MAXI & Astro-E2 時代の binary 研究

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2-10keV の全天モニタの感度とモニタ頻度. X線源の 明るさ. X-ray nova. 1 Crab. Be Binary. Be Binary recurrent. CI Cam. Her X-1. HEAO-1 A1. 1 00mC. Ariel V Ginga/ASM. 1 0mC. Discovery space for MAXI. XTE/ASM. MAXI. 1 mC. 1 0y. 1h. 1 d. 1w. 1 y. タイムスケール. 現在. 2004. 2005. 2006. 2007. 2008. - PowerPoint PPT Presentation

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   MAXI & Astro-E2 時代のbinary 研究

概要

MAXI 以前は観測できなかった遠方の X 線新星を発見し、その光度変化を追うことができる。 X 線新星のサンプル数が飛躍的に増加する。明るい新星は、増光前、増光後のより暗い時期まで監視できる。

   時間 [ days ]

天体

のX

線強

度 

[mCrab]

0 100 200

1

101

102

104

105

103

1周回

1週間

X 線新星出現 !

MAXI を用いた高感度・長期 X 線変動モニタ

MAXIの感度

MAXI以前の感度

MAXIのホームページ:  http://www-maxi.tksc.jaxa.jp/E-mail: mihara@crab.riken.jp

○三原 建弘、小浜 光洋 ( 理研 ) 、松岡 勝、上野 史郎、冨田 洋、磯部 直樹、片山 晴善、森井 幹雄、横田 孝夫、倉又 尚之、川崎 一義 (JAXA) 、常深 博、宮田 恵美 ( 大阪大 ) 、河合 誠之、片岡淳 ( 東工大 ) 、吉田 篤正、山岡 和貴 ( 青学大 ) 、根来 均 ( 日大 )

MAXI は、全天の X 線天体を史上最高の感度で監視する。その観測対象は、我々の銀河系内の天体だけでなく、銀河系の外の天体にも及び、広く宇宙で起こっているダイナミックな振る舞いを調べることが初めて可能になる。 MAXI によって全天 1000 個を越える X 線天体の 1 時間から1年にわたる X 線強度の監視が行なわれる。 急に増光する X 線新星やガンマ線バーストなど突発的な天体は、即時にデータを解析してインターネットを通して世界に速報され、 Astro-E2 を含めたいろんな望遠鏡で早期に詳しい観測が可能になる。ここでは MAXI, GLAST, Astro-sat などが実現する All-sky monitor 新時代における Astro-E2 の意味を binary 研究の面から考えてみた。

MAXI の打ち上げ  2005/2/26 に H-IIA7 号機が無事打ち上げられ、固体ブースター事故から復帰した。スペースシャトルもコロンビア事故からの再開機 STS-114( 野口宇宙飛行士搭乗 )が 5/15 に打ち上げ予定で進んでいる。これで MAXI の打ち上げも見えてきた。 MAXI は 2008 年度 ( 夏期か冬期 )に HTV 初号機に格納され H-IIA ロケットで打ち上げられる予定である。

P16

All-Sky monitor 新時代 下の年表の通り、 MAXI が 2008 年に打ち上げられ、 2年以上稼動する同時期には、 GLAST (アメリカ)、 Astro-sat( インド ) が動いているはずである。また Lobster も ISS には乗りそうにないものの、衛星搭載の道を模索しているので上がるかもしれない。 GLAST は GeV の広視野の観測装置であり、 Astro-sat には XTE/ASM のような小型の全天モニタが搭載される。 Lobster はチャンネルプレートを利用した集光系で軟 X 線帯である。

  XTE/ASM はまだ動いているかもしれない。 INTEGRAL は広視野の装置を持ちまだ動いているだろう。ガンマ線バースト衛星 Swift もまだ動いているかもしれない。これらは感度が低いが、独自の時間スケール、エネルギー帯をカバーする。

MAXI の感度と Discovery space

下図は各 All-sky monitor の感度とモニタ頻度を書いたものである。 

1h 1 d 1w 1 y

1 Crab

1 00mC

1 0mC

1 mC MAXI

XTE/ASMDiscovery space     for MAXI

1 0yタイムスケール

HE

AO

-1 A

1

X-ray nova

CI Cam

Her X-1

Be Binary recurrentBe Binary

Ariel VGinga/ASM

X線源の明るさ

2-10keV の全天モニタの感度とモニタ頻度

長期にわたって活躍している XTE/ASM は全天を網羅できる感度が 50mCrab 程度である。この深度で定常 X 線源は 23 個、トランジェントは 1 観測あたり平均 2.4 個である。 MAXI はその20倍の感度なので X 線源数は 201.5=90倍に増えるであろう。ざっと定常 X 線源が 1000 個、トランジェントが平均 100 個である。

Arial V 、 Ginga/ASM 、 XTE/ASM は感度は似たようなものだが、稼動時期が異なるため、三者三様の活躍をした。 MAXI とて、もちろん同様のチャンスがある。

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

MAXI

ASTRO-E2

Swift

INTEGRAL

GLAST

Chandra

XMM-Newton

Lobster

RXTE

現在

Astro-sat

 ブレーザー天体などの GeV 天体の放射を理解するにはX 線の観測が必要不可欠である。 GLAST の感度と、明るい AGN までモニタできるようになった MAXI の感度は同程度 (1mCrab) であり、よきパートナーである。これにより 10keV X 線と GeV ガンマ線の全天無バイアス観測が実現する。 Lobster も加われば 1keV X 線も追加される。銀河系内天体のみならず、系外天体も含めた「本日の宇宙 X線天体の活動状況」 「宇宙の高エネルギー天体の動的なカタログ」が実現する。X線天体の発現は天気などと違い、不規則かつ予測不可能である。そのころの Astro-E2

 そのころポインテイング衛星としては、 Astro-E2 のほか、 Chandra 、 XMM が健在だろう。 Astro-E2 は、3年間の XRS 時代を終え、 CCD と HXD を中心とした broad-band 観測衛星となっているだろう。チャージインジェクションなどにより CCD は「あすか」や ACIS-Iほどは劣化していないだろう。長時間観測も比較的容易になっているだろう。 MAXI のアラートを元に、フレアを起こしたジェット天体の TOO 観測や AGN の詳細モニタ観測ができるだろう。 GRS1915 のような天体からの吸収線は十分観測できる。 MCG-6-30- 1 5 のような明るくなった AGN からの disk line の観測も十分可能である。長時間広帯域観測を行うことで、 Disk line について新見識が得られるかもしれない。

トランジェント天体とバイナリ研究  X 線天文学の歴史を見るに、トランジェント天体で知見が一気に広がったという例が多い。X線天体の変動は不規則であるので、明るくなったのを検知して、その放射を集中的に研究してきたという経緯がある。1つには単に明るいことを利用したということであるが、もう1つには、ある運動を調べたければそのタイムスケールで見なければならないということがある。例えば、降着円盤全体の不安定性は1時間から1週間の変動に現れる。

 トランジェントと言っても系に応じていろんなタイムスケールがある。変動は各X線源でまちまちなので、いろんなタイムスケールで監視しなければならない。

 X線天体も系が銀河団などと大きくなると、その変動は期待できない。運動のスナップショットを数多く撮って研究することになる。AGNのように 108Mo のブラックホールだと微妙なところで、典型的な1日という観測時間では短すぎる。そこで高感度全天モニタの出番となる。

トランジェント天体と発見

I 型 X 線バーストの光度    NGC6624

X 線新星の降着円盤  A0620-00 GS2000+25

Be バイナリパルサーのサイクロトロン共鳴線 X0115+63

ジェット天体の鉄吸収線   GRS1915+105

ブレーザーのシンクロトロン放射と逆コンプトン放射 Mkn421

ガンマ線バーストの正体解明    GRB970228 GRB030329

 

MAXI と Astro-E2 のバイナリ研究  MAXI と Astro-E2 のバイナリ研究は、

 1.MAXI の豊富なデータベースを元に観測タイミングを図る。

 2.MAXI で発見したトランジェントを Astro-E2 で詳細に調べる。 広帯域スペクトルを取得し、数時間以短の時間変動を調べる。

のが主になろう。その時は、既存の観測スタイルに加え、現在 XTE/PCA で行われているような

 1.素早い TOO 観測   例。アラート後1日以内に見る。

 2.連続モニタ観測   例。 3日に2時間見るのを1ヶ月続ける。

が必要となるだろう。

ここで XTE/ASM の観測例を示して、このようなライトカーブが、この 20倍の感度で取れるということを想像していただきたい。

XTE/ASM の観測例 Levine 2005

Frequent transients

Non-periodic variations

Long-term periodicities

Hardness light curve

Spin period