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薬の基礎知識お伝えします! ~飲み方、飲み合わせ、 副作用、サプリメントについて~

NTT東日本札幌病院 健康セミナー

2017年8月19日(土)

薬剤師 田中哲也

本日の内容

1.薬剤師とは?

2.薬のチェックポイント

3.作用と副作用

4.薬の飲み合わせ

薬剤師とは? 薬剤師法 第一条

薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生

をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び

増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保

するものとする。

こんなところに薬剤師 病院

調剤薬局・ドラッグストア

製薬会社

大学

保健所

学校薬剤師

本日の内容

1.薬剤師とは?

2.薬のチェックポイント

3.作用と副作用

4.薬の飲み合わせ

薬のチェックポイント

①用法用量

②服用期間

③注意事項

2-①用法用量 薬には安全で最も効果のでる適正量があります。

薬は適正量服用しましょう

薬の数字は効果の 強さを表しているの? 同じ有効成分の薬であればmgや%の数字が大きくなれば、効果も強くなります。

例)降圧作用の比較

アムロジピン5mg>アムロジピン2.5mg

薬の数字は効果の 強さを表しているの? しかし、有効成分が異なる場合、mgや%の数字だけで比較することはできません。

例)鎮痛作用の比較

ボルタレン25mg>ロキソプロフェン60mg

用法について 食 前:胃の中に食べ物が入っていないとき

(食事の30分前)

食直前:食事のすぐ前

食 後:胃の中に食べ物が入っているとき

(食事の後30分以内)

食 間:食事と食事の間(食事の2時間後が目安)

就寝前:就寝30分くらい前

頓 服:発作時や症状のひどいとき

飲み忘れた場合は(一般的に) 次の服用時間までに時間の間隔がある場合は、

飲み忘れに気付いたらすぐに飲みましょう。

次の服用時間が近い場合は、1回分飲むのを

やめます。

(2回分まとめて飲んではいけません。)

飲み忘れた場合は(一般的に) 食後服用の薬は、食事をとらない場合でも、

服用時間が来たらきちんと飲みましょう。

(ただし、糖尿病の薬など、食事をとらない場合には服用しない薬もあります。)

あくまでこれは一般的な目安です。あらかじめ薬を

飲み忘れたときの対処法や、食事が不規則な場合の

飲み方を医師や薬剤師に相談し、確認しましょう。

服用タイミングが大切な薬 糖尿病薬 速攻型インスリン分泌促進剤

シュアポスト錠

■用法・用量

通常、成人にはレパグリニドとして1回0.25mgより開始し、1日3回毎食直前に経口投与する。維持用量は通常1回0.25~0.5mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1回量を1mgまで増量することができる。

【用法・用量に関連する使用上の注意】

本剤は食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱する。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため、本剤の投与は毎食直前(10分以内)とすること。また、本剤は投与後速やかに薬効を発現するため、食事の30分以上前の投与では食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。

服用タイミングが大切な薬 糖尿病薬 速攻型インスリン分泌促進剤

シュアポスト錠

■飲み忘れた場合

食事を始めた後に飲み忘れに気づいたら、1回とばして

次の食直前に飲んでください。絶対に2回分を一度に飲

んではいけません。

(低血糖症状を起こすことがあります)

服用タイミングが大切な薬

薬のチェックポイント

①用法用量

②服用期間

③注意事項

②服用期間 もらったお薬を飲み続ける期間を確認してください。

・・・

症状がなくなったら 薬をやめてもいい? 答えは・・・

症状がなくなったら 薬をやめてもいい? 病院で処方された薬を使っている場合、

仮に症状が軽くなっても、勝手にやめては

いけません。

急に薬をやめると、リバウンド現象といって、

反動からかえって症状が悪化し、危険なこと

になることがあるからです。

なぜ降圧薬は飲み続けるの? 【治療の目的】

高血圧治療の目的は、

高血圧の持続によって

もたらされる心血管病

の発症・進展・再発を

抑制し,死亡を減少さ

せることである。

薬のチェックポイント

①用法用量

②服用期間

③注意事項

③注意事項 薬を安全に用いるために必ず確認してください。

添付の注意書き

薬の保管方法 湿気、日光、高温を避けて保管

薬は湿気や光、熱によって影響を受けやすいため、

直射日光の当たらない、高温にならない場所で保管

しましょう。

冷蔵庫で保存するように指示された薬は、凍らせない

ように注意しましょう。

薬の保管方法 薬は別の容器に移し替えたりしないでください。

薬のシートから取り出して保管しないでください。

薬の使用期限 一般的に医薬品の使用期限は未開封の状態で

通常3年程度とされています。

ただし、処方された薬は適正な保管方法が

とられていないことが多く、6ヵ月~1年程度

を目安に廃棄するよう

にしてください。

本日の内容

1.薬剤師とは?

2.薬のチェックポイント

3.作用と副作用

4.薬の飲み合わせ

作用と副作用 副作用の全くない薬はありません。薬は一つの作用だけ

を持っているわけではなく、通常いくつかの作用を併せ

もっているのです。

その薬のいくつかある作用のうち、病気の治療などの

目的に沿った作用を主作用と言い、目的に沿わない、

治療上障害になるような作用を副作用と言います。

作用と副作用 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)

作用と副作用 抗ヒスタミン薬(成分名ジフェンヒドラミン)

作用部位:鼻粘膜 皮膚 中枢神経

作用: 鼻水、かゆみが止まる 眠くなる

レスタミンコーワ錠 ドリエル錠(OTC)

副作用が起こる原因 使う人の体質・体調によ

るもの

飲み合わせ によるもの

薬の使い方に

よるもの

薬の性質 によるもの

予期できない もの

例:アレルギー体質

例:多くのんでしまった

例:他の薬と一緒に飲んだ

例:患部以外のところに作用した

副作用

例:新しい副作用

本日の内容

1.薬剤師とは?

2.薬のチェックポイント

3.作用と副作用

4.薬の飲み合わせ

薬の飲み合わせ(相互作用)

薬の飲み合わせ(相互作用)

薬とグレープフルーツジュース グレープフルーツジュースに含まれる成分には薬の

代謝(分解)に関わる『CYP3A4』と呼ばれる代謝酵素

を小腸で阻害する働きがあります。

薬とグレープフルーツジュース

薬とアルコール アルコールは薬の効果を強めてしまったり、

逆に弱めてしまったりします。

アルコールとの同時服用はもちろん、服用を

中止した後も、薬は数日間は体内に留まって

います。

アルコールは控えましょう。

薬とアルコール アルコールによる

身体への影響

薬とアルコール 飲んでいる薬 薬とアルコールの影響

精神神経薬

ベンゾジアゼピン系薬

三環系抗うつ薬

糖尿病薬

ワーファリン

解熱鎮痛薬

薬剤の血中濃度が高まり、作用が増強し 副作用も発現する危険性がある。

精神神経薬 抗てんかん薬 抗ヒスタミン薬

中枢神経抑制作用があるため、作用増強、副作用発現する可能性がある。

抗菌薬 アルコールの分解を抑制し、いつまでも 悪酔いが続く

薬を飲むならやっぱり

健康食品・サプリメント

健康食品・サプリメント 健康食品の包装には栄養成分表示がありますが、

購入を考える前に「本当にその健康食品が必要

かどうか」冷静に考える

ことが大切です。

足りない栄養素を気にする

よりも、食事全体の

バランスをチェックしま

しょう。

健康食品の注意点 1. 健康食品で病気は治せません。

2. 宣伝・広告は販売するための情報です。

3. 天然、自然であることと安全であることは関係ありません

4. 体験談は信頼できる情報ではありません。

5. 有効成分が入っていても、効果があるのかは不明です。

6. 高価な製品が優れているとは限りません。

薬と健康食品 成分 医薬品 影響 ビタミンB6 フェニトイン(抗てんかん薬) 薬効の減弱

葉酸 葉酸代謝拮抗薬(抗がん剤) 薬効の減弱 フルオロウラシル、 カペシタビンなど(抗がん剤)

薬効の増強

ビタミンK (青汁、クロレラを含む)

ワルファリン(抗凝固剤) 薬効の減弱

ビタミンC アセタゾラミド(抗てんかん薬) 腎・尿路結石のおそれ

ナイアシン HMG-CoA還元酵素阻害薬 (高コレステロール血症治療薬)

副作用の増強(急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症)

ビタミンD ジギタリス製剤(心不全治療薬) 薬効の増強

薬と健康食品 成分 医薬品 影響

カルシウム

活性型ビタミンD3製剤(骨粗鬆症薬) 腸管からのカルシウム吸収を促進

ジギタリス製剤(心不全治療薬) 薬効の増強

ビスホスホネート系製剤(骨粗鬆症薬)

薬効の減弱 テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)

ニューキノロン系抗菌薬(抗生物質)

マグネシウム

ビスホスホネート系製剤(骨粗鬆症薬)

薬効の減弱 テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)

ニューキノロン系抗菌薬(抗生物質)

薬と健康食品 成分 医薬品 影響

タンニン酸アルブミン(下痢止め)

薬効の減弱

ビスホスホネート系製剤(骨粗鬆症薬)

メチルドパ(降圧薬)

テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)

ニューキノロン系抗菌薬(抗生物質)

中性アミノ酸 レボドパ(抗パーキンソン病薬) 薬効の減弱

コエンザイムQ10 降圧薬、糖尿病治療薬 薬効の増強

薬の飲み合わせを防ぐには?

お薬手帳を活用しましょう。

薬の飲み合わせを防ぐには?

最後に 処方された薬はあなたのためだけに調剤されたあなた専用のお薬です。

用法用量を守り、勝手に量を変えたり服薬を中止しないようにしましょう。

安心、安全の治療のために身近な医療者として薬剤師を是非とも活用ください。