新住民系基幹情報システム 導入事例 様 ·...

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このように松戸市様はプライベートクラウドを基盤として災害対応力を強化した上、先進技術の活用により、次世代につながる住民系基幹情報システムの全体最適化を実現しました。最後に戸張氏が次のように締めくくります。「新住民系基幹情報システムは、いうまでもなく住民サービスを支える重

構築プロジェクトは、先行してプライベートクラウドを構築し、その後、既存システムの移行検証やデスクトップ仮想化システム、指ハイブリッドシステムの検証を実施することで、非常にスムーズかつ短期間で完了しました。プロジェクトの途上で発生した課題は、松戸市様とNECがともに解決策を検討するなど、一体となったプロジェクト運営も成功の要因となっています。「これほど大規模なシステムにもかかわらず、切り替え作業も一回だけ。全体を見据えて、各プロジェクトの進捗をコントロールし、スムーズな移行

を実現できた点もNECをパートナーに選んだ成果だと感じています」と戸張氏は話します。すでにプライベートクラウド、統合ネットワーク、デスクトップ仮想化システムを採用した新住民系基幹情報システムは稼働を開始しており、可用性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、サーバ統合によるITのスリム化などによって、今後5年間でシステム全体のコストの33.8%を削減できる試算となっているなど、高い成果を上げています。また、サブシステム、パソコン、プリンタ等を一括調達し、集約できたことで契約事務も効率化。伝票数にして25%を削減できたと言います。

各領域における成果は次のとおりです。

戸張雅俊氏は振り返ります。また、データの保護という観点では、セキュリティリスクの高まりからも目を背けるわけにはいきません。「マイナンバー制度の施行を控える今、市民の個人情報を管理する自治体には非常に高いセキュリティレベルが求められます。近年、「過失」「故意」を問わず情報漏えい事故が相次いでいることからも、多様なセキュリティリスクに対応できる仕組みが不可欠となっていました。さらに、運用管理の負荷増大も大きな課題でした。住民系基幹情報システムは、平成19年度にメインフレームからオープンシステムへ移行し、様々な技術やシステムを柔軟に導入できる環境を実現していましたが、長年の運用でシステムが肥大化。ほとんどのサーバをクラスタ構成としていたことから、電算室のキャパシティも限界を迎えつつありました。そのうえ物理サーバが年々増加する状況もあり、運用管理の手間とコストが年々高まっていました。また、平成19年度の再構築はメインフレームからオープンシステムへの脱却が主眼であったため、今回の再構築計画では、認証・インフラ・端末基盤の全体最適化を見据えました」と同市の黒澤聡史氏は言います。

住民系基幹情報システムが抱えている多様な課題に対応するには、対症療法的にそれぞれの課題を解決していくのではなく、システムとインフラ全体の見直しが不可欠と松戸市様は判断。そこで、サーバ、ネットワーク、クライアント、あらゆるインフラを統合的に再構築する「住民系基幹情報システム全体再構築計画」を策定しました。具体的には、パッケージシステムの機能整備、認証基盤の整備、外部のデータセンターやクラウドサービスを活用したサーバ環境のプライベートクラウド化、高信頼な全庁統合ネットワーク、運用負荷の軽減とセキュリティの強化が期待できるデスクトップ仮想化システムによるシンクライアント、関連プリンタの一元化と一括調達という6つのプロジェクトを軸にシステムの全体最適化を図る計画です。「仮想化技術を用いてサーバ群をプライベートクラウド化すれば、堅牢なデータセンターでシステムを運用できるだけでなく、効率的に可用性を高めることが可能となります。また、サーバを集約することで分散化、複雑化が抑止できる上、ハードウェアの運用管理から解放されるというメリットがあります」と戸張氏は狙いを語ります。このプライベートクラウド上に住民系基幹情報システムを構成する主要なサーバを集約していったのです。

6つのプロジェクトは、その特性や内容により調達方法を検討していきましたが、プライベートクラウド、統合ネットワーク、クライアントの3つの領域については、それぞれ、公募により各ベンダーに提案を募る形で進められました。

各社の提案を機能と費用で評価し、最終的に同市がパートナーに選定したのがNECです。中でも高く評価したのが、プライベートクラウドに関する提案です。NECは、堅牢なファシリティや最新の設備を持つデータセンターをベースに、事前構成済みの高信頼仮想化基盤「Cloud Platform Suite(以下CPS)」を利用したプライベートクラウド構築を提案。「時間をかけて、クラウド化をすれば、パッケージシステムやOS、IE等の環境変化も汲み取る必要があり、明確な効果は見えなくなります。圧倒的なスピード感を持って、一括で移行する計画でしたので、CPSを活用することで、信頼性の高いプライベートクラウドを短期間で実現できると判断しました。また、スピード感を生むためには、確実なプロジェクト管理が必要であったため、平成23年度より、専門事業者によるPMO支援を開始し、特にスコープ管理、リスク管理、ステークホルダー管理を重視したプロジェクトマネジメントを実施していきました」(黒澤氏)また、クライアントについては、シンクライアントをはじめとした住民記録・税・国保・福祉関連システム利用の全台の端末に、指ハイブリッド認証も採用しています。これは、指紋と指静脈を活用した技術で、NECが持つ世界最高水準の精度を誇る指紋認証技術を発展させたもの。高精度に個人を認証することができ、情報漏えいなどの抑止に貢献します。この技術をシンクライアントおよび通常の端末に適用することを決めました。そのほか、NECの自治体向けシステムにおける豊富な実績も評価されました。「我々も住民情報業務サービスとして『COKAS-X』を利用していますが、松戸市以外の様々な自治体でもシステムの構築・運用を数多く手がけており、自治体業務に精通しているという安心感がありました。また、アプリケーションから、ハードウェア、ミドルウェア、システムインテグレーションなどまで、一括で提供できる総合力は、システムの全体最適化を目指すプロジェクトの成功に大いに貢献してくれるという期待もありました」と戸張氏は言います。

平成25年に市制施行70周年を迎えた千葉県松戸市様。48万人超の人口を有するほか、「矢切の渡し」「野菊の墓文学碑」などの観光名所や、梨、枝豆、ねぎなどの特産地としても知られています。近年は、子育て・高齢者支援、地域経済の活性化、教育・文化を中心としたまちづくりを進めており、江戸川を挟んで東京都に隣接する交通至便な生活都市として発展を続けています。「市民が主役の魅力あるまつど」を掲げる同市は、ITを活用した市民サービスの向上、市役所業務の効率化に継続的かつ積極的に取り組んでいます。しかし、近年、「住民記録関連システム」や「税・国保・福祉関連システム」などからなる「住民系基幹情報システム」について、新たな課題が浮上していました。その課題を浮き彫りにしたのが東日本大震災です。「松戸市は、幸いにも大きな被害は免れましたが、自治体によっては大切なデータの一部を消失してしまったケースもあります。システムの信頼性・可用性を高め、災害対策を強化する必要性を痛感させられました」と同市の

松戸市総務部 情報政策課課長

戸張 雅俊 氏

松戸市総務部 情報政策課主査

黒澤 聡史 氏

松戸市総務部 情報政策課

大石 直正 氏

• 災害発生時でも大切な住民情報を保護し、自治体業務を継続する必要がある• 多様化するセキュリティリスクに対応し、安全性を強化したい• システムが長年の運用で肥大化し、運用管理の手間とコストが増大していた

課題背景

• インフラの全体最適化と災害対策の強化 プライベートクラウドに住民系基幹情報システムを構築。堅牢なデータセンターとバックアップ強化で、業務継続性とデータ保護レベルを向上• クライアント環境の安全性強化 デスクトップ仮想化、指ハイブリッド認証、デバイス制御などの技術を組み合わせ、なりすましなどを防止。社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)も見据えた安全性強化を実現• 今後5年間で33.8%(約8億円)のコスト削減 パッケージの継承、仮想化によるサーバ機器の削減、運用の効率化、パソコン・プリンタの一括調達により、大幅なコスト削減を実現。また、庁内のサーバ機器を撤去したことにより、併せて、今後5年間で電気代約2,100万円削減できる見込み

成  果

マイナンバー制度への対応、災害対策の強化に向けて、住民系基幹情報システムを再構築。プライベートクラウドをはじめ、業務継続性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、33.8%のコスト削減を実現

松戸市 様新住民系基幹情報システム 導入事例

事例のポイント

導入ソリューションお客様名所 在 地人 口職 員 数予 算概 要

U R L

松戸市役所千葉県松戸市根本387-548万7919人(平成27年4月1日現在(住基人口))3915人(平成27年4月1日現在)1417億円(平成27年度一般会計当初予算)江戸川を挟んで都心から20キロメートル圏の千葉県北西部に位置する。「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」および「人と人とのつながりを大切にした地域コミュニティの創造」を政策の柱に掲げ、子育て世代から高齢者まで多世代が生き生き暮らせるまちづくりを推進し、首都圏の住宅都市として発展を続ける。http://www.city.matsudo.chiba.jp/

::::::

データセンター 本庁・支所

バックアップサイト(遠隔地データセンター)

WAN回線(主回線+副回線)

WAN回線

住民系基幹情報システム・デスクトップ仮想化システム

…仮想サーバ 仮想サーバ 仮想サーバ 仮想サーバ他社 仮想サーバ他社 仮想サーバ住民記録システム

選挙事務システム

国民年金システム

税・国保システム

福祉システム

デスクトップ仮想化システム

仮想化基盤

コンビニ交付システム・ダウンリカバリシステム等

…仮想サーバ 仮想サーバ 仮想サーバダウンリカバリ

指ハイブリッド認証システム

コンビニ交付

仮想化基盤

ストレージ ストレージ

バックアップサイト

:クライアント

:プライベートクラウド

:統合ネットワーク

ストレージ

ネットワーク2重化による

信頼性向上

サーバ仮想化によるコスト削減

遠隔バックアップサービスによる業務継続性向上

ダウンリカバリ環境による可用性向上

無線LANによる柔軟性向上

ビジネスPC シンクライアント端末

指ハイブリッド認証による安全性向上

要な基盤。システムのメリットを最大限に発揮させ、市民サービスの向上と市役所業務の効率化を加速し、松戸市のさらなる発展に貢献していきたいですね。自治体業務に精通するNECには、課題解決を支援する有意義な提案に今後も大いに期待しています」

このように松戸市様はプライベートクラウドを基盤として災害対応力を強化した上、先進技術の活用により、次世代につながる住民系基幹情報システムの全体最適化を実現しました。最後に戸張氏が次のように締めくくります。「新住民系基幹情報システムは、いうまでもなく住民サービスを支える重

構築プロジェクトは、先行してプライベートクラウドを構築し、その後、既存システムの移行検証やデスクトップ仮想化システム、指ハイブリッドシステムの検証を実施することで、非常にスムーズかつ短期間で完了しました。プロジェクトの途上で発生した課題は、松戸市様とNECがともに解決策を検討するなど、一体となったプロジェクト運営も成功の要因となっています。「これほど大規模なシステムにもかかわらず、切り替え作業も一回だけ。全体を見据えて、各プロジェクトの進捗をコントロールし、スムーズな移行

を実現できた点もNECをパートナーに選んだ成果だと感じています」と戸張氏は話します。すでにプライベートクラウド、統合ネットワーク、デスクトップ仮想化システムを採用した新住民系基幹情報システムは稼働を開始しており、可用性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、サーバ統合によるITのスリム化などによって、今後5年間でシステム全体のコストの33.8%を削減できる試算となっているなど、高い成果を上げています。また、サブシステム、パソコン、プリンタ等を一括調達し、集約できたことで契約事務も効率化。伝票数にして25%を削減できたと言います。

各領域における成果は次のとおりです。

導入前の背景や課題

マイナンバー制度への対応、災害対策の強化に向けて、住民系基幹情報システムを再構築。プライベートクラウドをはじめ、業務継続性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、33.8%のコスト削減を実現

戸張雅俊氏は振り返ります。また、データの保護という観点では、セキュリティリスクの高まりからも目を背けるわけにはいきません。「マイナンバー制度の施行を控える今、市民の個人情報を管理する自治体には非常に高いセキュリティレベルが求められます。近年、「過失」「故意」を問わず情報漏えい事故が相次いでいることからも、多様なセキュリティリスクに対応できる仕組みが不可欠となっていました。さらに、運用管理の負荷増大も大きな課題でした。住民系基幹情報システムは、平成19年度にメインフレームからオープンシステムへ移行し、様々な技術やシステムを柔軟に導入できる環境を実現していましたが、長年の運用でシステムが肥大化。ほとんどのサーバをクラスタ構成としていたことから、電算室のキャパシティも限界を迎えつつありました。そのうえ物理サーバが年々増加する状況もあり、運用管理の手間とコストが年々高まっていました。また、平成19年度の再構築はメインフレームからオープンシステムへの脱却が主眼であったため、今回の再構築計画では、認証・インフラ・端末基盤の全体最適化を見据えました」と同市の黒澤聡史氏は言います。

選択のポイント

サーバ、ネットワーク、クライアントの統合的な再構築に着手

災害対策の強化など、住民系基幹情報システムに関する課題が浮上

自治体における実績と全体最適化を後押ししてくれる総合力を評価

住民系基幹情報システムが抱えている多様な課題に対応するには、対症療法的にそれぞれの課題を解決していくのではなく、システムとインフラ全体の見直しが不可欠と松戸市様は判断。そこで、サーバ、ネットワーク、クライアント、あらゆるインフラを統合的に再構築する「住民系基幹情報システム全体再構築計画」を策定しました。具体的には、パッケージシステムの機能整備、認証基盤の整備、外部のデータセンターやクラウドサービスを活用したサーバ環境のプライベートクラウド化、高信頼な全庁統合ネットワーク、運用負荷の軽減とセキュリティの強化が期待できるデスクトップ仮想化システムによるシンクライアント、関連プリンタの一元化と一括調達という6つのプロジェクトを軸にシステムの全体最適化を図る計画です。「仮想化技術を用いてサーバ群をプライベートクラウド化すれば、堅牢なデータセンターでシステムを運用できるだけでなく、効率的に可用性を高めることが可能となります。また、サーバを集約することで分散化、複雑化が抑止できる上、ハードウェアの運用管理から解放されるというメリットがあります」と戸張氏は狙いを語ります。このプライベートクラウド上に住民系基幹情報システムを構成する主要なサーバを集約していったのです。

6つのプロジェクトは、その特性や内容により調達方法を検討していきましたが、プライベートクラウド、統合ネットワーク、クライアントの3つの領域については、それぞれ、公募により各ベンダーに提案を募る形で進められました。

各社の提案を機能と費用で評価し、最終的に同市がパートナーに選定したのがNECです。中でも高く評価したのが、プライベートクラウドに関する提案です。NECは、堅牢なファシリティや最新の設備を持つデータセンターをベースに、事前構成済みの高信頼仮想化基盤「Cloud Platform Suite(以下CPS)」を利用したプライベートクラウド構築を提案。「時間をかけて、クラウド化をすれば、パッケージシステムやOS、IE等の環境変化も汲み取る必要があり、明確な効果は見えなくなります。圧倒的なスピード感を持って、一括で移行する計画でしたので、CPSを活用することで、信頼性の高いプライベートクラウドを短期間で実現できると判断しました。また、スピード感を生むためには、確実なプロジェクト管理が必要であったため、平成23年度より、専門事業者によるPMO支援を開始し、特にスコープ管理、リスク管理、ステークホルダー管理を重視したプロジェクトマネジメントを実施していきました」(黒澤氏)また、クライアントについては、シンクライアントをはじめとした住民記録・税・国保・福祉関連システム利用の全台の端末に、指ハイブリッド認証も採用しています。これは、指紋と指静脈を活用した技術で、NECが持つ世界最高水準の精度を誇る指紋認証技術を発展させたもの。高精度に個人を認証することができ、情報漏えいなどの抑止に貢献します。この技術をシンクライアントおよび通常の端末に適用することを決めました。そのほか、NECの自治体向けシステムにおける豊富な実績も評価されました。「我々も住民情報業務サービスとして『COKAS-X』を利用していますが、松戸市以外の様々な自治体でもシステムの構築・運用を数多く手がけており、自治体業務に精通しているという安心感がありました。また、アプリケーションから、ハードウェア、ミドルウェア、システムインテグレーションなどまで、一括で提供できる総合力は、システムの全体最適化を目指すプロジェクトの成功に大いに貢献してくれるという期待もありました」と戸張氏は言います。

平成25年に市制施行70周年を迎えた千葉県松戸市様。48万人超の人口を有するほか、「矢切の渡し」「野菊の墓文学碑」などの観光名所や、梨、枝豆、ねぎなどの特産地としても知られています。近年は、子育て・高齢者支援、地域経済の活性化、教育・文化を中心としたまちづくりを進めており、江戸川を挟んで東京都に隣接する交通至便な生活都市として発展を続けています。「市民が主役の魅力あるまつど」を掲げる同市は、ITを活用した市民サービスの向上、市役所業務の効率化に継続的かつ積極的に取り組んでいます。しかし、近年、「住民記録関連システム」や「税・国保・福祉関連システム」などからなる「住民系基幹情報システム」について、新たな課題が浮上していました。その課題を浮き彫りにしたのが東日本大震災です。「松戸市は、幸いにも大きな被害は免れましたが、自治体によっては大切なデータの一部を消失してしまったケースもあります。システムの信頼性・可用性を高め、災害対策を強化する必要性を痛感させられました」と同市の

要な基盤。システムのメリットを最大限に発揮させ、市民サービスの向上と市役所業務の効率化を加速し、松戸市のさらなる発展に貢献していきたいですね。自治体業務に精通するNECには、課題解決を支援する有意義な提案に今後も大いに期待しています」

導入後の成果

このように松戸市様はプライベートクラウドを基盤として災害対応力を強化した上、先進技術の活用により、次世代につながる住民系基幹情報システムの全体最適化を実現しました。最後に戸張氏が次のように締めくくります。「新住民系基幹情報システムは、いうまでもなく住民サービスを支える重

構築プロジェクトは、先行してプライベートクラウドを構築し、その後、既存システムの移行検証やデスクトップ仮想化システム、指ハイブリッドシステムの検証を実施することで、非常にスムーズかつ短期間で完了しました。プロジェクトの途上で発生した課題は、松戸市様とNECがともに解決策を検討するなど、一体となったプロジェクト運営も成功の要因となっています。「これほど大規模なシステムにもかかわらず、切り替え作業も一回だけ。全体を見据えて、各プロジェクトの進捗をコントロールし、スムーズな移行

を実現できた点もNECをパートナーに選んだ成果だと感じています」と戸張氏は話します。すでにプライベートクラウド、統合ネットワーク、デスクトップ仮想化システムを採用した新住民系基幹情報システムは稼働を開始しており、可用性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、サーバ統合によるITのスリム化などによって、今後5年間でシステム全体のコストの33.8%を削減できる試算となっているなど、高い成果を上げています。また、サブシステム、パソコン、プリンタ等を一括調達し、集約できたことで契約事務も効率化。伝票数にして25%を削減できたと言います。

各領域における成果は次のとおりです。

新住民系基幹情報システム 導入事例松戸市 様

戸張雅俊氏は振り返ります。また、データの保護という観点では、セキュリティリスクの高まりからも目を背けるわけにはいきません。「マイナンバー制度の施行を控える今、市民の個人情報を管理する自治体には非常に高いセキュリティレベルが求められます。近年、「過失」「故意」を問わず情報漏えい事故が相次いでいることからも、多様なセキュリティリスクに対応できる仕組みが不可欠となっていました。さらに、運用管理の負荷増大も大きな課題でした。住民系基幹情報システムは、平成19年度にメインフレームからオープンシステムへ移行し、様々な技術やシステムを柔軟に導入できる環境を実現していましたが、長年の運用でシステムが肥大化。ほとんどのサーバをクラスタ構成としていたことから、電算室のキャパシティも限界を迎えつつありました。そのうえ物理サーバが年々増加する状況もあり、運用管理の手間とコストが年々高まっていました。また、平成19年度の再構築はメインフレームからオープンシステムへの脱却が主眼であったため、今回の再構築計画では、認証・インフラ・端末基盤の全体最適化を見据えました」と同市の黒澤聡史氏は言います。

BCPを強化し、バッチ処理性能が大幅に向上。33.8%のコスト削減も実現

住民系基幹情報システムが抱えている多様な課題に対応するには、対症療法的にそれぞれの課題を解決していくのではなく、システムとインフラ全体の見直しが不可欠と松戸市様は判断。そこで、サーバ、ネットワーク、クライアント、あらゆるインフラを統合的に再構築する「住民系基幹情報システム全体再構築計画」を策定しました。具体的には、パッケージシステムの機能整備、認証基盤の整備、外部のデータセンターやクラウドサービスを活用したサーバ環境のプライベートクラウド化、高信頼な全庁統合ネットワーク、運用負荷の軽減とセキュリティの強化が期待できるデスクトップ仮想化システムによるシンクライアント、関連プリンタの一元化と一括調達という6つのプロジェクトを軸にシステムの全体最適化を図る計画です。「仮想化技術を用いてサーバ群をプライベートクラウド化すれば、堅牢なデータセンターでシステムを運用できるだけでなく、効率的に可用性を高めることが可能となります。また、サーバを集約することで分散化、複雑化が抑止できる上、ハードウェアの運用管理から解放されるというメリットがあります」と戸張氏は狙いを語ります。このプライベートクラウド上に住民系基幹情報システムを構成する主要なサーバを集約していったのです。

6つのプロジェクトは、その特性や内容により調達方法を検討していきましたが、プライベートクラウド、統合ネットワーク、クライアントの3つの領域については、それぞれ、公募により各ベンダーに提案を募る形で進められました。

各社の提案を機能と費用で評価し、最終的に同市がパートナーに選定したのがNECです。中でも高く評価したのが、プライベートクラウドに関する提案です。NECは、堅牢なファシリティや最新の設備を持つデータセンターをベースに、事前構成済みの高信頼仮想化基盤「Cloud Platform Suite(以下CPS)」を利用したプライベートクラウド構築を提案。「時間をかけて、クラウド化をすれば、パッケージシステムやOS、IE等の環境変化も汲み取る必要があり、明確な効果は見えなくなります。圧倒的なスピード感を持って、一括で移行する計画でしたので、CPSを活用することで、信頼性の高いプライベートクラウドを短期間で実現できると判断しました。また、スピード感を生むためには、確実なプロジェクト管理が必要であったため、平成23年度より、専門事業者によるPMO支援を開始し、特にスコープ管理、リスク管理、ステークホルダー管理を重視したプロジェクトマネジメントを実施していきました」(黒澤氏)また、クライアントについては、シンクライアントをはじめとした住民記録・税・国保・福祉関連システム利用の全台の端末に、指ハイブリッド認証も採用しています。これは、指紋と指静脈を活用した技術で、NECが持つ世界最高水準の精度を誇る指紋認証技術を発展させたもの。高精度に個人を認証することができ、情報漏えいなどの抑止に貢献します。この技術をシンクライアントおよび通常の端末に適用することを決めました。そのほか、NECの自治体向けシステムにおける豊富な実績も評価されました。「我々も住民情報業務サービスとして『COKAS-X』を利用していますが、松戸市以外の様々な自治体でもシステムの構築・運用を数多く手がけており、自治体業務に精通しているという安心感がありました。また、アプリケーションから、ハードウェア、ミドルウェア、システムインテグレーションなどまで、一括で提供できる総合力は、システムの全体最適化を目指すプロジェクトの成功に大いに貢献してくれるという期待もありました」と戸張氏は言います。

平成25年に市制施行70周年を迎えた千葉県松戸市様。48万人超の人口を有するほか、「矢切の渡し」「野菊の墓文学碑」などの観光名所や、梨、枝豆、ねぎなどの特産地としても知られています。近年は、子育て・高齢者支援、地域経済の活性化、教育・文化を中心としたまちづくりを進めており、江戸川を挟んで東京都に隣接する交通至便な生活都市として発展を続けています。「市民が主役の魅力あるまつど」を掲げる同市は、ITを活用した市民サービスの向上、市役所業務の効率化に継続的かつ積極的に取り組んでいます。しかし、近年、「住民記録関連システム」や「税・国保・福祉関連システム」などからなる「住民系基幹情報システム」について、新たな課題が浮上していました。その課題を浮き彫りにしたのが東日本大震災です。「松戸市は、幸いにも大きな被害は免れましたが、自治体によっては大切なデータの一部を消失してしまったケースもあります。システムの信頼性・可用性を高め、災害対策を強化する必要性を痛感させられました」と同市の

前述したとおり、プライベートクラウドは、NECのデータセンター内にCPSを設置し、住民系基幹情報システムの主要なサーバを収容しています。事前構成済みのCPSを活用することで、短期間で信頼性の高いプライベートクラウドを実現。仮想化技術を利用した統合によって、サーバ台数を削減できた上、主要なサーバをプライベートクラウドに移設したことで、サーバ数も大幅に減少。「13ラック64台あったサーバは、データセンターに移設することで2ラック17台にスリム化されました。また、一部のサーバは本庁舎の電算室に設置していますが、データセンターを活用することで、キャパシティが限界に近づきつつあった電算室のスペースにかなりの余裕が生まれました」(黒澤氏)。また、サーバ運用に伴う消費電力は、今後5年間で約2,100万円削減できる見込みです。しかも、大幅にサーバ台数を削減したにもかかわらず、既存環境と比べて性能は格段に向上しています。「例えば、夜間バッチの処理時間は、従来の7分の1に短縮されています。以前はバッチ処理が夜間に終わらず、次の日の業務に影響してしまうこともありました」と同市の大石直正氏は話します。懸案だった災害対策も強化されました。プライベートクラウドは、堅牢な

NECのデータセンターで運用されているため、万が一庁舎が被災してもシステムやデータの損失リスクを回避できます。加えて、新システムではデータバックアップも高度化しています。具体的には、従来はテープベースで取得していたバックアップをディスクバックアップに変更した上、3つの拠点を利用した強固なバックアップ体制を構築。NECの「遠隔バックアップサービス」を活用して、データセンターとバックアップサイト間での定期的な遠隔バックアップを実施するだけでなく、従来利用していた即時切替が可能な庁舎内のダウンリカバリ環境も併用することで、万全の体制を敷いているのです。「これなら、業務継続性の向上に加え、災害時のデータ喪失を確実に防止できます。また、テープからのリストアは作業が煩雑でデータの復元に多大な手間と時間がかかりますが、例えば基幹系システムのファイルサーバでは、シャドウコピーを利用し、リストア作業も30分から2時間程度かかっていましたが、数分で行えるようになりました」と大石氏は言います。住民系基幹情報システムの中には、NECだけではなく、他のベンダーのパッケージも、今回構築したプライベートクラウド上で問題なく稼働しています。

新たに構築した統合ネットワークにおける最大のポイントは、信頼性の強化です。具体的には、本庁内LANおよび出先機関LANにおいて、複数のネットワーク機器を統合するスタック、複数の物理リンクを統合するリンクアグリゲーションを採用。また、本庁内と出先機関を結ぶWAN回線においても、機器を二重化するVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)を採用し、機器・LAN・WANの冗長性を高めています。「物理的なネットワーク機器を増台することなく、一方の経路に障害が発生しても、別の経路で迂回する仕組みを構築し、通信の安定性を高めています。また、出先機関への通信は、暗号化対策を行っています」と

黒澤氏は説明します。加えて、1つのルータ上で仮想的に複数のルータを作成できるVRF(Virtual Routing and Forwarding)技術を活用し、L3スイッチに存在する、基幹系・情報系・管理系ネットワークの論理分割を実現し、セキュリティも強化しました。さらに現在、すべての自治体において、マイナンバー制度への対応が大きなテーマとなっていますが、新ネットワークは、その対応も見据えた構成となっています。ほかにも、有線LANに加え、無線LANにも対応できるなど、将来のネットワークニーズに柔軟に対応できるようにしています。

プライベートクラウド

統合ネットワーク

要な基盤。システムのメリットを最大限に発揮させ、市民サービスの向上と市役所業務の効率化を加速し、松戸市のさらなる発展に貢献していきたいですね。自治体業務に精通するNECには、課題解決を支援する有意義な提案に今後も大いに期待しています」

このように松戸市様はプライベートクラウドを基盤として災害対応力を強化した上、先進技術の活用により、次世代につながる住民系基幹情報システムの全体最適化を実現しました。最後に戸張氏が次のように締めくくります。「新住民系基幹情報システムは、いうまでもなく住民サービスを支える重

「指紋」と「指静脈」を組み合わせた、世界初の複合型認証技術。従来の指紋認証リーダ機器では指紋を読み取りにくかった人も、指静脈を組み合わせることで、スムーズに認証が可能になる。同時にOSログオン後のシステムへのシングルサインオンも実現することで、職員様自身がパスワードの入力をする必要がないため、利便性も向上している

構築プロジェクトは、先行してプライベートクラウドを構築し、その後、既存システムの移行検証やデスクトップ仮想化システム、指ハイブリッドシステムの検証を実施することで、非常にスムーズかつ短期間で完了しました。プロジェクトの途上で発生した課題は、松戸市様とNECがともに解決策を検討するなど、一体となったプロジェクト運営も成功の要因となっています。「これほど大規模なシステムにもかかわらず、切り替え作業も一回だけ。全体を見据えて、各プロジェクトの進捗をコントロールし、スムーズな移行

を実現できた点もNECをパートナーに選んだ成果だと感じています」と戸張氏は話します。すでにプライベートクラウド、統合ネットワーク、デスクトップ仮想化システムを採用した新住民系基幹情報システムは稼働を開始しており、可用性やセキュリティの強化、運用負荷の軽減に加え、サーバ統合によるITのスリム化などによって、今後5年間でシステム全体のコストの33.8%を削減できる試算となっているなど、高い成果を上げています。また、サブシステム、パソコン、プリンタ等を一括調達し、集約できたことで契約事務も効率化。伝票数にして25%を削減できたと言います。

各領域における成果は次のとおりです。

新住民系基幹情報システム 導入事例松戸市 様

戸張雅俊氏は振り返ります。また、データの保護という観点では、セキュリティリスクの高まりからも目を背けるわけにはいきません。「マイナンバー制度の施行を控える今、市民の個人情報を管理する自治体には非常に高いセキュリティレベルが求められます。近年、「過失」「故意」を問わず情報漏えい事故が相次いでいることからも、多様なセキュリティリスクに対応できる仕組みが不可欠となっていました。さらに、運用管理の負荷増大も大きな課題でした。住民系基幹情報システムは、平成19年度にメインフレームからオープンシステムへ移行し、様々な技術やシステムを柔軟に導入できる環境を実現していましたが、長年の運用でシステムが肥大化。ほとんどのサーバをクラスタ構成としていたことから、電算室のキャパシティも限界を迎えつつありました。そのうえ物理サーバが年々増加する状況もあり、運用管理の手間とコストが年々高まっていました。また、平成19年度の再構築はメインフレームからオープンシステムへの脱却が主眼であったため、今回の再構築計画では、認証・インフラ・端末基盤の全体最適化を見据えました」と同市の黒澤聡史氏は言います。

住民系基幹情報システムが抱えている多様な課題に対応するには、対症療法的にそれぞれの課題を解決していくのではなく、システムとインフラ全体の見直しが不可欠と松戸市様は判断。そこで、サーバ、ネットワーク、クライアント、あらゆるインフラを統合的に再構築する「住民系基幹情報システム全体再構築計画」を策定しました。具体的には、パッケージシステムの機能整備、認証基盤の整備、外部のデータセンターやクラウドサービスを活用したサーバ環境のプライベートクラウド化、高信頼な全庁統合ネットワーク、運用負荷の軽減とセキュリティの強化が期待できるデスクトップ仮想化システムによるシンクライアント、関連プリンタの一元化と一括調達という6つのプロジェクトを軸にシステムの全体最適化を図る計画です。「仮想化技術を用いてサーバ群をプライベートクラウド化すれば、堅牢なデータセンターでシステムを運用できるだけでなく、効率的に可用性を高めることが可能となります。また、サーバを集約することで分散化、複雑化が抑止できる上、ハードウェアの運用管理から解放されるというメリットがあります」と戸張氏は狙いを語ります。このプライベートクラウド上に住民系基幹情報システムを構成する主要なサーバを集約していったのです。

6つのプロジェクトは、その特性や内容により調達方法を検討していきましたが、プライベートクラウド、統合ネットワーク、クライアントの3つの領域については、それぞれ、公募により各ベンダーに提案を募る形で進められました。

各社の提案を機能と費用で評価し、最終的に同市がパートナーに選定したのがNECです。中でも高く評価したのが、プライベートクラウドに関する提案です。NECは、堅牢なファシリティや最新の設備を持つデータセンターをベースに、事前構成済みの高信頼仮想化基盤「Cloud Platform Suite(以下CPS)」を利用したプライベートクラウド構築を提案。「時間をかけて、クラウド化をすれば、パッケージシステムやOS、IE等の環境変化も汲み取る必要があり、明確な効果は見えなくなります。圧倒的なスピード感を持って、一括で移行する計画でしたので、CPSを活用することで、信頼性の高いプライベートクラウドを短期間で実現できると判断しました。また、スピード感を生むためには、確実なプロジェクト管理が必要であったため、平成23年度より、専門事業者によるPMO支援を開始し、特にスコープ管理、リスク管理、ステークホルダー管理を重視したプロジェクトマネジメントを実施していきました」(黒澤氏)また、クライアントについては、シンクライアントをはじめとした住民記録・税・国保・福祉関連システム利用の全台の端末に、指ハイブリッド認証も採用しています。これは、指紋と指静脈を活用した技術で、NECが持つ世界最高水準の精度を誇る指紋認証技術を発展させたもの。高精度に個人を認証することができ、情報漏えいなどの抑止に貢献します。この技術をシンクライアントおよび通常の端末に適用することを決めました。そのほか、NECの自治体向けシステムにおける豊富な実績も評価されました。「我々も住民情報業務サービスとして『COKAS-X』を利用していますが、松戸市以外の様々な自治体でもシステムの構築・運用を数多く手がけており、自治体業務に精通しているという安心感がありました。また、アプリケーションから、ハードウェア、ミドルウェア、システムインテグレーションなどまで、一括で提供できる総合力は、システムの全体最適化を目指すプロジェクトの成功に大いに貢献してくれるという期待もありました」と戸張氏は言います。

平成25年に市制施行70周年を迎えた千葉県松戸市様。48万人超の人口を有するほか、「矢切の渡し」「野菊の墓文学碑」などの観光名所や、梨、枝豆、ねぎなどの特産地としても知られています。近年は、子育て・高齢者支援、地域経済の活性化、教育・文化を中心としたまちづくりを進めており、江戸川を挟んで東京都に隣接する交通至便な生活都市として発展を続けています。「市民が主役の魅力あるまつど」を掲げる同市は、ITを活用した市民サービスの向上、市役所業務の効率化に継続的かつ積極的に取り組んでいます。しかし、近年、「住民記録関連システム」や「税・国保・福祉関連システム」などからなる「住民系基幹情報システム」について、新たな課題が浮上していました。その課題を浮き彫りにしたのが東日本大震災です。「松戸市は、幸いにも大きな被害は免れましたが、自治体によっては大切なデータの一部を消失してしまったケースもあります。システムの信頼性・可用性を高め、災害対策を強化する必要性を痛感させられました」と同市の

●なりすまし防止に有効な指ハイブリッド認証

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環境にやさしい植物油インキを使用しています。

見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

Cat.No. E02-16011353J2016年1月現在

クライアントは、デスクトップ仮想化とビジネスPCを併用して構成しています。デスクトップ仮想化については、豊富な実績を誇るNECの「VirtualPC Center(VPCC)」を活用。端末にデータが残らず、サーバ側でデータを集中管理できるため、端末の管理工数の低減に加え、情報漏えい防止に威力を発揮します。利用端末としては、シンクライアント端末を230台導入。専用端末のため故障率も低く、故障の際も端末を入れ替えるだけでスムーズに対応できます。加えて、シンクライアント端末、通常の端末を問わず適用した指ハイブリッド認証によって安全性強化を実現。窓口業務で利用する端末は共有端末が多い上、グループ単位でアカウントを割り振っていたケースもあり、なりすましのリスクがありました。現在は、個人アカウントを適用した上、なりすましが困難な指ハイブリッド認証を採用したことで安全性が飛躍的に向上。また、認証基盤を統合し、シングルサインオンを実現したことで、職員の利便性向上にも寄与しています。「USBメモリなど外付けデバイスへの書き込み制限を行う資産管理ツールと組み合わせることで、徹底した情報漏えい対策を実現できたと感じています。ID/パスワード認証から指ハイブリッド認証に移行したことは、マイナンバー制度の導入を見据えたセキュリティ強化にもつながっています」(大石氏)

クライアント

要な基盤。システムのメリットを最大限に発揮させ、市民サービスの向上と市役所業務の効率化を加速し、松戸市のさらなる発展に貢献していきたいですね。自治体業務に精通するNECには、課題解決を支援する有意義な提案に今後も大いに期待しています」