セラピストが見る レントゲン所見 - c-rehab.com · 頸椎のレントゲン写真....

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~頸椎・腰椎~

セラピストが見る

レントゲン所見

東京天使病院 リハビリテーション科長 佐々木 良

初級編1

X線は電磁波の一種 放射線は粒子線と電磁波に大別される。電磁波には様々な種類があり、マイクロ波 赤外線 紫外線等がある。 見える電磁波を可視光線という。放射線(ほうしゃせん、radiation)とは、“移動中のエネルギー”であり、日光、音波、水面の波など、多くの種類が存在する。

エックス線検査の原理

• エックス線吸収係数(μ)は物質の原子番号の3乗と密度に比例し、μが大きいほど白く写る=高濃度。

• μは骨 >筋肉 >脂肪>肺

難しいことは覚える必要なし。

要は「手のひらを太陽に透かしてみれば♪」と同じ。

可視光線ではなく、それがX線であるだけの違い。

骨関節の診断に必要な基礎知識

読影の基本はABCS

A:Alignment(配列) B:Bone(骨) C:Cartilage(軟骨) D: Distribution(分布) S:soft tissue(軟部組織)

頸椎のレントゲン写真

頸椎解剖 復習

頸椎 前後像

頸椎単純撮影 前後像 撮影方法

前後像はluschka関節ならびに第3頸椎から上部胸椎、椎間腔の観察に適している。

頸椎 側面像

頸椎単純撮影 側面像 撮影方法

側面像は頸椎のアライメント、個々の椎体の形態、椎間腔、棘突起、椎間関節、脊柱管前後径の観察に適している。

頸椎 斜位像

頸椎単純撮影 斜位像 撮影方法

斜位像は椎間孔の変化をみる為に重要。Luschka関節の

骨棘による狭小化は頸椎神経根症の発症因子。頸椎脱臼の場合の椎間関節突起のLocking等も観察できる。

前後像 主要所見

側面像 主要所見

脊柱管前後径 A-P diameter(APD) C4-C5椎体レベルの正常成人(日本人) 男性14.5mm 女性13.9mm 13mm以下は異常 狭小例

斜位像 主要所見

前後屈での頸髄の形態的変化

後縦靱帯および黄色靱帯は後屈位で、「たるむ」ので、その分肥厚する。

側屈による回旋カップリングモーション

カップリングモーションは椎間関節によって起こる。正面像で棘突起が回旋している場合、椎間関節の評価も必要。

椎体前面の骨棘による嚥下障害

大きな骨棘は食道を圧迫して物理的な通過障害となる。

頸椎動態撮影

最大前屈・後屈位で撮影する。本法は、不安定椎の診断に必須で、椎体の前・後方すべり、椎間腔の異常な圧縮や開大、圧迫骨折後の偽関節等の診断が可能。

頸椎動態撮影

動的脊柱管狭窄

頸椎の前屈・後屈により脊柱管狭窄が増強し、症状が増悪する

腰椎のレントゲン写真

腰椎 前後像

腰椎単純撮影 前後・後前像 撮影方法

腰椎 側面像

腰椎単純撮影 側面像 撮影方法

腰椎 斜位像

腰椎単純撮影 斜位像 撮影方法

前後・後前像 主要所見

側面像 主要所見

腰椎すべり症の動態撮影像 左前屈 中間位 右後屈像 L4/5の不安定性認める

犬の首輪サイン

椎間孔の変性による骨化像や骨棘形成 椎弓根の距離で左右の脊柱管径がわかる

腰弓の変性所見

椎体の変性所見

椎間関節と関節突起間部の変性所見

腰椎で見る簡易骨粗鬆症診断 東京慈恵会医科大学式骨委縮度分類

蛇足ですが、骨粗鬆症のMD法の一部も

MCIが1/2以下で骨粗鬆症