲高密度播種苗移植栽培」
JA全農あきたでは、担い手経営体の所得向上を支援するため、平成28年度からJA秋田ふる
さと管内の農事組合法人 館合ファームをモデル経営体として、農家手取り最大化に向けた営農技
術の各種実証に取り組んできました。その中で水稲育苗時の播種量が
通常乾籾100~150g /箱(催芽籾125~187g/箱)で播くところを、乾
籾250~300g /箱(催芽籾312~375g/箱)で播く「水稲高密度播種苗
移植栽培」を平成29年度から実証し、省力化・低コスト化・労力軽減
化について検討してきました。その実証内容と結果について紹介します。
高密度播種苗移植栽培の実証内容と結果
(1)播種量と苗質について
〇 品種はあきたこまちで、播種量は乾籾250g/箱(催芽籾312g/箱)
播きとし、播種後に育苗器 (30 ℃) で出芽させてからパイプハウス
へ運搬し、通常の育苗管理(プール育苗)としました。
〇 播種日は5月10日、移植日が5月25日で育苗日数が15日と慣行育
苗よりもかなり短縮できます。
〇 移植時の生育は草丈10cm程度、葉齢2.5葉前後となり、特に育苗
後半には気温が高くなることから草丈が伸びやすくなり苗質も低下
するので注意が必要です。
播種量 乾籾250g/箱
(2)田植え時の使用箱数について
○ 使用箱数は、坪当たり60株植えで10a当たり慣行
20枚に対し、高密度播種苗は10枚程度と半減し、コ
ストの低減(育苗箱、培土、ハウス面積)につなが
りました。
〇 同時に10a当たり枚数が少なくなることにより播
種時間、育苗管理時間、田植え時の苗運搬時間 ・苗
接ぎ時間が短縮され軽労化につながりました。
(3)田植え後の生育と出穂期について
〇 田植え後の生育は初期の茎数増
加が慣行栽培と比較しやや遅れま
したが、最高分けつ期以降はほぼ
同等に経過しました。
〇 出穂期は慣行栽培より遅れる(3
~6日程度)ので、慣行栽培よりは
早めに移植することが大切です。
(4)収量について
〇 令和元年度の収量は坪刈り調査で高密度播種苗栽培が624kg/10a、慣行栽培が629kg/10aと
ほぼ同等の結果となりました。
左:慣行苗 右:高密度播種苗
この結果をふまえ、農事組合法人 館合ファームでは、令和2年から高密度播種苗移植田植機を
新規導入し、約10haの本格的栽培に取り組む予定です。
水稲高密度播種苗の移植作業
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水稲種子予措のポイント 今年の稲づくりの作業がまもなくスタートします。
今冬は暖冬で経過し、気象庁の3カ月予報は4月までの気温は高い見込みと発表しました。し
かしながらこの時期の気温はまだまだ低く、 このような低温下では種子消毒剤の効果の低下や、
休眠が深まり出芽が遅れることがありますので、以下の内容に十分に注意してください。
種子予措は、健全で充実した種子を選別することから始まります。
◆塩水選
塩水選(比重選)で軽い種子を除くことにより発芽が揃い、その後の生育も優れます。塩水選
は、食塩または硫安で正確な比重液(うるち米は1.13、もち米は1.08)で行ってください。ただ
し、種子消毒剤吹き付け・塗抹済み種子は消毒剤が溶出するので塩水選は行わないでください。
◆種子消毒
種子伝染性の苗立枯細菌病、もみ枯細菌病、褐条病、ばか苗病、いもち病などを対象に行いま
す。また、種子伝染性病害(ばか苗病等)を防ぐため、自家採種は行わず、採種ほ産種子を使用
してください。
◆浸種
種子の発芽を揃えるために、発芽に必要な水分を吸収さ
せるとともに種子に含まれる発芽阻害物質を溶出させ取り
除く作業です。
浸種の適水温は10~15℃で、10℃以下の低温で浸種する
と、休眠が逆に深まる場合があります。
一方で、14℃で8日間以上浸種すると浸種期間中に発芽が開始することがあるので注意してく
ださい。また、種子消毒剤の効果を高めるためにも、10~15℃の範囲から下がらないように気を
つけてください。
浸種に使う容器は、種子量に対し大きめのものを使用してください。種子1kgに対し水3.5Lが目
安で、底の浅い平底型の容器の方が温度ムラは少なくなります。
発芽に必要な吸水量は、乾籾重の25%前後であり、浸種期間は水温10℃で6~8日、14℃では
6日間程度とします。種子消毒剤の効果を高めるため、浸種期間中の水交換は2~3回とします。
籾殻を透かして胚が白く見えるようになった頃が浸種終了の目安です。
水稲種子
とまつ
よ そ
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ま
「第37回京浜秋田会通常総会」と「京浜秋田会との合同会議」を開催 2月6日(木)、東京都の大森東急REIホテルにて秋田県青果物京浜地区連絡協議会(京浜地区の青
果物卸会社11社で構成)の第37回通常総会と合同会議が開催されました。本協議会は、秋田県に
おける青果物の生産振興と流通販売対策に関する事業を実施し、生産者の経営安定と秋田ブランド
の確立に寄与することを目的としており、秋田県、市場関係者、井
上善蔵会長(あきた園芸戦略対策協議会)、本会関係者など21名が
参加しました。
通常総会では京浜秋田会の令和元年度の事業報告や試食宣伝会の
活動内容を報告し、次年度の役員改選を協議し、会長に横浜丸中青
果の金田明万取締役主管が留任されました。 任期は2年の予定です。
続いて開催された「京浜秋田会との合同会議」では、JA全農あ
きた山田浩幹県本部長が「本県の農業生産額は4年連続で前年を
上回っているが、東北では6年連続で最下位となっている。消費
の落ち込みが大きい中で、秋田県と一体となって園芸作物の生産
振興に取り組んでいきたい。そのためにはしっかりとした販売対
策が必要。京浜秋田会市場各社の力を借りたい」と述べました。
◆催芽
催芽は、発芽の種子間差を小さくし、均一に発芽させるために30~32℃で行ってください。あ
らかじめ36~40℃の温度で湯通しを行い種子袋の内部まで温度が均一になるようにしてください。
催芽中は水分を切らさないようにし、芽の長さはハト胸程度とします。
発芽速度は品種によって異なり、同一品種の種子であっても年により休眠性に差があるため発
芽速度が異なります。また、催芽作業の時期によっても異なりますので、発芽程度(芽の長さと
芽切れの揃い)を十分観察して催芽を終了してください。
◆育苗管理
出芽温度は32℃を超えないようにし、被覆期間を過剰に長くしないようにして、出芽後の再被
覆は行わないでください。緑化期以降は25℃以上にならないように注意してください。
また、近年「もみ枯細菌病」が散見されていますので、注意してください!
あきた園芸戦略対策協議会 井上会長
挨拶をするJA全農あきた山田県本部長
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JA秋田やまもと「まごころ豆板醤」6次化アワードで入賞 JA秋田やまもとのそら豆部会加工グループが開発した豆板醤が、農水省が地域活性化や事業
の新規性・発展性等の観点で優れた事例を表彰する「令和元年度6次産業化アワード」で、奨励
賞の「国産化推進賞」を見事に受賞し、2月20日に東京都の品川グランドホールで表彰式が行わ
れました。
水田転作作物として導入したそら豆の規格外を活用した
国内初の豆板醤を、開発から生産・販売まで行っているこ
と、国産の豆板醤がないことに着目して原材料を秋田県産
にこだわり、差別化を図ってきた点が高く評価されました。
この商品の開発を思い立ったのはそら豆部会加工グルー
プの伊藤ユウ子会長で、試行錯誤を経て2001年に誕生し、
日本で初の国産豆板醤となりました。日本の豆板醤のふるさとにしようと、そら豆の生産拡大や
唐辛子生産に取り組む「小さな産地」の「大きな挑戦」が認められました。
また、本会より次年度の生産振興対策や基本方針並びに予約相対取引強化策や青果物物流プロ
ジェクト会議の設置検討について説明を行いました。
参加した市場会員からは、減少している果菜類の生産振興や物流問題、最近流行しているコロナ
ウイルスに関連して中国産農産物の輸出入等について意見
が出されました。また、「これほど県とJAが一体となっ
て、生産振興を掲げている県は他にない。産地から消費者
まで「つなぐ」ことを意識して、生産から販売まで取り組
んでほしい」との激励の声をいただきました。
総会の様子
受賞した豆板醬について説明する 伊藤会長
まごころ豆板醤のブース そら豆部会加工グループのメンバー
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◇第33代 秋田県産青果物 キャンペーンガール募集◇
秋田県産青果物の販売促進を図るため、全国で県産青果物のPR活動を明るく元気に行ってく
れる方を募集しています!!
<応募資格>
①満18歳以上の未婚の女性
②秋田県内在住者(本籍・職業不問)
➂秋田県出身の東京近郊在住者(職業不問)
➃県内外でのキャンペーン、イベントに従事できる方
⑤2次審査へ出席可能な方
※ミス〇〇、キャンペーンガール、イベントコンパニ
オン等の任期が重複する方は応募できません。
<応募方法>
市販の履歴書に必要事項と身長を記入し、3ヵ月以内に撮影した鮮明なカラー写真2枚
(全身、上半身各1枚、12cm×8cm程度のもの)を添えて郵送または持参してください。
応募締め切り:4月20日(月)当日必着
詳しくはJA全農あきた園芸畜産部園芸課内「キャンペーンガール募集」係
電話 018-864-2495までお問い合わせください。
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