100928hayasaka presen

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原子力による電力安定供給の必要性

東京電力株式会社

早坂 房次

平成22年9月28日

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、本講演の目的の範囲外の利用や他の方への複写による配布はご遠慮下さい。

出典:国連人口基金(UNFPA)東京事務所HPhttp://www.unfpa.or.jp/p_graph/pgraph.html

2

世界の推定人口:2010年時点69億人60年前の1950年には25億人、10億人を超えたのも18世紀に入ってから。世界人口は2050年には91億人になる見込み。僅か100年で4倍弱、300年で10倍近くに。

3

出典:「原子力・エネルギー」図面集2010

今年度発行のエネルギー白書(平成21年度版)にもこの図を引用開始

次ページに拡大

4

人類とエネルギーの関わり(2)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

5

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

西田正規『人類史の中の定住革命』2007年講談社学術文庫

およそ一万年前の地球の温暖化とともに定住社会が出現

6

季報 エネルギー総合工学 Vol28 No.1(2005. 04)

2004年11月1日の日本学術会議第5部/(社)日本工学アカデミーエネルギー基本戦略部会他/(財)エネルギー総合工学研究所共催の公開シンポジウム「日本のエネルギーに未来はあるか-有限の地球に生きる-」における石井吉徳先生基調講演より

??

安い石油の時代がグローバル化を支えた

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

7ジャレット・ダイアモンド 倉骨 彰訳『銃・病原菌・鉄』2000年草思社

本資料は草思社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

朝日新聞 「この十年間の も優れた書籍」( 2010/4/4)

8ジャレット・ダイアモンド 倉骨 彰訳『銃・病原菌・鉄』2000年草思社

本資料は草思社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

ある人間集団による他の人間集団の征服を可能にする究極の要因は、大陸の陸塊がどちらの方向に伸びているかである。

この究極の要因からいくつかの因果関係を経由して、ある人間集団による他の人間集団の征服を可能とする直接の要因が発生した。それらの要因とは、銃、馬、病気などである。

この図は、究極の要因と直接の要因とを結ぶ因果連鎖を図式的に示したものである。たとえば、栽培化ないし家畜化に適した野生の動植物が多かった場所では、人間の感染する疫病の病原菌が進化していった。

そこでの収穫物や家畜が人口の稠密な社会の形成を可能にし、そのような社会でこそ、家畜の細菌から進化した感染菌も潜みつづけることができた。

短期的に所得が増えても人口が増えることで常に相殺(マルサスの罠)

1250年~1800年のイギリスでは富裕層の出生率が貧困層の2倍→貧困家庭が断

絶→富裕層からの下方移動「種の淘汰」→人々の嗜好が中産階級化→利子率低下・殺人件数低下・労働時間延びる・暴力志向弱まる・読み書き計算の習慣が下層階級にも広がった。

・先進国の内部では平等化が進展、国家間の経済力の面で格差拡大・労働者の時間当たり賃金の国家間格差の拡大→実際には経済発展の遅れている国の労働者は実際には仕事をしていない→実際に仕事をしている時間当たり賃金格差は小さい・近代的な生産技術を活用するためには規律正しく良心的で仕事熱心な労働者が必要

出典:グレゴリー・クラーク 久保恵美子訳『10万年の世界経済史』2009年日経BP社

本資料は日経BP社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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10

出典:ウィリアム・バーンスタイン 徳川家広訳『「豊かさ」の誕生』2006年日本経済新聞出版社

本資料は日本経済新聞社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

1111

出典:ウィリアム・バーンスタイン 鬼澤忍訳『華麗なる交易』2010年日本経済新聞出版社

本資料は日本経済新聞社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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わたくしたちの生活

炊事洗濯掃除冷房暖房給湯移動・・・

あらゆるところで

奴隷や召使・家畜の代わりにエネルギーを使う事で成り立っている

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

Chart of crude oil prices since 1861

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出典:BP統計 2010http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/2010_downloads/statistical_review_of_world_energy_full_report_slidepack_2010.ppt

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これから石油価格が上がると予想

省エネや代替エネルギーの開発に努める

石油価格における期待のパラドックス(逆説)

石油価格は上がらない

これから石油価格が下がると予想

省エネや代替エネルギーの開発に努めない

石油価格が上がる

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

資源とは

• 濃縮している

• 大量にある

• 経済的な位置にある

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出典:石井『石油最終争奪戦 世界を震撼させる「ピークオイル」の真実』

太陽定数(大気表面の単位面積に垂直に入射する太陽のエネルギー量)が1366W/m2であるので地球の断面積を127,400,000 km²をかけると地球全体が受け取っているエネルギーは1.740×1017 W

1Ws=1J だから1年間に大気表面で受ける太陽エネルギーは1.740×1017 W×60s/m×60m/h×24h/d×365d/y=5.487×1024J

人類が全世界で1年間に使うエネルギーの量は原油換算で11,099.3×106t 1t=1.176kℓ 原油1ℓ=9,126kcal 1cal=4.2J

1.10993×1010t×1.176kℓ/t×103ℓ/kℓ×9,126kcal/ℓ×4.2J/cal×103cal/kcal=5.003×1020J

出典:BP統計 http://www.bp.com/sectiongenericarticle.do?categoryId=9023766&contentId=7044197石油連盟 http://www.paj.gr.jp/statis/kansan.html

約1万倍 しかし広く薄くしか存在しない

過去の太陽からのエネルギーを濃縮したものとしての化石燃料に頼ることに

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本資料は日本工業新聞殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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太陽のエネルギーは核融合(主に水素⇒ヘリウム)恒星の核融合では鉄までしかできないそれ以上重い元素は超新星爆発(恒星の死)できたもの地球は超新星爆発のゴミ(廃棄物の塊)ウランもその時にできたもの

化石燃料も広い意味でのバイオマスエネルギー(石油天然ガス生成に無機起源説=非生物起源説もあるが現在はそれを唱える人はほとんどいない)

石油・石炭・天然ガスは昔の貯金を取り崩して使っているようなもの

ウラン

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1717出典:田口一雄『石油はどうしてできたか』1993年 青木書店

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無機起源説まで含めた過程を炭素循環の視点からまとめた化石燃料生成過程

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石油が誕生するまで

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地層の背斜構造での石油のたまり方

出典:田口一雄『石油はどうしてできたか』1993年 青木書店

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19

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本資料は青木書店殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

貯留岩中に石油が含まれている状態

出典:田口一雄『石油はどうしてできたか』1993年 青木書店

21【上】出典:石井吉徳『石油 終争奪戦』日刊工業新聞

石油が自噴する様子は下記書籍の写真などが参考になる。

ダニエル・ヤーギン著 日高義樹・持田直武共訳『石油の世紀』上 日本放送出版協会「1901年1月10日スピンドルトップで海軍大佐アンソニー・カールスの油井が噴出。テキサス州の石油産業の劇的な始まり」~このような注記の写真が同書にある~

本資料は日本工業新聞殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

ピークを越して減退する非OPEC、非FSU諸国

自噴する油田

1の投入エネルギーで100のエネルギーが得られていた時代

21

・油田発見は1960年代がピーク・発見量を生産量が上回っている・確認埋蔵量が減らないのは回収技術の進歩と石油価格の上昇による投入できるコストの増大による

石油生産量を下回る油田発見

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(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

2323

資料ご提供 芦田譲京都大学名誉教授

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出典:『英和ビジュアルディクショナリー-分解博物館』同朋出版

いまから2億年くらい前、

世界の大陸は一カ所にまとまっていた。超大陸である。これが分かれる過程でいまの地中海、ペルシャ湾地域に「テチス海」と呼ばれる内海が出来、長い間赤道付近に停滞した。二酸化炭素は今より一桁も高く、気候は温暖、活発な光合成が作った藻類など、大量の有機物がテチス海に沈殿した。このテチス海が内海であったため酸欠状態であり、これが石油生成に幸いした。

中東の超巨大油田群は、このように地球史的な偶然によるものである。このような場所は他にはない、つまり第2の中東は無いのであ

る。人類はこの億年単位の地球遺産をたった百年、しかも20世紀後半の2・30年で一気に使ったのである。このようなことが長続きするはずはない。「地球は有限」なのである。

出典:石井吉徳「石油が危ない:瀕死のガワール油田」http://www007.upp.so-net.ne.jp/opinions/ghawar.htm

テチス海テチス海

石油資源に限りがあり、中東に集中している理由

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本資料は青木書店殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

世界の堆積盆地と主な油田の分布

出典:田口一雄『石油はどうしてできたか』1993年 青木書店

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中東地域の石油とガス田

本資料は作品社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

出典:ジャン=マリー・シュヴァリエ 増田達夫監訳 林昌宏翻訳『世界エネルギー市場』2007年 作品社

ガワール油田

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ガワール油田の規模 出典:石井吉徳「石油ピークが来た」日刊工業新聞

本資料は日本工業新聞殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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世界の原油確認埋蔵量(2008 年末)

出典:石油連盟 今日の石油産業2008

このような見方もあるが…

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本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

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EPR(Energy Profit Ratio)とは

「究極資源量」と「確認(可採)埋蔵量」

究極資源量

確認埋蔵量

現在の技術で経済的に採取できる資源の量(資源の価格や技術進歩で変わる)

出力エネルギーと投入エネルギーの比

1960年代の中東の石油はEPRが100を超えていたといわれる。

人間は採りやすいところから採掘。今後開発が考えられている超深海や北極海などではEPRは著しく低下が予想される。

オイルシェールやオイルサンド、オリノコタールなども低EPRになら

ざるを得ない。メタンハイドレートはそもそも資源と言えるかを確認している状態。

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

可採年数(R/P)

確認可採埋蔵量

現在の確認可採埋蔵量をその年の生産量で割ったモノ

現在の確認可採埋蔵量/その年の生産量

面積×厚さ×孔隙率×(1-水分飽和率)×回収率回収率:自噴(約20%)、回収率向上技術(40~50%)

既に発見されて採り出しうる量(出典)芦田譲京都大学名誉教授 2007年6月9日

京都科学カフェ講演「日本周辺の資源エネルギーと地域調和型社会の構築」資料 スライド26枚目http://education.ddo.jp/kagaku/ashida/ashida.pdf科学カフェ京都 http://ameblo.jp/kagaku/entry-10035268328.html 31

45.7年

62.8年

119年

100年

187兆4900億㎥

8,260億トン

547万トン1兆3,331億バーレル

●石油、天然ガス、石炭可採年数=確認可採埋蔵量/年間生産量……出典(1)●ウラン可採年数=確認可採埋蔵量/2006年消費量(原子力発電実績(2,675 TWh)に基づく)……出典(2)

出典:(1)BP統計2010 (2)NEA「URANIUM2007」

石油(2009年末)

天然ガス(2009年末)

石炭(2009年末)

ウラン(2007年1月)

世界のエネルギー資源確認埋蔵量

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石油・天然ガスは景気後退による消費(分母)減に伴い今回増加。石炭は消費量の急増により近年急速に低下。

ウランは探査すればいくらでもあるとの見方もある。例えば、オーストラリアやモンゴルにも新鉱山があるようですが、コストの関係で未開発。

Oil reserves-to-production (R/P) ratios

出典:BP統計 2010http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/2010_downloads/statistical_review_of_world_energy_full_report_slidepack_2010.ppt

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Natural gas reserves-to-production (R/P) ratios

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出典:BP統計 2010http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/2010_downloads/statistical_review_of_world_energy_full_report_slidepack_2010.ppt

35

LNG 輸入価格の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

Coal production – Coal consumption

1995年 235年 2001年 227年 2007年 147年1996年 228年 2002年 216年 2008年 122年1997年 224年 2003年 204年 2009年 119年1998年 219年 2004年 192年1999年 218年 2005年 164年2000年 230年 2006年 155年

36

出典:BP統計 2010http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/2010_downloads/statistical_review_of_world_energy_full_report_slidepack_2010.ppt

急速に低下する石炭の可採年数⇒アジア(中国・インド)の需要急増

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ウラン価格(U3O8)の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

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原子燃料サイクル

海外に依存しない!

経済産業省資源エネルギー庁資料 38

・太陽からのエネルギーがあるから大丈夫?・メタンハイドレードがあるから大丈夫?・石油もオイルシェールやオイルサンド、オリノコタールがあるから大丈夫?

・ウランも海水中には確認埋蔵量の1000倍ある100年×1000=10万年分?

(高速増殖炉利用で更に100倍なら1,000万年分?)

エネルギーの質を考えていない議論

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

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本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

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41逃げていくウサギを捕まえても、捕まえるのにもっと多くのエネルギーを使ったら生きていけない…

低下

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43(出典:「原子力・エネルギー」図面集2010

IEA世界石油生産見通し

(既に発見されている在来型油田)

(既に発見されている既知未開発油田)

(天然ガスリキッド生産)

(非在来型原油)

(回収技術向上による生産増)

これから発見される油田

(既に発見されている在来型油田)

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EPRが下がる(安い石油が無くなる)ということは…

奴隷や召使・家畜の代わりにエネルギーを使う事で成り立っている生活ができなくなる。

生活レベルを下げるか…

他の安価なエネルギーを確保しなければならない

EPR=27 EPR=5

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人間は賢明…きっと誰かが解決してくれる。しかし、現実には…

ジャレット・ダイアモンド 楡井 浩一訳『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』

2005年草思社

COLLAPSE How Societies to Fail or Succeedby

Jared Diamond2005 Viking Penguin

イースター島緑豊かだったイースター島。人口が増大。人々は石像建築

を競い、樹木を伐採。ついには食糧危機に…さらには殺し合い、そして…

マヤ文明人口増加と森林破壊。度重なる旱魃による飢餓により、支

配者階級がスケープゴートに。

ノルウェー領グリーンランド1300年頃には5000人の人口。寒冷化による食糧生産の低下

にあっても、上流階級は牛の飼育にこだわる。人々は比較的豊富だった魚を忌避。貧富の差が時代とともに拡大。イヌイットから生活の知恵を学ばず、急激に崩壊。

ルワンダ大虐殺(現代)フツ族とツチ族の部族対立が原因と言われているが、人口

圧力による農耕地不足も大きな要因。

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日本のエネルギー自給率

48(出典:平成21年度版国土交通白書)

49出典:国立社会保障・人口問題研究所日本の将来推計人口(平成18年12月推計)

輸入に占めるエネルギーの割合

出典:財務省貿易統計 http://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm

34%

50

化石燃料を年間20兆円前後輸入

51

-15,000

-10,000

-5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

億円

経常移転収支所得収支サービス収支貿易収支経常収支

貿易収支=輸出-輸入

経常収支=貿易収支+サービス収支+所得収支+経常移転収支

サービス収支:国境を越えた(居住者と非居住者の間の)サービスの取引を計上する。サービスとは、輸送、旅行、

通信、建設、保険、金融、情報(コンピュータ・データサービス、ニュースサービス等)、特許権使用料、その他営

利業務、文化・興行、公的その他サービス

所得収支:国境を越えた雇用者報酬(外国への出稼ぎによる報酬の受取等)および投資収益(海外投資による利子・

(出典:財務省 国際収支統計)

化石燃料の価格次第で日本の貿易収支も

日本の経常収支の推移

税収が公債発行額を下回るのは明治維新で近代財政制度になってから昭和21年(終

戦直後)以来2度目

52出典:財務省『平成22年度予算のポイント』http://www.mof.go.jp/seifuan22/yosan001.pdf

貧しかった日本(胸まで浸かった田植えの様子)

53本資料は竹内公太郎様の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

田植え(亀田郷土地改良区)

写真ご提供:竹村公太郎財団法人リバーフロント整備センター理事長

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20000

40000

60000

80000

100000

120000

-9000 -8000 -7000 -6000 -5000 -4000 -3000 -2000 -1000 0 1000 2000

西暦

0

100

200

300

400

500

600

-8800 -7800 -6800 -5800 -4800 -3800 -2800 -1800

54出典:鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』講談社学術文庫より作成

本資料は講談社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

725 925 1125 1325 1525 1725 1925

歴史時代の人口

現在

古代の人口

縄文早期

縄文前期

縄文中期

縄文後期

縄文晩期

弥生時代

日本列島の地域人口:縄文早期~2000年

江戸時代人口3000万人台で停滞

55

出典:鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』講談社学術文庫

地域人口の変動(1721~1846年)

18世紀小氷期の影響(太陽活動のマウンダー極小期)

ヨーロッパでは魔女狩り

本資料は講談社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

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貧しい時代は女性に厳しい時代(生殖可能期間の終了が人生の終了)

出典:竹村公太郎著 『日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント 』2003年 清流出版

本資料は清流出版殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

平均的な人生で女性が長い老後を送れるのは現代だけかもしれない。

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

女性<男性女性のほうが寿命が短い

女性≒男性

女性>男性

57山岡純一郎『田中角栄 封じられた資源戦略』2009年 草思社

本資料は草思社殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

こう言う見方も…東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。

58

59

60

汽力 内燃機化石燃料

計核燃料

使用済燃料再処理費

使用済燃料再処理等準備費

特定放射性廃棄物処理費

原子力関係費

燃料関係費計

原子力関係費比率

北海道 174,923 1,821 176,744 3,668 5,636 627 1,551 11,482 180,412 6.36%

東北 427,056 4,998 432,054 9,962 13,512 1,923 3,539 28,936 442,016 6.55%

東京 2,039,436 5,616 2,045,052 33,741 88,777 6,405 21,487 150,410 2,078,793 7.24%

中部 851,857 851,857 10,897 24,894 1,764 6,208 43,763 862,754 5.07%

北陸 144,050 31 144,081 6,044 4,863 1,237 1,212 13,356 150,125 8.90%

関西 596,939 54 596,993 41,196 78,381 5,808 15,947 141,332 638,189 22.15%

中国 309,004 2,544 311,548 5,512 10,012 657 2,310 18,491 317,060 5.83%

四国 103,074 4 103,078 8,712 13,515 1,030 3,625 26,882 111,790 24.05%

九州 265,084 18,326 283,410 22,188 30,415 3,750 8,668 65,021 305,598 21.28%

沖縄 40,970 11,027 51,997 0 0 0 0 0 51,997 0.00%

合計 4,952,393 44,421 4,996,814 141,920 270,005 23,201 64,547 499,673 5,138,734 9.72%

電力十社の平成21年度燃料関係費

化石燃料へ5兆円支払い(当社は2兆円)

海外に依存するため、将来の資源獲得競争で値上がり?

61

世帯当たりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費の推移

暖房と給湯の省エネ(53.8%)こそ重要⇒ヒートポンプの活用

家庭の省エネ=節電 ⇒ 誤解?

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

私の疑問(東電の公式見解ではありません)

• 安い化石燃料の時代は終わった

• 少子高齢化で日本経済の相対的地位低下

• 財政は危機的状況だが国内はそれほど危機感がない

• 96%(原子力を準国産エネルギーとしても81%)を輸入に頼る

• 将来もエネルギーを海外から今までと同じように買い続けることができるのか?

• 社会インフラはこのまま維持できるか?

• 影響は社会的弱者ほど大きい。

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

62

まとめ

• 現在の人類は化石燃料消費の上に異常繁殖した状態。

• 資源には限りがある。

• その資源を日本は海外に依存している。

• 高齢化で国際競争力が危惧され財政状況も悪化する日本はこのままエネルギーを買い続けられるか解らない。

• 現在の不況の根底にはエネルギー効率(エネルギー収支比)の低下がある。

• そのような状況では金融・財政政策では限界がある。

• 社会システム全体としてエネルギー効率を考えた議論でないと現在の人口は維持できない。

• 再生可能エネルギーにもエネルギー効率(エネルギー収支比)の視点が必要不可欠

• 生活レベルの低下は悲惨な結果を招きかねない。

• 精神論では克服できない。

63本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

雰囲気(空気)の議論は人類・日本・家族の将来を危うくする

64

再生可能エネルギーなど

65

駒橋-早稲田間の送電線

水主火従の時代(1910年ころ)

再生可能エネルギーの時代

本資料の目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

66

1890年(明治23年)

東京市内での電車運転は、東京電車鉄道(元の東京馬車鉄道)が1903年(明治36年)に架空線方式によって新橋-品川間の運転を開始したのが 初。

運輸部門が全て再生可能エネルギーだった時代?

鉄道馬車

電車

本資料の目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

67

水主火従のから火主水従へ(東京電力創立=昭和26年頃)

水主火従 火主水従

1951年~2008年

68

69

我が国の再生可能エネルギー等のこれまでの導入推移(一次エネルギー供給ベース)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

70

再生可能エネルギーと利用形態の俯瞰図

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

71

再生可能エネルギーでは大きな割合を占める日本 大(揚水式を除く)の水力は奥只見の56万kW日本 大に発電所は柏崎刈羽原子力は821.2万kW(14.7倍)世界には三峡ダム水力(中国)1,820万kW(奥只見の32.5倍)イタイプ(ブラジル・パラグアイ)の1,260万kW(水力)もある。

日本の水力開発の適地はほぼもう余地がない。

72

主要先進国における再生可能エネルギー利用状況(2007)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

73

世界の再生可能エネルギー消費構成(2007)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

74

日本のエネルギー国内供給構成及び自給率の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

75

一次エネルギー総供給に占める割合太陽光 3%× 6%=0.18%風力 3%× 7%=0.21%バイオマス熱 3%×16%=0.48%

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

これから増やすことは大変だし主たるものになるとは考えにくい。

一次エネルギー国内供給に新エネルギーが占める割合

0.00%

1.00%

2.00%

3.00%

4.00%

5.00%

6.00%

7.00%

2005年度 2020年度 2030年度

太陽光発電

風力発電

廃棄物発電+バイオマス発電

バイオマス熱利用

その他

2005年度 2020年度 2030年度太陽光発電 0.06% 0.62% 2.47%風力発電 0.07% 0.36% 0.51%廃棄物発電+バイオマス発電 0.43% 0.70% 0.94%バイオマス熱利用 0.24% 0.59% 0.80%その他 1.17% 1.36% 1.36%合計 1.98% 3.63% 6.09%

「その他」には、「太陽熱発電」、「廃棄物熱利用」、「未利用エネルギー」、「黒液・廃材など」が含まれる。

出典:総合資源エネルギー調査会需給部会

平成20年5月

『長期エネルギー需給見通し』

太陽光発電を40倍に増やす最

大導入ケースでも、一次エネルギー国内供給に占める割合は2.47%に過ぎない。

76

77

78

太陽光発電の出力変動(春季) 風力発電の出力変動(冬季)

太陽光発電は

時間と天気で

発電量が変わる

風力発電は

風の強さで

発電量が変わる

出典:電気事業連合会資料、北海道電力ほりかっぷ発電所

0 6 12 18 24

1,200

1,000

800

600

400

200

(時)

(kW)

発電電力量

定格出力(1,100kW)

(kW)

発電電力量

2.5

2

1.5

1

0.5

06 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

容量3.2kW、北緯34.4°、東経132.4°、方位角0(真南)、傾斜角30°の場合

(時)

晴れ

曇り

太陽光・風力発電の出力変動

79

80

太陽光発電等の再生可能エネルギー大量導入時の課題

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

81

82

都道府県別太陽光発電設備利用率分布表

0

1

2

3

4

5

6

79.0

%

9.1

%

9.2

%

9.3

%

9.4

%

9.5

%

9.6

%

9.7

%

9.8

%

9.9

%

10.0

%

10.1

%

10.2

%

10.3

%

10.4

%

10.5

%

10.6

%

10.7

%

10.8

%

10.9

%

11.0

%

11.1

%

11.2

%

11.3

%

11.4

%

11.5

%

11.6

%

11.7

%

11.8

%

11.9

%

12.0

%

12.1

%

12.2

%

12.3

%

12.4

%

12.5

%

12.6

%

12.7

%

12.8

%

12.9

%

13.0

%

設備利用率

都道

府県

秋田県:9.1% 高知県:12.7%

全国平均11.2%

出典:財団法人新エネルギー財団「都道府県のkW当たりの年間発生電力量と年間売電電力量(10年間)[1995.4~2004.3]」

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

出典:『地球を考える会』(http://enecon.netj.or.jp/index.html)有馬朗人元文部大臣・元東大総長講演資料

http://enecon.netj.or.jp/forums/100307tokyo/pdf/arima.pdf

有馬元東大総長・元文部大臣の太陽光発電の御試算(1/2)

83

日照時間が5時間以上はその65%程度

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

出典:『地球を考える会』(http://enecon.netj.or.jp/index.html)有馬朗人元文部大臣・元東大総長講演資料http://enecon.netj.or.jp/forums/100307tokyo/pdf/arima.pdf

有馬元東大総長・元文部大臣の太陽光発電の御試算(2/2)

84

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部再生可能エネルギー全量買取意見受付担当宛E-MAIL:re-kaitori@meti.go.jp

再生可能エネルギーの全量買取制度に関するオプションについての意見募集(経済産業省)

意見受付期間ヒアリングを希望する場合は、平成22年5月31日(月)18:00必着

上記期間以降も随時意見を受け付け、参考とさせていただきます。 85

オプションにおけるケースの設定

配付資料にあります

有馬元東大総長・元文部大臣の御試算を基に考えてみると

想定年間

発電量

(億kWh)

日本の電力総発電量(1.19兆kWh)に占め

る割合

日本の一次エネルギー省消費(6.1兆kWh)に占める割合

【参考】

CO2削減

コスト(円/t)

【参考】

年間

買取費用

(億円)

ケース1 513以上 4.3%以上 0.84%以上 52,297以下 16,083以上

ケース2397~

5133.3%~

4.3%0.65%~

0.84%25,743~

28,8546,131~

8,873

ケース3397~

4813.3%~

4.0%0.65%~

0.79%19,407~

21,7984,622~

6,292

ケース4 397 3.3% 0.65% 20,596 4,906

86

本資料は選択出版殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。 87

88

出典: http://app2.infoc.nedo.go.jp/nedo/webgis

風力発電は平均風速が6m/s以上ないと事業化は難しいといわれる。

陸上で風況の良い地点は北海道・東北や九州の一部に集中。更に山頂等が風況が良いが設置には道路建設から行わなければいけない。また、日本は台風など瞬間的に大きな風が吹く。平均して一定の方向の風が吹く国に比べ設備的に難しいなど諸外国に比べ一般的に条件は良いとは言えない。

89

日本列島周辺の風の状況

90

出典:(財)エネルギー総合工学研究所第293回月例研究会『再生可能エネルギー由来水素の長距離輸送の経済性』(財)エネルギー総合工学研究所プロジェクト試験研究部 村田謙二氏講演資料

本資料は(財)エネルギー総合工学研究所殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

91

風力の総設備容量に占める各地域別の割合

(出典:平成21年度版エネルギー白書) 91

The map shows the mean wind speed in ms‐1 @ 10 m a.g.l. for the period 1976‐95, according to the NCEP/NCAR reanalysis data set出典:http://www.windatlas.dk/World/Index.htm

92

世界の風の状況

アルゼンチンのパタゴニア地方などは風力発電に適しているとも言われる。

洋上風力も水深200m程度まで。日本近海は急峻なため大陸棚のある場所とは違う

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

本資料は思文閣出版殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

出典:安田・松岡編『日本文化と民族移動ー文明と環境Ⅱー』1994年 思文閣出版 93

94

約2万年前の日本列島

本資料は東京大学出版会殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

出典:太田陽子他『日本列島の地形学』2010年 東京大学出版会

95

我が国の水力の出力別分布(地点数)※第五次包蔵水力調査

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

96

数は多いが出力はあまりない

規模別累計

注)計算に当たっては下記にて代表計算100000~50000~10000030000~5000010000~300005000~100003000~50001000~30001000未満

⇒ 200,000kW⇒ 75,000kW⇒ 40,000kW⇒ 20,000kW⇒ 7,500kW⇒ 4,000kW⇒ 1,500kW⇒ 500kW

97

日本の水力発電設備容量及び発電電力量の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

98

我が国の地熱の開発可能性

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

99

日本の地熱発電設備容量及び発電電力量の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

100

主なバイオマス未利用量

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

101

石炭火力との混焼が可能なバイオマス

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

102

電気新聞掲載記事 竹村公太郎『エネルギーと日本文明』

江戸時代に一度オイル・ピークを迎えた日本

バイオマスに基づく循環型社会では日本国内で3000万人程度の人口を維持することが限界丸山重徳『「地球温暖化」論に騙されるな!』養老・竹内『本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー』など

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

文明の歴史は森林破壊の歴史であった

石・安田・湯浅『環境と文明の世界史』石井『石油ピークが来た 崩壊を回避する』石井『石油最終争奪戦』養老・竹内『本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー』竹村『幸運な文明 日本は生き残る』竹村『日本文明の謎を解く 21世紀を考えるヒント』

日本国内の森林資源は現在が有史以来最大

石・安田・湯浅『環境と文明の世界史』養老・竹内『本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー』

103

禿げ山になった江戸時代の日本

歌川広重(安藤広重)東海道五十三次 江尻

歌川広重(安藤広重)東海道五十三次 丸子

歌川広重(安藤広重)東海道五十三次 府中

歌川広重(安藤広重)東海道五十三次 舞阪

提供:マナベ測量登記事務所 浮世絵サロン http://www.aurora.dti.ne.jp/~k-manabe/uki.htm

竹村『エネルギーと日本文明』

104

現代(1965年頃)と明治大正(1900年頃)の国土利用

明治期より緑の増えた日本

104本資料は朝倉書店殿とPHP研究所殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

出典:養老孟司・竹村公太郎『本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー』2008年 PHP研究所

105本資料はPHP研究所殿の承諾を得て転載しています。無断での再複写・転載・配布等は法律に反します。

出典:養老孟司・竹村公太郎『本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー』2008年 PHP研究所

禿げ山になった日本

・日本国内の森林資源は現在が有史以来(縄文時代をのぞく) 大とも言われる。

・森林からのバイオマスでまかなえるのは長期的には成長の範囲内。(ストックの1%程度?)

・外国が水資源の確保の問題も考え日本の森林を購入する動きもある。

森林資源を大切に使っていく必要(過度な期待は禁物)

本資料は東京電力の公式見解ではなく早坂の個人的見解です。また、目的外利用や複写による配布はご遠慮下さい。

106

森林が無くなるときは文明が滅びるとき

107出典:デイビッド・モンゴメリー著 片岡夏実訳『土の文明史-ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』2010年 築地書館

土壌浸食は文明崩壊の原因かもしれない

108

森林を伐採して…

?本写真はイメージであって実際に森林を伐採して設置したことを意味していません。

109

二次エネルギー:他のエネルギーから作られるエネルギー

水素

炭化水素(他の化石燃料)から作る

水から作る

電気分解熱分解光分解放射線分解

水蒸気改質法部分酸化法など

110

水素について

水素は電気と同じ二次エネルギー

石炭を使って作る ガス化

これでは化石燃料が必要なことは変わらない

電気を何からつくるかで結局同じ。再生可能エネルギーからの電気に期待するのは疑問。

量的にはあまり期待できない

バイオマス・廃棄物利用(炭化水素から作る方法の一つ)

微生物分解など

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

独立行政法人工業所有権 情報・研修館 流通部 『特許流通促進事業』平成17年度 特許流通支援チャート 一般20 水素製造技術http://www.ryutu.inpit.go.jp/chart/H17/ippan20/frame.htm 111

水素の製造方法

出典:『地球を考える会』原子力の日記念講演会「みんなで考えよう!! エネルギーと地球環境問題」http://enecon.netj.or.jp/forums/091026fukuoka/index.html(財)電力中央研究所 原子力技術研究所 特別上席研究員 天野治氏 「石油ピーク後のエネルギー」講演資料

http://enecon.netj.or.jp/forums/091026fukuoka/091026 amano.pdf

112

水素をインフラ面から考える(自動車を例に全体の観点から)

液体から高圧の気体に

ガス 冷却

液体-162℃

水素製造(天然ガス改質)

日本へ

H2ガス

冷却 -263℃

液体

スタンド

インドネシア

水素自動車

高圧タンク

高圧でタンクに供給

④⑤

⑥⑦

インドネシアから日本までの液化輸送にエネルギーがかかる。

この部分しか着目していない。

113

高温ガス炉(原子炉)による水からの水素製造

(

原子力による低炭素社会の実現に貢献する研究開発

原子炉

最先端の水素製造技術-熱化学法ISプロセス次世代超高温ガス炉に最も近い

HTTR(定格出力 30MW)

○高温工学試験研究炉(HTTR)を活用して水素製造と発電の実現が可能な高温ガス炉技術基盤を確立

○高温ガス炉からの高温核熱を利用して、炭酸ガスを排出しない熱化学法ISプロセスによる水分解水素製造技術を開発

原子炉出口温度950℃を達成 (平成16年4月)

50日間の高温連続運転を完遂 (平成22年1月~3月)

核熱

硫黄の循環

(S)

酸素 水素

900℃ 400℃

ヨウ素の循環

(I)

ヨウ化水素と硫酸の生成

ヨウ化水素の分解

硫酸の分解

資料ご提供「日本原子力研究開発機構」

114

原子力の安全性など

原子力発電所の安全性について

原子力発電所・ジェット旅客機・自動車でどれが一番危ないとお聞きすると(一般の方の答え) 原子力発電所>ジェット旅客機>自動車(実際には) 自動車>ジェット旅客機>原子力発電所

交通事故による死者(早坂推計)

(昭和30年~平成20年の累計)

24時間以内 約557,000人3日以内 約644,000人1年以内 1,000,000人超

ジェット旅客機第四世代旅客機で今世

紀に入って先進国の死亡事故はブラジル沖のエールフランス機墜落のみ

原子力発電所1966年の東海発電所

運転開始以来原子炉の事故での死亡者は国内ゼロ

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

• ユニオンカーバイド社事故:インド・ボパールの化学工場から有毒ガスが流れ出た事故。その夜のうちに2000人以上が死亡し、15–30万人が被害を受けた。数ヶ月以内に新たに1500人以上が死亡し、 終的に、様々な要因で1万5000人~2万5000人が死亡したとされる。 (1984年12月3日)

• ブラジル沖エールフランス航空エアバスA330-200型機事故、乗客・乗員228名の生存は絶望的(2009年6月1日)

• JR西日本福知山線事故 死者107名(2005年4月25日)

チェルノブイリ事故(1986年4月26日)・事故そのものの死者は31名(爆発による死者など3名を含む)・小児甲状腺ガンの増加があるが99%は存命と言われる

JCO事故(1999年9月30日)・死者2名、燃料加工工場での事故

美浜3号機事故(2004年8月9日)・死者4名、二次冷却系の復水配管から蒸気漏れ

スリーマイルアイランド事故(1979年3月28日)・放射性物質による住民や環境への影響はほとんど無かった。

<参 考>

115

出典:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6820.html 116

117

平成22年9月16日電気新聞

118http://www.iaea.org/Publications/Reports/gponi_report2005.pdf

Global Public Opinionon Nuclear Issuesand the IAEAFinal Report from18 Countries

世界的に見ても低い日本の原子力理解

119

120

121

122

原子力の安全に対する考え方の資料(配付資料にあります)

123

124

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

無責任でアジテーショナルな報道や言動について

チェルノブイリの事故の時ヨーロッパでは数千人が人工中絶をしたと

言われる。

数千の生命を奪った

日本でも例外ではない・ハンセン病隔離政策・ダイオキシン騒ぎ…

ハンガリーの女性科学者トスさん(Toth, Eszter RAD Laboratory, National Center for Public Health)は事故当時啓蒙に努めハンガリー国内では公式にはチェルノブイリ事故による人工中絶は無かったと言われている。

明るさを表わす単位

〔ルクス(lx)〕

放射線によってどれだけ影響があるのかを表わす単位

〔シーベルト(Sv)〕

懐中電灯

放射性物質

光を出す能力

光の強さを表わす単位

〔カンデラ(cd)〕

放射線を出す能力

(放射能)※

放射能の強さを表わす単位

〔ベクレル(Bq)〕

※放射能を持つ物質(放射性物質)のことを指して用いられる場合もあります

出典:資源エネルギー庁「原子力2009」

放射能と放射線

125

出典:資源エネルギー庁「原子力2009」他

日常生活と放射線

ブラジル・ガラパリの放射線(年間、大地等から)

10

2.4

0.2

0.022

6.9

1.0

0.05

1人あたりの自然放射線(年間)(世界平均)

国内自然放射線の差(年間)(県別平均値の差の 大)

東京―ニューヨーク航空機旅行(往復)(高度による宇宙線の増加)

再処理工場からの放射性物質の放出による評価値(年間)

クリアランスレベル導出の線量目安値(年間)

胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)(1回)

一般公衆の線量限度(年間)(医療は除く)

0.6

胸のX線集団検診(1回)

原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値(年間)(実績ではこの目標値を大幅に下回っています)

胃のX線集団検診(1回)

宇宙から0.39

大地から0.48

食物から0.29

空気中のラドンから1.26

岐阜 神奈川

0.4

放射線の量(ミリシーベルト)

10

1

0.1

0.01

126

127

128

『放射線の人体への影響』日本学術会議総合工学委員会主催「原子力総合シンポジウム2010」放射線医学総合研究所 酒井一夫氏講演資料 【配付資料にあります】

LNTの考え方によれば、どんなに微量の放射線であっても、線量に応じたリスクの増加があることになるので、微量の放射線によるリスクを多人数に適用すればがん死亡数が算定されることになる。チェルノブイリ事故の影響を評価するにあたり、対象を全世界に拡大して、事故による被ばくに起因する死者が数万人に達するという議論があったが、この一例といえよう。いまだにこのような例が後を絶たないが、国際放射線防護委員会(ICRP)では2007年に発表した勧告の中で、微量の放射線による計算上のリスクを多人数に適用して、死亡数などを算定することは適切ではないと注意喚起している。

129

高速増殖炉について

130

<参 考>

ウランの核分裂とプルトニウムの生成・核分裂

●軽水炉の核分裂とプルトニウムの生成

●高速増殖炉の核分裂とプルトニウムの生成(増殖)

ウラン235

プルトニウム239

プルトニウム239

熱エネルギー

熱エネルギー

熱エネルギー

中性子

中性子

中性子

中性子

中性子

ウラン238

ウラン238

プルトニウム239

中性子

熱エネルギー

減速された中性子

プルトニウム239

減速された中性子

ウラン235

ウラン238

131

132

出典:文部科学省「高速増殖炉もんじゅ研究開発の意義と必要性」

高速増殖炉(FBR)のしくみ

原子炉容器

制御棒

原子炉格納容器

蒸発器

タービン 発電機

タンク

2次系ナトリウム中間熱交換器蒸気

1次主循環ポンプ

2次系ナトリウム

給水ポンプ

2次主循環ポンプ

循環水ポンプ

復水器

放水路へ

冷却水(海水)

空気冷却器

1次系ナトリウム

燃料

冷却材には熱のよく伝わる液体金属(ナトリウム)を使う

蒸気でタービンを回し発電する

燃料にはプルトニウムとウランを混ぜたもの(MOX燃料)を使う

原子炉で発生した熱はナトリウムから水に伝えられ、水は蒸気となる

過熱器

133

134

原子燃料サイクル

海外に依存しない!

経済産業省資源エネルギー庁資料 134

135出典:独立行政法人 日本原子力研究開発機構HPhttp://www.jaea.go.jp/04/fbr/top.html

高速増殖炉の開発目標

136

【FBRサイクル】エネルギー問題・地球環境問題の同時解決

原子力は消費する資源あたりに発生するエネルギーが極めて大きく、その発電過程で殆ど温室効果ガスを発生しません。放射性廃棄物を適切に処理・処分することで、クリーンなエネルギーといえます。

とはいえ、現在の原子力で利用しているウランにも限りがあります。FBRサイクルは、ウランをプルトニウムに変換でき、ウランの持つ潜在的なエネルギーを 大限引き出すことができる技術です。このため、FBRサイクルは、エネルギー問題・地球環境問題の同時解決に向けて大きく期待されています。

出典:独立行政法人 日本原子力研究開発機構HPhttp://www.jaea.go.jp/04/fbr/top.html

137出典:「原子力・エネルギー」図面集2010

【参考】2010年7月13日日本原子研究開発機構の原子力委員会への報告「FBRサイクル実用化研究開発(FaCT)フェーズ1の成果取りまとめ状況」ではFBRサイクルによる発電原価2.6円/kWh

138

もんじゅ運転再開に時間がかかった背景

ソ連の崩壊の影響

安全の問題よりはコスト=EPR

核不拡散の問題

(あくまでも早坂の個人的見解で東京電力の公式見解ではありません)

139出典:原子力政策大綱 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/taikou/kettei/siryo1-3.pdf

140

高レベル放射性廃棄物について

<参 考>

141

高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)ができるまで

高レベル放射性廃液

ガラス原料 排気

ガラス溶融炉

溶融ガラス

耐火レンガ(セラミック)

溶融ガラス

固化ガラス

キャニスター(ステンレス鋼製容器)

電極

容器肉厚約5mm

Φ約430mm

固化ガラス

ステンレス鋼製容器

約1,340mm

ガラス固化体の性状体積:固化ガラス約150ℓ重量:約490kg(空容器の重量は約90kg)

再処理工場で発生した高レベル放射性廃棄物(廃液)は、ガラス原料とともに高温で融かし合わせ、ステンレス鋼製容器(キャニスター)の中で固化し、ガラス固化体という安定した状態で貯蔵される。

142

高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の貯蔵概念図

冷却空気出口

冷却空気入口

貯蔵ピット

ステンレス鋼製容器(キャニスター)

ステンレス鋼製容器(キャニスター)

固化ガラス

収納管

通風管

ガラス固化体

約1.9m

収納管ふた

冷却空気

冷却空気出口シャフトへ

低い気圧

プラグ

貯蔵ピット拡大図

高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)貯蔵庫には収納管があり、収納管1 本あたり9 本のガラス固化体をたて積みで収納する。冷却は間接自然空冷方式で行われ、冷却用空気はガラス固化体に直接接触しないよう収納管の外側を通る構造となっている。

143

高レベル放射性廃棄物は、将来のいかなる時点においても人間環境に影響を及ぼさないように、適切な条件をもつ地層に多重バリアシステムを構築して埋設される。

144

高レベル放射性廃棄物の地層処分の概念図

斜坑

斜坑

地上施設

地下施設(地層処分低レベル

放射性廃棄物)

地下施設(高レベル放射性廃棄物)

処分パネル(処分坑道の集合した区画)

立坑

連絡坑道

立坑

立坑

地層処分施設のレイアウト例高レベル放射性廃棄物と地層処分低レベル放射性廃棄物の地層処分施設を併置した例

仕様の一例(結晶質岩、深度1,000mの場合)

地上施設 敷地面積1~2㎢

高レベル

放射性廃棄物の

地下施設

大きさ(平面)

約3㎞×約2㎞

地層処分低レベ

放射性廃棄物の

地下施設

大きさ(平面)約0.5㎞×約0.3㎞

高レベル放射性廃棄物は、300メートル以深の地下に埋設(地層処分)

され、

終的には処分トンネルそのものを埋め戻して完全に密閉する。

145

放射能は時間とともに減衰していく性質があるが、高レベル放射性廃棄物については、放射能がウラン鉱石と同程度の強さに減衰するまでに数万年を要する。

使用済み燃料だとウランの放射能レベルにまで下がるのに数10万年以上かかり、反対に超ウラン元素も併せてとる先進的な再処理を行えば、数千年オーダーまで下がるともいわれています。

146高レベル放射性廃棄物は、諸外国においても地層処分が検討されており、深い地層中の地下水の動きや岩盤等についての研究が行われている。

フィンランド・スウェーデンは処分地決定

147

学界も前向きに取り組み

ご静聴ありがとうございました。

参考資料集

150

世界の一次エネルギー供給の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

151(出典:平成21年度版エネルギー白書)

152

各国の年代別平均一次エネルギー総供給

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

153

GDP 当たりの一次エネルギー総供給の主要国比較(2007 年)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

154

各国のエネルギー消費のGDP 原単位

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

155

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

156

各国の一次エネルギー構成の変化(出典:平成21年度版エネルギー白書)

157

各国の一次エネルギー自給率の推移(出典:平成21年度版エネルギー白書)

158

各国の石油中東依存度の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

159

各国の化石エネルギー輸入先構成

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

160

各国のチョークポイント依存度の推移(出典:平成21年度版エネルギー白書)

161(出典:平成21年度版エネルギー白書)

162(出典:平成21年度版エネルギー白書)

163

各国の発電電力量構成の変化

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

164

各国の年代別平均エネルギー源別シェア(出典:平成21年度版エネルギー白書)

165

2000 年代の各国の一次エネルギー自給率(原子力除く)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

166(出典:平成21年度版エネルギー白書)

日本の自給率の推移

167

アメリカのエネルギー自給率の推移

イギリスのエネルギー自給率の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

168

ドイツのエネルギー自給率の推移

フランスのエネルギー自給率の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

169

韓国のエネルギー自給率の推移

中国のエネルギー自給率の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

170

地域別天然ガス埋蔵量(2008 年末)(出典:平成21年度版エネルギー白書)

171

172

出典:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物機構 市原路子氏 2009/04/16 ブリーフィング資料 『北米のシェールガス革命』http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=0904_b03_ichihara_shalegas%2epdf&id=2795

173

174

175

176

一次エネルギー国内供給の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

177

終エネルギー消費と実質GDP の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

178

我が国のエネルギー供給の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

179

発電電力量の推移(一般電気事業用)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

180

LNG の供給国別輸入量の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

181(出典:平成21年度版エネルギー白書)

182

家庭部門におけるエネルギー消費の推移

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

183(出典:平成21年度版エネルギー白書)

184(出典:平成21年度版エネルギー白書)

185(出典:平成21年度版エネルギー白書)

186

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

187

石炭可採埋蔵量・生産量・可採年数(地域/国別)

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

188

石炭火力発電におけるバイオマス混焼利用の概要

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

189

ガソリンと比較した場合の原料別の温室効果ガス排出量

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

190

各エネルギー源の発電コスト

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

191

アメリカの再生可能エネルギー

イギリスの再生可能エネルギー

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

192

ドイツの再生可能エネルギー

フランスの再生可能エネルギー

(出典:平成21年度版エネルギー白書)

193

スペインの再生可能エネルギー

イタリアの再生可能エネルギー

(出典:平成21年度版エネルギー白書)