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6. エネルギーとその保存則
6 .1 仕事
6 .2 仕事の一般的定義
6 .3 仕事率
6 .4 保存力と位置エネルギー
6 .5 運動方程式のエネルギー積分
質量mの静止していた物体が力Fを受けて Δ t秒間に
Δ rだけ移動したとしよう。
物体が受ける仕事はW=F Δ rである。
Δ t秒間に Δ rだけ移動したのだから
その間の平均速度は である。
しかし最初は v =0であった。ということは、
Δ t秒後は になる。
Δ r
Δ t
av
rv
t
2final
rv
t
6 .1 仕事
6 .1 仕事仕事 mechanical work は、
と書くことができる。力積 (impact) はF Δ tであり、これは運動量の変化量である。静止していた物体は、力を及ぼされたことにより運動量を獲得する。
仕事によって物体は力学的運動エネルギーを獲得する。
Δ r
Δ t2av final
tW F r Fv t Fv
final finalp mv F t
221
2 2 2
final
final final
p ttK W Fv mv t
m
6 .2 仕事の一般的定義力を及ぼして物体が位置r1からr n まで移動したとき、物体に与えた(損した)総仕事量は以下のように力と変位の内積の集合として与えられる。
物体が獲得した仕事はエネルギーが保存するときは当然、
となる。
1
1
n
j j j
j
W F r r
������������������������������������������
1
1
������������������������������������������n
j j j
j
W F r r
6 .3 仕事率単位時間当たりの仕事を仕事率という。
仕事
仕事率
[ ] W F r J
1[ ] [ ] dW
P Js Wdt
6 .4 保存力と位置エネルギー
仕事
が
のように書けると仮定しよう。このとき、は位置積分可能な関数でなければならない。 U(r)を r における位置のエネルギー、あるいはポテンシャルエネルギーという。このとき以下の関係がある。
1
( )r
rU r F r d r
����������������������������
( ) , ,U U U
F r gradU rx y z
��������������
1
1
������������������������������������������n
j j j
j
W F r r
( )��������������F r
6 .4 保存力と位置エネルギー
物体が U(r) の下を rA から rB まで移動したとする。
位置エネルギーは から
となる。物体は の運動エネルギーを得る。
位置エネルギーの変化量と物体が獲得する運動エネルギー量は等しい。 この性質は
のときのみ成り立つ。このときFを保存力という。
AU r BU r
B AU r U r
1
( )r
rU r F r d r
����������������������������
力が のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
( )F r gradU r��������������
6 .4 保存力と位置エネルギー
力が場所積分可能な場合に僕らの運動の式はどうなるのだろうか試してみよう。
0 から x まで積分しよう。
2
2
d xm F x
dt
6 .5 運動方程式のエネルギー積分
2
20 00
x xd xm dx F x dx U U x
dt
22 2
2 2
2 20 00
02 2 2
tx td x d x dx m dx m mm dx m dt v t v
dt dt dt dt
位置エネルギー差と同じ量の運動エネルギーが発生する。
力が のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
( )F r gradU r��������������
6 .4 保存力と位置エネルギー
もし、物体が保存力の力によりある地点から移動し
て、再び元に戻ったとする。このときポテンシャル
エネルギーは出発時点ともとに戻った時点では変わ
らない。よって運動エネルギーも元に戻る。仕事ゼ
ロ。エネルギーはもちろん保存する。
6 .4 保存力と位置エネルギー
問: 以下の力は保存力か?1) 保存力
2) 保存力
3) 保存力ではない
xF kx yF ky
2 2 2x
kxF
x y c
2 2 2y
kyF
x y c
4 3xF kx ky 2yF kx
6 .4 保存力と位置エネルギー
問 スカラー関数Aは が常に成り立つことを示せ。
0gradA
( ) , ,A A A
gradA rx y z
0
x z ygradA gradA gradA
y z
A Ay z z y
6 .4 保存力と位置エネルギー
1) は保存力か?
もし ならば、
ならば、 F は保存力である。
( ) , ,U U U
F gradU rx y z
��������������xF kx yF ky
2yx
FF U
y y x x
2y z
F FU
z z y y
0kx ky
y x
保存力&一回りで仕事ゼロ
2xz FF U
x x z z
0y xF F
x y
0yzFF
y z
0x zF F
z x
0F ��������������
6 .4 保存力と位置エネルギー
2) 2 2 2x
kxF
x y c
22 2 2 2 2 2
2xF kx kxy
y y x y c x y c
保存力&仕事ゼロ
2 2 2y
kyF
x y c
22 2 2 2 2 2
2yF ky kxy
x y x y c x y c
6 .4 保存力と位置エネルギー
3) 4 3xF kx ky
4 3 3xFkx ky k
y y
保存力ではない。一周した場合仕事あり。もし、 なら保存力だった。だから、余るのはky である。 OA,BC について力 ky の仕事が、一周したときの仕事。
仕事は -kba
2yF kx
2 2yFkx k
x x
O A(a,0)
B(a,b)C(0,b)
0A A
xO OF dx kydx
C C
xB BF dx kydx kba
4 2xF kx ky
6 .4 保存力と位置エネルギー
重力がなく、空気抵抗もない空間で、図のようにバネにつながれた質量mの物体を、自然長を原点として、原点から x0 だけ引き伸ばし、時刻ゼロで手を離した。
1)時刻 t での物体の位置 x(t) を求めよ。2)物体に働く力、 F(t) を求めよ。3) 力の F(t) のポテンシャルエネルギーを求めよ。4) x0 から 0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。5) 0 から -x0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。6) -x0 から 0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。7) 0 から x0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
m
k
x
簡単な問題
1)時刻 t での物体の位置 x(t) を求めよ。
2)物体に働く力、 F(t) を求めよ。
3) 力の F(t) のポテンシャルエネルギーを求めよ。
4) x0 から 0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
m
k
x
0 cosk
x x tm
0 cosk
F t kx kx tm
F gradU 21
2U kx
0
0 202x
kW F dx x
簡単な問題
5) 0 から -x0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
6) -x0 から 0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
7) 0 から x0 まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
m
k
x
0 200 2
x kW F dx x
0
0 202x
kW F dx x
0 200 2
x kW F dx x
簡単な問題
以下の力は保存力か?
1. 保存力
2. 保存力ではない
3. 万有引力 保存力
4. 粘性抵抗力 保存力ではない
,0F kx ��������������
,F kx kx ��������������
簡単な問題
3
MmF G r
r
����������������������������
力 は保存力であり、力の方向を右図の上に書くと放射状の矢印になる。以下の力は保存力か否か、を答え、力の方向を右図にならって描け。
1)
2)
( , )F x y
X
Y
O
( , )F y x
,F x x��������������
簡単な問題
力 は保存力であり、力の方向を右図の上に書くと放射状の矢印になる。以下の力は保存力か否か、を答え、力の方向を右図にならって描け。
1) 2)
( , )F x y
X
Y
O
( , )F y x ,F x x��������������
X
Y
O X
Y
O
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座標成分が fx=axy, fy=ax2/2(a は定数)と書けたとする。 f が保存力であるかどうか調べよ。もし保存力ならポテンシャルエネルギーを求めよ。
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座標成分が fx=axy, fy=by2 (a,b は定数)と書けたとする。 f が保存力であるかどうか調べよ。X 軸上の点 A(r,0) から y 軸上の点 C(0,r) まで、半径 r の円周に沿って動く場合と、弦 AC に沿って動く場合の f のする仕事を求めよ
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座標成分が fx=axy, fy=ax2/2(a は定数)と書けたとする。 f が保存力であるかどうか調べよ。もし保存力ならポテンシャルエネルギーを求めよ。
問: X 軸上の点 A(r,0) から y 軸上の点 C(0,r)まで、半径 r の円周に沿って動く場合と、弦AC に沿って動く場合の f のする仕事を求めよ。
円周:
弦:
21
2U ax y C
31
3x yW f dx f dy b a r 31
3 2
aW b r
簡単な問題
重力はと書けるとき保存力であり、位置エネルギーが mgh のような関数で表現できる。摩擦などがないときの重力下の運動は保存力下の運動である。これまで学んだ振り子の運動を保存力と位置エネルギー観点から調べよう。
θ
mg
l
6 .4 保存力と位置エネルギー
0, ,0 ��������������F mg
TA1 君 : 重力は保存力ですね。TA2 君 : そうです。TA3 君 : 右図の振り子を考えましょうTA4 君:考えます。TA5 君 : 運動方向の力は です。TA1 君 : そうです。TA2 君 : 保存力なら力学的ポテンシャル U があるはずです。そして にならなければなりません。TA3 君 : そうです。当たり前です。TA4 君 : 振り子を動かしているのは一定の重力だから、 ポテンシャルエネルギーは U=mgh のような形にならなければなりません。
sinF mg θ
mg
l
F gradU
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA5 君 : そうです、別にいいじゃないか。TA1 君 : 良くありません、なんで が U=mgh から出てくるか問題です。TA2 君 : そうです。問題です。TA3 君 : 考えて下さい。TA4 君 : 考えましょう。 横軸をx、縦軸をyとしましょう。 そして最下点 x=0,y=0 のポテンシャル エネルギーをゼロとしましょう。TA5 君 : そうしましょう。TA1 君 : 振り子の円弧の運動の方向は θ方向です。TA2 君 : そうです。TA3 君 : よって運動の位置の変数は lθです。
sinF mg
θ
mg
l
X
Y
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA4 君 : そうなんですか?TA5 君 : そうなんです、 l が大きければ移動距離が 大きくなります。 TA1 君 : つまり、 の微分変数を lθ にせよと言いたいんですか?TA2 君 : そうです。TA3 君 :ふ~ん、まあいいや、そうしましょう。TA4 君 : 積分しましょう。TA5 君 : 積分しましょう。TA1 君 :F を積分します。
TA2 君 : よくできました。でも C が分かりません。TA3 君 : 最下点の U はゼロです。
cosU mgl C
θ
mg
l
X
Y
F gradU
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA4 君 : なるほど、そう決めました。
になります。それで?TA5 君 : です。TA1 君 : え、ああ、そうね、それで?TA2 君 : だから、TA3 君 : だから?TA4 君 : です。これは mgh の形です。TA5 君 : なるほど、よくできました。
1 cosU mgl
θ
mg
l
X
Y
1 cosl y
U mgyO
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA1 君 : でも異議あり、
と勉強しました。だからx、y微分積分を使いたいです。TA2 君 : です。 だから、 です。 あれ?いや違う。変だ、待てよ・・・・TA3 君 : どうしたの?これでいいじゃん。TA4 君 : いや、ちょっと待って、ええっと・・・・ x、y積分を使うときは、 力もx、y成分を使わなければなりませんでした。
, ,U U U
F gradUx y z
θ
mg
l
X
Y
O
sinmgx
F mgl
2
2
mgxU C
l
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA5 君 : そうなんですか?TA1 君 : そうなんです。だから、
です。TA2 君 : そうですね・・・TA3 君 : 積分しましょう。TA4 君 : 積分しましょう。TA5 君 :F を積分します。
TA1 君 : よくできました。でも C が分かりません。TA2 君 : 最下点の U はゼロです。
0, ,0F mg θ
mg
l
X
Y
O
U mgy C
6 .4 保存力と位置エネルギー
TA3 君 : なるほど、そう決めました。 それで?
TA4 君 : です。これは mgh の形です。
TA5 君 : なるほど、よくできました。 変数によって力の成分を使い分けなければ ならないんですね。TA1 君 : そうみたいですね。 面白いですね。TA2 君 : 面白いですね。
θ
mg
l
X
Y
U mgy
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
重力はである。振り子の場合は運動は自由ではなく
の条件で束縛されている。即ち、x、y成分は自由ではない。運動は円弧の内に限られている。円弧接線方向の力成分は、
である。
θ
mg
l
X
Y
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
sinF mg
0, ,0F mg
sinx l 1 cos y l
そして運動は θ方向だから運動の式は、
となる。ポテンシャルエネルギーは、運動の方向の変数 lθ で力を積分して求める必要がある。
から、最下点0とすると
となる。 だから、
θ
mg
l
X
Y
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
2
2sin
d g
dt l
sinF mg
1 cosU mgl
1 cos y l
Uは、 である。重力をy方向に積分して求めた場合、 と一致する。
それでは、よく近似的に用いられる、θが小さいときの式
の場合のポテンシャルエネルギーはどうなるのだろう?
θ
mg
l
X
Y
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
U mgy
0, ,0F mg
U mgy
2
2~
d g
dt l
この場合、力はだから、
である。もともとであった。 θが小さいときはマクローリン展開的近似ができる。
近似的運動の式も保存力とポテンシャルエネルギーの理論に矛盾はない。
θ
mg
l
X
Y
O
6 .4 保存力と位置エネルギー
sin ~ F mg mg
21
2U mgl
1 cosU mgl
2
2
11 cos ~ 1 1
2
1
2
U mgl mgl
mgl
次にバネの運動を調べよう。バネを引っ張り、時刻ゼロで手を離した場合を考えよう。バネ常数 k, 粘性抵抗係数 α、自然長の位置をゼロとする、時刻ゼロではバネの速度は当然ゼロ。
mk
6 .4 保存力と位置エネルギー
2
20
d x dxm kx
dt dt
5.2 減衰振動のまとめ
運動の式
t =0 で v=0 のとき、
①減衰振動
②臨界制動
③過減衰 2 2 2 20 0
2 20
2 20
t tx A e e
tan
cos sin tx ae t
2 20
cos tx ae t
0 k
m 2
m
代表例として減衰振動を調べよう。
①減衰振動
変位 x のときバネのもつエネルギーはである。おもりmがバネから貰う運動エネルギーを考えよう。
cos tx ae t
21
2Bane kx
22
22 2
1 1
2 2
1cos sin
2
t
dxK mv m
dt
ma e t t
6 .4 保存力と位置エネルギー
抵抗が無いときの運動エネルギーとバネのエネルギー時間変化はグラフのように相互に入れ換わり二つの合計は常に一定である。
バネのエネルギー運動エネルギー
K
二つの合計
6 .4 保存力と位置エネルギー
運動エネルギーとバネのエネルギーの位置による変化はグラフのようになる。運動エネルギーは位置を決めれば必ず決まる。バネのエネルギーはポテンシャルエネルギーとなる。保存力。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6 .4 保存力と位置エネルギー
バネのエネルギー
運動エネルギーK
二つの合計
6 .4 保存力と位置エネルギー粘性抵抗が少し発生し β=0.5 のとき、運動エネルギーとバネのエネルギーは振動しながら時間とともに減衰する。二つの合計も減衰する。バネのエネルギーは抵抗による熱などの運動エネルギーではないエネルギー変換される。
バネのエネルギー運動エネルギー
K
6 .4 保存力と位置エネルギーβ=0.5 のとき、位置に対して運動エネルギーはいくつもの値をとる。保存力ではない抵抗が働く運動である。
バネのエネルギー運動エネルギーK
二つの合計
6 .4 保存力と位置エネルギーβ= 1のとき、運動エネルギーとバネのエネルギーは振動しながら時間とともにより速やかに減衰する。二つの合計も減衰する。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6 .4 保存力と位置エネルギーβ= 1のとき、運動エネルギーは位置に対して極めて非対象になり、且ついくつもの値をとる。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
二つの合計
6 .4 保存力と位置エネルギーβ= 2と大きくなると、運動エネルギーとバネのエネルギーは振動しながら時間とともによりさらに速やかに減衰する。二つの合計も減衰する。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
β= 2のとき、運動エネルギー、位置エネルギーとも非対象になり、負の位置の振幅は非常に小さい。
6 .4 保存力と位置エネルギー
バネのエネルギー
運動エネルギーK
二つの合計
6 .4 保存力と位置エネルギーβ= 5の臨界制動のとき、バネのエネルギーは振動せず減衰する。運動エネルギーはピークを 1つ持ちその後減衰する。二つの合計エネルギーは振動せず減衰する。
5
バネのエネルギー
運動エネルギー K
6 .4 保存力と位置エネルギーβ= 5の臨界制動のとき、運動エネルギーとバネのエネルギーは正の位置のみ。
5
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
そして保存力である。→ TA1 君チェックせよ。
→ TA2 君無限遠方をゼロとしてポテンシャルエネルギーを求めよ。
F a r r����������������������������
3
MmF G r
r
����������������������������
6 .4 保存力と位置エネルギー
中間試験
1.日時: 12月11日 ( 木 ) 4,5限 2.場所: 1331番教室3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の 8 章までに学んだ範囲4.試験時間: 90 分程度5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可6.期末テストは1月22日予定、全範囲
期末1月 22日
0
2 2
18 2
mV xU C
取り組んでみよう
TA1
宿題6の応用: t=0 で原点を通り、速度
で質量m の物体が x 軸上を移動するときの、
ポテンシャルエネルギーを求めよ。
0 12 2
V xv
力からポテンシャルエネルギーを求める練習
(1,1,1)F U x y z C
U xy C( , ,0) F y x
2 2 U x y C( 2 , 2 ,0) F x y
2 2 U x y C
2 21
2 U x y C( 2 , ,0) F x y
2 2 2 2, ,0
x yF
x y x y
TA2 TA3 TA4 TA5 TA1
力からポテンシャルエネルギーを求める練習
( ,0,0) xF e xU e C
log U x C1( ,0,0) F
x
y
U Cx2
1( , ,0)
yF
x x
U xy yz zx C
( , , ) F y z x z y x
TA2 TA3
TA4
TA5
中間試験
1.日時: 12月11日 ( 木 ) 4,5限 2.場所: 1331番教室3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の 8 章までに学んだ範囲4.試験時間: 90 分程度5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可6.期末テストは1月22日予定、全範囲
期末1月 22日
7. 角運動量とその保存則
7.1 ベクトルのベクトル積
7.2 力のモーメント
7.3 角運動量
7.4 運動方程式の角運動量積分
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
運動を調べよう。
F a r r����������������������������
3
MmF G r
r
����������������������������
MmU G
r
2
2 3
d r MmF m G r
dt r
����������������������������
7. 角運動量とその保存則
とおく。
だから、
であり、
cos , sin ,0r r r
cos sin , sin cos ,0d r
r r r rdt
2
22
cos 2 sin ,d r
r r r rdt
2, sin 2 cos ,0r r r r
2 0r r 22 0rr r
7. 角運動量とその保存則
2
2 3
d r Mmm G r
dt r
よって、
これを角運動量保存則という
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角運動量ベクトルの定義は
である。
L r p ������������������������������������������
2r rr C
7. 角運動量とその保存則
のときを調べよう。
運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり
角運動量ベクトル成分はz軸上にある。
もし、 なら
角運動量は常に一定である。
rr C
cos , sin ,0r r r
cos sin , sin cos ,0p m r r m r r ��������������
0,0,L r p mrr ������������������������������������������
0,0, 0,0,L mC L ��������������
7. 角運動量とその保存則
TA1: 万有引力は中心力と勉強しました。TA2 :勉強しました。TA3 :中心力下の運動では角運動量は保存すると勉強しました。TA4 :勉強しました。TA5 : 重力も万有引力です。TA1 : そうです。TA2: ならば、右図の振り子の角運動量も保存するの?TA3 : うん?角運動量って?TA4: よ。TA5: う~ん、振り子は折り返しのところで一旦止まるから必ず p=0 がある。しかし、最下点では勢いよく動く。
θ
mg
l
L r p
7. 角運動量とその保存則
TA1 :だからpは大きい。 保存しないんじゃないかな・・・
TA2 :不思議です・・・
TA3 :振り子の運動を勉強したので調べてみよう。
7 .3 角運動量
θ
mg
l
惑星の公転に倣ってこの度は原点Oを振り子の支点に取る。
sin , cos ,0 r l l
θ
mg
l
XY
O
7 .3 角運動量
cos , sin ,0
d d
p ml mldt dt
20,0,
L r p
dml
dt
・角運動量はz成分のみである。・振り子は往復振動するから、 は時間変化する。
だから振り子の角運動量は保存しない。
7 .3 角運動量
20,0,
L r p
dml
dt
d
dt
θ
mg
l
XY
O
角運動量の保存条件を調べよう。
保存条件:
を力のモーメントという。
のときに力のモーメントはゼロになる。このとき、角運動量は時間変化せず保存する。
7.2 力のモーメント
0 ��������������
��������������d LN
dt
����������������������������������������������������������������������������������������������������������������
������������� �
d L d r pN v p r F
dt dt
r F
����������������������������F ar
������������������������������������������N r F
力のモーメントは回転的運動を誘発する。角運動量を増減させる。r があり、Fがある。これらが平行か逆平行のとき回転は誘発されない。これらが直交関係のとき力はもっとも有効に回転運動に寄与する。
の力を中心力という。中心力のとき、力のモーメントはゼロである。力のモーメントがゼロの時角運動量は保存する。
7.2 力のモーメント
����������������������������F ar
������������������������������������������N r F
θ
mg
l
XY
O
確認しよう。
だから振り子の力のモーメントは
角運動量の時間変化は
両者は確かに一致する。
7.2 力のモーメント
0,0, sin ������������������������������������������N r F mgl
0, ,0 F mg
θ
mg
l
XY
O
sin , cos ,0 r l l
2
22
0,0, 0,0, sin
��������������d L d
ml mgldt dt
振り子を振る力は鉛直下方向き。支点から質点までの位置ベクトルとは一致しない。よって振り子にとって重力は中心力ではない。力のモーメントが発生し、角運動量は変化する。
7.2 力のモーメント
20,0,
d
L r p mldt
θ
mg
l
XY
O
0,0, sin ������������������������������������������N r F mgl
から振り子を振り出すとしよう。
初期角度は
さらに m=1, g=9.8, l=1 としよう。
2
lH
0 3
3.13 2cos 1d
dt
~ 3.13g
l
7 .3 角運動量
20,0, 0,0,3.13 2cos 1
d
L mldt
0,0, 9.8sin ������������������������������������������N r F
θ
mg
l
XY
O
m=1, g=9.8, l=1
0 3
7 .3 角運動量
θ
mg
l
XY
O
N
L
m=1, g=9.8, l=1
0 3
7 .3 角運動量
θ
mg
l
XY
O
N
L
θ
再び万有引力に戻ろう。
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
運動を調べよう。
F a r r����������������������������
3
MmF G r
r
����������������������������
MmU G
r
2
2 3
d r MmF m G r
dt r
����������������������������
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
とおく。
だから、
であり、
cos , sin ,0r r r
cos sin , sin cos ,0d r
r r r rdt
2
22
cos 2 sin ,d r
r r r rdt
2, sin 2 cos ,0r r r r
2 0r r 22 0rr r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
2
2 3
d r Mmm G r
dt r
よって、
これを角運動量保存則という
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角運動量ベクトルの定義は
である。
L r p ������������������������������������������
2r rr C
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
のときを調べよう。
運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり
角運動量ベクトル成分はz軸上にある。
もし、 なら
角運動量は常に一定である。
rr C
cos , sin ,0r r r
cos sin , sin cos ,0p m r r m r r ��������������
0,0,L r p mrr ������������������������������������������
0,0, 0,0,L mC L ��������������
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
は角速度であり、 は線速度である。よって、 は惑星軌道が掃引する面積速度である。
は面積速度一定を意味する。
ケプラーの第二法則
rr C
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
rrr
rr C
再び、
だから、大きさを比較して
角運動量の大きさ を使うと、
22
GMmmr mr
r
2mr L
2
2 3
d r MmF m G r
dt r
����������������������������
2
2 3 2
L Mr G
m r r
2
2 22
cos , sin ,0d r
m m r r m r rdt
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
よって、中心力
から、
角運動量一定が得られ、
r の運動について
の微分式が得られる。
この式は難問です・・・・・・
2mr L
2
2 3
d r MmF m G r
dt r
����������������������������
2
2 3 2
L Mr G
m r r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1 cosD
r
2
2 3 2
L Mr G
m r r
問 は
を満たす関数である。
TA4→Dを L,m,M,G で表せ。
2
2
LD
m GM
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1 cosD
r
2
2
LD
m GM
両辺を t で微分
さらに両辺を t で微分
)( sinsin
sin
22
2
Lmrm
LrrD
rr
D
coscos22
2
rm
L
m
LrD
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
2
2
LD
m GM
両式を比較
cos22
2
rm
LrD
232
2
r
MG
rm
Lr
GMm
LD
rm
L
r
MDG
r
D
rm
L
rm
L
r
MG
rm
LD
2
2
22
2
2
22
2
22
2
232
2
1cos
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
rの軌道の絵を書いてみよう
ε= 0 のとき ε <1のとき ε >1のとき
1 cosD
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1 cosD
r
2
2 3 2
L Mr G
m r r
は
を満たす。
ε= 0 のとき円軌道
ε <1のとき楕円軌道
ε >1のとき双曲線軌道
軌道の形は運動エネルギー(速度)によって決まる。
2
2
LD
m GM
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
ケプラーの第一法則
11 1.1 cos
r
11 0.8 cos
r
11 0.5 cos
r
11 0.1 cos
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1 cosD
r
2
2
LD
m GM
2sin
rD
r
cos sin , sin cos ,0d r
v r r r rdt
2 22 2 2 2 2 2
2 2 2 2sin
L Lv v v r r
D m r m
2mr L
sinL
Drm
2 2 2
2 2 2 22 2
1 1 1 sin 1
2 2 2
Lmv m r r
m D r
運動エネルギーを考えよう。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
2 2 2
2 2 2 22 2
1 1 1 sin 1
2 2 2
LK mv m r r
m D r
ε= 0 のとき運動エネルギー最少
ε が大きくなると運動エネルギー大きくな
る。
2 2
2 2
1 sin 1
2DmMG
D r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
2 2 2
2 2 2 22 2
1 1 1 sin 1
2 2 2
LK mv m r r
m D r
2 2
2 2
1 sin 1
2DmMG
D r
2 21 sin 1 cos
2 1 cosmMG
r r
21 1 2 cos
2 1 cos
mMG
r
211 1 cos
2
mMG
r
1 cosD
r
Kと ε の関係をもっと調べよう
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
ε= 0 のとき運動エネルギー最少もともとポテンシャルエネルギーはだから、 (最小値)
ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
MmU G
r
1
2
MmK U G
r
211 1 cos
2
mMGK
r
になる条件は mMK G
r0K U
1
2
MmK G
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
21 1 cos 2 になるチャンスは、 のとき。
楕円、円運動では K +U<0 であり、無限遠方には行くことができない。 のときはじめて、重力ポテンシャルに打ち勝って無限の彼方に行くことができる。その時の運動エネルギーは、
地球上の臨界速度は
から、
1
1
mMK G
r mM
K G mgRR
21
2K mv 2v gR
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
を第二宇宙速度という。
を第一宇宙速度という。
問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。TA5
問:双曲線軌道をとり地球に近づいた小惑星は、地球をの近くを通り過ぎた後、再び地球に近づくのはいつか?TA1
2v gR
v gR
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1
2
MmK G
R
MmK G
R
楕円の面積 Sは長径を a とすると である。
から となる。
角運動量 L一定=面積速度一定なのだから周期を T とすれば になる。
だった。 T と a に注目すれば、
周期は長径(短径)の 3/2乗に比例する。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
21
Da
1 cosD
r
2 21S a
S BLT2
2
LD
m GM
32 2 2
2 2
1S a aT
BL B Dm GM B m GM
ケプラーの第三法則
問 題
地球は太陽の周りをほぼ円周軌道で公転回転している。しかしこれまで学んだことに基づけば、厳密には「両者の重心周りをお互いに回りあっている。」と表現すべきである。地球の質量は 5.9x1024kg であり、回転半径は1.5x1011m である。太陽の質量は2.0x1030kg である。太陽の回転半径は何 km か。 TA2
442500 442.5mr
R kmM
X
YO
r
Y
X
θ
m
M
r
O
X - Y平面において半径rを一定角速度 ω で回転している質量mの角運動量を X 軸上の地点 から観測しよう。原点から見た時のm の位置ベクトルは
運動量ベクトルは
である。R から見た時のmの位置ベクトルは
となり角運動量は、
X
YO
r
Y
X
θ
m
cos , sin ,0r r t r t
sin , cos ,0p mr t mr t ��������������
,0,0R R
cos , sin ,0R r t R r t ��������������
R
20,0, cosL mr mRr t ��������������
復習
よって地点 R から見た時、m には見掛け上の力のモーメント
が働き角運動量が刻々と変化する。
当然であるけれども、中心力により運動する物体の角運動量は、運動の中心(焦点)から測定した時にのみ保存する。
X
YO
r
Y
X
θ
m
R
20,0, sinN mRr t ��������������
復習
復習
地球
m
Y
O
A
B(x,y,0)北極点
(0,R,0)Y
O
A
地球の重力により、図の矢印の方向に運動する2つのシャトルを考えよう。シャトル A は北極から南極に貫くトンネルを通る。シャトル Bは地表すれすれを一定速度で周回する。地球は真球であり、半径 R 、密度は均質な質量 M である。シャトルは質量mであり、十分小さい。トンネルも十分小さい。地球中心を原点 O にとる。トンネルを貫く軸を Y 軸にとり、図のような X-Y 平面をシャトルは運動する。 Z 軸は紙面鉛直上向きが正である。空気の抵抗は考えないとする。地球は自転していないとする。時間ゼロでシャトルは北極点におり、右回りとする。
Xθ
2 2
mM GMF G m
R R
F mg 2
GMg
R
22
GMa R g
R
3
GM
R
3
2 2 2R R R
T RGM GM g
地球とシャトルの間に働く力は、
だから、 である。
M= 5.974x1024 kg R= 6.37x106 m計算すると g =9.81 m/s2 である。
重力加速度は地表いたるところで一定であり、地球の中心方向を向いているから、 X-Y 平面上ではの形をしている。加速度の大きさ
角速度は
周期は =5060 s !
cos , sin ,0a g g
ケプラーの第三法則
復習
2 R GMv R gR
T R
P mv mR m gR
2
2 2 2
P mGM mgRE
m R
速度の大きさは
運動量の大きさは
運動エネルギーは
もしシャトルの重さが10トンだとすると、 E=3.1x1010 J !
最後にシャトルの位置は、時刻ゼロで北極点、右回りだから
=7.9x103 m/s !
cos , sin ,02 2
r t R t R t
復習
地球トンネルを動くシャトルの場合を考えよう。(0,y,0) にいるシャトルに働く Y方向の力は、 (x,y,0) にいる周回シャトルが受ける力の y 成分に等しい。
だから、運動の式は
加速度は
となる。これはバネの問題と同じである。
22 2
2sin cos
2y y
d yF ma m m R t m R t
dt
2m y
2yF m y
22
2
d ya y
dt
復習
sin cos2
y R t R t
式を解くまでもなく答えは求められて、シャトルの位置は( y 軸上)
速度は
運動量は
運動エネルギーは
周期は
3sin sin 7.9 10 sindy
v t R t gR t tdt
sinP t mv m gR t
2sin2
mgRE t
復習
22 5060 !
R
T sg
地球トンネルを動くシャトルの運動のまとめ1.北極にいるときの 速度はゼロ、加速度の大きさは
2.地球の中心で速度最大= 7.9x103m/s, これは周回シャトルの速度と同じ。加速度はゼロ。
3.運動エネルギーは北極でゼロ、地球中心で最大これは周回シャトルの運動エネルギーと同じ。
4.北極から南極まで行って帰ってくるのに 5060 秒かかる。これは周回シャトルの1周期と同じ。
5.運動は往復周期振動運動。バネの運動と同じ。
2R g
2
mgR
復習
2
GMF m
R万有引力を見直してみよう。
地球の密度を ρとすれば、
だから
地表での重力加速度は
地球トンネルのシャトルが感じる加速度の大きさは、
このことは、地球の中心から距離yにあるシャトルが受ける重力的力は地球と同じ密度を持つ半径yの球状物体から受ける力と同じであることを示している。
34
3M R
4
3
GF m R
4
3
Ga g R
2 4
3
Ga y y
復習
問: 前ページの議論を参考にして、あなたが地球から受ける重力の大きさを中心からの距離の関数として下のグラフに描け。TA3
R0 距離
重力
の大
きさ
(半径)
復習
r R 24
QE
r
r R34
QE r
R
問: 半径 R の球が一様に帯電している場合を考える。電荷総量は Q である。球の中心から r の距離の電界強度 E を求めよ。
TA4
復習
復習問 質量m の小さな固い物質が等速度 v でx軸に平行に走っている。時刻t= 0 でY軸上r0 の地点に達したとき、青い固い巨大な壁にぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度 v で運動を続けたとする。1)t< 0 のとき、物質の位置と運動量の x、y成分を書け。 TA5 2)t> 0 のとき、物質の位置と運動量の x、y成分を書け。 TA1 3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。 TA2 4)t< 0 のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。 TA35)t> 0 のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。 TA46)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの衝突している時間の合計の大きさと向きを書け。 TA5
y
x
v
O
r0 →rθ
問 質量m の小さな固い物質が等速度 v でx軸に平行に走っている。時刻t= 0 でY軸上r0 の地点に達したとき、青い固い巨大な壁にぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度 v で運動を続けたとする。1)t< 0 のとき、物質の位置と運動量
2)t> 0 のとき、物質の位置と運動量の 3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。
4)t< 0 のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。 紙面上向き
y
x
v
O
r0 →rθ
0( , ) ( , ),( , ) ( ,0)x yx y vt r p p mv
0( , ) (0, ),( , ) (0, )x yx y vt r p p mv
( , ) ( , )x yI I mv mv
0mr v 0(0,0, )mr v
復習
問 質量m の小さな固い物質が等速度 v でx軸に平行に走っている。時刻t= 0 でY軸上r0 の地点に達したとき、青い固い巨大な壁にぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度 v で運動を続けたとする。
5)t> 0 のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。ゼロ6)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの衝突している時間の合計の大きさ(時間積分)と向きを書け。
y
x
v
O
r0 →rθ
0(0,0, )mr v
復習
r R24
QE
r
r R34
QE r
R
中間テスト問題 2009年 12月 17日( 木 )
6.イギリスの天文学者エドモンド・ハレーが研究したハレー彗星は、公転周期 75.3 年、太陽への最近接距離8.8x1010 m 、最遠方距離 5.2x1012 m の長楕円軌道運動をする。ハレー彗星の感じる太陽重力は⑦であるから角運動量は⑧である。しかし回転半径は変化するから、ハレー彗星はコリオリ力を感じて軌道の線速度を変化させる。最近接距離にあるときの線速度は最遠方距離にあるときの線速度の⑨倍の 5.5x104 m/s である。これは第二宇宙速度より大きいが、ハレー彗星は太陽系の外に飛び去る事はない。それは太陽がハレー彗星に及ぼす重力ポテンシャルエネルギー U の絶対値が大きく U+K が⑩であるからである。
中間試験
1.日時: 12月11日 ( 木 ) 4,5限 2.場所: 1331番教室3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の 8 章までに学んだ範囲4.試験時間: 90 分程度5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可6.期末テストは1月22日予定、全範囲
期末1月 22日
8.非慣性系
8.1 並進運動座標系
8.2 回転座標系
角運動量保存則中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角度方向の速度を変化させる見かけ上の力が働く
2 dL mr C
dt
22
22 0
dL dr d dm r r
dt dt dt dt
2
22
d dr dr
dt dt dt
2
22 2
d dr dmr m mv
dt dt dt
8 - 2回転座標系
2 202F mr mb
02v r b
02p mv mb T2
2 202
2
pK mb
m
204L rp mb
ω0 m2b
右図のように紐に質量mの物体をつけて回転運動をさせる。始め紐の長さは2 b である。角速度はω0 である。
1.物体mに働く力の大きさと向きを書け。 TA1
2.物体mの速度の大きさと向きを書け。 TA2
3.物体mの運動量の大きさと向きを書け。 TA3
4.物体mの運動エネルギーの大きさを書け。
TA4
5 . 物 体 m の 角 運 動 量 の大き さ と 向 き を 書
け。 TA5
6.紐を引っ張る力Tの大きさと向きを書け。
TA1
8 - 2回転座標系
次に中心方向に紐を引っ張って半径を半分の b にしたところ、角速度は ω になった。
7. ω を求めよ。
8.物体mの速度の大きさは何倍になったか?
9.物体mの運動エネルギーは何倍になったか?
10.紐を引っ張る力Tの大きさは何倍になった
か?
11.運動エネルギーの変化を議論せよ。
ω0 m2b
ωmb
T
8 - 2回転座標系
7. 中心力は角運動量を変えないから、
8.速度は から に 2 倍になった。9.運動エネルギーは4倍になった。10.紐を引っ張る力Tの大きさは から へ 8 倍になった。
11.運動エネルギーの変化:半径をrとすると、
張力は N
運動エネルギーはW仕事分だけ増加した。
ω0 m2b
ωmb
T
2 202L m b mb 04
02b 04b
202T mb 2
016mb
2 204L mr mb
4 22 0
3
16bT mr m
r
24 2 4 2
2 20 003 22 2
16 86
bb b
b bb
b mbW Tdr m dr mb
r r
8 - 2回転座標系
右図のように紐に質量mの物体をつけて角速度ω0 の回転運動をさせる。始め紐の長さは2 b である。そして中心方向に紐を引っ張って半径を半分の b にしたところ、角速度 ω は 4 倍の、4ω0 になった。そして、線速度 v は 2倍の 4bω0
になった。
あなたが、物体mの中に居るとしよう。紐で引っ張られて中心方向に移動すると、上述のように物体の移動速度が大きくなる。あなたは物理を良く勉強しているので、物体mが進行方向に押されて速度が速くなったと思うだろう。しかし、実際は物体mは中心方向にしか引っ張られていない。不思議ではないか!
ω0 m2b
ωmb
T
8 - 2回転座標系
時刻tにおいて物体は中心から位置rのところにいるとする。そして一定速度 - vで中心方向に引っ張られているとしよう。
物体の角運動量が時間にたいして一定である特徴をつかって解析してみよう。
である。Lは時間に対して一定だから
ω0 mr
ωmb
T
222 0
dL dmr dr dmr mr
dt dt dt dt
2 2d dr
mr m m vdt dt
2L mr
8 - 2回転座標系
は物体の回転方向の運動量の時間微分なので
回転方向に働く力である。
とは、回転方向に の力が働くことを意味している。これを コリオリ 力という。コリオリ力によって回転方向の速度がどのように変化するかを調べよう。
dmr
dt
2d
F mr m vdt
2m v
8 - 2回転座標系
8 - 2回転座標系角運動量保存とは、
だから、
回転線速度の変化率は、 である。
上の関係式を用いると、
となる。よって、紐が 2b から b までの線速度の変化分△( rω) は、
222 2 0
dL dmr dr d dr dmr mr mr r
dt dt dt dt dt dt
2 0dr d
rdt dt
d r dr dr
dt dt dt
d r dr
dt dt
0 0 2
b bb
v v
b
d r drr dt dt dr
dt dt
だから、 であり、線速度の変化分△( rω) は、
紐が 2b のとき、線速度は だったから、
紐が b になったときの線速度は である。
2
0022
42
b
b
br dr b
r
02b
04b
2 204L m b mr
20
2
4b
r
8 - 2回転座標系
問 台風は地球規模の気象現象である。低気圧に向かって風が猛烈に吹き込む。台風の雲の渦巻きは左巻きである。これはコリオリ力の効果だろうか考察せよ。
TA2
8 - 2回転座標系
自転している地球の北極に棒を立てて振り子を振らせる。じっと観察する。重力は働く。摩擦はない。振り子はどうなる?TA3
8 - 2回転座標系
θ
mg
l
XY
O
地球
だから、
よって運動の式は、
教科書の解説の式とずいぶん違う。
θ
mg
l
XY
O
非慣性系: 8 - 1並進運動座標系2
22
dL dml N
dt dt
2
22
a cos gsind
ml mldt
2
2a cos gsin
dl
dt
平衡条件は
振り子は θ0 を中心に振動運動をする。θ
mg
l
XY
O0 0cos sin 0a g 0tan
a
g
0
0 0
0 0
0 0
0 0 0 0
0 0
cos sin cos sin
cos cos sin sin
cos sin sin cos
cos cos sin tan cos cos tan sin
cos cos sin cos cos sin
a g a g
a
g
a g
a aa g
g g
非慣性系: 8 - 1並進運動座標系
ついにこうなるので、目出度く教科書と一致する。
θ
mg
l
XY
O0
0
2 22 2
0
cos sin
cos cos sin
cos cos sin
cos sin sin
a g
aa
g
ag
g
g ag a
g
22 2
2sin
dl g a
dt
非慣性系: 8 - 1並進運動座標系
22 2
2sin
d
l g adt
a が加わることにより、角速度大きくなる
電気電子工学科 E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
問 1 太陽の周りを真円軌道で回っている惑星 A がある。面倒くさい神様がトナカイにのって現れ、惑星 Aを動径方向外側に惑星 A を押して太陽から遠ざけてしまった。そして神様は次のお客さんの所に去っていった。哀れ惑星 A は辛うじて太陽の周りを回ってはいるが軌道はどうなったのだろうか。① 以下の選択からあなたの候補一つを選んで丸を付けよ。イ)真円 ロ)楕円 ハ)双曲線② そして選んだ理由を 100字以内で書け。真円を保って半径が大きくなると角運動量は大きくなる。力のモーメントが働かない場合角運動量は変化しない。太陽周りを回る条件と合わせると軌道は楕円になる。
電気電子工学科 E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
問 2 と の二つの力がある。あなたの好きな力を選んで解答欄に記入せよ。③ あなたが選んだ力が保存力か否かを答えよ。否あなたの力を受け質量 1 の質点が x-y 平面内の原点周り半径 1 の円周上を運動する場合を考えよう。時刻 0で質点を に静かに置いた。④ 質点が円周上 にあるとき原点から見た質点に働く力のモーメント を求めよ。
⑤ 質点が再び元の場所に戻ってきたときの角運動量 を求めよ。
, ,0F y x ��������������
, ,0F x x��������������
0,0,1N ��������������
0,0,2L ��������������
2 20,0,1 1N y y y ��������������
0,0, 2L ��������������
電気電子工学科 E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
問 3 N さん:赤道上から真上に 10トンのロケットS号をドカンと打ち上げましょう。打ち上げ後すぐに速さが 1 km/s になったとき S号が感じるコリオリ力はどのくらいでどちら向きかしら? F 君:それは簡単、約 ⑥( 750, 1500, 3000, 5000 [N] )で ⑦(東 西 南 北 )向きです。 N さん:その後燃料は尽きたけれど S号は無事高度 3 万 5786km の静止軌道に達したわ。もしこのときの速さがどれくらい以上なら、ロケットは地球重力から永遠におさらばできるのかしら? F 君:それは簡単だけど、地球の半径を教えて。 N さん:そんなことも知らないの。赤道半径は6378km 、極半径は 6357km よ。 F 君:さすが、 N さん。それなら、約 ⑧( 11000, 7500, 4500, 3500 [m/s] )以上です。
電気電子工学科 E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
問 4 y 軸下方に働く重力 によって長さ l の紐につながれた質量 m が x-y 面内で振り子運動するとき、支点からみた角度 θ についての運動の式は である。振り子に働く力は中心力ではないから角運動量は時間変化する。最初 から静かに手を離したとき、⑨ 質点が に達したときの角運動量の大きさを書け。
⑩ 粘性抵抗係数 C があるとき、運動の式はどうなるか、上記微分式形式で書け。
sin
2
2
mgdt
dml
0 32L m gl
2
2sin
d dml mg Cl
dt dt
/ 2
電気電子工学科 E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
問 4 ⑪ C が臨界制動条件の値だとする。振り子の運動はどうなるか 100字以内で説明せよ。尚、初期は、中期は、終期は、の言葉を必ず用いよ。
初期は振り子の速さが小さいのであたかも粘性抵抗力がないかのように振れ、 中期は振り子を振る力と粘性抵抗力がつりあうところで速さが最大になり、 終期は振り子の速さが時間単調減衰しながら振り子はθ=0 の最下点に向かう。