Post on 24-Aug-2020
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●〔国語科実践概要〕
「楽しい授業」、「力のつく授業」
の創造~「学びやすい」、「学びたくなる」及び「学び続
ける」3つの柱を基盤とした実践を通して~
大分県佐伯市立佐伯南中学校 石田 周一いしだしゆういち
【実践の概要】
本研究は、中学校国語科における基礎・
基本の定着を、より確かなものにするために
取り組んできたものである。
学習者の実態分析やさまざまな実践例及び
文献を参考にしながら研究を進めてきた結
果、 「『学びやすい』学習環境づくり」、「『学び
たくなる』学習活動の工夫」、「『学び続ける』学
習の手立ての開発」を柱とした学習指導法を
組み立て、現在実践中である。
本論文では、これまでの研究の成果と課題
を報告する。
【主な実践】
1 「『学びやすい』学習環境づくり」の実践
本実践は、米国のCASTによる「学びの
ユニバーサルデザイン(UDL) 2008 年」
の理念をもとにしたものである。「できるだ
け多くの学習者が利用可能である学習環境を
デザインすること」をコンセプトととし、授
業改善に向けたポイントを次のように設定し
た。
①学びの「見通し」がもてる授業スタイルの確立
②授業の流れがとらえやすい「板書の工夫」
③「視覚的な理解」を促す掲示物の工夫
④「肯定的に評価」する言葉かけの充実
⑤一人ひとりの学習者に「活躍の場」を保障する学習
活動の工夫
2 「『学びたくなる』学習活動の工夫」の実践
学習者の学びを、より主体的なものにする
ためには、何よりも「学習意欲」を高めるこ
とが必要であると考えた。そこで、単元学習
の内容を工夫し、学習者が最後まで意欲的に
取り組める学習活動についての研究に取り組
み、授業に導入してきた。これまでの主な単
元学習の主題名は次の通りである。
①【小学校6年生時の担任の先生へ、新生活について
の報告文を送ろう。】(1年)
②【東日本大震災の被災地に向けて、自分の思いを
届けよう。】(2年)
③【外国人用の「佐伯市観光パンフレット」を作成しよ
う。】(2年)
④【小学校低学年向け「佐伯漁港への道案内」を作
成しよう。】(3年)
3「『学び続ける』学習の手立ての開発」の実践
基礎・基本の定着を、より効果的に促進す
るために、毎日の継続した学びを考え、次の
ような実践を続けている。
①授業開始時のペアスピーチ学習
②掲示板を利用した「言語力を高める広場」の設置
③小中9年間を通した語彙指導の研究
4 成果と課題
以上のような実践を重ねることにより、徐
々にではあるが、学習者の基礎・基本の定着
が上向いていることが明らかとなった。
特に定着が十分でない学習者が、授業の楽
しさや学習の達成感を実感することで、学習
意欲を高め、それを基礎・基本の定着に向け
た原動力として主体的に活動するようになっ
たことは、この実践の大きな成果だといえる。
今後は、学校図書館の活用、他教科及び小
学校との連携、外部機関との協働等、あらゆ
る可能性を考慮した学習活動の創造を課題と
し、学習者一人ひとりのニーズにしっかりと
応えられる国語科学習指導法の研究をさらに
深めていきたいと考えている。
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第1学年 国語科学習指導案平成26年6月25日(水)
授業者 教諭 石田周一学習者 1年4組(23人)
1 単元名 好きな詩を集めて、「オリジナル詩集」を作ろう!「はじめての詩」、「詩四編」(国語1 光村図書)、「戦争とかぼちゃ」清水たみ子(民衆社)
2 単元にかかる学習者の実態○4月当初、「のはらうた(工藤直子)」で朗読の仕方についての学習をしている。どの単元も意欲的に取り組む学習者が多く、ペアや班での学習を活用し、やや消極的な学習者を意図的に授業に参加させるスタイルを継続している。
○観点別評価や定期テストなどの結果、基礎・基本の定着状況が十分でないと思われる学習者が明らかとなった。「楽しい授業」とあわせ、「力のつく授業」をどのように構築していくかが授業者の課題である。
3 単元目標○筆者の詩の言葉に対する考え方や四つの詩の音読などを通して、詩や文学に対する理解を深めさせる。[関心・意欲・態度]○筆者の経験に基づく文章に表れている、ものの見方や考え方を捉えさせ、自分の体験と比較し、ものの見方や考え方を広げさせる。[読むこと]○口語詩・文語詩の分類や詩の表現の特徴について理解さる。[読むこと]
○比喩や体言止めなどの表現技法について理解させ、自己の表現に役立たせる。[伝国]
4 単元の評価規準○場面の展開や登場人物の描写に注意して読み、内容の理解に役立てている。【読むこと(1)ウ】
○文章に表れているものの見方や考え方をとらえ、自分のものの見方や考え方を広くしている。【読むこと(1)オ】○本や文章などから必要な情報を集めるための方法を身に付け、目的に応じて必要な情報を読み取っている。【読むこと(1)カ】
5 単元を貫く言語活動
詩の味わい方を学び、「オリジナル詩集」を作る。
6 指導と評価の計画(6時間)
学習 時 各時間における学習目標 具体的な学習活動及び手立て 指導事項及び評価規準過程 (付けたい力)
・4 月当初、「のはらうた 工藤直子」を学習している。声の出し方や大きさ、間の取り方など朗読の仕方について学んでいる。
・国語科の学習においては、ペアやグループによる学習を習慣化している。そうした学習に意欲的に取り組めるよう配慮した授業を継続している。●本文を通読し、筆者と詩との出会いを捉える。①学習目標を確かめ、大まかな学習の流れ(「詩」について説明文を 【読むこと(1)オ】・学習材「はじめての詩」荒川洋治 読み、選んだ詩について、その良さを研究し、学習の成果を三年生 ・文章に表れているものの見方や
に紹介すること)を知る。 考え方をとらえることができ②全文を読み、新出漢字や語句を確かめ、初発の感想を「100 字作文 る。
1 用紙」に書く。 【家庭学習①】 <ワークシート①>に取り組む。●筆者の「文学の言葉」についての考えを捉え、①文章の構成を確かめながら、内容を読み取る。 【読むこと(1)ウ】
自分の体験と比較しながら、それについての ・範読を聞きながら、漢字の読み方や内容を確認する。 ・口語詩と文語詩の分類や詩の表意見を交流する。 ・詩に出会ったときの筆者の喜びをとらえ、ノートにメモする。 現の特徴について理解し、それ
②筆者の「文学の言葉」についての考えを要約する。 らの内容について、自分の考え
2 ・学習材「はじめての詩」荒川洋治 <ワークシート①> をもつことができる。③筆者の考えについて、自分の体験と重ねながら意見をもつ。
<ワークシート①>④意見を交流し、感想を述べ合う。
【家庭学習②】 ・「戦争とかぼちゃ」の音読練習・<ワークシート②>に取り組む。
●詩中の言葉にこめられた作者の思いを考えな ①「戦争とかぼちゃ」の朗読をする。 【読むこと(1)ウ】
がら、詩の読み味わい方を学ぶ。 ・代表の学習者が黒板前に並び、朗読する。 ・詩の中の言葉に着目し、作者の・学習材「戦争とかぼちゃ」清水たみ子 ・朗読を聞いた感想を付せんにメモする。 思いを読み深めることができ
3 ・発表者に付せんを渡す。 る。②第五連を提示し、「野菜」を修飾する最後の一語語について考える。
・班内で意見を出し合い、考えをまとめる。※ホワイトボード・黒板にまとめ、考えたことを交流する。
③「かなしい」にこめられた作者の思いを考え、100 時作文用紙にま
とめる。④次時の学習を知る。
【家庭学習③】 <ワークシート③に取り組む。●前時の学習の振り返りをする。 ①担当した詩ごとにグループを作る。 【読むこと(1)ウ】
●七編の詩の中から一つを選択し、その詩の内 ※各4名。前日に詩を書いた封筒とワークシートを渡している。 ・詩の中の言葉を手がかりにしな容や情景、特徴などを読み取る。 ②観点に沿って詩を分析する。 がら、いくつかの視点で詩を理
4 ●詩の情景や特徴などを理解し、作者の思いが ※感じたこと、音読したときの特徴、表現技法等)<ワークシート 解することができる。
伝わるような朗読のしかたを考える。 ③> ・時間的、空間的な場面の展開や・学習材 ③分析したことを班でまとめる。 情景描写などに注意して、詩を
「りんご 山村暮鳥」「山のあなた カール・ブッセ」 ※ホワイトボードの活用 読み深めることができる。「おれも眠らう 草野心平」「蝉頃 室生犀星」 ④分析したことをもとに、朗読の練習をする。
「雲 山村暮鳥」「チューリップ 三好達治」 ⑤分析結果と詩の朗読を発表する。「心よ 八木重吉」 【家庭学習④】 「国語の学習」(ワークブック)で理解を深める。】
●「オリジナル詩集」作りの準備をする。 ①これまでの学習を振り返り「詩の味わい方」についての確認をする。 【読むこと(1)オ】
5 ②学習方法及び用紙の書き方についての説明を聞く。 ・詩に表れているものの見方や考③さまざまな詩を探し、選んだ詩に関する解説文をつくる。 え方をと らえ、自分のものの
【家庭学習⑤】 選んだ詩と学習したことを専用の用紙にまとめる。】 見方や考え方を広くすることが●作成したシートを交流し、オリジナル詩集 ①グループごとに作成したシートを交流する。 できる。
6 を作成する。 ②各自で編集した詩を綴じ、詩集にする。 【読むこと(1)カ】
③本単元学習の感想をまとめる。 ・さまざまな詩に関する書物から、必要な情報を探すことがで
きる。・できあがった詩集は教室に保管し、随時閲覧できるようにする。
・学級通信などを通して、保護者にも学習の成果を紹介してもらうように働きかける。
事
前
導入
追
究
事後
第
1
次
本時第
2
次
第
3
次
活
用
読むこと
- 2 -
7 本時案(3/6)(1)題材 「戦争とかぼちゃ」の主題を考えよう(2)主眼 詩中の言葉にこめられた作者の思いを考えながら、詩の読み味わい方を学ぶ。(3)展開
学 習 活 動 時間 指 導 上 の 留 意 点 評 価 規 準●ペアスピーチをする 3①「戦争とかぼちゃ」の朗読をする。 ○各班の代表者が黒板前に並び、朗読する。 【読むこと(1)ウ】
※前日に班代表を決める。全7名による朗読を聞かせる。 本時の評価○朗読を聞いた感想を付せんにメモする。 ①ワークシートの内容
7 ・声の大きさ、間の取り方、抑揚など (4 月に学習済み) ②話し合いの様子
○感想を書いた付せんを代表者に渡す。 ③振り返りのコメント内容
<評価規準>②第五連を提示し、「野菜」を修飾する語に <ノート添付用プリント配布> 詩の中の言葉に着目し、作者
ついて考える。 ○「たのしい」 の思いを読み深めることがで・学習者全員に問いかけ、口頭で考えを確認させる。 きる。・詩の中のラベルをはがし、作者が用いた言葉を知らせる。
30 ・詩の言葉を考える意欲を高める。 [B]最後にあてはまる言葉を○「かなしい」 もとにして、戦争に対する怒
・口頭で確認後、ラベルをはがすが、そこに言葉は明記されていない。 りや反対する気持ちなどをま・グループを作り、意見を出し合い、考えをまとめさせる。 とめている
※ホワイトボードに話し合いの様子を記入させる。※発表の際にはボードを用いて、考えたことを交流することを知らせる。 [A]「たのしい」と「かなし
・考えた言葉を確認する。 い」という対照的な言葉を用
・各班ごとの話し合いの結果を発表させ、板書する。 いた作者の意図に言及し、戦・原文を紹介し、その言葉のもつ重みについて考えさせる。 争に対する憤りの気持ちをま
とめている。
③「かなしい」という言葉の意味を考え、 < 100 字ミニ作文用紙配布>作者の戦争に対する思いを考える。 ○「かなしい」が作品の主題に通じる言葉であることを説明た上で、この詩を通して作
者は戦争に対するどのような思いを伝えたかったのかを、作文用紙にまとめさせる。
○記入後、ノートに貼りつけさせる。○授業の感想→自己評価。
○ノート提出。5
④本時のまとめと次時の学習を知る。 5 ○学習後の課題について説明し、学習材を配布する。※ 100 字作文用紙に、自分の考えを書く。
8 本時の板書計画
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第1学年 国語科単元学習計画表第1学年 国語科単元学習計画表1 単元の名前 好きな詩を集めて「オリジナル詩集」を作ろう!
2 教科書で学習すること
①「はじめての詩」 ②「詩四編」(国語1 光村図書)、他三編(「国語の学習」) ③「戦争とかぼちゃ」
3 最後にできあがるもの
1年○組編「オリジナル詩集」!4 学習計画(5時間)学習 主とする学習の流れ 時 各時間における学習のめあて 具体的な学習活動及び手立て 自己評価過程 (ABC)
●本文を通読し、筆者と詩との出会いをとらえる。 ①学習目標を確かめ、大まかな学習の流れ(「詩」について説明文を読み、選んだ詩について、その良さを研究し、1 ・学習材「はじめての詩」荒川洋治 学習の成果を「オリジナル詩集」にすることを知る。
②全文を読み、新出漢字や語句を確かめ、初発の感想を「100 字作文用紙」に書く。【家庭学習①】 <ワークシート①>に取り組む。
●筆者の「文学の言葉」についての考えを捉え、自 ①文章の構成を確かめながら、内容を読み取る。分の体験と比較しながら、それについての意見 ・範読を聞きながら、漢字の読み方や内容を確認する。
2 を交流する。 ・詩に出会ったときの筆者の喜びをとらえ、ノートにメモする。・学習材「はじめての詩」荒川洋治 ②筆者の「文学の言葉」についての考えを要約する。<ワークシート①>
③筆者の考えについて、自分の体験と重ねながら意見をもつ。<ワークシート①>④意見を交流し、感想を述べ合う。【家庭学習②】 「戦争とかぼちゃ」の音読練習・<ワークシート②>に取り組む。
●詩中の言葉にこめられた作者の思いを考えなが ①詩の基本的事項について確認する。ら、詩の読み味わい方を学ぶ。 ・詩の形式 ・構成(連の数) ・時代背景
・学習材「戦争とかぼちゃ」清水たみ子 ②「戦争とかぼちゃ」の朗読会をする。・代表の学習者が黒板前に並び、朗読する。
3 ・朗読を聞いた感想をノートにメモする。・班内で朗読。→ ・各班の代表1名(全6名)による朗読。
③第五連を提示し、「野菜」を修飾する最後の一語語について考える。・班内で意見を出し合い、考えをまとめる。※ホワイトボード・黒板にまとめ、考えたことを交流する。
④作品の主題を考える。・100 字作文用紙に、自分の考えを書く。< 100 字作文用紙>・グループ内で発表しあい、交流する。・数名の学習者が考えを発表する。
⑤次時の学習を知り、家庭学習の課題を受け取る。【家庭学習③】 自分の担当の詩について予習する。】
●七編の詩の中の一つについて、その詩の内容や ①「詩四編」及び三編を音読し、それぞれの詩の大まかな内容をとらえる。情景、特徴などを読み取る。 ・ペアで音読し合い、使われている言葉の特徴やリズムを体感する。
●詩の情景や特徴などを理解し、作者の思いが伝 ・範読を聞き、漢字や読み方を確かめる。4 わるような朗読のしかたを考える。 ・再度音読し、全ての詩の内容を考える。<ワークシート③>
・学習材 ②グループで、学習発表に向けた準備をする。「りんご 山村暮鳥」「山のあなた カール・ブッセ」 ・各4名で一編の詩を担当する。「おれも眠らう 草野心平」「蝉頃 室生犀星」 ・観点別に詩を分析する。(○感じたこと、○音読したときの特徴、○表現技法等)「雲 山村暮鳥」「チューリップ 三好達治」 ・分析したことを班でまとめる。<ワークシート③>「心よ 八木重吉」 【家庭学習④】 「国語の学習」(ワークブック)で理解を深める。】
●1年○組編「オリジナル詩集」作りの準備をする。 ①これまでの学習を振り返り「詩の味わい方」についての確認をする。5 ・学習教室「図書室」 ②学習方法及び用紙の書き方についての説明を聞く。
③さまざまな詩を探し、選んだ詩に関する解説文をつくる。【家庭学習⑤】 選んだ詩と学習したことを専用の用紙にまとめる。】
●作成したシートを交流し、オリジナル詩集を作成 ①グループごとに作成したシートを交流する。6 する。 ②各自の詩を綴じ、詩集にする。
③本学習の感想をまとめる。
導入
追
究
第
1
次
学習の計画と目標を立て、自分の体験と比較しながら、筆者の考えについての理解を深める。
詩の味わい方を活
用し、自分の好き
な詩を読み深める。
選択した詩を読み
深め、その詩につ
いて学習したこと
を交流する。
第
2
次
第
3
次活
用
- 1 -
戦争とかぼちゃ
清水
たみ子
毎年夏になると
八百屋の店先に
かぼちゃがでてくる。
そうすると、わたしは
いつも思い出す。
戦争に敗れたあの年、
東京の焼けあとには、
かぼちゃがたくさんはっていた。
「なにがなんでも
かぼちゃをつくれ」
焼けのこったコンクリートのへいや
電柱に、
そんな標語が
べたべたはってあった。
小さいわたしは、
やぶれた運動靴で、
「な、に、が、な、ん、で、も、か、ぼ、ち、や、を、つ、く、れ」と
一つ一つ立ちどまって読みながら
学校へいった。
焼けなかったわたしたちの学校には、
同じ町の、焼けだされた学校が
同居していた。
本も、ノートも、えんぴつも、ない子ばかり。
「おかあさん、
- 2 -
学校のそばのやみ市じゃ
いわしが七ひき十円よ」
わたしたちは、
そんなことばっかりいっていた。
そして、毎日
かぼちゃをたべた。
いり豆ごはん、お皿にかぼちゃ、
おわんにもかぼちゃ。
「かあさんのいなかでは、
かぼちゃを
ぼんぼらっていうのよ、
おもしろいでしょ」
だまってたべているわたしたちを、
おかあさんは
たのしくわらわせようとするのに、
みんなわらわなかった。
空しゅうのはげしい晩
病気でなくなったおとうさんを、
みんな心に考えていた。
「じゃ、くりかぼちゃ、きくかぼちゃは、
くりぼんぼら、きくぼんぼらね、
ぼんぼら
ぼんぼら……」
わたしが大きい声でいったら、
ようやくみんなわらったっけ。
- 3 -
電車の中にも、
かぼちゃは
いばってのっていた。
人間が
かぼちゃのリュックにおしつぶされて、
くるしがっていた。
あのころ、おとなりの栗木さん一家は、
どこかへ
ひっこしていった。
庭のかぼちゃを
ゴムまりぐらいのちいさいのまで、
全部、ちぎってもっていった。
「すぐ立ちのけなんていう
不人情なやつらに
のこしてやることはないんだ」
いつもおとなしいおじいさんが、
だだっこみたいに
庭でどなっているのを、
おかあさんは聞いたという。
「かぼちゃ、かぼちゃ、くりぼんぼら・・・」
うたのようにくりかえしていると、
なにかこっけいで、たのしい野菜なのに、
戦争は、
かぼちゃを
野菜にした。
「かたつむりの詩」清水たみ
子
かど創
房
より
- 4 -
「かぼちゃ、かぼちゃ、くりぼんぼら・・・」
うたのようにくりかえしていると、
なにかこっけいで、
野菜なのに、
戦争は、
かぼちゃを
野菜にした。
に使われているのではないかと思う言葉を考え、交流しよう。
の言葉
その言葉を考えた理由
の言葉をもとに、戦争に対する作者の思いをまとめよう。
- 5 -
第一学年国語科ワークシート①
「はじめての詩」
(
)番(
)
筆者と詩との出会いを「筆者の心情」と「行動の変化」をヒントにとらえよう。
○筆者の身近なものが作品に表現されている
うれしさが表れている部分はどこでしょう?
○筆者が詩を
書き始めたころの話が紹介されている部分はどこでしょう?
【まとめ】筆者は
どんなことに対して、どのような気持ちをもっているの?
筆者の「文学の言葉」にたいする考え方をとらえよう。
○詩人としての筆者が考える
「本来の文学の言葉」について述べている部分はどこ?
【まとめ】筆者が私たちに、
最も伝えたいことはなんだろう?
読書の経験を通して、筆者の考えに似た経験をしたことはないですか?
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第一学年国語科ワークシート②
「戦争とかぼちゃ」
(
)番(
)
詩の形式
・・・
(
)
連の数
・・・
(
)
詩の構成
(
)のことを思い出しながら、その時の様子を詩に表している。
【これがわかる言葉や表現を探そう。】
音読したときの特徴。(どんなことが分かった?どんなことを感じましたか?)
この詩を読んでの感想を書いてみよう。
この詩を読んでのイメージしたことをイラストにしてみよう。(できるかな?)
- 7 -
第一学年国語科ワークシート③
「詩四編」
(
)番(
)
自分の担当する詩
・・・
題名(
)
作者(
)
詩の形式・連の数
・・・
(
)・(
)連
詩の構成
・・・
(
)
詩の分析
(一)感じたこと
※詩のイメージを五感にわけてとらえる。
①
視覚(色は?何が見えそうですか?
など)
②
聴覚(どんな音がしそうですか?
など)
③
触覚(どんな手触りがしそうですか?
など)
④
味覚(どんな味がしそうですか?
など)
⑤
嗅覚(どんな香りや匂いがしそうですか?
など)
(二)音読したときの特徴(どんな感じがした?など)
(三)難しい言葉は?
(四)表現の特徴は?
(五)どんな感想をもちましたか?