大阪市南港ATC イメディオ IoT・ M2Mセミナ資料(web公開用)

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話題の「 IoT ・ M2M 」って何?~この強力かつ広範囲な概念をいろんな角度か

ら眺めよう

トライアングルエレクトロニクス代表久保幸夫

Ⓒyukiokubo     2015 1

• このスライドは、 2015 年 5 月 21 日(木)に大阪市のソフト産業プラザ イメディオ で開催されたセミナー

  「話題の「 IoT ・ M2M 」って何?」  の資料です。• 今後のセミナーの予定等につきましは

WEB ページをご参照くださいませ。http://www.imedio.or.jp/

はじめに

• このセミナは IoT/M2M に関する知識を身につけ、整理することを目的としています。ただし、 IoT/M2M 関連には、様々な技術があり、さらに多くの応用分野があります。関連する『用語』や『キーワード』も山ほどあります。

• これらのすべてを、 2 時間で理解することは、無理な話です。でも、この講座を通じて、 IoT/M2M の全体像を掴んで、整理して頂ければ、皆様のこれからの学習や研究調査にきっと役に立つものと考えます。

内容

1. IoT/M2M とは?2.用途や分野から見る IoT /M2M  ~所変われば品変わる~ 3.すでに始まっている IoT/M2M4.技術や仕組みから見る IoT /M2M5.これから「すべきこと」と、注意事項 

1   IoT/M2M とは?

IoT/M2M は語る人によって異なるいろいろな IoT/M2M があることを

理解しよう

IoT/M2M とは?

• IoT ( Internet of Things )– モノのインターネット

• M2M(Machine to Machine)– モノのモノの通信

• 両者の使い分けは曖昧– M2M 技術として考えると

M2M は IoT を実現するために不可欠な要素技術

IoT/M2M あるある

こんな経験ありませんか?

IoT/M2M のセミナを聴いたら・・・本や雑誌の記事を見たら・・・

ものによって、かなり内容が異なっていた・・・知りたい内容と異なっていた・・・

質問しても、「?」だった・・・

IoT/M2M あるある• IoT/M2M  強力かつ広範囲なキーワード– そもそも IoT と M2M の言葉の意味もあいまい

– 縦書きの本(ビジネス書)を見ると・・・  IoT/M2M で BigData    データがビジネスを変革する・・・   IoT/M2M で第 4 次産業革命

– 横書きの技術書を見ると • 新しい規格の無線モジュールが・・・• IoT/M2M 対応新型マイコンモジュールが・・・

  様々な用語が飛び交うが… 

言葉の渦に、溺れていませんか?

UGCCNetIEEE1888  

A ルート

BEMS  

B ルート

C ルート

HEMS  

CEMS  

FEMS  

IoT

IoE

M2M

BLE ・ Beacon

ECHONET-Lite  

IEEE802.15.4/ZigBee

Wi-SUN

スマートメータ

スマートグリットビッグデータ

スマート配電盤 MDMS

MQTT  IoT サービス

データ分析

NoSQL

センサーデバイス

Arduino

Windows 10 IoT

Edison

Raspberry Pi

CoAP

IPv4/IPv6

TCP/UDP

ユビキタス

スマートハウス

パブリッシャー 

ブローカー 

高速プロトタイピング

クラウドサービス

Azure IoT

IoTゲートウェイ

6LoWPAN

Galileo

Hadoop

WiFi

3G

4G/LTE

IoT/M2M の多様性• IoT/M2M は語る人によって異なる– 書籍、雑誌記事、ネット上の記事、セミナー・・・

• 筆者、講演者の“立ち位置”を確認– どのような業界、どのような立場

– 注視している階層(レイヤ)が異なる 例えば  

• データ分析(サービス)を売る人   ITベンダ  SIer• (クラウド)サービスを売る人       • IT ソリューションを売る人  • 通信回線を売る人   通信事業者• デバイスを売る人     ハードウェアベンダ

並び替え その1(レイヤ・階層に注目)

IoTM2M

BLE ・ BeaconIEEE802.15.4/ZigBee

Wi-SUN

MQTT  

IoTサービスNoSQL

センサーデバイス

Arduino

Edison

Raspberry Pi

CoAP(簡易な HTTP)

IPv4/IPv6

TCP/UDP

ユビキタス

パブリッシャー 

ブローカー 

高速プロトタイピング

クラウドサービスAzure IoT(アジュール )

IoE

6LoWPAN

Galileo

Hadoop

抽象概念

ソリューション

サービスアプリ

通信手順(プロトコ

ル)

無線通信

デバイス・開発ツール

↑  Abstract

↓  physical

プラット フォーム

ビッグデータ

データ分析

3GPHS

4G/LTEWiFi

IoT/M2M のレイヤ(階層)

• さまざまな 表現があるが 例えば–上の階層      何をするか?何が実現するか?

• ソリューション、アプリケーション、サービス…–真ん中の階層   上と下をつなぐ仕組み

• プラットフォーム(基盤)インフラ(通信回線等)通信プロトコル、ミドルウェア…

–下の階層  どうやって、「もの」を検知するか?物理的• デバイス(電子部品)

センサー、マイコン、通信モジュール、無線

事業分野(ドメイン)

• さまざまな「業界」があり、 特有のシステムがある 特有の用語も– 例

• スマートアグリ(農業)– クラウド農業ナレッジソリューション

• スマートグリッド– エネルギー(電力)管理システム スマートハウス

• スマートな電気ポット         – IoT/M2M で高齢者見守りサービス

• M2M向け新型無線モジュール– デバイス(電子部品)メーカ

並び替え その2(分野・ドメイン)

HEMS   スマートメータ

スマートハウス

A ルート

B ルート

C ルートスマートグリット

UGCCNetIEEE1888  

BEMS  

FEMS  

スマート配電盤

MDMS

スマート家電

ECHONET-Lite  

・・・

○○業界  ○○システ

ム ○○業界  ○○システ

スマートアグリ

IEEE802.15.4/ZigBee

センサーデバイス

データ分析

クラウドサービス

農業ナレッジ分析

IoT/M2Mゲートウェイ

TCP/UDP

IPv4/IPv6

BLE

Meter Data Management System

Ubiquitous Green Community Control Network

スマート○○

スマートメータ

階層(レイヤ)と分野(ドメイン)を把握

• IoT/M2M の用語業界、ベンダが異なれば、よく似たもの・概念が、まったく違う用語に

• IoT/M2M の「用語」が出てきたら、注目すべきポイント– レイヤ(階層)で分類

• 機能、仕組み– 事業分野 ( ドメイン)で分類

• 対象は?何を目的とするか?

• この二つを おさえることで、整理しやすくなる– 特定事業分野での IoT/M2M の事例紹介

農業分野での事例(スマートアグリ)

富士通の「施設園芸 SaaS 」「施設環境制御 box 」

http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/agri/uecs/

クラウド ネットワーク・無線

ノード(マイコン・

センサ)Ⓒyukiokubo     2015 16

サービス

環境のセンシング・制御

2.用途や分野から見る IoT /M2M  ~所変われば品変わる~

IoTのイメージを通信関連企業の側面から整理

IoTM2M

ビッグデータ

概念 Internet of Things

Machine to Machine

BLE ( Bluetooth Low

Energy ) IEEE802.15.4/ZigBee Wi-SUN無線通信

通信プロトコルTCP/UDP IPv4/IPv6

センサーデバイス

○○センサ

温度・湿度・光・位置・人感… ArduinoEdison

Raspberry Pi

高速プロトタイピングツール試作用マイコン(基板)・環境検知するための部品

IoTゲートウェイ

クラウドサービスデータ分析

IoTサービスAzure IoT

Windows 10 IoT

パブリッシャー 

ブローカー 

サブスクライバ 

MQTT 

※量産時には専用基板

MQTT ( Message Queue Telemetry Transport

サービス

マネタイズ

エネルギー管理の側面から俯瞰した IoT

IEEE1888 UGCCNet

BEMS (ビル)  HEMS (家庭) 

CEMS (地域) 

FEMS (工場) 

IoT

M2M

BLE ( Bluetooth Low

Energy ) 

ECHONET-Lite  

IEEE802.15.4/ZigBee Wi-SUN

スマートグリット

ビッグデータ

MDMS   

通信

概念

Energy Management System

Internet of Things

Machine to Machine

電力会社のサーバ

Cルート

エネルギーの 計測・制御・通信

スマートメータスマート配電盤

スマート家電 スマートデバイススマート○○

センサ

Bルート

通信プロトコル

無線通信

・・・

・・・

M2M Aルート

M2M

Meter Data Management System

家の中の IoT/M2M  

BEL(Bluetooth Low Energy)  

ECHONET-Lite   IEEE802.15.4/

ZigBeeWi-SUN

ビッグデータ

M2M(Machine to Machine)

スマートメータ

スマート家電 スマートデバイススマートな住宅設備

各種センサ

太陽光発電

家庭用燃料電池

発電・蓄電・蓄熱

ホームサーバ・ GW

快適環境・省エネ安全安心(防犯・見守り・介護・ペット)情報(人の位置・行動、状態・バイタル)

・・・

ウェアラブル・デバイス

MDMS   電力会社のサーバ クラウド上の IoT サービス  

IoTゲートウェイ

サービス

スマートハウス外部とのIF   

つなげる仕組み  

計測・制御対象  

スマートハウス(ホーム)のイメージ(例)

Siri

35 分後にアラームをセッ

00:3535 分後

にアラームをセットしまし

オーブンを 35 分

にセット00:35

35 分にセットし

ました加熱開始

します

現在のインターネット活用 IoT時代のインターネット活用

Internet of Things

数年前の     CM

オーブンがネットにつながると

上から下への流れもある

• サーバ、クラウドサービス側から「制御」する– IoT/M2M は、下から上へデータを吸い上げる

イメージが、強いが、その逆の流れもあるしかし、「制御」は、あまり注目されていない感

– BigData に注目が集まっているので、下から上へデータ流れに注目しがちな傾向• アプリ寄りの人には、「制御」が苦手?• センサに興味があっても、アクチュエータ(動かすための機器)

には興味が向かない模様

3.すでに始まっているIoT/M2M

IoT/M2M の事例

すでに始まっている IoT/M2M

• IoT/M2M のシステムは、すでに様々なところで様々な分野で実用化されている

• 但し、標準化されていない独自仕様  ⇒垂直的な独自システム

メーカ独自、業界独自のシステム

すでにある IoT/M2M

• 有名なところでは  KOMTRAX( コマツ 2001 年~ )

• 建設機械遠隔確認システム   コムトラックス– 約 62,000台( 2011/4 現在)

の KOMTRAX装備車両– 10 年以上の実績

http://www.komatsu-kenki.co.jp/service/product/komtrax/ 

すでに始まっている IoT/M2M

• もっと身近なところにも M2M のシステムが

FeliCa リーダ / ライタ内蔵の自動改札機

本や雑誌に書いてある事例では、

面白くないので、筆者が携わってきたシステムについて示します

すでに実用化されている M2M の事例

27

改札機 改札機制御機

A駅サーバ

駅務サーバ

  出改札情報・ ICカードの識別番号・入場 /出場時間

ピッ!

駅務システム専用ネットワーク(非IP)

駅構内 IPネットワーク

鉄道事業者の自動改札機の OD( Origin/Destination )データの収集   2001~

業界専用プロトコルM2M通信

TCP/IP

改札機

改札機制御機

B駅サーバ

鉄道会社IP網

ODDBサーバ

ODData

保守DBサーバ

保守Data

FeliCa

FeliCa

鉄道事業者・本社 IPネットワークTCP/IP

広域 IPネットワーク

BigDataJR東日本の Suica約 4,557 万枚

運賃収入サーバ

運賃収入Data

すでに実用化されている IoT/M2M 事例

28

改札機 改札機制御機

駅サーバ

社局サーバ

DB照合サーバ

アプリサーバ

メールサーバ

携帯電話

  出改札情報だれが、どこで、何をし

コンテンツ

ピッ!

DB

各鉄道事業者

駅務システム専用ネットワーク(非IP)

業務系 IPネットワーク

社局サーバ

運行管理システム

Web技術・アプリ

鉄道事業者の ICカード応用システム あんしんグーパス (試験運用 2001 実運用2003~ )

メール

サービス事業者

M2M TCP/IP

GPS付ケイタイ・スマホの普及によりサービスが縮小

先進のサービスの寿命は短いか

IoT/M2M データの取扱いの難しさ国内でもすでに、 このような事例がITPro( 日経 BP社 )2013 年 10 月 16 日の記事より

JR東日本のICカード( Suica )のOD データ販売にまつわる騒動

同時は、まだビッグデータが一般的な用語でなかった?

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20131010/510322/ 

JR東日本の ICカード( Suica )の ODデータ販売

JR東日本は、OD データ販売を前に「希望者はデータを除外できる」旨を告知していたが、周知されていなかった模様。

http://japan.cnet.com/news/service/35035165/

個人情報が含まれるまたは、推測される可能性のある BigData の取り扱いの難しさを露呈         (2013 年 )

さらに検索すると…

ここ 大事!

ハンドメイド IoT /M2M

• ハンドメイド (草の根) IoT/M2M各種ハッカソンや、  MAKERS 、電子工作愛好家が   個人レベルで開発・構築

• 実用的なものから、実験的なもの、趣味、アートなものまで様々

– IoT /M2M の「すそ野」を広げる• 様々な可能性を見出すことができる

• 私も、いろいろ発表しています– やってみないと、分からないことが多い

こんなん作りました

UDP/IP鉄道模型遠隔運転システム

• JAM2006 大阪(第 7回国際鉄道模型コンベンション)にて展示– UDP/IP を使った鉄道模型( Nゲージ)遠隔運転システムを展示 ~ めざせ インターネット リアル電車でGO ~• 遅延の問題で動画の TCP/IP伝送を断念

AKI-H8/3069FフラッシュマイコンLANボードhttp://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-00168/

汎用 東京電力電力供給状況表示装置( 2011 )

• インターネット上で公開されている東京電力の電力供給量の情報(東京電力電力供給状況 API)にアクセスし、電力消費率に合わせて、AC100Vのランプや回転灯を点灯させ、省エネの必要性を通知する装置

http://www.eleki-jack.com/arm/2011/04/1-12.html

東京電力電力供給状況API

汎用 東京電力電力供給状況表示装置( 2011 )

YouTube   https://www.youtube.com/watch?v=sYMkB-SeK6o

ハードウェア   mbed マイコン

いまどきの言い方をするとオープンデータを活用するシステム

電力供給逼迫(ひっぱく)時シャットダウン装置の製作

自主的に自動的に消費電力を削減するシステム

草の根スマートグリッド構想( 2011 )

http://www.eleki-jack.com/arm/2011/05/3.html  

電力供給状況表示等の記事の反響

• 2011 年の震災後の電力危機– 4 月~ 5 月に記事を掲載

• 2011夏をどう乗り切るか?• 肯定的意見– 「( Web サーバのデータ活用)その手があったか」– 「枯れた技術、すでにあるインフラだけで構築可能

だ」• 否定的意見– 「コンセプトは素晴らしいが

(お金にならないので)ビジネスにならない」• コンセプト、技術が良くても、成功するとは限らない

4.技術や仕組みから見る IoT /M2M

特にセンサーノード(下位レイヤ)

周りを中心に解説

センサとデバイス• センサーノード– ノード ネットワークに接続されている機器– センサーノード  センサー付の末端機器

• デバイス(部品)– センサ• 検知

– マイコン• 制御

– 通信モジュール

各種センサ• 物理量とセンサ

• 環境– 照度、紫外線、音、放射線、温度、湿度、大気圧・・・

• 位置・移動 – GPS 、ジャイロ、加速度・・・

• バイタル(生体)– 体温、脈拍、血圧、血中酸素・・・

• 物理量– 距離、位置、回転、圧力、歪、振動、・・・

• 電気– 電力、電圧、電流、磁気・・・

• 気象– 風向、風力、降雨、降雪、波

• 土壌– PH (化学量)、水分量

– センサの出力• デジタル(オン・オフ)、アナログ、シリアル IF ( I2C, SPI )

3 次元加速度センサ

GPS モジュール

CDS光センサ

角度センサ

温度センサ

IoT/M2M (開発)向けマイコン

• 高速プロトタイピング向きマイコン– 使いやすいマイコン基板 ( 開発ボード )+効率よくソフトウェアを開発できる環境• 量産用は、別途組み込みマイコンで開発する必要

ありArduino( アルドゥイーノ )   Raspberry Pi

mbed Intel Galileo

ARM コア  32ビット

AVR   8 ビットマイコン Pentium(x86)互換の

SoC 「 Quark X1000 」(400MHz)

無線モジュール・無線内蔵マイコン

• 最近  IoT/M2M向けの無線モジュール・無線内蔵マイコンが充実

Intel Edison無線マイコン TWE-Lite DIPIEEE802.15.4/ZigBee

Wi-SUN認証 920MHz帯無線通信モジュール

村田製作所

BLE(Bluetooth Low Energy)無線モジュール

ホシデン株式会社 TOCOS

Wi-Fi   2.4GHz/5GHz ( IEEE 802.11a/b/g/n ) Bluetooth 4.0

無線モジュール(携帯電話回線)

• 携帯電話網( 3G ・ 4G )や PHS回線を使う無線モジュール

3G(WCDMA)回線用無線モジュール基板

3Gシールド for Arduino

4G(LTE)回線用無線モジュール基板

LTEPiRaspberryPi向き LTE モジュール

「 PHSシールド」 PSLD-01

IoT/2M2 プロトコル

• 特定ドメイン用プロトコルの例– スマートハウス( HEMS )   ECHONET 、 ECHONET Lite– スマートビル( BEMS )    IEEE1888

• 汎用プロトコルセンサーノードと IoTゲートウェイ間

• Web の世界では、 HTTP/TCP/IP が主流• 実装が重たい HTTP/TCP/IP は使い勝手が悪い

– IoT/M2M向けの軽い ?HTTP もどき• MQTT       IBM• CoAP        IETF(RFC7252 )• Physical Web  グーグル

• どれが、主流になるかは?  流動的 

5.これから「すべきこと」と、注意事項

これから「すべきこと」と、IoT/M2M構築の注意事項

• 標準化動向に注目– 国際的な綱引きが始まった

• プロトタイプ(試作)でノウハウを積もう• 注意事項– セキュリティ、プライバシーに注意

• IoT/M2M のデータの収集、活用、販売– 電波の混雑に注意

• 2.4GHz は大混雑– 電源に注意

• スペックどおり、電池は持たない

■標準化への期待

• ETSI (エッツイ:欧州の標準化機関)M2M の共通サービスレイヤ仕様にかかわるバラバラな標準化を回避するため  oneM2M  を提唱  国際標準へ?参加国 

• ARIB (社団法人 電波産業会)、 TTC(社団法人 情報通信技術委員会 )

• ATIS (北米)、 CCSA (中国)、 TIA (北米)、 TTA (韓国)• 米国勢は??

– IoT の標準化団体• AllSeen Alliance      Qualcomm   MS • Thread Google   ARM   Freescale Semiconductor • Open Interconnect Consortium (OIC) Intel 、 Broadcom 、 Atmel

 国際的な綱引きのはじまり?

■M2M国内での取り組みTTC(社団法人 情報通信技術委員会 ) の WEB サイト

■標準化で、何が変わるのか?

○○ 高齢者見守りシステム

○○ 重機情報システム

○○ ガス安全システム

○○ 電力情報システム

○○ セキュリティシステム

○○ ビル保安システム

○○ プラント保全システム

○○ 高齢者見守りシステム

○○ 重機情報システム

○○ ガス安全システム

○○ 電力情報システム

○○ セキュリティシステム

○○ ビル保安システム

○○ プラント保全システム

プロトコルの標準化

サービスの標準化

インフラの標準化

■今までの IoT/M2M     独自システム

 垂直的(バラバラ) 専用 コスト高

■これからの IoT/M2M    緩やかに標準化

 水平的 分散・汎用(相乗り)

センサまわりの標準化(汎用)

○○サービス ○△○×

サービス○△

サービスの標準化 サービス

インフラの標準化

プロトコル

センサ

標準化への期待

■標準化への期待はあれど

• 欧州の標準化機関+日本  VS  米国勢– この構図、ありましたよね  10数年前まで…• 欧州+日本  光 ISDN でブロードバンド

– B-ISDN,ATM(Asynchronous Transfer Mode)– OSI プロトコル群

• アメリカ勢– イーサネット LAN ( IEEE802.3 )– TCP/IP プロトコル群

• 国内では…– 総務省( ITC )、経済産業省( IT )の綱引き大会も  

未来はわからない

• 標準化がどうなるか?– 米国勢がデファクトスタンダード

になる可能性も– 「どこに乗るべきか」悩ましいが未来は流動的

どうなるかは、分からない

• 標準化の覇権争いの結果が出るのはまだまだ先の話– それまで、待つ??

• そのころには、他社が…

今、何をすべきか?• 不確定要素が多いが走らなければ、前に進まない

• 試作(プロトタイピング)でノウハウを積む

• 試作は、現段階のベストで– 変更になる可能性ありで設計• 手戻りを最小化する設計

変わることを前提に設計・構築する。

• 変わりそうな箇所を局所化して設計する• インタフェースをシンプルに

処理

無線  Xモジュール

ハードウェア  X依存層

上位通信プロトコル A依存層

上位通信プロトコル A

処理

無線   Yモジュール

ハードウェア  Y依存層

上位通信プロトコル B依存層

上位通信プロトコル B

中心部分は変更なし

変更

変更

汎用技術

汎用技術

試作しながら

• 構築ノウハウ、運用ノウハウを積む• 自社のコア技術や運用ノウハウはどこにあるか?– 技術面

• 外部に見えても良い箇所と見せてはいけない箇所は?• 外部に(開示して)委託できる箇所と内製にすべきところ

– 運用面• どこにセンサを付けると効果的か?• どのようなセンシングの粒度が効率的か

– STP について検討• セキュリティやプライバシーの問題の回避方法

経済用語としての STP とは• STP (マーケティング用語)– ①Segmentation   市場の分類– ②Targeting ターゲット市場– ③Poitioning 立ち位置、

             顧客にとってのイメージ

• IoT/M2M に  S   T   P  を当てはめてみると…

 

■ IoT/M2M の STP とは?

  • Sensing   センシング

– 計測対象をどのようにして計測するか?– どのようなセンサを使うか?

• Sampling  サンプリング– アナログ信号の A/D 変換精度  1回の AD 変換で生成されるデータ量 (精度)

• timing  タイミング

– どのタイミングで 定周期、何か起きたとき(イベントドリブン) 時間的な粒度

• Particle   パーティクル

– 粒度(センサーを配置する細かさ、粗さ)  センサの数が決まる• Platform   プラットフォーム      • Protocol   プロトコル       各種オーバーヘッドに注意   

    – どのようにして、データを送るか?受けるか?(仕組み)

S

T

P

■ STP により決まること

• 発生するデータ量の見積もりができる

• 注意事項– データの発生は、ランダムか?バースト性があるか?– 各種のオーバーヘッドに注意

• 通信回線の選定、プラットフォーム、サービスの選定に

– センシングの粒度とコストはトレードオフ• 粒度 (精度、時間的、個数 ) が細かいほど、コスト高• 適切な粒度(効果とコストのバランス)

全体のデータ量=   1回のサンプリングで生成されるデータ量  ×          単位時間当たりの発生回数  ×  センサ(ノード)の数

■試作(プロトタイピング)による実証実験

• 対象システムにおける適切な STP は?– やってみないと、わからない

• プロトタイピングによる実証実験が必要–小規模システムでの高速プロトタイピング• デバイスの検討  センサ、マイコン• センサの種類、センサの取付方法• 粒度 (精度、時間的、個数 )

回線の太

さは?

性能は?

1秒間に何回サンプリン

グ?何個が適正?

デバイス(センサとマイコン)の検討1

• どのようなセンサを使う?マイコンは?– インタフェースは?電源は?

http://tocos-wireless.com/jp/products/TWE-001Lite.html より引用

無線モジュール内蔵マイコン

センサとデバイスの検討2

• プロトタイプ用マイコンの選定• センサを接続するマイコン• センサとのインタフェース

– 無線機能– 電源をどうするか?

• バッテリ駆動 電池寿命  • エネルギーハーベスト• 省電力機能

– インターネット接続の場合、セキュリティも• 認証機能、暗号化通信( VPN機能)

– ツールの使い勝手• 高速プロトタイピング向き• あくまで、プロトタイピング※大量生産の場合は、 SoC化

IoTゲートウェイARM マイコン

IoT/M2M 時代の人を育てる• IoT/M2Mシステムの構築–幅広い分野、知識が必要• アプリ、データ分析、サービス、運用ノウハウ• プラットフォーム• デバイス(ハードウェア)• セキュリティ / プライバシー

– 全体をデザインできる人が不可欠• 一人で、すべてをカバーすることは難しい• 複数の専門家をチームでまとめる• 全体を知っている調整役が必要

注意事項

• セキュリティ、プライバシーに注意• IoT/M2M 時代のセキュリティ• IoT/M2M のデータの収集、活用、販売• JR東の例に学ぶ

• 電波の混雑に注意• 2.4GHz は大混雑

• 電源に注意• スペックどおり、電池は持たない

セキュリティ、プライバシー• IoT/M2M 時代のセキュリティ–  情報だけでなく「モノ」が被害にあう

– IPA の情報セキュリティのページを参照

• プライバシーに注意• IoT/M2M のデータの収集、活用、販売• JR東日本の例に学ぶ• 如何に、「データ収集」を顧客に説明するか?

情報セキュリティ 10 大脅威 2015  より

http://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2015.html  

情報セキュリティ 10 大脅威 2015  より

http://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2015.html  

情報セキュリティ 10 大脅威 2015  より

http://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2015.html  

電波の混雑に注意• 2.4GHz(ISM バンド ) の電波は大混雑

– IEEE802.15.1   Bluetooth– IEEE802.15.4 / ZigBee– IEEE802.11 b/g 無線 LAN

• 他の 2.4GHzを使う無線– 電子レンジ– 医療機器– デジタルコードレス電話– ラジコン– ワイヤレスマイク※話題のドローンも

• 根本的対策  サブギガ帯( 920MHz)の Wi-SUN  などへ移行• 運用面     無線の自粛のお願い。無線 LAN は  5GHz帯を

使う 

電波が混雑すると、伝送遅延伝送エラー回線の切断

等が発生する

2013 年 第 2回ものアプリハッカソン

Bluetooth がペアリング

できない

2.4GHz(ISM バンド ) の電波の解析

電波が干渉する

ZigBeeWiFi

Bluetooth

電源に注意• 電池の消耗が早い

– スペックどおり、電池は持たない• 温度変化

– 温度により、化学電池の性能は変動» 寒いと性能低下» 熱すぎると、電池が劣化» エネルギー密度が高い電池は、小型爆弾

• 過度な温度変化、振動、圧力に注意• 電波が混雑すると

– 再送信(リトライ)が増える» 電波を出している時間が長くなる» 電池が消耗する

××

1回目

2回目

3回目

注意事項はその他にもあり• これ以外にも、落とし穴はいろいろある• 教科書が無い世界– とにかく、「やってみないと、わからない」–走りながら考える

• 目的と手段が逆転しないように注意– 何のために、 IoT/M2Mシステムを入れるの?

参考書籍• 絵で見てわかる IoT/センサの仕組みと活用

– 株式会社NTTデータ 著 翔泳社発売日: 2015 年 03 月 16 日 ISBN: 9784798140629

• インプレス標準教科書シリーズM2M/IoT教科書 – 稲田 修一 (監修 ), 富田 二三彦 (編集 ), 山崎 徳和 (編集 ),

MCPC M2M/IoT委員会 (編集 ) – 発売日: 2015 年 05 月 1 日 ISBN-10: 4844337858

アイデア勝負!

結局• この 三つの要素を 

  どう組み合わせるか?が鍵!

アプリ・クラウド・サービスデータ分析

プラットフォーム(インフラ)ネットワーク・無線

デバイスノード(マイコン・センサ)

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今ハッカソンが人気 なぜ?例 ものアプリハッカソン(第一回 2013 年 1 月大阪市)http://www.kumikomi.net/archives/2013/02/rp03hack.php

MoffBand

Moff の原型

Moff プロジェクトとして進化

ものアプリハッカソンの成果物 「『 KodoQ 』怒りのイカ

クラウド・ファンディング・サイト「 Kickstarter 」で最終的に 7万 8000米ドルを超える資金調達

ウェアラブル端末 × アプリ × クラウド連携http://www.ashita-lab.jp/special/2733/

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今 Raspberry Pi などの電子工作が流行り

• Raspberry Pi は、超小型 Linux パソコン– LAN に繋がる電子工作用パソコンとして人気– 6000円程度と安価– IoT を考えるツール

として最適– 書籍・雑誌等も数多く出版

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役者は揃った!じゃ!何をセンシングする?

クラウド・サービス… 

プラットフォーム

デバイス(マイコン・センサ)

サービス /インフラ

ネットワーク・無線網

ネット対応マイコン何を測るのか?

何を制御するのか?アイデアしだ

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【イメディオ・制作技術セミナー】

• 話題の小型パソコン基板  Raspberry Pi で 電子工作入門~イメディオ電子工作部~– 2015 年 6 月 24 日(水) 13:00 ~ 18:00

Raspberry Pi は、教育用のコンピュータでコンピュータサイエンスやプログラミング教育用途のパソコン基板です。 普通のパソコンと違う点は、外部との入出力インタフェース( I/O )が用意されており、そこに、電子回路や様々なセンサーをつなぐことにより、機器の制御や外部環境のセンシングや可能となる点です。また、 Raspberry Pi (モデル B )には、イーサネット LAN のコネクタがあり、簡単にネットワークにつなぐことができます。プログラムを工夫することにより、インターネットやクラウドを介した外部機器の制御やセンサーの状態の検知が可能となります。これは、話題の M2M や IoT を実現するツールともなり、 Raspberry Pi を応用したインターネット対応型の電子工作の事例が Web や雑誌で数多く紹介されています。

• Arduinoプログラミング入門講座も企画中

• 大阪・日本橋 ロボット連絡会のご案内– ロボット連絡会では毎月 1回(第 3火曜日午後 6 時~)に定例会を開いております。(参加費無料)

–毎回、講演者を招き、ロボットに限らず、 IoT/M2M や組込みシステム、3 D プリンタなどのモノづくりをテーマにした勉強会を開催しております。• 詳しくは、 http://roboba.jp